私が個人的によく行った
自分でシンセの音色を作れるようになる練習を紹介したい。


その方法はとても簡単で、
シンセのプリセットを読み込んで
その画面をスクリーンショットで保存し、
次にシンセをリセットして見よう見真似でパラメーターを
同じにしていくだけ。

シンセのプリセットの画面をスクリーンショットする


ちなみにスクリーンショットとは
現在自分のPCに映っている画面を画像データとして保存する方法で
キーボードの[Print Screen]キーを押して
ペイントなどの画像編集ソフトに貼り付けるだけで出来る。


[Print Screen]、あるいは[Prt Scr]と書いてある。


[Print Screen]キーを押したら、
クリップボードに画像が保存されるので
ペイントなどの画像編集ソフトを立ち上げて、
貼り付けてしまえばOK。

詳しいやり方はこちらです。


後は見やすくなるようトリミングしたりすれば良い。


そしてシンセの設定を初期化して
スクリーンショットの画像を見よう見真似でパラメーターを
同じになるように弄っていく。


また同じシンセを2つ立ち上げて、
片方をお手本用、もう片方を自分で弄る用にしてもいい。


シンセの基本原理やパラメーターの意味がわかっていれば
あとはひたすら経験を積めば
これで大体出来るようになるはず。

シンセの基本原理、つまり「VCO」「VCF」「VCA」「LFO」「ADSR]」などが
分からない場合はシンセの入門書やネットで情報を集めるところから
スタートすると良いと思う。


昨今のソフトシンセは大量にプリセットが付いているものがほとんどなので、
ドラムやパーカッション、リードやパッド、ベースやエレピの音など
ひたすらこの練習を繰り返すことで
段々と自分で作れるようになってくる。


コツはわからないパラメーターがあっても
決してそのままにせず説明書をしっかり読むこと。
(例え英語でも翻訳サイトを使って読む)


そしてほとんどのシンセは
そのシンセ独自の売りとも言える
ほかのシンセとの差異の部分があるので、
そこを上手く活用できるようになることだ。


練習していく中で
時にはスクリーンショットと全く同じにしても
なぜか同じ音にならないこともあるかもしれない。


パラメーターの位置がミリ単位でズレていたり、
メインのGUIにはない隠れたパラメーター画面があって
そこを弄らないといけない場合もあるが、
そういった経験を通して「何処」を「どう弄れば」「どんな音になるのか?」が
段々わかってくるので、
兎に角たくさんやってみると勉強になる。



最初のうちは「へぇ~、すごい」と思うことが多々あるだろうし、
基本がわかってくるとシンセが変わっても
基礎的な部分は応用が利く。


またプリセットをロードしてそこからさらに好みの音色に近づけていくのも
容易くできるようになるはずだ。


減算シンセであればこの方法でかなり音作りが出来るようになるはず。
理論的にはFMシンセも加算シンセも同じだが、
減算シンセが一番基本的で分かり易いので、
まずは減算シンセでやるのがお勧めです。


練習方法と呼べるほど大した方法ではないけれど、
音作りの経験を積む、という意味ではとても有意義な方法だと思います。


////////////////////////////////////////////////////////////

作曲・DTMの個人レッスンの生徒を募集しています。
このブログの書き主の自宅&skypeでマンツーマンレッスンをしています。
(専門学校での講師経験があります)
詳しくはこちらをどうぞ。


電子書籍ですが作曲・DTM関連の書籍も書いています。
宜しければどうぞ。

DTMマスタリングのやり方


DTMミキシングのやり方

 

作曲基礎理論~専門学校のカリキュラムに基づいて~

(作曲の基礎理論を専門学校レベルで学べる本です)




パソコンで始める日本一簡単なDTM作曲本

(初心者向けの作曲導入本です)



AD
ブルックナーの交響曲を通して、
ブルックナーの和声法が一体如何なるものなのか?を
軽く触れてみたい。


ブルックナーはバッハやベートーヴェンなどの有名どころと比べると
個人的な印象としてはやや知名度が劣ると言わざるを得ないが、
存命時はブラームスのライバル的存在で
双方鎬を削っていたらしい。

アントン・ブルックナー(1824年- 1896年)


聴こえてくる音は割と新しい響きなので、
近現代の音楽のように聴こえることもあるが、
1824年生まれなので、ベートーヴェンの54歳年下、
ショパンの14歳年下、ブラームスの9歳年上、
ドビュッシーの38歳年上、ラヴェルの49歳年上となり、
意外と古い時代の作曲家とも言える。


時代区分的には主にロマン派初期から中期に掛けて活躍しているが、
音楽だけを聴くともっと後の時代の音楽に聞こえてくる。


個人的にはブルックナーの最も注目すべきは、
オーケストレーションにあると思うのだが、
このブログの小さい画面でオーケストレーションを分析するのは
ちょっと大変なので、和声法のみに焦点を当ててみたい。


私を最初に感動させたブルックナーの楽曲は
交響曲8番だったのだが、
レッスンの生徒さんの希望で今この曲を取り扱っているので、
どんな和声法なのか?を軽くみてみようと思う。


ロマン派の和声法とはどんな感じか?
和声で曲を作るというのはどうやるのか?
などを知りたい方は特に参考になると思われる。


興味がある方はまずは曲を聴いてスコアをDLして下さい。

ブルックナー:交響曲第8番~第1楽章


オーケストラスコアはこちら
ピアノリダクションスコアはこちら

今回の分析はピアノ譜のみを使用します。


22小節まで分析しているので、
ご自身の音楽への理解度に自信のある方は
オケ譜でもピアノ譜でもどちらでもいいので、
自分でコードネームとディグリーとコードスケールを付けて
転調領域や和声(コード進行)の分析をしてみて欲しい。


基本的な勉強が終わっている方であれば
特別難しい部分はないように思われる。


自分でやってみてわからなかった時は
作曲の基礎が足りてないということになるので、
もう一度基礎から勉強してみるのもいいかもしれない。


分析画像


出来れば上記の拡大画像を見ながら読んでみて下さい。
分析の仕方は人それぞれだが、
私の場合は和声の書き方とポピュラー/ジャズの書き方が
混ざったような表記でいつも書いている。


どちらにも利点と欠点があるので、
それを補うような書き方にしているが、
そちらは随時説明していきます。



曲のスタート

まず調号は♭3のハ短調。
Ⅳmの和音からスタートする。

G♭M7の和音はダイアトニックコードではないが、
こちらはFmに対するナポリの和音であり、
次のD♭M7への完全4度下の和音でもある。

分析のポイントは登場する音や和音をすべて
「なぜそれが使えるのか?」をちゃんと理解できるようになることだ。

意味がわからないと当然真似できないし、
応用するのはほとんど不可能になる。


「なんかよくわからないけどカッコ良い」では
自分が作曲するときに何の役にも立たないので、
しっかり勉強して何もかもを理解できるようにしておいた方が良い。



4小節目 D♭M7から


4小節目のD♭M7はナポリの和音。
そしてCmに進み、5小節目の「G?」と書いてあるところは
音数が少なくなるがソとレなので一応Gとした。


そして♭ⅢのE♭に進むが、
その次の8小節目のE♭/Gが興味深い。


バスの旋律にラのナチュラルが出てくるが、
ハ短調では出てこない音なので、
一体はこれは何なのかというと
ブルックナーはこの部分をリディアン化している。



これは和声学に登場する借用転位音で
(私は旋律的借用と呼んでいます)
旋法をすり替えている。


現代人が当たり前のように行うテクニックだが、
この時代に生み出されたテクニックなので
そのあたりはとても興味深い。


そして転調するが、
ハ短調の♭Ⅲの和音であるを
変ハ短調のⅤの和音と見立てて
ピボット転調している。


転調後のA♭mはわずか一小節のみで
直ぐにロ長調に転調してしまう。


その転調方法は3度堆積による方法だが、
ドビュッシーなどに良く出てくるし、
古くはベートーヴェンなどにも同じテクニックを見ることが出来る。


エンハーモニック転換と上部3度付加

ブルックナーはA♭mを異名同和音のG#mと読み替えて、
エンハーモーニック転換している。


変イ短調は♭7つのキーなので、
これ以上はダブルフラットの調域になってしまうため、
通常のキーの表記だと♭側への転調が制限されてしまう。

だからエンハーモニック転換しているのだが、
こういったエンハーモニック転換は
ブラームスを始め同時代の作曲家に良く見られる転調方法だ。


そしてG#mの和音の上にもう1つ音を積み重ねて、
一番下の音を省略することで新しいB7という和音を作っている。


和音は3度堆積で作るものだが、
上に3度付加、あるい下に3度付加することで新しい和音を作れば
元の和音と非常に近しい響きの和音を作れる。

この場合のG#mに上部3度付加して出来たB7という和音は
G#mと4音中3音を共有する非常に近しい和音だ。

これによって滑らかな転調が成立する。


ダイアトニックで積むと転調にならないので、
調号にない音を積むことで滑らかな転調を可能にしている。


B7なので次のキーはホ長調なのでは?と思うかもしれないが、
これは転入和音(転調して最初の和音)がいきなり副属7になっているからであり、
もう少し後ろを見ていくと
ロ長調と解釈するべきなのがわかる。



分析の難しい点の一つは調設定だが、
コードネームがわかるだけではあまり意味がない。

そのコードが何のキーの何ディグリーで
コードスケールが何で、どうして使えるのか?までわからないと
分析の意味はほとんどない。


ドミソと鳴っていて、それをCコードだと考えるのは簡単だが、
それがCメジャキーのⅠなのか、GメジャキーのⅣなのか、
FメジャーキーのⅤなのか、Bメジャーキーのナポリの♭Ⅱなのか、
EメジャーキーのSDMの代理の♭Ⅵなのか、
DメジャキーのSDMの代理の♭Ⅶなのか、
GマイナーキーのメロディックマイナーのⅣなのか、
あるいは何かの副属7なのか、
そしてコードスケールは何なのかまで
わからないと自分で応用することは出来ない。


コードスケール(でなくてもディグリーでもいいが)がわかれば、
その出身キーがわかるので、すなわちキーが判明する。


最初のうちは難しいかもしれないが、
転調部分のキーが何のかを見極めていく方法は
良く聴くこと、そしてコードとコードスケールとディグリーを明確にすることだ。



12小節目 Cdimから

B7は12小節目に入るとCdimになってしまう。
これはディグリーを馬鹿正直にとると♭Ⅱdimになり
何のことか良くわからないが、
これはB7にオルタードテンションの♭9thを付けて、
根音を省略した和音であり、
正体は単なるB7(Ⅰ7)と見ることが出来る。


またバスの音を歌ってみると
テンションとして♭9thと♭13thが使われている。


B7→Cdim部分のバスの分析


この部分のコードスケールは何か?という問題だが、
ブルックナーはCdimの部分でディミニッシュスケールを使わずに
BHMP5Bを使っていることがわかる。


これによって調性感は失われずいるが、
スケールがHMP5Bだとわかるのはバスの旋律に♭9thと♭13thが使われており、
尚且つ第5音のファ#も出てくるからだ。

♭9thと♭13thのみだとほかにも該当するスケールが登場し、
オルタードスケールのようにも見えるが、
第5音が出てくることでHMP5Bであることがわかる。


このことからもブルックナーがこのCdimを
あくまでB7(♭9)と考えていることがわかる。


つまり転調後いきなり副属7(Ⅰ7)を出して
オルタード化しているということになる。



次にF#7に向かうが、ドミナントコードのB7は
ドミナントモーションせずに5度上行してⅤ7へ進む。


この曲を最後まで分析していないのでわからないが、
3小節目→4小節目のGbM7→D♭M7の5度上行の動きが
何か主題的要素になっているのが関係している?のかもしれない。




16小節目から


16小節目→17小節目でF#7→Gという進行になるが、
これは和声でいうところの準固有和音、
ポピュラー/ジャズ理論でいうところのSDMの代理となる。


このG7はロ長調の♭Ⅵであり、
ハ短調のⅤでもあるので、
この和音をピボットとして主調であるハ短調へと回帰する。



転調領域のみのことを言うなら
序奏部分ということもあり転調領域は狭い。


後半はもっと転調領域は広がっていくが、
どういう領域まで足を延ばしているか?を把握していくことは大切だし、
自分で作曲するときもこの点をしっかり考えていくと良い。


私は以前書いた作曲の基礎の本
転調領域をレベル1からレベル5までに分類しているが、
自分なりに転調領域を明確に把握して
近い、または遠い調への転調の聴覚効果を
自在に操れるようにすると良いと思う。


そして17小節目でCm/Ebになり、
主和音に第1転回形になるが、
この和音はすぐに副属7化されて、
次のFmへのドミナントコードとなる。

♭9の音が前のCm/Ebの内に先取音として
出てくるのも面白い。


Fmの部分では如何にもロマン派らしい偶成和音が使われている。


Fmの刺繍和音としてBm-5が使われている。



偶成和音を身に付けるコツは良い偶成のサンプルをたくさん知って
そして自分で移調して使えるようになることだ。



偶成和音は特にクラシック風の曲を作るには大切だが、
知識的なことがわかっただけでは身に付かない。
たくさんの反復練習や実践を通して初めて身についていく。



理論を勉強する方の多くが、
理論を知っただけで出来たような気分になってしまいがちだが、
例えば水泳でクロールやバタフライという泳ぎ方の技法を知ったところで
知っただけでは使いこなせない。


実際に水の中に入り、何度も反復練習をして、
初めて身に付く。


空手の胴回し回転蹴りやサッカーのオーバーヘッドキックも
やり方だけを知るのは至極簡単だが、
実際に実践の中で使うにはかなりの練習を積まなければならない。

これは作曲でも同じなのだ。



作曲における具体的な練習方法はディグリーで覚えて、
どんなキーでも使えるように反復練習すると良いと思う。




ここまでで大雑把に和声のみに関して分析してみたが、
和声を基本に出来ているためポップスのように
和音1つ+メロディーという曲にはなっていない。


旋律は出てくるが、断片的なものが多く
和声が曲の展開の主役を担っている。


またかなり転調的なのも面白い。



ブルックナーの作曲技法に関して思ったことを
箇条書きにしてみた。


・和声を最重要基盤としている。(ホモフォニーではない音楽)
・登場する旋律の多くは断片的である。
・甚だ転調的。
・オルタードが多い。テンションが随時変化していく。
・発展的だ が基盤は古典和声にある。
・リズミックな構成
・ペダルポイントが多い。
・発想がオルガン的
(レンジが広い)(対位法的)(和音が分厚い)(ペダル)(音域がオルガン)
(右手、左手、足鍵盤という部分が多い)
・半音階的な非和声音が多い。クロマティックオルタレーションの多用。
・転調的だが突然転調はあまりなく、理論的な整合性がある転調が多い。
・(ブルックナーのダイナミックレンジを参考にしてください)
・演奏表現に対する指示が細かい。
・各声部にオクターブや3度、5度のハモリが多い(オルガンのストップを再現している?)
・時には1声部になることも恐れない。(オーケストラの効果の熟知)


たったこれだけでブルックナーを語ることは出来ないが、
たくさん繰り返すうちにブルックナーの和声の特徴や
彼がよく行う進行や偶成などが見えてくるので、
そうなってきたら真似も出来るし、
自分の技法の一つとして取り込むことも出来る。



またいずれほかの作曲やこの続きなども書いてみたい。


////////////////////////////////////////////////////////////

作曲・DTMの個人レッスンの生徒を募集しています。
このブログの書き主の自宅&skypeでマンツーマンレッスンをしています。
(専門学校での講師経験があります)
詳しくはこちらをどうぞ。


電子書籍ですが作曲・DTM関連の書籍も書いています。
宜しければどうぞ。

DTMマスタリングのやり方


DTMミキシングのやり方

 

作曲基礎理論~専門学校のカリキュラムに基づいて~

(作曲の基礎理論を専門学校レベルで学べる本です)




パソコンで始める日本一簡単なDTM作曲本

(初心者向けの作曲導入本です)




AD
ハウス・テクノ・トランス・ユーロビート・タブ・ヒップホップ・ジャングル、
あるいはドラムンベース系のエレクトロミュージックを作る際に
オリジナルのドラムキットを作るという人は
少なくなって来ているかもしれないが、
今回はオリジナルのドラムキットの作り方について書いてみたい。


昨今はソフト音源の発達で、
自分でキックやスネアの音を作る必要性はかなり減ってきた。


スーペリアドラマーのエレクトロ系の拡張キットや
Battery、あるいはTR系のエミュレート音源は
溢れ返っており、自分でゼロから作らなくても
有り物を使うことでただ曲を作るだけなら特に困ることはない。


TOONTRACK社のNUMBER1 HITS(拡張パック)


フリーのTR-808エミュレート音源「VR-08」(開発:ありぱぱP氏)

TR系は時代を築いてきた超有名リズムマシンなので
多くのソフト音源に各メーカーが作った音が収録されているし、
VR-08のようにフリー音源まである。


そんな至れり付くせりの現代にオリジナルのリズムキットを
作る必要なんてあるのか?と思うかもしれないが、
それがシェアウェアだろうがフリーウェアだろが、
結局は他人が作ったものであり、
いわばスーパーの惣菜みたいなものなので、
決してオリジナルとは言い難い。


おいしければそれでいいじゃん、
という人ももちろんいるだろうが、
食べられればそれでいい、というならともかく
スーパーの惣菜をいくつも並べて「自分が作った料理(音楽)」というのは
ちょっと違うのではないだろうかとも思う。


レストランのコックがスーパーの惣菜を並べて、
オリジナルの料理ですというのは如何にも違う。
自分で料理しないのであれば、オリジナルとは言えない。


TR-808実機

音源やリズムマシンのプリセットやサンプリングも
誰か(メーカー)が作ってくれたからあるわけで、
其処に乗っかるだけでなく、
自分自身でプリセットを作れるようになるくらいまで
本気で音楽をやるならやってみたいという人は多いのではないだろうか。



そもそもエレクトロミュージックのアーティストたちは
みな自分で音色を作ってきたのであって、
その部分には現代人の私たちも大いに注力するべきだと思う。


ジャン・ミッシェル・ジャール(フランスの電子音楽の大家)


メリットはいくつかあるが、出来合いのものではなく
ミックスまで見越してイメージに近いキックやスネアの音を作れるというのは
曲作りにおいて最大の利点だし、
個人的には自分でゼロから作った音色には愛着が湧く。


また音源のプリセットはそれが販売されている以上、
ほかの多くの人(世界中誰でも)が使うことができるため、
レベルが上がれば上がるほどオリジナリティーの追及という点で
どうしても弱くなってしまう。


またプリセットを使うにしても
自分でゼロから作れるだけの知識があれば、
プリセットを元にイメージに近づけていくことも容易くなる。


最初のうちはプリセットオンリーでもいいかもしれないが、
ある程度レベルが上がってきたら是非挑戦してみて欲しい。


そんなわけでオリジナルのリズムキットの作り方を
簡単ではあるが紹介したい。


まず今回はキックから作ってみたいが、
リズムマシンを使うか、シンセを使うかの二択がある。


リズムマシンを使う場合は
BatteryやNUMBER1 HITSのように最初から出来上がっていて
音をロードするだけのものではなく、
ちゃんとリズムマシンのパラメーターを弄って音を作れるものでないと
ゼロから作るということにはならない。


BATTERYなどの音源は最初から音が作られている。


そういった音源を使うのであれば
生ドラムと違いはないので、
ちゃんとシンセやリズムマシンを使って自分で作るようにする。


本物のリズムマシンは比較的高価で
TR-808や707を欲しいとは思うものの、
なかなか高価なので手が出しにくい。
(私は持っていない)

Roland TR-707


物理的に場所も取るし、
電子音楽専門というワケでない人は
そこまでは…という感じになってしまう。


そこでお勧めなのが、
TR系をエミュレートしたシェアウェアやフリーウェアを使う方法で
パソコンにインストールして擬似的に
これらを行う方法だ。


D16 DRUMAZON(TR-909のエミュレート)


探せばフリーソフトもたくさんあるので、
比較的にお手軽に楽しめる。


そして最もお勧めなのが、
手持ちのシンセでゼロから作る方法だ。


昨今はDAWを購入すれば最初から音源やシンセがある程度
バンドルされてくる時代だし、
フリーウェアやシェアウェア問わずシンセは星の数ほどある。


これらを使ってキックやスネアやハイハットの音を作っていくのだ。


私の場合は個人的に大好きなReasonを使って音を作っている。
自分の好きなシンセ、使い慣れたシンセなら何でも構わない。


シンセの基本構造やパラメーターの意味がわかれば
ゼロから音を作るのはそれほど難しいことではないので
是非挑戦してみてほしい。



試しに私がどんなやり方でシンセからキックの音を作り、
そして自分の曲で利用しているのかの一例をご紹介したい。


今回はReasonの最も基本的なシンセサイザーである
SUBTRACTOR(減算シンセ)を使ってみたい。
(REASON大好きなので)


まず当たり前だがプリセットは使わない。
ご自身でやられる方も
意地でもプリセットを使わずに全部オリジナルでやってみて欲しい。

オリジナルのキックの音



Reasonを持っていなくてもシンセの基本原理は
どれも同じなので他のシンセであっても
考え方を参考にしてみて下さい。





まずオシレーターだが、
サイン波と三角波、そしてノイズを使っている。


倍音を含まない最も基本的なサイン波は
キックの音を作るときに良く使われており、
三角波はベースなど丸みのある低音で良く使われるのが特徴だが、
これらのオクターブを「1」まで下げてキックらしい低音にしている。


SUBTRACTORはオシレーター2つ+ノイズ1つなので、
ノイズも多少からめることで音程感を消そうとしてるが、
2つの波形を混ぜて気持ちの良い音を探していく。

必要があればセントで半音単位で微調整するのも良い。


またSUBTRACTORは波形の
「×(波形の乗算)」「-(波形の減算)」が出来るし、
波形のオフセットも出来る。

FM機能も付いているのでかなり音を作り込める優秀なシンセと言える。


昨今はもっと良いのがあるが、
個人的にはSUBTRACTORでシンセの使い方を学んだクチなので
結構愛着がある。


アンプエンベローブ


次にアンプエンベロープで大体の音のアタックとリリースを作る。
キックの音なので当然アタックは最短、リリースはやや余韻が残るように、
ディケイもリリース同様だが、音を鳴らしながら気持ちの良い所を探す。

キックっぽいエンベロープになればOK。


フィルターの設定


フィルターのフリケンシーはキックらしい低域のみを残すようにしている。
レゾナンスは今回あまり癖を付けずにおいた。


レゾナンスで癖を強めに付けていくと
如何にもエレクトロミュージック的なキックになるが、
今回は最も基本的なサンプルを目指していきたいので、
敢えてやらなかった。


フィルターはLP12となっているが、
これは-12dB/octのことでミックスで使うLPFと同じ意味だ。


半分の周波数で-12dBまでカットしますという意味で、
当然数値が大きくなればなるほどキレの良いフィルターになる。


この値も好みでキレッキレなフィルターが良いときもあれば、
ヌルいカットが欲しいときもあるので、
自分で色々試して欲しい。
またバンドパスフィルターをキックを作るときに使うこともある。


SUBTRACTORは2つのフィルターが装備されているが、
ここではシンプルに1つのみでやっている。


フィルターエンベローブ


フィルターエンベロープでフィルターの開閉の速度などを決めるが
キックなのでアンプ部分同様にアタックは最短、
ディケイはやや遅めにフィルターが開く感じにしている。
閉じた状態への戻りも自然な感じにしたいので
リリースも少しだけ上げている。


ディケイを上げ過ぎたり、アマウント(掛かる量)増やし過ぎると
フィルターが開きすぎて高音が大量に入ってしまい
キックらしくなくなってしまうためほどほどにする必要がある。



モジュレーションエンベロープ


SUBTRACTORにはモジュレーションエンベロープが付いているが、
これは付いていないシンセもある。


このエンペロープジェネレーターはオシレーターやFM値、
あるいは2つのオシレータのミックス値などに
設定したエンベロープを適応できるもので、
これによって音作りの可能性が広がる。


今回は控えめにオシレーターに適応させているが、
こちらはディケイやアマウントを増やすと
「ドピュン!」というピッチが上がっていく如何にもエレクトロ系なキックが作れる。



SUBTRACTORのベロシティーコントロール


またSUBTRACTORにはベロシティーコントロールが付いているが
これば鍵盤を押す強さに応じて、
それぞれのパラメーターの値を変化させることが出来る機能だ。


これは付いているシンセとそうでないシンセがあるので割愛したい。


発音数は「1」でポルタメントなどはなし。



あとは発音数を「1」に設定したりしている程度で
特に何も難しいことはしていない。



ここまでのシンセのパラメーターの説明の中で意味がわからない用語が
出てくるようであれば、
まずはシンセサイザーの基本から学ぶことをお勧めしたい。



またREASONの場合はREASON内に多彩なエフェクトが網羅されているので
ここから自由にコンプやEQなどのエフェクトを掛けてもいい。



ただ後で実際に曲中で使う際に応用が効くように
ほどほどに留めておくと良いと思う。

作ったパッチは保存しておく。


作ったキックはちゃんとパッチとして保存しておく。
Reasonで曲を作るのならこのままで良いが、
ほかのDAWで作る時は一度WAVEで書き出して
サンプラーで読み込んで使うことになる。


いくつか注意点を書いてみたい。


複数の中から一番お気に入りのものを選ぶ。


今回はベロシティーコントロールで鍵盤の強弱によって
微妙に音のニュアンスが変わるため
書き出したWAVEをDAWか波形編集ソフトに読み込んで、
一番良いと思ったものを残すようにする。


もちろん次点があっても構わない。
残しておけばいつか使うことがあるかもしれない。


不要な無音部分をカット


次に不要な無音部分をカットする。
特に重要なのが前半部分で
かならずゼロ秒発音になるようにする。


サンプル単位まで拡大してカット


私はサンプル単位まで拡大してカットするが、
稀に後ノリのグルーヴ感を狙ってわざと残すこともある。


余韻はある程度あった方が良い場合もあるが、
完全な無音であれば残すメリットは何もないので
耳で聴いて無音部分を完全にカットする。


波形にしてしまえばもうほとんどの行程は終了だが、
この段階でエフェクトを掛けることが個人的には多い。


EQやコンプ処理はもちろん歪ませたり、
余韻をフェードでコントロールしたり、
ビットやHzを落としてローファイにしたり、
あるいはコーラスやフェイザー、時にはピッチ系のエフェクトも使う。


ここまで来たら効果音作りと同じ要領なので、
波形編集やエフェクトの知識がある人にとっては
色々とアイデアが浮かんでくるはずだ。


出来上がったものは以下のリンクからDL出来ます。

Reasonから書き出したままのオリジナルのキック
クリックで試聴


上記に波形編集でコンプ、EQ、歪みなどを行ったキック
クリックで試聴


Reasonから書き出した元のままでも
それなりに使える感じだが、
よりダンス系っぽくするためにコンプとEQでキックの密度を上げて音圧を上げ、
僅かに歪ませてみることで良い感じになった。


注意点としては波形ごと書き換えてしまうと
もう戻れないので必ず原本を残しておくようにすると良いと思う。


これで完成だが、
あとはDAWのサンプラーを使って一つの音色としてアサインする。


私はBatteryやKontaktを使うことが多いが、
サンプラーに読み込んでしまえば
あとは普通のキックとして使うことができる。



Batteryにアサインした例


これで世界で一つだけの花ならぬ、
世界で一つだけのキックが出来上がった。


こういったことが出来ればプリセットオンリーの初心者脱却だし、
自分で作ったキックの音色にも愛着も湧く。


思い通りのアタック感や音色を作れるのでミックスも変わってくるはずだし、
何よりも世界で誰ひとり同じキックを使う人はいない
完全にあなただけのオリジナルのキックとなる。


これはちょっと嬉しいのではないだろうか。


プリセットは言わばスーパーのお惣菜だが、
これは完全に自分で作った料理と言って良いと思う。


今回のテクニックはあくまで基本的なものだが、
多くのアーティストはみなアイデアをひねって様々な魅力的な
キックを作っている。



もちろんスネアもハットもシンセも同様で
自分で作っている人は多いはず。


プリセットを使うこと自体は何も悪いことではないが、
こうすることでエレクトロミュージックというものに対する姿勢が
多少変化してくるかもしれない。



これで一応完成だが、
オリジナルのキックを使ったハウス系のビートを作ってみた。

オリジナルの音色を使ったハウスビート
クリックで試聴


上記のビートはスネアもハイハットもみなオリジナルだが、
自分で作った音色で組んだビートはなんとなく嬉しさもあり、
楽しさもあり、作曲してる感が出るので
個人的にはとてもお勧めです。


特にオリジナリティーを追求したい人には
必須と言っても良いかもしれない。


機会があればスネアやハイハットの作り方、
あるいはグルーヴの出し方などについても書いてみたい。

その②へのリンクはこちら

////////////////////////////////////////////////////////////

作曲・DTMの個人レッスンの生徒を募集しています。
このブログの書き主の自宅&skypeでマンツーマンレッスンをしています。
(専門学校での講師経験があります)
詳しくはこちらをどうぞ。


電子書籍ですが作曲・DTM関連の書籍も書いています。
宜しければどうぞ。

DTMマスタリングのやり方


DTMミキシングのやり方

 

作曲基礎理論~専門学校のカリキュラムに基づいて~

(作曲の基礎理論を専門学校レベルで学べる本です)




パソコンで始める日本一簡単なDTM作曲本

(初心者向けの作曲導入本です)





AD