"DISTRACTION"シリーズの紹介を続けます。

###DISTRACTION Ⅲ for Violin and Piano###
    ディストラクション第3番
      ~ヴァイオリンとピアノの為に
        (1996)
   現音<現代の音楽展’96>第2夜出品作品

演奏時間:約8分
初演:1996年2月 バリオホール
演奏:ヴァイオリン=小林健次 ピアノ=林達也

この作品は、シリーズ2作目のフルート版(昨日の記事参照)
よりも結局先に初演されることになったのですが、
作曲の順番としては第3作になります。

乱数を用いて作曲されている部分が多く、
特にピアノ・パートは難しい難曲です。
また、同音連打によるアクセントの数が漸増していく原理に
素数列を用いてもいます。これらの構成原理は、
その後、他の作品にも援用することになりました。

初演を、大家=小林健次氏のヴァイオリンと、
当時フランスから帰国して間も無かった新進気鋭の
林達也氏のピアノで飾っていただけた事は、
大いなる歓びでした。


さて、今日の写真は、ポルトガルの世界遺産の一つ、
シントラにある夏の王宮の正面ファサードです。
2007年秋に当地を訪ねることができました。
天正少年使節団が渡欧した際に当時のポルトガル王に
謁見したという日本にも縁の有る場所です。
丁度その少年使節の時代(1580年代)は、
ヴァイオリンという楽器が一般化して時期と
一致するのです。
彼らもヴァイオリンの音色を楽しんだのでしょうか。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-シントラ王宮正面