シニア犬 最期まで幸せでいてほしいから

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煩わしい犬も嫌だなあ
 さて、前回のようなトレーニング方法を続けると、確かにいろいろと自ら考えて行動する犬ができるのですが、「ねえ、これどう?」みたいに、いつでも飼い主にアテンションを求める犬ができてしまうことにもなりかねません。私は、じっと飼い主からの命令を待つ犬(というか、寝ていても飼い主を常に意識し続けている犬と言った方が適切かもしれません)は嫌いです。だけど、「ねえねえ」と要求をしてくる犬や、飼い主がいつあの楽しいゲーム(つまり、トレーニング)を始めてくれるのかと期待しながらじっと待っている犬も同じくらい嫌なのです。もっと独立心が高くて勝手に自分の時間を過ごしていてくれて、私が声をかけた時だけ注目してくれればいいなあ、なんて思うわけです。あはは。わがままでしょうか?
 そのためには飼い主が犬からの要求には一切応じないという強い意志を持つこと、しかも動物福祉を考えて要求されてからではなく、先に犬の必要を完全に満たしてやるのが最低条件だと思います。要求によって行動しちゃうと、要求する犬ができやすいからです。うーん。でも、要求される前にっていうこれがとっても難しい。
 アメリカのトレーナーさんから学んだことの一つに、飼い主が食事をしたり、コンピューターに向かったり、新聞を読んだり、お客様と話をしている時には、「自分には関係ない」と自ら考えてリラックスして休む犬とか寝てしまう犬を作るというのがあります。具体的には決して、「伏せて待て」という命令を出さずに、犬が勝手に伏せて待つというかリラックスして休む行動をとるのを待ち、その行動を強化していくのです。前回書いたキャッチングを利用した反応形成のひとつですね。もちろん、犬がその行動をとる頻度を上げるための操作を加えてもOKです。例えば、始めはリードを装着して短く持つとか、机にしばるなどして、犬が興味を持つようなものを極力減らしてしまうといったことが考えられますね。ここで、飼い主は一切犬を観ないでじっと耐える必要があります。というか、飼い主は犬を観ないふりをしつつ、何かをやり続けなくてはならないわけです。そして犬が自らリラックスした時、何気なく静かに褒めてやることを繰り返します。この時、決して犬が興奮して他の行動をとることが無い褒め方が必要なのは言うまでもありません。このようなコマンドを一切伴わない望ましい行動を強化するトレーニングと、前回書いたような方法で犬の自発的な行動を抑えることなく最終的にコマンドを入れるオビディエンストレーニングとをバランスよく行うことにより、私の理想の犬に近づくように思いませんか?ああ、でも私の理想の犬で掲げた、「私のことを大好きな犬」は私からの注目を得たいよね!うーん、難しい!まだまだ続きます(笑)。
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自分で考えて行動する犬
 さて、今日は犬のトレーニング方法のオペラント条件づけ、キャッチング、シェイピングについてまとめます。自ら考えて行動する犬を作るにはどのようにトレーニングを進めたらよいのかについてのヒントを与えてくれます。
 オペラント条件づけとは、犬がとった自発的で意図的な反応(行動)に対して、その反応の増大を目的として強化する、つまり犬の喜ぶもの(好子)を与えたり嫌がるもの(嫌子)を取り去る、またはその反応の低減を目的として罰する、つまり好子を取り去ったり嫌子を与えることをいいます。ここでは、前者の犬の行動を強化する方法についての話を進めます。
 さて、行動を強化するためには、動物が私たちの求める行動をとってくれないと困りますね!前回書いたキャッチングとはまさに犬をじっと観察していて、「あっ、それ!」という行動を犬がとった瞬間を逃すことなく強化する手法です。トレーニングを重ねると、犬は何か行動をとるとその中の何かを飼い主が拾って(笑)強化することに気づきます。そこで、いわゆるトレーニングモードに入った犬はゲームのように試行錯誤を繰り返すようになるのです。飼い主をちらみしつつ、座ってみたり、伏せてみたり、何かのにおいをかぎに行ってみたり、台に登ってみたりします。実際のトレーニングでは目的の行動が強化された時点で、コマンド(その行動をとることを意味する命令語)を教えるという手続きに入るわけです。

 でも考えてみてください!表出される頻度が少ない行動を、キャッチングだけでトレーニングする、つまりその行動を犬がとるまで待つというのは、非常に効率の悪い学習方法です。犬だって、なかなか強化をしてもらえないので、混乱して学習を放棄する可能性が高くなります。まあ、たいていの犬なら、3分以上集中していろいろな行動をとってみるなんてことはしないと思います。

 そこで、他の手段を併用していくことになります。例えば、目的とする行動に近い行動から、少しずつキャッチングしていくことで、大きく外れた行動を犬が試すのを防ぎつつ、最終目標の行動に近づけていきます。例えば、「休め」を強化したいとします。いろいろな順序づけができると思いますが、たとえば、初めに犬が立ち止まる行動、歩き続けた犬が立って止まった時点でこれを強化します。立ち止まる行動は「休め」よりも頻度高く犬がとりますよね?さらにいえば、犬が「休め」の姿勢をとる前には必ず立ち止まるはずです。さて、立ち止まるという行動の頻度が増えた時点で、ステップを上げ、次は犬が自ら座る行動をキャッチングします。そして座る行動が強化された時点で、次には伏せる行動をキャッチングし強化する、その後、伏せて足を崩す行動を強化するというようにします。

 このような手法をキャッチングによるシェイピングといいます。実際のトレーニングでは犬の様子を見ながらこれらのステップをさらに細分化する必要が出てくるかもしれません。犬のトレーニング経験や状況などによりステップの刻み方は大きく異なるわけです。最終目標である「休め」の行動が増えた時点で、コマンド「休め」をいれます。ステップを上げた際には前のステップの行動の頻度が上がっていますから、犬は「あれ?どうしてご褒美がでてこないの?えっと、次に何をすればいい?」と考えて行動することになります。だから前のステップで強化した行動の次に犬がとりやすい行動を特定することがポイントになります。そしてステップを上げた以上、前のステップの行動は強化しないことが重要です。これらのトレーニングはもちろんオペラント条件づけを利用しているわけです。

 長くなってしまいました。今日はここまでにします。まだまだ続きます(笑)。

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家庭犬のトレーニングの方法 その4
 

 前回に続いて、私の理想の犬のためのトレーニング方法についての話です。今日はふたつめの「自分で考えて行動できる自信のある犬」を作るための方法ですが、今回は、後半の「自信のある犬」に注目したいと思います。私の理想のイメージは、「どっしり構えていて、多少のことでは動じない犬」です。生まれつきのものについては手出しできませんので(笑)、おいといて・・・。
 よく、訓練された犬は自信を持つので、多少不安なことが生じてもすぐに自分を取り戻すことができるものだと言われます。確かに、訓練されている犬が少し不安そうにしているとき、飼い主が、ちょっとしたコマンドをかけてやることによって、そして犬がそれに従うことによって、犬が自分を、つまり落ちつきを取り戻すというのは動物病院などでも良く見かける光景です。でもこの例に限って言えば、飼い主がそばにいて何かの命令をしてくれなくては、ダメということですよね?つまり、飼い主に対する全面的な信頼があり、飼い主が大丈夫だと言って自分に命令を出し、自分もそれに従うことができたことによる結果としての「自信」と言えば分りやすいでしょうか?もちろん、訓練された犬の中には、私の理想のイメージの自信を持っている犬もいますけど、必ずしもそうではない犬もいるということです!あっ、悪いと言っているのではありません。私の理想とは違うといっているだけです。
 「自信」は、生まれつきのものでもあるし、いろいろな経験と学習によって作られていくものでもあります。
 感作を受けるほどの強い刺激ではない限り、いろいろな種類の経験をたくさんすること、つまり場数を踏むことは自信を作るうえで重要な要素です。大きな音がしたり、振動がしたり、飼い主と離れたり、知らない犬に寄ってこられたり、知らない人間に寄ってこられたり、知らない場所に連れていかれたり、知らない場所で泊まったりというような経験です。これらの経験をたくさん積むことにより、「まっ、こんなこともあるよね!大丈夫さ!」と対処できる能力が自然に育つということです。結果として犬にとって好ましい結果がえられれば、学習が早く進むことになりますから、飼い主が上手に介入をすれば、より効率的に自信が育まれるかもしれませんね。もちろん、生まれつきの性質(気質)の違いによって同じ経験を踏んでも、自信の形成には大きな違いが出てくるのは否めません。うーん、ここにもどってしまうと、はじめに書いた通りに、手も足も出ないわけです(笑)。
 さて、前半「自分で考えて行動する犬」の部分です。自分で周りの様子を判断して行動できる犬・・・。飼い主からの指示を待つのではなく、その場の状況にふさわしいと思う行動を自ら取る犬という意味です。訓練によって指示した行動をきっちりとる犬は、飼い主にとってはもちろん都合が良いのですが、私は指示してではなく、自分で私が望むまたは嫌だと思わない行動をとってくれる犬が理想なわけです。もちろん、、「休め」のトレーニングができている犬を連れてドッグカフェに何度か通い、「休め」の指示を繰り返すうちに、犬は「はいはい。わかっています。静かに伏せて待っていればいいんですよね・・・」となり、命令は不要となります。でも私が望むのは、初めから、命令によるのではなく、私が「あっ、今はそれで・・・」と思うような行動をとってほしいなあと思うわけです。ちょっとわがままですよね(笑)?

 このためには犬がする自発的な行動の中から、欲しい行動を選び取る、いわゆるキャッチングのようなトレーニングを同時にすることが必要です。次回はこのキャッチングを含め、トレーニングで頻繁に利用されるオペラント条件付けと行動との関係についてまとめます!See you!

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