WAVESのMERCURYを久々にWUPして
V8→V9にしたのだが、
新しいプラグインをぼちぼち使っている。


中でも前々から気になっていたNLSが
非常に「アナログらしい」コンソールのシミュレートを
聴かせてくれるので非常に気に入っている。

これはすごい。ちょっと感動した。


全部で3つあるのだが、
まずはSSL4000Gのコンソールをシミュレートした「spike」。


SSL4000G


WAVESを始め多くのプラグインメーカーが
SSLのシミュレーターを出しているけれど
後発なだけあって今回のものが一番良く出来ているように感じる。


ヘッドアンプでNLSを使い、コンプやEQはWAVESのSSL Gを使えば
実機にかなり近いSSLごっこが出来る。



本物を使ったことはないけれど、
本物を使ったらこんな音なのかな~と思うくらい
良い音になるのでちょっとびっくりした。



次にEMIの TG12345をシミュレートした「Mike」。
ABBEY ROADのプラグインが好きな私にとっては
モロに好みな音がする。


TG12345


NLSの3つ中で個人的に一番のお気に入りはこのTG12345のシミュレーターで
「おぉ~ほんとのアナログコンソールみたいな音がする」と
驚くほどの質感を感じさせてくれる。




ABBEY ROADのTG12413やRS127、124、135なども使っているが、
これも「Mike」を合わせて使えば
ABEEY ROADスタジオごっこが出来る。


最後は音はちょっと地味なNeve 5116の「Nevo」


NEVE5116


NEVE5116は他のプラグイン同様にちょっと地味な感じで

変化は顕著ではないもののどこのメーカーも
NEVEのプラグインは地味な感じなものが多いので、
これはこれで味があって良いと思う。



これもNEVEの1073や2254のシミュレーターと合わせて使って
NEVEごっこを楽しめる。


それぞれチャンネル用とバス用に分かれていて、
チャンネル用は個別トラックに、
バス用はマスターバスやミックスバスに使う。


意外と便利なのがバス用のNLSから
チャンネル用のNLSをコントロールできること。


ドラム、ギタ-、ボーカルetc…のようにステムミックスするなら
後で調整するときに楽にできる。



今回のNLSはヘッドアンプのシミュレートだけで、
コンプやEQなどは付いていない。


しかし音はかなり変わるので
コンソールのアナログシミュレーターとしては
Slate DigitalのVCCと並んで超お気に入りになってしまった。


全トラックに挿して使用しているが、

特にぱっとしないトラックや立たせたいトラックには
Driveを多めに加えてやると非常に良い意味で音が立つ。


そういう意味での使い方では
心情的にはTG12345なのだが、
SSL4000Gのほうが(個人的には)しっかり音が立つと感じるので、
NLSを使って今まで以上にSSLが好きになった。



デジタルの良いところはLinear(線形・直線)であることで、
DTMにおける制作では基本的に
良くも悪くもノイズも歪みも意図的に加えない限りは全く入らない。


マスタリング用のEQでリニアフェイズイコライザーなんていうのがあるが、
要するに歪みゼロで動作する完全デジタルイコライザーのことで
デジタルの特性を活かしたものだ。


これも良し悪しと使い様で
リニアであることがデジタルの冷たい、薄っぺらい、無機質な感じに繋がり、
メリットとデメリットや嗜好の問題に繋がってくる。


現代でも前世紀の遺物とも言える
アナログテープMTRや真空管のシミュレーターや実機に愛好者がいるのは
ノンリニアな振る舞いに対しての愛着であり、
音楽的にも良い結果をもたらすものであると
感じている人が多いからではないかと思う。


有名コンソールのノンリニアな振る舞いをかなりの高いレベルで再現している
ノンリニアサマー(NLS)は本当にすごいと思う。


プラグインもかなり進歩してきたなぁ~と最近実感することが多い。
WAVESは本当にいいプラグイン作る。



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作曲関連の書籍2冊と
ミキシングとマスタリング関連の書籍を2冊書きました。

電子書籍ですが宜しければどうぞ。

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elysia 【alpha compressor】


elysia 【alpha compressor】を導入した。

最近はマスタリング用のコンプとして
Slate DigitalのFG-XFlux;;のElixirなど
ただ潰すだけではなく、もっと高度な付加機能が付いている
マスタリング専用の緻密な処理が可能なプラグインが増えてきたけれど、
このalpha compressorもそのクチで
マスタリング用のダイナミクス系プラグインとしては
現状では一番気に入っている。

Slate Digital FG-X


Flux:: Elixir


まずマスタリングにおけるMS処理を
Slate DigitalのFG-XFlux;;のElixirでは
brainworxのBx ControlなどでMS変換を行わないと出来ないし、
変換を行ってもMS個別にコンプレッションをコントロールできるわけではないので、
ElixerやFG-Xは「いいコンプだなぁ~」と思いながら
今一歩痒い所に手が届かない感じだった。

brainworx Bx Control


一応T-racksのコンプでMS個別コンプを行うことも出来るのだが、
なんとなく使う気にもなれず(そんなに緻密とも感じられなかったので)、
MS処理はもっぱらEQセクションで行うのが
最近のマスタリングのやり方だったのだが、
elysiaのalpha compressorの登場でマスタリングのやり方がかなり変わった。


良い点を簡単にまとめてみたい。


・MS個別のコンプレッション(ステレオでももちろん使えます)
・フィードフォアード・モードによる圧縮動作ののリアルタイム可変。
・HPF or LPFを用いたサイドチェインコンプレッション。
・セミオートのアタックとリリース設定
・原音と圧縮音を任意にミックスできるパラレルコンプレッション。
・ウォームボタンによる微妙だが、良い歪み。
・ソフトクリッパーモード付き。
・elysia社のNiveauFilter(フィルター)で大雑把な音作りが出来る。
・オーバーサンプリング機能でより緻密な動作を行える。
・極めて動作が緻密に感じる(処理はそんなに重くない?)



たくさんあるが一つずつ感想を述べてみたいと思う。


・フィードフォアード・モードによる圧縮動作ののリアルタイム可変。
一番すごいと思ったのだが「Feed Forward」モードで
説明書(英語)を読むと固定の設定とサイドチェインの設定を
内部プログラムで最適化して切り替える機能が付いていると書いてある。
(原文が英語なのでなんとなくレベルの理解ですみません)


つまりその時々の周波数特性やダイナミクスに合わせて(サイドチェイン信号含む)
レシオ(など)が切り替わり、コンプレッションが最適化されるので
非常に自然な感じに仕上がる。


最近のハイエンドなマスタリングコンプには
設定した数値(スレッショルド、アタック、リリース、レシオ)に合わて、
常に固定で動くのではなく、
その場で臨機応変に最適な設定に切り替えていくタイプのものがあるけれど、
elysiaのalpha compressorはまさにそれで、
この機能が非常に自然なコンプレッションの要因になっているように思われる。



・セミオートのアタックとリリース設定
アタックやリリースのセミオートも利便性が高く、
これもやはり半分はプログラムが
その時々のアタックやリリースに合わせて自動で設定してくれる。


セミオート機能を使えば、
手動で大まかなアタリをパラメーターで付けた後は
スネアやキックの鋭いアタックが鳴っている時と
ボーカルやストリングスなどの柔らかいアタックが鳴っている時の違いを
一律で処理するのではなく、臨機応変に切り替えてくれるのだ。


オートリリースは最近珍しくなくなったけれど、
(セミ)オートアタックは珍しいのではないかと思う。


・HPF or LPFを用いたサイドチェインコンプレッション。
MS個別でHPF,LPFのサイドチェインでコンプレッサーの動作をコントロールできるのも
非常に素晴らしいと思った。

既にBrainworxのダイナミックイコライザーなどで似たような発想があるが、
alpha compressorはM、Sそれぞれに対して、
周波数別にサイドチェインを行うことが出来る。


ロックやポップスなどではほとんどの場合ベースがいるが、
低音のダイナミクスに合わせてコンプレッションをコントロールできるのは
非常に実用的だと思う。

これも一律固定で掛かるわけではないので、
より自然なコンプレッションの仕上がりに一役買っている。


・原音と圧縮音を任意にミックスできる。
最近多いパラレルコンプレッションだが、
原音とコンプ音を任意の量でミックスすることが出来るので、
これもマスタリングにおける緻密な音作りには非常に有難い。

従来の100%のみよりもより細かく最終的な音像を作っていけるので
意外と出番は多い。


・ウォームボタンによる微妙だが、良い歪み。
・ソフトクリッパーモード付き。

最新機器ではありながら、昔ながらのテープコンプレッションや
柔らかい歪み(アナログ機器を通した時の歪み)を加えることが出来る。

これも柔らかく掛かるので、
デジタル特有の冷たい感じもalpha compressorではあまり感じない。



・elysia社のNiveauFilter(フィルター)で大雑把な音作りが出来る。

NiveauFilter

NiveauFilterはelysia社のフィルター技術なので
好みが分かれそうな感じだけれど、
シェルビングで大雑把な音作りができる。
(個人的には好き)


EQ処理は専用のEQで行うので、
個人的にはあまり使わないけれど、
これはこれで使うこともあるかもしれない。



NiveauFilter

ちなみにフリーソフトとして
NiveauFilterはもらえるようです。

http://www.elysia.com/software/niveau-filter/


・オーバーサンプリング機能でより緻密な動作を行える。
実際のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートで
音声を検出することでより緻密な内部処理が可能になっている。

具体的には以下の通り。

・50kHz以下の場合は4倍。
・100kHz以下の場合は2倍
・100kHz以上の場合はオーバーサンプリング無効。


例えば44.1kHzのマスタリングにおいてalpha compressorを使えば
176.4kHzで処理しているのと同じことになり、
96kHzなら192kHzで処理しているのと同じになる。


もちろん最初から192kHzで処理した方が良いに決まっているのだが、
44.1kHzで行ったとしても、4倍界王拳で176.4kHzで処理しているということになるので、
これはデジタル音声処理における現実的な限界の192kHzと
ほぼ同じ緻密さを持っていることになる。

何気にお金が掛かっていそうな技術だ。


・極めて動作が緻密に感じる(処理はそんなに重くない?)
True Emulationという極めて緻密なエミュレーションを売りにしているが、
具体的なことはよくわからない。
(説明書には書いてない)

ただ実機は1万$(日本円で100万円程度)する超高級機種だし、
音を聴いてもその凄さは十分に実感できる。


うちのPCでは使用してもCPUメーターは増えないので、
そんなに激重なプラグインでもない気がする。


alpha compressorの実機



大雑把にすごいなぁと思う点は大体これくらいだけれど、
このようにただ潰すだけという使い方に多くの付加機能が付いているので、
マスタリングにおいてこういう機種に慣れるとミックスで使うような
本当にただ潰すだけのコンプに物足りなさを感じてしまう。


現在の作業環境としては
完全にマスタリング用のコンプとミックス用のコンプに分かれている感じだ。
(EQもそうだけれど)


alpha compressorは結構多めにGRを稼いでもあまり潰した感じが出ないが、
それは上記のような処理によって得られる効果なのだと思われる。


マスタリングにおけるコンプレッサーの重要な点は
動作そのものの緻密さや音を不要に歪ませてしまわない処理にあるが、
固定されたままでのパラメーターでは、
どれだけ従来の構造のまま動作を緻密化しても限界がある。


そこでサイドチェインやalpha compressorのレシオ可変機能(Feed Forwardモード)、
あるいはセミオートのアタックやリリ-ス機能を付けることによって
リアルタイムで変化する2mixに対して臨機応変にコンプレッション処理を最適化し、
全体を有機的に関係付けて、
「自然な」「透明感のある」「原音を損なわない」などの形容にあるような
コンプレッションを実現している。


如何に原音を損なうことなく、自然に滑らかにコンプレッションするかを
極めたようなコンプレッサーなので、
現状のマスタリングコンプに不満がある方は
一度体験版を試してみても良いかもしれない。


ミックスVer.のコンプも付いてきます。




公式サイトでもデモ動画を複数見ることが出来ます。


公式サイトのデモ動画
http://www.elysia.com/software/alpha-compressor/introduction/


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作曲関連の書籍2冊と
ミキシングとマスタリング関連の書籍を2冊書きました。

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4冊目の作曲関係の本を書きました。



作曲基礎理論~専門学校のカリキュラムに基づいて~

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いわゆる作曲に必要な基礎理論の学習を目的として
書かれています。


専門学校に勤めていたときのカリキュラムを参考にして書かれているので、
この本を全部理解すれば、
作曲の基本理論はほぼすべてマスター出来ます。
(実際はもっと多くの内容が書いてあります)


分量的にはA4サイズで514ページと、
マーク・レヴィンのジャズセオリーとほぼ同じ長さになり、
ちょっと長いですが、
DTM機材のことから始まり、
音程、コード、コード進行、コードスケールという基本的な内容から
副属7、SDM、裏コード、ナポリの和音、sus4コード、UST、スラッシュコード、転調などの
いわゆる作曲のテクニック、
そして高度なものとしては旋法(モード)の作曲や
十二音技法や移調の限られた旋法、多調、クラスター、神秘和音など
長調・短調を脱した高度な作曲法
まで色々述べられています。


特に全般に渡ってコードとコードスケールをセットで考えることで、
ハーモニーの明確な関係を合理的に把握できるようになるのが売りです。

長調と短調を脱した無調性の曲や
メロッディクマイナーやハーモニックマイナーに関しても
かなり深く掘り下げているので、
より高度な曲を書きたいという方にもお勧めです。


ポップス、ロック、ジャズ、フュージョン、民族音楽、シンセサイザーミュージックなどの
各ジャンルの作曲解説本ではなく、
それらの土台となる基礎音楽理論の習得に終始しており、
各Chapterごとに問題や練習課題を行いながら
基本音楽理論をしっかりと学んでいくというスタイルです。


アーティスト系(バンドスタイル)の作曲をなさっている方や
BGM系の劇伴音楽の作曲家を目指してらっしゃる方、
つまりプロ志望の方向けの本格的な内容で、
なるべく平易に簡単に書いたつもりではありますが、
真剣に作曲を学ぶ気持ちがないとちょっと難しいかもしれません。
(簡単な作曲本をご希望の方はこちらがお勧めです。)


体験版で全体の1/3くらい読めますので、
ご興味がおありの方は目次や中身を確認なさって下さい。


作曲をするためにしっかりと音楽理論を学びたいという方の
お役に立てれば幸いです。






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