テーマ:
河下 水希
いちご100% 19 (19)


評価:★★★☆星3つ半

(僕的主観:★★★☆星3つ半)


かなりのネタバレになってしまうので、読む気がある人は読まないでください。



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物語には必ず終わりがあるはずなのだが、なんだろう、あるタイプの物語には、終わったあとに深い感慨を呼び起こす力があって、たぶん何らかの「もう続きがない」という喪失感なんだと思うのだが、そういう悲しさがある。 最後の最後の巻まで、「そういう」感じを受けるとは思わなかったし(物語の整合性が破綻している気がするんだよね)、最終巻がそれまでの路線を大きく逸脱しているわけでもないのだが、すごい、、、なんというか胸にぽっかり穴が開いた感じ。

たぶん、好きだったんだなぁ、この「いちご100%」という作品(笑)。


たかすぃさん 、ありがとう。あなたのブログを見なければ読むことはなかったと思います。こういう出会いがあるので、ブログはとてもうれしい。 ジャンプ連載時は、数秒で却下した覚えがあるので(笑)。あまりにありがちな、男に都合がいい設定なので、読む気が起こらなかったんです。



■その選択肢は正しかったんだろうか?


itigo
ちなみに、最後の最後でつかさちゃんを選んだのは、実はいろいろ思うところがあった。 まだ若い真中が、彼女を選ぶのは分かる気がする。物語としても、彼女で完結するのは、たしかに相応しい気がしていた。 一気に読んだ話の流れから言えば、この結論は、共感できる。青春もののラブストーリーとしては、西野しかないと感じる。僕は圧倒的に、東城さんの方が好み(めがねで、ドンくさくて、超頭がいい(笑))なのだが、それでも、あの青春時代の中で見ると、彼が彼女を選ぶには、苦渋の選択だが分かる気がする。
itigo

・・・・・かわいいなぁ(笑)。


ちなみにこの作品の根本のテーマは、


①自分を応援してくれて、はげみになる彼女


②自分と同じ志を共有できる人


どっちが、恋人として相応しいか?という問いが背後にあるような気がします。必ずしもこの計算式どおりに物語りは結論づけられていませんし、①=西野つかさで②=東城綾と僕は考えているんですが、それぞれの立場が微妙に入れ替わるので、必ずしもすっきり理論的に割り切れません。物語のダイナミズムの大きな部分は、ここにあると僕は思って読みました。


たとえば、西野つかさとパティシエの師匠の関係もその類型です。もちろん、脚本家の東城綾と映画監督の真中の関係もです。尊敬でき、夢を、シゴトを、共有できるという一体感というのは、何者にも変えがたい魂の絆を感じさせます。


このテーマは、僕は、恋愛を描くこと気には、絶対に譲ることのできない大きな基礎だと思っています。というのは、たぶん、結婚して共働きをしたことがある人ならば、このへんの話は、男女ともに非常に悩むことだからです。やっぱりね、シゴトをしている女性は、とてもシゴトで苦しむ男性を理解してくれるし、共感ができるというのは、とても愛を感じるんです。たとえば、男性同士でも、シゴトや戦友との絆のほうが、日常の家族の絆よりもはるかに価値が高いと感じる人が多いのも、そういった文学のテーマがあるのも、戦友・・・・何かの社会的な価値に命をかけて体験を共有したことによる「絆」は、ある意味、下手な恋愛よりも次元の高い愛だからなんです。けれど、外での、シゴトでの、戦いには、不断の努力が強いられる非日常の世界です。だから、その極限の努力と成長が強いられる世界から、癒されること、自分が心砕けたときに励ましてくれる存在というのも、また同じくらいに重要なのです。これは、男性的な視点に見えますが、今の男性優位の社会だからそう見えるだけで、社会で働く人間であれば男女問わず、必ず現れてくる現象だと思うのです。仕事で、社会に評価されたい!、、、けど、いつも仕事や社会的価値だけでなく、プライベートの部分で励ましてくれたり支えてくれる人がほしい・・・・、、、というのは、男女関係ないでしょう?。だから、、、、、、我々が、社会に出て働かなければ生きていけない都市文明社会の住人である限り、この社会的価値と個人的価値のぶつかる部分は、誰しもが持つ悩みなのです。それがもっとも先鋭的に出るのが、恋愛という部分です。学生の、社会的責任が伴わない世界では、純粋に「好きか嫌いか?」という恋愛の初歩的次元だけで物事が語れます。が、社会に出れば、「好きか嫌いか?」だけではない、強烈なストレスと時間的拘束が個人に襲いかかります。そして、年齢を重ねれば、「僕が、私が生まれてきた価値とは何か?この社会に何か価値を貢献できるか?」という実存の意識も強くなります。


この部分は、一般論で語れることではなく、その個人の夢がどれだけ強いエネルギーを持つかとか、どちらがサポート側に回るか?とか、個別の議論で話が進むことなのです。だから、恋愛ものの、社会人までの射程距離を持った作品は、このあたりに踏み込んでいきます。そうすると、ドロドロして、厳しくなるのですが(笑)。




■なぜ東城じゃあなかったのだろうか?


さて、では、話を元に戻しましょう。なぜ東城でなかったのか?といえば、あの弟を彼氏と勘違いした時の話が引き金なんだよね。
itigo

このときの勢いがなければ、西野に傾くことはなかったかもしれないと思うんだよね。


僕は読んでいて、西野つかさちゃんの内面が、よくわからなかった。少なくとも、東城と真中のような魂の部分での共有がないので、彼女が真中を好きになる理由が一貫してわからなかった。動機がわからないのだ。

中学生や高校生の恋としては、それでもわからなくはない。

が・・・・・つかさちゃんと真中のつながりからすると、やっぱりあるVISIONや夢を完全に共有している真中と東城のつながりは濃いと思うんだよね。 つまり最初で書いた、①と②でいえば、西野とのつながりは、①が近いんだよね。

②の志や夢を共有するというのは、19巻の最後のシーンが典型的。真中は世界中を回って、東城の作った小説の世界観に相応しい場所を探していて、何十年かかっても東城の小説を映画化する、といって、それに東城も答えている。


・・・・・このつながりって、魂のつながりといえなくないですか?。

itigo
そうするとね、、、、次に思ったのは、いままでのいちご100%の世界観は、子供(=学生の純粋な世界)の世界観なんだよ。というか、いいところでも青年までの青春をベースにしたジャンプ年齢層の世界観。

でも、彼らが人間だと仮定すると、その「次」があるんだよね。前に柴門ふみさんの『あすなろ白書』の最終話で、主人公が結婚するんだけれども・・・それはそれで、物語としては完璧な終わり方なんだが、コミックではなくて、連載の方だったと思うのだが、、、主人公の掛井くんの愛していた人の娘が、彼が教えている大学に入学してきて・・・たぶん間違いなく不倫するんだろうと思うのだが、その予兆がかかれておわっていて、、、たしかコミックスではカットされたいたが・・・実は、作者は、この物語の『あと』も書きたいとおもっている・・・というインタヴューを読んで、(僕の妄想かも、、、確かそんなの読んだ覚えがある)

よくできたキャラクターのドラマツゥルギーというのは、

たいていは、その雑誌媒体の対象年齢層に合わせたエンドを書くのだが、そのキャラがもっと年齢を重ねると、絶対そのドラマツゥルギーは再燃すると思うんだよね。ましてや、ガキの論理は、しょせんガキなので、少年誌青年誌レベルの恋愛は、それが、20代後半や30台を超えてると、確実に大きな山がやってきて、それを越えられるか微妙な終わりか足していることも多い。たしか少女マンガの矢沢あいさんの『ご近所物語』の書評で、で同じことを書いた気がするが・・・。



真中らには、社会人となって、これから不毛な日常と、夢との戦いが待っている。

たぶん、つかさちゃんと真中は結婚するよね、、、、そうすると、東城の小説の映画かに人生をかけた真中は・・・・悪いけど、ぜったい不倫するね、東城と。120%賭けてもいい(←かけるなよそんなもん(笑))。 少なくとも、最後のエンドシーンでは、つかさちゃんの職業や背景が描かれていないし、これからの20代後半から大人に見向けての人生を真中とどう共有するかが、はっきりいって「お嫁さん」ぐらいのイメージしか情報量がない。

それでは、東城と真中とのつながりに勝てないよ。

どう思います?みなさん??。

itigo


・・・・・そう思うけどどう?と、妻に聞いたら、


「私は東城さんファンなんで、東城さんが選ばれなかっただけで、凹んでもう考えたくない」


だそうだ(笑)。これ、連載中は、どっち派か?ってもめたろうなー(笑)。

ちなみに全編とおして、七瀬あゆむさんの『君だけを見つめている』とも似た構造を持っているけれども・・・あっちは青年しだから、もう少し踏み込んでいたけれども・・・

七瀬 あゆむ
君だけをみつめてる 7 (7)

■真中の才能がよくわからない


映画監督を目指す少年・青年というキャラクターだが、、、少なくとも男性の僕からみて、真中淳平が、なんであそこまでモテモテ(笑)なのかが、どうもわからなかった。 だから、どうしても、ウソクサイ物語に見えてしまうんだよなぁ。周りの女性が、彼にひかれても、「それはしかたがないなー」と思わせるには、・・・・特に、男性に思わせるには、僕は、やはり才能の片鱗が描けなければダメだと思う。男の価値は、シゴトの能力だぜ!(笑)(←これは僕のロマンだなぁ)


とにかく、彼が好かれる特別な理由が、どうにもわからないのだ。ただ、、、かといって、他の萌え系の、とにかくなんでも主人公が世界の中心という「お約束」というわけでもない気がするのだ。そのわりには・・・・なんというか、女の子の視点が、けっしてモノ的ではない。 僕は知らないのだが、やはり作者は、女性なのではないかな?、、、わからないのだが。どうなんだろうか?。 (あとから調べたらやっぱり女性だった)

えっと話を戻すと、『君だけをみつめている』の主人行は、明らかに映像才能が読んでいて伝わってきたが、真中の才能は、読んでいて非常うに伝わりにくかった。

だから、なぜ、彼を回りの女の子が好きになるかの理由がイマイチわからなかった。

・・・・ただ、、、、それでも、非常に納得性のある感覚を得るということは、たぶん、僕は男なので、男の価値は、才能だ!シゴトができることだ!!という部分で見ているんだと思うのですが、たぶん女性から見ると、『それだけではない』と思うんですね。

心がその人の前で裸になれたり、小さな勇気をもらえたり、なぜかわからないけどドキドキしたり、一緒にいるだけで癒されたり・・・・

でも、こういう微妙な関係性って、男性では、まずかけないんですよね。この作品は、ひっじょーに男に都合がいい、よくある学園ものなんですが、「永遠の時間」的な男の論理で完結する感じがほとんどしない不思議な作品なんで、たぶん女性が書いているのではないかなぁ、と思う。

ある意味、少女マンガだったのかもしれない。

とはいえ、あまりにもお約束のHシーンが多すぎるのは、作者が好きなんだろうし、たぶん、非常に編集や読者の欲求に答えまくる性格なんだろうと思う。


とはいえ、、ずーっと成長がマインドセットされていて(萌え的永遠の時間では成長はしないので、夢オチ奇面組になりやすい)真中や東城さん、つかさちゃんの問いや心の揺れ動きが、ちゃんと成長しているんだよねぇ。

それは、やっぱ、いいね。

この作品の恋愛の選択の基準は、

①落ち込んだときや弱った時に、元気付けてくれる人




②夢を共有できる人


ですか?という区別なんだと思うけれども、、、、普通の恋愛や愛情は、99.9%①なんだよね。ようは、一緒にいて成長できて、癒されて、、、という部分。 けど、ほとんど物語の中にしかなくて、まるでガラスの仮面の尾崎一様と月影先生のような関係だけれども、魂のソウルメイトになってしまう人っていると思うんですが、そういうのって、絶対そっちの方が、価値があると思うんだよなー。まぁあまりに激しい関係なので、恋愛として成就するかというのは、確かに微妙なところではあると思う。

でも、人間はそういうものを求めていい来ていると思う。だから、シゴトに人生を賭ける人がいるのは、シゴトを通した共有というのは、やっぱりソウルメイトに近いものなんだからなんだよね。これが、男性同士とかなら、上手い距離があるのだが・・・彫刻家のカミーユクローデルとロダンなんかの関係のように、それが男女になると、厳しいんだよねぇ。

その場合、なんでか異様に不倫が多いし(苦笑)。


なんか、いろいろ考えました。


あれじゃーなー東城は、一生真中しか愛せないよなぁ。。。ましてや、真中が映像の世界で成功すればするほど、彼女にとって、シゴトとしても接点が増えて、よくないよなぁ。しかも、売れっ子の小説家という組織に属さないシゴトをしている限り、いくらでも不倫に走れる条件がそろっている点、一度思い込んだら生涯変えないくらいの一途な性格とか・・・そろっているんだよねぇ(笑)。

青年版いちご・・・・もうイチゴではないかもしれないが(笑)とか妄想が膨らみました。


ただそうすると、やっぱり東城さんもつかさちゃんのどっちにとっても不幸なんだよね。この場合は、将来的に結婚するのは、真中と東城であるべきだと思うんだよねぇ。恋愛の成就としては、真中&つかさちゃんでもいいんだけど。


だって、つかさちゃんは、真中がいなければ、絶対次にいい人を見つけられる可能性が明らかにデカイ。けれども、東城さんは、無理でしょう?・・・そのへんは、未来を見据えると、とても悪い選択だった気がする。



だから結論としては、少年誌の恋愛としては、あれで正しかったと思うのですが、その後が、実は見たい気がする。①か②というテーマの追求も、もっとしてほしかった。


・・・・けど単に、それは、あの青春時代に美しさをもっと見たい、もっと読みたいと思っているだけかもしれないんだけれどもね。

itigo

これが、一番正しい意見(笑)。


ちなみに、一番すきなのは、ゆいちゃんだった気がする。


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