テーマ:
佐原 ミズ
マイガール 2 (2) (BUNCH COMICS)
評価:★★★3つ
(僕的主観:★★★★4つ


娘と毎日家に帰って、今日会ったことを話す・・・・それだけで、幸せだっていう正宗くんの話は、凄いよくわかる。



それは、、、同じ時を共有することのできる愛する人と出会った時の喜びだもんね。・・・・・ほんとうは、失って気づくのではなくて、今日この時を、愛する人と(もしいるならばね!)共有できることをいつも感謝していきなければ、もったいないんだけれどもね。



話を共有することは、一度しかない人生の貴重な「いまこの時」を共有することだから、意味はないけれども、価値があることなんだ。


『マイガール』 佐原ミズ著  喪失感の共有による絆は・・・・・
http://petronius.ameblo.jp/petronius/entry-10030255971.html
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ちなみに、以下の記事は、なんつーかマイナス的に書かれていますが、このマンガは、僕はとってもとっても好きです。


コハルちゃん、健気すぎっ!。コハルちゃんのような娘が欲しいです!(笑)。小学校に進学したコハルちゃんのワンピース姿に、やばいです。娘にも買おう!と心に誓いました。ちなみに、基本的には、コハルの正宗君への態度には、「少しの遠慮」があって、甘え切れていないんだよね、そのお互いの遠慮が微妙な距離感になって、優しさと寂しさを生み出している。こういう遠慮というか、なにか100%甘え切れない、という状況の方が、深く温かい愛のある関係が気づけるのだろうなーとか思います。


とはいえ・・・・まぁこんなに精神的なものを共有しあえる関係性は、僕はある種の欺瞞のような気はしないでもないですがね。物語の世界の。世界はもっと誤解と勘違いに満ちていて、だからこそ、面白いのだと僕は思うしね。調和が取れ過ぎるのも、ある種の嘘を見せられている気になる時もあります。



■世界観が完成していることの功罪


基本的にこの著者の作風は、すでに完成されているなーと思う。どれをとっても、同じ匂いがして、雰囲気・世界観が完成している。これは、ほめ言葉でもあると同時に、ある種のマイナスでもあります。それは、ある一定の水準を常に超えているレベルの物語世界を構築できるという部分と、同時に、ある関係性や感覚に「停滞」して抜け出さない、という意味でもあるからです。

佐原 ミズ
バス走る。 (BUNCH COMICS)

とりわけ、少女マンガに様に繊細な感情の機微を描写するのがうまい、このような作風うの人は、僕的な言葉でいうと「過去に拘泥する人」となりやすく、喪失感や生きることの痛みを、センシテイヴに「感じ続ける」日常を描き続ける傾向が強い。世界はどこまでいっても、そういった繊細さに満ちた優しく穏やかな空間でありつづける。それは、それで物凄く美しく、繊細にキラキラしていて、完成された美ではありますがね。


それは、作者その人が、そのものが、そういった「視点」で世界を眺めていることの証左なのでしょうが、それでは少しさびしい。「過去に拘泥する」というのは、ものごとの厳しさ残酷さ、死んでしまった人の喪失感などの「取り返しつかないこと」の重さをかみしめて生きるという意味ですが、この人生には、「成長」や「変化」「輝く未来」といった、時間感覚の先にある癒しや変わっていくことのワクワク感を描けなくなることが多いからです。


実際に、1巻で正宗君とコハルちゃんの喪失感は、見事に描けました。けれども、2巻目になると、僕はそれに不満を覚えてしまいます。なぜならば、同じところに踏みとどまっていても、だめじゃーないですか?。しかも、正宗君と陽子さんは、たしかに行き違いがあり、死別であったとしても、深く深く愛し愛されたカップルであったわけで、コハルちゃんに引き継ぐべきトラウマは存在しません。親から受け継ぐ負の連鎖がないのならば、僕は、真っ直ぐ前に向き成長を目指す姿勢を見たい、と思うのです。えっと、2巻に不満はないですよ。2巻は、1巻の延長線上として、よく良く描けていおるし、少しづつ成長へ前向きになる娘と父親の姿が繊細に描けており、十分すぎるほどの完成度です。


・・・・けれども、親の負の連鎖を引き継がないのならば、そこにドラマトゥルギーは発生しません。物語が、停滞してしまうのです。負の連鎖がないのならば、正の連鎖を目指す成長を描くべきで、そうでないと・・・・ずっと繊細に『世界を眺めつづける日常の話』、になってしまいます。・・・・それは、僕は、一話完結の物語で良く、連載にする必要性をあまり感じないんですよね。


せっかくこれだけのものが書けるのならば、「もう一歩」次のレベルの物語世界を構築してほしい気がします。



■幻想の父子関係~榛野なな恵のPapa told meを思いだす


なぜそういうのかといえば、この繊細で閉じた日常の行き着く果てが、『Papa told me』を思い出させるからなんですね。これって、先がない話なんですよねー。

榛野 なな恵
Papa told me (27) (ヤングユーコミックス)

まぁ『マイガール』ここまで永遠回帰の日常を描いていないので、こうはならないと思いますが、似た匂いを感じてしまうのです。


どうもねーこの父親と娘という関係性は、けっこう危険な関係性で、ある種の幻想による現実の拒否を肯定しやすい関係のようなんですね。


榛野さんが女性であるように、女性にとっては、いつまでも少女でいられるという特権を維持し続けるという幻想、父親の方である男性にとっては、「女」になって対等になってしまわない少女を上から目線で愛せる・・・・どっちにとっても、現実から逃げるのにとても都合のいい関係性のシステムになっているんですよねー。


だから、男性女性を問わず、この関係性を主題にした物語は多いんですよね。


前にも書いたのですが、この主題には、実は吸血鬼という主題ととても親和性がある、と僕は思っています。高野さんの『BLOODALONE』がまさにズバリですが、それは「永遠の命による現実の砂を噛むような不毛感」というテーマとの、この幻想の関係性の構造がリンクするからなんですねー。


ちなみに、このテーマには大きな分岐点があって、現実に強く踏み出すか、繊細な美しさの世界にとどまるか?っていう大きな世界観の態度があると思います。

高野 真之
BLOOD ALONE 3 (3) (電撃コミックス)
すたひろ
おたくの娘さん (第1集)
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竹内 洋
教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 (中公新書)

前に記事で、


■志を持てば世界の見え方が変わってくる~物語というフレームから見る世界の美しさ
http://ameblo.jp/petronius/entry-10035281461.html


■嫌いな言葉~僕はえらくなりたくって働いているわけじゃない。出世には興味がない。
http://ameblo.jp/petronius/entry-10035264040.html



「僕はえらくなりたくって働いているわけじゃない。出世には興味がない。」


ふと思ったのだが、これ、必ずしも責任をとりたくないという意味だけではなく、公共圏(共同体を超えた正しさの意識)へ到達するべきだ!という気概を捨てているという意味だったんだろう。


「とりあえずやりたいことがあれば(公的にも私的にも)えらくなれ!」


という立身出世の気概が過去の日本いは生きていたが、それは、専門性や自分小さなムラ社会にこもりがちな心性を、広く高みの世界の引きづり出すという機能を持っていた、という竹内洋氏や『経済学というの教養』の稲葉振一郎氏の指摘は、なるほど、と思う。


立身出世、教養主義、成長へモチヴェーション、、、すべては、狭く矮小な自己のナルシシズムから脱出して、マクロの公共性へ至る道へ選択すべきというある種の僕の倫理観から出てきた発想だったのだろう。


これは、なるほど、、、と思う。すべてのキーワードにつながることだ。この辺は、すごく興味深い、、もう少し考察を進めていこう。


稲葉 振一郎
経済学という教養

参考記事
□①「丸山眞男」をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。
http://www7.vis.ne.jp/~t-job/base/maruyama.html
□②けっきょく、「自己責任」 ですか 続「『丸山眞男』を ひっぱたきたい」「応答」を読んで──
http://www7.vis.ne.jp/~t-job/base/maruyama2.html
□赤木智弘にひっぱたかれたくない!/アンカテ(Uncategorizable Blog)
http://d.hatena.ne.jp/essa/20070817/p1
□日本の若年雇用問題、ベーシックインカム論/カワセミの世界情勢ブログ
http://kawa-kingfisher.sblo.jp/
□上からの無自覚な弱者への暴力と下からのルサンチマンが社会の継続性を奪う
http://ameblo.jp/petronius/entry-10073901492.html
□誰かが雇用を得るためには、誰かがその雇用を作り出さねばならない
http://ameblo.jp/petronius/entry-10076826525.html

#############

□とくに好きな仕事でなくても、すばらしい幸福感に包まれて仕事をする方法
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080302/1204438490#seemore
□2010年、マッチョ主義によって日本社会のとてつもない大改革が始まり、人々の生活が根底から変わりはじめた
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080302/1204438491#seemore
□氷河期の猛吹雪にズダボロに引き裂かれた人々と、グングン成長した人たち
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080228/1204203051#seemore
分裂勘違い君劇場より


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“かわいそうな世代”20代、酒飲まず、車を買わず…「貯金は自己投資しないのと同じ」とジャーナリスト
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1100766.html

「20代からの自分を高める勉強法」などの著書がある、ジャーナリストで経営コンサルタントの中島孝志さんは、現在の20代を「かわいそうな世代」と評し、こう話す。


「20代は将来に不安の要素が多いため、ちょっと先の未来に踏み出すことができない。貯金は地に足がついた人生設計、ともいえるが、投資のようなリターンがないから、若い世代にとっては、停滞、を意味しているのではないか」


20代の若者が保守的になっているのは、同世代にたくさんニートがいてその現実を知っていること。さらに、株の乱高下、年金、サブプライムなど経済面の問題が山積し未来を描ききれないことや、両親が不況の時代を生き、今でも家のローンや、教育費を抱え「カネがない、カネがない」とシャワーのように言葉を浴びせられてきたからだという。


「20代がお金を使わずに貯金しているのは、自己投資をしていないのと同じだから、
これからの人生に向かって投資しなさい、と言いたい。投資は成功も失敗もある
けれども、どちらがおもしろい人生を送れるか、ということだと思うんです」(以上、一部略)
http://www.j-cast.com/2008/03/07017535.html
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時代的に、バブルを経験している世代の物言いには、なんとなく納得ができないなー。世代が違うと感受性や、ものの見方がかなり異なるので、人括りにするのは不愉快だなー。たとえば、家にこもって、友人とネットをしていることやダベっていることが、必ずしも「かわいそう」とはいえない気がする。エコノミーな生き方というものもあると思うのだ。誰もが野心満々に、成長を目指して生きるわけではないのだから。それに、経営コンサルの人のことはよく知らないが、政策的なミスによる不況(そういう部分も多くあったと思う)は、その世代の大人たちにも責務はあるわけで、上からの物言いばかりではだめな気がするなー。そもそも、日本の貯蓄率の高さや投資への踏み切りの弱さは、国家レベルの現象であって(他の国との比較)、一部の世代が不況にあわせて先鋭化したからといって、文句言うのはなぁ。


とはいえ、自己投資のない生き方には、リターンもないのも事実で、やり直しができるくらいに余裕があるのが10代後半から20台であるのも事実。


■氷河期の猛吹雪にズダボロに引き裂かれた人々と、グングン成長した人たち
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080228/1204203051#seemore  

分裂勘違い君劇場


ここでもあってのだが、、、、、どの世代でもちゃんと生き残るやつは生き残るものだし、それ以外の人が、安定を希求するのは、別におかしくない気がするんだがなー。


ふと思うのだが、あらゆる物質的不幸は、成長という輝きによって、克服されることが可能だ。けれども、地球資源が有限で、その有限の克服方向がいまだ分かっていない現代においては、調和や回帰循環するようなライフスタイルが模索されて、それに基づく『社会のありうべき姿』がまじめに考えられてもいいのではないか?と思う。片方の極だけが正しいなんてことはないのだから。そういう意味では、持続可能な社会の建設を動機付けるユートピアのイメージがないことが、問題なのかな・・・とかとか。もちろんこの流れのパラダイムの転換に関する議論は、下の本を思い出したなー。


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金田一 蓮十郎
ニコイチ 3 (3)
評価:★★★3つ
(僕的主観:★★★3つ


主人公の須田真琴は普段は普通のサラリーマンをしています。 しかし、血の繋がらない息子の崇くん(これがかわいーんだっ!)の前ではキレイな母親を演じています(笑)。 ようは、息子の前では、母親(女)を演じて、会社では男のまま、という二重生活をしているんですね。まぁ、コメディなのですが、、、、4巻まで読んでいると、なんというか、感情の描写がとても上手で、僕は好きなんだよなー。たぶん女性が読んでも、面白いと思う。


・・・・・・うーむ、何が面白い部分なのか?ということがうまく説明できないが、僕が「女性が読んでも面白い」と形容するときには、日常の心理描写のレベルが、ちょっとその他の少年少女マンガより、上と感じている気がするんだよね。それが何なのか、うまく説明できないが・・・。まぁ、おいおい考えていいますが。とにかく、スキなんですよ。この作者、その他に何を書いているかは知らないのですが、とっても感情の揺れ動きとかの描写の上手い人なんでその他の作品もぜひ読んでみたいなーと思います。


4巻(最新刊)を読む。3巻の終わりが、バレル寸前だったので、気になっていたのだが・・・はーそうきたかーと。いやーなかなかいいっす。

金田一 蓮十郎
ニコイチ 4 (ヤングガンガンコミックス)




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テーマ:
ジェネオン エンタテインメント
大統領暗殺 デラックス版

評価:★★★星3つ


擬似ドキュメンタリー。こういうものを描けるアメリカ社会は懐深いなあ、と思う。また同時に、こういう作品が面白く感じること自体、大統領という「個人」が、ある種の劇場でのスターに感じられるということで、日本の政治家にはない感覚だな、と思う。


ちなみに、もう既に、ポスト・ブッシュという立場で、アメリカは動いており、ちょっとこれを作るには、じき定期に遅かったなーという気はしないでもありません。


■戦争を継続するシステムは、簡単には潰えない


ブッシュ大統領が死んだことが発覚した直後、チェイニー副大統領が、大統領の先生をするのですが・・・結局、一人の個人を殺したぐらいでは、、、、いや言い換えれば、テロリズムなんかで、簡単に国家の方針は覆されないんだよな、ということです。なんかそういうことを思ってしまいました。

(僕的主観:★★★星3つ)

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