ついにファシリテーション研修開始です。のびのびになっていた研修です。


◆カマル・フィヤルさん

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カマル・フィヤルさんはこの業界では著名なファシリテーター。
ネパールの方で日本で特に人気がありますが、国際的に活躍されている方です。

http://www.f3.dion.ne.jp/~ipdev/

上記のHP下部「私が出会ったファシリテーションの名人、達人たち」

今日は機会を得てカマルさんと会うことができました。
ちなみに僕のネパール名は「サントス」ですが、それは8年ほど前に彼からもらったものです。
意味は「満足」だとか。見た感じ満ち足りているのがその理由だそう。


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基本的にはあいさつから。
家族とか、PHDの研修のこととか、で大半の時間を使う。
ネパール語で話をしているので、なかなかカットインできない。

2時間の終盤に来て
「研修生は専門は習った。でもどのように話すかのトレーニングはしていないので、
 これからしようと思っている。PHDは30年やっているが、このトレーニングがないので、
 帰ってから立ち往生している研修生も多い。そこでファシリテーションとは何か、
 という話を話してくれませんか、ネパール語で」とお願いする。

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するとカマルさんは「ネパール語でファシリテーションは「サハジカラン」。
簡単にすることを助ける、と言う」と説明してくれました。

カマルさんのオリジナル?と聞くと「そうです」と答え。さすがです。

「教えるのとは違う。どうやってやるか、何を簡単にするか。
 たとえば先生とファシリテーターとリーダーはまったく違う」

「たとえば道を聞く。先生なら、こうやっていく、と教えてくれる。
 リーダーならついてこい、と言う。ファシリテーターは一緒に行って、
 必要なくなれば帰る。次からは一人でいけるようにする」

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「コンセプトと心が大事。でもそれだけではだめ、スキルも必要。
 3つのバランスが大事。今多いのはスキルだけ勉強する人。
 スキルだけだと悪い方向に使える。研修生は心はいい、村の人だし、
 だからスキルを学ぶといいと思うね」

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ミンクマリさん、ウルミラさんともに「とても楽しかった」と学びもさることながら、
カマルさんという人に出会えたことを喜んでいる。カマルさんは人間的深みが違うなぁ。
ファシリテーターのとって不可欠な人間性がとても豊か。
乗りなれた自転車で颯爽と帰っていきました~

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◆ファシリテーション研修開始、「リーダーとファシリテーター、先生の違い」

カマルさんに出会ったことで、ずっと悩み続けてきたファシリテーション研修の導入が
ようやくできるチャンス。

ウルミラさん、ミンクマリさんはネパール語で聞いたし、
インドラさんも「この人の仕事はなんだろう」と疑問を持っている様子。

昨日妻から「保湿クリームを塗るのはお風呂に入った後5分がゴールデンタイム」といわれたのですが、
まさにファシリテーションを導入するにはゴールデンタイム。
早速事務所に戻って今日のふりかえりからはじめました。


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まずネパール語わからなかったインドラさん、松田さん、坂西のために、
カマルさんから何を聞いたかをウルミラさん、ミンクマリさんに話してもらう。

「最初は自己紹介とか、家族のこと。
 それから村づくりの話を聞きました。村をよくするために何をしたらいいですか?
 そのためには村の文化をわかることが大事。ネパールでは村を一日歩くと
 いろんなカーストの人に会う。文化も生活も違う。
 どんな仕事、何を食べる、どんな服、どこで手を洗う。それがわからないと村づくりはできない」

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次に「リーダー、ファシリテーター、先生の違い」をそれぞれに話をしてもらいました。


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ウルミラさん、リーダー=えらいひと、○○してください、と言う人
       ファシリテーター=難しいことを簡単にする、てつだう
       先生=知らないことを教える


ミンクマリさん、リーダー=やりなさい、ついてきなさいと言う人、
        ファシリテーター=やりたい人と相談してやる、話を聞く
        先生=おしえたことをべんきょうしなさい、と言う

(注:上記は一種の固定観念です。もちろん良い先生、良いリーダーは
   ファシリテーターの側面も持っている人は多いです)

と結構いろいろとでてきた。これをインドラさんと共有する。
「だんだんわかってきました」とインドラさん。

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そこでインドラさんに質問。
さ「インドネシアの大統領、スシロバンバンは何ですか」

イ「リーダーです」

さ「では、スシロバンバンは○○をしてください、と言いますか」

イ「そうですね、勉強しなさい、と言います」

というようなやりとりがあり、リーダーのイメージは掴めてくる。
先生のイメージは比較的簡単。それぞれの自分の先生を思い出してもらう。
ネパールの先生は暗記型が多いようで、一方的に教えている、という話になる。

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すると「ファシリテーターは村の人からも勉強する」ということがでてくる。
学校の先生は生徒から知識を学んだりしないけど、ファシリテーターはそうではない、
ということが浮かびあがってきた。

すると「村の人からも勉強するだけじゃない、みんなで仕事をするのが大事。
自分の村の問題を知る、ということをする」と出てきた。

いいことがいろいろと出てくるので、坂西としては一気に説明してしまいたい衝動に駆られるが、
あくまで引き出すということに徹しようと我慢。

頭の回転がおいつかずに出た質問は「では、なぜ自分で村の問題を知ることが重要なのか?」。

・・・・

若干の沈黙があったけど、ミンクマリさんが次のように言ってくれた。
「本当に問題なのか、どうかを知る。自分で知ると(問題を)なおす気持ちがふえる」

と核心をつくコメント。問題を自分で知ることについては、インドネシアで豚を食べて
栄養バランスを改善する、という解決策の是非を話する。
もうひとつは今までに何度も話をしてきた「インドネシアで除草は女の仕事」という、
ウルミラさんが指摘する問題について。

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除草も男が手伝うべきだ、という外からの意見と、それで問題を感じていない村の人、
村の人が問題と感じていなければ問題にならない、もしくは問題として取り上げても
解決策を見つけるのが難しいということを説明する。してしまった。


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◆主体性を育む、ビショさんの組合の例から考える

次にもっとも重要な「自分ではおす気持ちがふえる」という点について、
自分の経験を振り返ってもらった。

さ「インドラさんはPHDの選考で有機農業をやりたい、と言いましたね。
 有機農業をしたい、と思ったのはいつからですか?」

イ「3年前ですね。お米、野菜にたくさん化学肥料使いました。そしたら病気になりました。
  化学肥料高いですね。たとえば収穫物を売って20万ルピア。化学肥料は10万ルピア。
  有機農業だと肥料や経費は5万ルピアですみます。だからいいと思いました。」

ミ「2年前、一万ルピーを借りてじゃがいもを植えました。
  でも木が黄色くなって枯れました。収量はほとんどなかったのでヤギを売って返しました。
  たぶん化学肥料が足りなかったのだと思います。一万ルピーでは種代でほとんどなくなりました。
  それと健康のことも心配でした。だから有機農業をやってみたいと思いました。
  そのときは有機農業という名前は知らなかったけど。」

とそれぞれの「困った経験」がでてきました。
二人の経験から共通点を探すと「自分で困っていることをわからないといけない。
たとえば有機農業を村でどうやって話すと考えたときにいいことだけ話してもいけない」
というポイントがでてきました。

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そこで具体例としてビショさんという昨年の研修生が作った組合の例を出す。
「私は夏にビショさんの組合を見せてもらいました。リーダーはギャンパドゥルさんというおじいさん、
ビショさんは事務局。びっくりしたのは組合の規約。40ページもありました」

ミ「えぇ、誰が作りましたか、ビショさん?」

さ「ビショさんがカトマンズの組合の人に相談して作りました。
  とてもきれいな文章のようです。でも私の不安はメンバーのみんなはこれを読めるのか、
  内容を理解しているのか」

ミ「たぶんしていないですね。ビショさんはわかっていると思うけど。
  ビショさんが考えるとビショさんのグループになりますね。
  私は短くても簡単な文章がいいと思います」

とファシリテーター冥利に尽きる答えが。ここでじ~んときていると、
ミンクマリさんが続けてこう言いました。(意図的に待てたわけではないのが僕の課題です)

「私だったらみんなの前でえらそうに話はしない。日本で勉強したからえらいじゃない。
 そうしたらみんなのグループじゃなくなる。みんなのグループだから集まって、
 私が話をするじゃなくてみんなから話を聞きたい。みんなでやりたいことを考える。
 でないと長くやるのは難しいし、私とビショさんだけではできない。」

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今日やりたかったことはほとんどでてきたので、
最後に「リーダーとファシリテーターの決定的な違い」について考えてもらいました。

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「リーダーは○○をする、でもファシリテーターは○○をしない」という形で。
ヒントとしては「自分でなおる気持ちを強くするためです。自分のことを思い出してみて」。

いろいろと出てきました。
どれも正解でしたが、ウルミラさんが「リーダーは一人でもやることができる、
ファシリテーターはみんなでやりましょうと言う」というところから
「決定、きめる」ということを共通の学びとして確認。


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「子どもは親に言われてもやらない」という話を私の経験から話しました。
「私は学校の成績は悪かった。あまり勉強しなかった。で、働いてから困りました。
 24歳で大学に行ってからはたくさん勉強しました。自分で決めたからです」

自分で決めることで「問題をなおす気持ち」が増える、行動科学のひとつです。


◆今日の感想、「自分のことを思い出す」

最後に今日の学びをそれぞれに話してもらいました。

松田さん「なおすきもちを増やすということが印象的だった。自分のことを考えてもそう。
 勉強は嫌いだったが中学校で良い先生にあった。それでがんばったら良い点がとれた。
 それからがんばるようになった。」

インドラ「村のためにどうやって話す。どうやって教える。これはまったく新しい勉強。
     私は大好きです」

とインドラさん初の「大好き」ができました。みんなが大笑いしていると
ウルミラさんが「始めてねぇ。好きなから揚げも大好きと言ったことはない」とつっこみ。

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ウルミラさん「ファシリテーターになりたいと思った。村のこと、心の気持ちをなおすことをしたい」

ミンクマリさん「不安だった。勉強はしたけど自分はリーダーじゃないし、どう話すか。
        ファシリテーション、村に帰ってから教えるために一番大事です。
        
        あと自分のことも思い出したら面白かったです。
        学校でがんばるとプレゼントをもらえたり、親がほめてくれた。
        それで少しがんばったけど、長く続かなかった。
        中学校で自分で勉強の必要性に気づいてからがんばれるようになった。
        でも中学校の時にお姉さんが結婚して忙しくなって数学とかできなかったけど」

ここで「思い出す」(経験を分析する)というキーワードもでてきましたが、
今日はこの辺で終了。ここまでいろいろと出てくると次はなんとでも始められそうです。
それもこれもカマルさんに会え、話を聞けたおかげ。カマルさんに感謝。

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