前回のslate digital VCCの使い方研究(channel編)に続いて、
今度はMixBussの特性を見ていきます。

ご興味がおありの方は先に
slate digital VCCの使い方研究(channel編)をどうぞ。


前回同様に個別に特性などを見ていきます。

slate digital VCC 2.0


個別に見ていく前にまずMixBuss全体の特性として、
Channelの方が音作りに使っていけるほど、
イコライジングカーブに変化があるのに対して、
MixBussは全体をまとめるという点から
比較的大人しい作りになっています。

Channelのようにドライブを大きく回しても
少し音量が大きくなるくらいで
イコライジングカーブが大きく変わるということはありません。



Brit 4k E & G


SL4000 E console


Brit 4kのイコライジング特性

やんわり山型になるのはchannel版のSSLと同じです。

倍音構成もchannel版とほぼ同じですね。

オリジナルの正弦波

Brit 4K Eの倍音特性

倍音特性はドライブを回してもあまり変化がありません。


音作りに積極的に使うと言うよりは、
全体的にうっすらと雰囲気をまとめるような感じで使うのが
一般的なMixBussの使い方だと思いますが、
Brit EとBrit GにはINPUTをかなり多めに突っ込むと
位相がかなり乱れるというChannel版にはなかった特性があります。


INPUTを多めに突っ込んだ場合

INPUTをかなり多めすると1kHzより上の位相がかなり乱れているのがわかります。
空気感を感じさせる14kHzあたりから上はかなり波を打っていますね。


一番振れ幅が大きいところで2dB分くらい揺らいでいます。

こういう使い方はあまりしませんが、
敢えてレトロな、音質の悪い感じにしたいときには
飛び道具的に使えるセッティングです。

Brit GとBrit Eのイコライジングカーブ比較画像

Brit Gの方もBrit Eとかなり似た特性を持っていますが、
Brit Gの方がよりリニアでカーブの乱れが少なくなっています。

INPUTを突っ込んでいくよりその特性は顕著になっていき、
Brit Eは中低域が、Brit Gは高域がかなり乱れていきます。


INPUTを多めにした時の
Brit Gと
Brit Eのイコライジングカーブ比較画像

Brit GはBrit Eに比べると高域の乱れが大きいものの、
楽器の基音がある帯域では(40Hz~4000Hzくらい)では
Brit Eと比べればある程度フラットなカーブを維持しています。

Brit Eは低音が思い切り痩せてしまっていますね。

高域のカーブが乱れるということは高域にノイズが入るということですが、
SSLの廉価版のマイクプリを自宅で使っていて同じ特性が出るので
SSLの特性なのかもしれません。
(ほかのAPIのマイクプリなどはまた違う特性があります)


個人的にはアナログ的な音が欲しいからこそVCCを使用するのですが、
Brit Eはよりアナログ的、Brit GはBrit Eよりもリニアな感じという観点から
両者を選択しています。

ほとんど場合は
Brit Eを使っています。



US A

API console

US Aのイコライジング特性

US Aのイコライジングカーブは50Hz辺りから
ほんの少しHPFが掛かる以外は完全にフラットです。

この特性はドライブを最大まで回しても変化がありません。

channel版に見られるようなわずかにハイが立つ特性や
ブーストするとローが膨らむ特性も

MixBussではなくなっています。


API3124+というマイクプリアンプを使用しているのですが、
実機の
API3124+は最大までブーストしても
ほとんどノイズが入らないクリーンな感じなので
API製品の特性なのかもしれません。


US Aの倍音特性

MixBussらしいやや控えめな奇数系の倍音増幅です。


ドライブを動かしてもイコライジングカーブに変化がない分、
US Aは
ドライブを動かしたときの倍音の違いがほかのものに比べると顕著です。

非整数倍の倍音が増えて音が荒くなっていく印象です。



Brit N

NEVE console

Brit Nのイコライジング特性

同じイギリス系でもSSLと違ってNEVEはどちらかというとAPIに近い特性です。
40Hz辺りからの軽いHPF以外はAPIと同じくフラットで
この特性はブーストしても変わりません。

channel版の挿すだけでローが膨らむ特性もなくなっています。


Brit Nの倍音特性

API同様に控えめな倍音増幅で、
ドライブを回していくと整数倍・非整数倍ともに倍音が増えていきます。

もともとNEVEは音が立つという点では地味目なので
多少ドライブを多めに回しても良いかもしれません。


trident

trident console

tridentのイコライジング特性

Channel版が持っている特性をMixBuss版でもそのまま
踏襲しています。

挿すだけでも少し1kHz辺りからシェルビングでハイが立ちますが
ドライブを回していくほど顕著になっていきます。

Tridentの倍音特性

ほかのMixBuss同様に控えめな奇数系です。
ドライブを回すと僅かに倍音が増幅しています。



・RC tube

RCtubeは実機の特定出来ないレトロなコンソールであると
前回のchannel編のブログで書きましたが、
MixBussでも
channelと同じく真空管の特性や
アタックがやや遅めのコンプレッサーの機能を持っています。

RCtubeのコンプ特性

コンプレッサーとしての特性はChannel版と似ていて
アタックタイムが180msec程度の軽いコンプレッションです。


RcTubeの倍音特性


倍音特性は真空管らしい偶数系です。
channel版もそうですが、唯一の偶数倍音系ですので、
真空管らしい偶数倍音の歪みが欲しいときはRCtubeを選択することになります。


・まとめ

ChannelとMixBussの両方の特性を見てみましたが、
このように整理することでどれを選択したら良いのかの目安になります。


そのときの曲調や出したい音によって変えていくことが出来ますし、
音作りの一環として掛かりの緩やかなエフェクターのように
考えることも出来ますね。

ソフト音源オンリーで作業なさっている方には
お手軽にアナログ感を出せる便利なプラグインですし、
どれを差してもアナログ的なサウンドになりますが、
それを選んだらいいのか迷う…という方は是非参考になさって下さい。


////////////////////////////////////////////////////////////


作曲・DTMの個人レッスンの生徒を募集しています。
このブログの書き主の自宅&skypeでマンツーマンレッスンをしています。
(専門学校での講師経験があります)
詳しくはこちらをどうぞ。


電子書籍ですが作曲・DTM関連の書籍も書いています。
宜しければどうぞ。

 
作曲基礎理論~専門学校のカリキュラムに基づいて~

(作曲の基礎理論を専門学校レベルで学べる本です)



パソコンで始める日本一簡単なDTM作曲本

(初心者向けの作曲導入本です)



DTMマスタリングのやり方

DTMミキシングのやり方



AD