国立病院機構災害医療センター(東京都立川市)の松岡豊医師のチームは、青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防効果の可能性があるとする研究結果をまとめ、15日(米国東部時間)、米国の医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・サイコファーマコロジー」に掲載した。

 松岡医師らは平成20年5月~21年1月、交通事故などの重傷で同医療センターの救命救急センターに入院し、PTSD発症の可能性がある患者15人を調査。大きめの脂がのったサンマ1~1・5匹分に相当する量のDHAを含むサプリメントを3カ月間飲んでもらい、症状を検証した。

 PTSDは(1)フラッシュバックやつらい記憶がよみがえる「再体験」(2)事故にまつわる場所を避けるなどする「回避」(3)不眠などに悩む「過覚醒(かくせい)」-の症状について、頻度や強さを点数化して診断した。

 松岡医師らの調査結果によると、事故から3カ月後の症状の強さ(点数)は、DHAを飲んだ患者が飲まなかった重傷者に比べて4割程度に抑えられた。

 DHAはマグロのトロ、サバやアジ、イワシなどの青魚に豊富。松岡医師は「大きな事故に遭うと4人に1人がPTSD症状に苦しみ、日常生活に支障を来すといわれている。普段の食生活から予防に取り組んでほしい」と話している。

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