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塩野 七生
ローマ人の物語 29 (29) (新潮文庫 し 12-79)


評価:★★★★★5つ 傑作マスターピース
(僕的主観:★★★★★5つ傑作


いま、このローマ人の物語の文庫で出ている最後の巻に突入している。が、、、世界史の受験でも有名な五賢帝の中でも最も有名な『自省録』のマルクス・アウレリウスで、実は、楽しみにしていた。


どれほど素晴らしい皇帝なのか?、、、と。


とりわけ、アントニヌス・ピウス(マルクスの前の代)帝の御代は、ローマ帝国の空前の繁栄と安定を貪った、歴史家が何も記述することがないほどすべてがうまくいっていた時代、、、俗にいう「人類が最も幸福だった時代」を体現した時代だ。


マルクス アウレーリウス, Marcus Aurelius, 神谷 美恵子
自省録 (岩波文庫)
M. アウレリウス, 鈴木 照雄
マルクス・アウレリウス「自省録」 (講談社学術文庫)


ところがどうだろう、、、、中巻の真ん中まで来て、



この湧き上がる軽蔑感はどうだろう?


この消せない、無能!という二文字の意識は??



彼の義父であるアントニウス・ピウスの代からぬぐいようもない軽蔑を僕は感じる。もちろん、塩野七生さんが、そういうトーンで彼らの業績に質問を投げかけているのだが・・・。この二人が、感動するぐらい勤勉で誠実で、善き人であったことは疑いようがない。統治者としても、とりわけマルクスは、その問題点を見抜き、リメス・ゲルマニクスという最前線で命を縮めて指揮を取り続けたことからも、ローマ帝国の巨大な運命の臨界点において、この大きなマクロの流れが、大きな「転換点」にあることは十分自覚していたと思うし、そのためにできる限りの、それこそ命を削る努力で手を打っている。


けどなんでだろう???。


ふと思って、過去のリーダーの責務について書いた僕の記事を読んでいて、わかった。


*************

責任を担う、大勢の人生、大きなマクロを担う選良(エリート)には、このような戦略眼と、個人的な幸せを犠牲にするか覚が必要なんです。


『マブラヴオルタネイティヴ』 その7 夕呼博士の全体を俯瞰する視点~真の支配者の孤独
http://ameblo.jp/petronius/entry-10044618054.html

*************


僕はこう考えているんだ!!!!。これは、僕の中の倫理だ。


実際に、ローマ全土の安全保障体制を、誰も理解できないなか命を縮めて帝国全土!を回り尽くして鍛え直したハドリアヌス帝は、自分の業績が誰にも理解されないこと怒り、晩年は、怒りっぽく誰からも嫌われた孤独な老人であったらしい。また、元老院も彼の神格化を拒否している。民衆から元老院から深く深く愛されたアントニヌス・ピウス帝とは比較にならない。なんとかわいそうな同時代の評価だろう。


けど、、、、明日降るかもしれない雨に備えて、晴天の今日に行動をすることが政治家のあるべき姿(塩野七生)であり、、、、誰も、、、民衆や貴族でさえも理解できないマクロで長期のビジョンで、国家・共同体(レス・プブリカ)のグランドデザインを描くのが、真の指導者なんだと思う。


たとえ、誰に嫌われようと、理解者に恵まれずとも、、、そして個人の幸せや同時代の理解のすべてを犠牲にしてさえも。


それこそ、リーダーの責務。それこそノブレス・オブレージなのだ。


*************

その役割につくことは、運が悪いとしか言いようがない。小泉首相の後間違いなく不人気であろう政権についた安倍さんも、不運。いきなり人類を救うパイロットに選ばれたシンジ君も不運。でも、不運をただ嘆けばいいのか?。自由になりたいと叫べばいいのか?そんな責務には答えないと自分探しをすればいいのか?。いや違う。マクロの要請から逃げることも、実はマクロの奴隷あることと何の変わりはないことなのだ。

人間は、その所与の前提を踏み台にして、それを全うし、超えることによってしか自由を獲得できない存在なのだ。そこで、僕は自由になりたいととか逃げたいとかほざいてもはじまらない。さてその前提をかんがみる時に、ストラウスの発言は、冷酷なほどマクロ的だ。自分の心から愛するステラとわが子を殺したアーデルハイドへ向かって淡々と、こう話す。



「お前はお前なりに ステラを殺さないではいられない理由があったのだろう罪を問われるのなら、それに気づけなかった私だ・・・・


中略


アーデルハイド 国と民を頼む・・・・」



そして、世界の平和んためにストラウスを、自らの命を犠牲にしようとする同胞・・・元老院によって拉致され処刑されようというそのとき彼はこういう



「皆よ、かかる手間を取らせ、本当に申し訳なく思う。速やかに刑を進行してくれるといい。理はそなたらにある。王の義務とは国と民をできる限り守ること。それを全うするのならば私の命など塵と同じに扱って構わん」



元老院の議員は、恐れおののく。それは、すべての個の権利を捨てて、国家と民のために自らの命を塵にも思わない強烈な覚悟が垣間見えるからだ。それは、人間ではないし、個人ではない。偉大な王のあるべき役割の姿。そんなもの個人には背負えないほど重いもの。それらが、すべてそこにあったんだ。だが




『ヴァンパイア十字界』7巻 城平京:著 木村有里:画 そこまで個人がマクロを引き受けていいものか
http://ameblo.jp/petronius/entry-10042160254.html

*************


なんというか、、、、、僕は、あまりにこのアントニヌズ・ピウスとマルクス・ウレリアス帝の二人は、甘過ぎるただの凡人、、、、


いやあえていうのなら


誠実で勤勉な官僚にすぎない


と感じてしまう。


この時代の本質を、誰よりも早く見抜き、そして手を打つ義務が彼ら頂点にいる「皇帝」という最高指導者にはあったのだ。元老院などの衆智を集めたシステムでさえ追いつかないような独創的で長期でマクロのVISIONを、広大な距離空間に隅々まで行きわたらせる統治システムを創設するために、カエサルが、アウグストゥスが、ティベリウスらが、このローマ独自の「帝政」という奇妙なシステムを生み出したのだ。それができなくてどうする??と思う。ただの勤勉な官僚ならば、元老院のシステムで十分だったのだ。


僕が読んでいて優秀だ!と評する人は、たとえば後藤新平だし、ジャックウェルチだし、とにかく夜空の星々のことを考えるような独創的な想像力を、地上に出現させて実現してしまうその手腕に、指導者としての力量を垣間見ます。


政治家は、すべて結果責任なんです。

マックス ヴェーバー, Max Weber, 脇 圭平
職業としての政治 (岩波文庫)

過程なんて誰も見てやしません。


■参考記事


『マブラヴオルタネイティヴ』 その7 夕呼博士の全体を俯瞰する視点~真の支配者の孤独
http://ameblo.jp/petronius/entry-10044618054.html

『ヴァンパイア十字界』7巻 城平京:著 木村有里:画 そこまで個人がマクロを引き受けていいものか
http://ameblo.jp/petronius/entry-10042160254.html



関連記事

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□『銀河市民 Citizen of The Garaxy』ロバート・A・ハインライン①
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□『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里著②/ヨーロッパ的なモノ
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□『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里著①/コミュニストの子
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□『オリガ・モリゾウナ反語法』米原万理著/浦沢直樹のMONSTERに似てる
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アニプレックス
天元突破グレンラガン 7


いつも秀逸なコメントをいただく井汲景太さん より、またまた秀逸なコメント&情報提供をいただいたので全文転載します。


*******************


■中島かずきコメント


どうも。グレンラガン第3部の構成について、シリーズ構成・中島かずき氏のコメントをネタバレにならない範囲でお届けします。ペトロニウスさんが、製作者側の意図を外さず、正鵠をついてらっしゃることがよくわかると思います。


「僕は第3部はすごく好きなんです。3部の脚本は全部僕が書いたんですけど、出てくるキャラクターたちの動きに引っぱられるように書いたので。そういう意味ではドラマチックだし、面白い人間ドラマになってると思います」


「3部ではよりリアルな葛藤がありますよ。仕事してる人たちはみんな「染みるなあ~」っていう展開ですよ(笑)。プロジェクトリーダーの辛さとかも描かれるし」

オトナアニメ Vol.5 より。


「第3部が、僕たちが本当にやりたかったもので、大きなモチベーションになったパートです。「戦いの後に革命軍が自己解体しながらも、それでも自分たちの道を見つけていく」という物語は、多分今までのロボットアニメでは描いていないと思っていますし、今石監督もガイナックスのスタッフもそこを新しいと思った。だからこそ3部は肝だと思った。実際1&2部をあれだけシンプルな内容にできたのも、この3部のドラマが後にあるから、逆にある意味記号的な展開でいけると思ったからなんです」


「第3部はそんな視点の転換と、群像劇としてひとつの大きなドラマになっているので、打ち合わせの段階でこれはもう(他の人に)振れない、僕が一人で書くしかないな、と覚悟しました」

アニメージュ 2007年10月号付録より。


「あれはプロジェクトリーダーの苦しみをまんま書いてるんです。しかも後手にしか回れないプロジェクトリーダー(笑)。例えば雑誌だと「4ページ空いてたから何か企画を作んなきゃいけない」感じ(笑)。でも、それが仕事ってもんだからさ。だから、若いファンが30代半ばになったときにもう一度『グレンラガン』を見ると、ロシウの気持ちが痛いほどよくわかるようになる(笑)」


オトナアニメ Vol.6 より。


井汲 景太 2008-02-10 22:28:09

*******************



■僕は漫画力が足りない~しかしボールは投げるしかなかろう!!


井汲さん!いつも本当に素晴らしいコメントありがとうございます。こういうの、本当にマジでうれしいです。


ちなみに、僕は、なるべく「生のその時思ったこと」を「言い切りの断言で」表に出そうと思ってそのスタンスで、記事を書いています。これは僕の私的感想日記なので。


しかも、いずみのさんやLDさんと話していて思ったのだが、僕は


圧倒的に漫画力(笑)が足りない。


いってみれば、歴史方向への「縦」、いいかえれば過去の遺産などのアーカイブの量と、「横」の現在進行形の情報が、凄い少ないのですね。この世界の住人としては、まだまだ小さいっすよ。小粒。



一言でいうとこの世界の教養が少なすぎるのですねー。



まぁ全く関係なジャンルのサラリーマンをやっているので、マンガやアニメは物凄い好きですが、たとえば、グレンラガンは、本当にこの再放送の「この回」だけしか見ていないで記事を書きます。それもたった一回だけで。そのわりに妄想激しいので、すぐつっぱしります(苦笑)。そもそも他のブログとかを見ている余裕もあまりないです。見るより自分で書く方が好きなんだなー。


けれど、それって誤読や全くの見落としが多い場合もあるので、ちょっと怖い・・というか恥ずかしことになる可能性があるんですね~。だから、アニメのこういう感想は、毎週書くわりに、「おもいっきり作り手や受け手の目的からズレ手受け取っていました!」という可能性は否定できない。まぁ誤読も創造性ですが(苦笑)。


まぁ、、、このブログ・・そんなに人が見ているわけでもなさそうなので、その程度の「恥」は、しゃーないとおもっていて、リアルタイム性・・・僕的な言葉でいうと「感受の一回性」は、こうやって自分の不安な意見を世界に投げつけることでしか成立しないようなので、まっーそれの方が臨場感あっていいや、と割り切っています。まずは、投げてみないと、ボールは帰ってこないので。


ただ、やっぱ「知識もないくせになにエラソーに語ってるの?」と思われるのは、怖いわけで(器が小さいので)、、、、シゴトならば十分根回ししたり、データを揃えるし、、、なによりもそういった議論が出来るような関係を構築するのを前提で行うので、不特定多数にこうやってなげるのは、けっこうパワーいります。


そんな中で、議論というか、、、、自分が知らなかったことで意見を補強してもらったり、より大きな世界観の枠で僕の意見をリフレーミングしてくれたり、、、まったく対案をぶつけてくれたり、そんな風にしてもらえると、なんつーか感無量です。それは、自分の世界が広がることですから。それこそ、ブログというか双方向メディアの醍醐味ですしね。ちなみに、マジで毎週の夜を楽しみにして見ているので、ネタバレ控えは、うれしいです。



■後手に回るプロジェクトリーダーの悲哀


「あれはプロジェクトリーダーの苦しみをまんま書いてるんです。しかも後手にしか回れないプロジェクトリーダー(笑)。例えば雑誌だと「4ページ空いてたから何か企画を作んなきゃいけない」感じ(笑)。でも、それが仕事ってもんだからさ。だから、若いファンが30代半ばになったときにもう一度『グレンラガン』を見ると、ロシウの気持ちが痛いほどよくわかるようになる(笑)」

オトナアニメ Vol.6 より。


これ、まさにぐっときた。うんうん。ロシウって使命感あふれていうて、ある大きなプロジェクトに邁進しているんだけれども、最高指揮官の器ではないんですよね。まだ若いと言うか、「アホっぽさ」が足りないというか・・・・。特に、



例えば雑誌だと「4ページ空いてたから何か企画を作んなきゃいけない」感じ(笑)。



こういうの凄くわかる(苦笑)。染みます。ほんとーは、編集長とか、もっと全体を見る立場の人が、そういうふうに追い込まれないように舵を切ってくれないと困るんですが・・・なかなかそんなうまく出来ないんで、すぐ下っ端にふられるんですよねー。つーか責任取れない癖に戦線拡大する上は多いのです・・・・。ただ、ぼくも子供じゃありません。「上」には「上」のやむにやまない事情があったりするのですよ、これがねー。


いや、ほんと「それが仕事ってもん」ですよね。


地球脱出の船や地下に全人類を退避させる準備など、あの革命政権の官僚的な事務能力がない面々を中枢に抱えながら、ロシウの苦労は、どれほどのものであっただろう?(苦笑)。


しかも、シモンも日常の中では、ただの理想主義者にすぎで、いや・・・子供にすぎず、ことの重大さが全然認識できていない。最高首脳部と議会が、あの体たらく。しかし、限りなく時間が少ない。自分の意思を支援して支持してくれる人は、深く広く存在する・・・・。そして、人類が滅びるかも知れない切迫感。


これを感じながら、


ロシウの補佐官としてシモン総司令をいじめるような言動を見ると、見方が全然違って見える。


僕もまだまだ下っ端なので、この気持ちよくわかる。しかも、あらゆることが、後手に回っている。


・・・シゴトってのは、先手を打てるなんて、準備ができている状況なんて、ほとんどありません。



毎日が撤退戦の地獄のようなもの



僕が夢見るのは、いつか「そいつの背中だけを見ていられる安心感のあるリーダー」のもとで「いつ一緒に死んでもいい!」と思えるシゴトをすることか、そうでなければ、「自分がリーダーの器まで成長して、後手に回らないグランドデザインと戦略をもって組織を率いること」です。まぁどっちも成長のステージなので、両方できるようにならないとダメなんでしょうねー。成長は、遠い山のようなものです。ふぅ。


なんか、そんなふうなことを、グレンラガンを見ていることを思います。




■参考記事


19話『生き残るんだどんな手段を使っても』生真面目なエリートは、全体主義的思考に走りがち
http://ameblo.jp/petronius/entry-10071296099.html
17話『あなたは何もわかっていない』 革命軍が秩序を打ち立てる時
http://ameblo.jp/petronius/entry-10069642744.html
11話『シモン手をどけて』 何がそんなに心が震えるのだろうか?
http://ameblo.jp/petronius/entry-10067598169.html
いつだって俺の強がりを支えてくれたのはあいつなんだ
http://ameblo.jp/petronius/entry-10060155418.html
セリフだけでこれだけ熱くさせてくれるのも、なかなかないね
http://ameblo.jp/petronius/entry-10055915786.html
グレンラガン見はじめています!
http://ameblo.jp/petronius/entry-10052009528.html

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小野 不由美
東の海神 西の滄海―十二国記 (講談社文庫)


評価:★★★★☆星4つ半

(僕的主観:★★★★★星5つ)


「礼は言わぬほうがいい。仮に州侯が叛旗を翻せば、まず間違いなく牧伯の身は危うい。州侯城へ行ってくれと言うは、万が一、事があったときには命を捨ててくれと言うに等しい。


――だが、俺には手駒が少ない。死なせるにはあまりに惜しいが、お前の他に行ってもらう者がいない」


『魔法先生ネギま!』のリーダー論。/Something Orange
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20071122

*************


あーうんうん。ここも思い出す。


この人のために死にたい!と思わせる人が、本物のリーダーなんだよね。


一度しかない命を、この人と同じ夢を見て、ともに夢を抱いたと思って死にたい。


そう思わせることが、本物のリーダーなんだと思う。


たとえ、それが目的のための手段として切り捨てられることであってすら、喜んでこの身をささげたい、、、そう思わせるカリスマが重要なんだ。




・・・・どうしてもこの論議は、体主義的思想に向かうなぁ(笑)。


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テーマ:
栗本 薫
鷹とイリス―グイン・サーガ(65)

評価:★★★★★星5つのウルトラマスターピース

(僕的主観:★★★★★星5つ


時々、海燕さんとは、双子の兄弟なんじゃねぇと思うほど連想する場所が全く同じでドキドキてしまう。本当にすべてピタリと一致する。論旨だけではなく具体的な連想場所ですら。。


*************

「あなたが、かれらに命じたのではない。かれらが、あなたを選んだのだ。あなたには、選ばれたことに対する責任こそあれ、かれらの死を背負いこむ理由などありませんよ。


あったとしたらそれは傲慢というものです。


こういっては、傷ついているあなたにきびしすぎることばときこえるかもしれませんが。私は――私もまた、いろいろと悩みました……私の迷いを啓いてくれたのは、私がその一生をほろぼすことになった男のことばだった。私が正しい愛国者の道からひきずりおろし、闇にひきこみ、迷わせ、恋を奪い、ともに破滅することへひきずりこんだ、その男がにっこりと笑って、


『あなたじゃない、私があなたを選ぶのだ』


と考えるにいたったとき――私は、はじめて知りました。それでは世の中には、何かを与えてやることではなく――何かをしてもらうこと、何かを与えてもらうことによってだけ与えることのできる贈り物ものあるのだなと――その贈り物の名は、《信頼》というのだと」


『魔法先生ネギま!』のリーダー論。/Something Orange
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20071122

*************


これです。これが僕の信仰する究極のリーダー論の一つの帰結であり、倫理的な最終結論です。もう、完璧に説明されているので、いまさら僕が何を書いても、って気はするが・・・さすが海燕さん。こういうとんでもなく素晴らしいポイントがあったりするから、グインサーガは僕の中で神なんですよ。


信頼・信義・・・・・Trustとfaithというものは、まさにそういうものだとものです。リーダーもフォロワーも、どのみちに「この不確かな世界という現実」の中で、闇の中に手探りで歩く一人の人間にすぎません。ただ、この前の見えない闇で、一緒にある道を、選ぶと決断した仲間にすぎないのです。そして、そのチーム・・・・仲間が、唯一対等で価値のある「つながり」であるためには、やはり信頼が信義が必要なんだと僕は思います。

*************


このように「相手のためを思って」その行動を抑止すること、英語で、パターナリズム(paternalism)と呼びます。日本語では父権主義、温情主義、あるいは父権的温情主義などと訳されているようです。


 パターナリズムの問題点は、相手のためを思ってしたことがかならずしも本当は相手のためにならないところにあります。本人はリスクを犯してでも為し遂げたいと考えていても、あらかじめ先回りしてその可能性を摘み取ってしまったりする。

*************


なるほど、僕はこの言葉が思い浮かびませんでしたが、言わんとすることはわかるが過剰に倫理的すぎる、という意見は、ようは、パターナリズムに落ち込む危険性があるということだったのですね。


ただしね、ここは難しいのですが・・・・僕は、実際にビジネスのリーダーとして、会社という共同体(=マクロ)の経営戦略の企画に深く関与する立場で実在の役割を担う時、ときどきその重責に打ちのめされる気がします。


マクロを預かる立場にいるもの、戦略を企画して意思決定に関与する立場にあるものには、「聖なる義務」があると僕は思っているようです。なぜならば、自分の意思一つで、多くの人間の生殺与奪権や未来を左右してしみかねないほどの絶大な権力がそこにはあるからです。


良く思います。


「自分が、、、あそこで、あそこで血を吐いてでも行動すれば、あの事業はなくならなかったのではないか?。あの人たちが人生を捻じ曲げられることもなかったのではないか?と。


本当にオレは、そこまで考え抜いただろうか?


自分の戦略や外部環境も決して間違っていなかったことは後付けで証明されても、もう起こってしまったこと!に対して、それはあまりに無力だ。さからしらに、ほら、正しかっただろう!と言ってみたって、そんなことは、起きてしまったことに対して何事の価値があろう。


自分は最終決断をする社長じゃない?。命令されたから?。そんなものは、力と意志と能力で、いくらでも回避することは実は可能なんだ。世の中には不可能なことはそんなに多くはない。それは、自分が保身に走っただけでは?。


なぜ?、なぜオレはもっとやれなかったんだろう?。


仲間から、ある種の権力を委託されている立場にあったのではないか?。ヘッドクォーターのプロダクトマネージャーや事業企画スタッフ(=参謀)には、トップに影響を与えることができない現場の人や顧客や・・・・たくさんのステイクホルダー(=同胞たち)にとって、最も、善きことを指し示す義務があったはずなのに・・・・・。」


そう悔やむことが毎夜あります。


これは、ビジネスでは、リストラをやったことがある人なら、絶対にわかる議論だ。上から命令されたから仕方なくやりまいたと逃げる奴がいたら、そんなクズの下で仕える人々はかわいそうだと思う。


「自分がそれをできる立場」にありながら、責任を議論しないことはありえないからだ。


だから、傲慢だし、無駄にダラダラ悩むけれども、ネギ君の悩みはわかる。10歳で抱え込むには、重すぎるほどにね。だから、この責任を考える時には、第三者の目で見てはダメなんだろうと思う。信頼ということ、「フォロワーの自己決断」という逃げ道に逃げることは、マクロの管理者には、リーダーには許されないと僕は思う。だから文学的意図から、主人公を、そういった責任認識を究極の形で突きつけっれる状況を作り出す、というのは、僕は理解できる。たぶん、sさんは、「それが見たい」人なんでしょうね。たぶんそれが実存。

*************

そして何より頭脳が明晰であり、常にマクロな視点を忘れない。だが心の中は、小心者であるが故、ミクロな関係にとても大きな価値を置いている。にも関わらず、彼の優秀な頭脳と職責は、彼に感情のまま動くことを許さない。いや他人の感情も、自身の感情も利用することを迫る。


 小を切って大をとらざるを得ない環境においては、彼は確実に小を切る。それがただの冷徹さなら、この作品の面白さなど微塵もないだろう。小を切ることは確実に正しいことだと知りながら、彼は強烈な苦痛を覚える。そして苦痛を覚えることすらも偽善だと知り、自己嫌悪する。自己嫌悪をする自身が、他者の価値を貶めることを知っており、それすらも自身の罪過として背負い前進し続ける。そこには慈悲も許容も無い。


責任なんて絶対とらねぇ
http://d.hatena.ne.jp/skerenmi/20071121/1195648321

*************

佐藤 大輔, 伊藤 悠
皇国の守護者 5 (5) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)
佐藤 大輔
皇国の守護者〈1〉反逆の戦場 (C・NOVELSファンタジア)

sさんも皇国の守護者の新城直衛について、こう評していることからも、よくわかる。


『魔法先生ネギま!』のリーダー論。/Something Orange
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20071122


赤松 健
魔法先生ネギま! 20 (20) (少年マガジンコミックス)
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