黄金狂時代

黄金狂時代 コレクターズ エディション
¥4,441

黄金狂時代


制作年度     1925年

制作国       アメリカ

上映時間      72分

監督        チャールズ・チャップリン

出演    チャールズ・チャップリン



 

story

アラスカの金鉱が発見され一攫千金を夢見る人々が押し寄せていた頃、ひとりぼっちの探鉱家チャーリーは、猛吹雪に襲われ、一件の山小屋に転がり込んだ。だが、そこにいたのは、指名手配中の凶悪犯ブラック・ラーソンだった。ゴールド・ラッシュに湧くアラスカを舞台に、人間たちの剥き出しの欲望を、絶妙なギャグと卓越したストーリーで描く。


note

働く、食べる、愛するという、チャップリン映画に外せない要素が色濃く出ていて、笑いで風刺する表現もチャップリンらしいシーンに満ちている。
チャップリンの作品は、ラディカルな作品もあるのだけれど、この作品は笑い飛ばす事に徹底していて、作風の幅の広さを感じさせる一作だった。


大晦日の晩に用意したパーティーが、すっぽかされるシーンはチャップリンの悲しい表情が哀愁に満ちていて、チャップリン特有の情感のあるシーンだった。悲劇と喜劇が交錯するところがチャップリン映画の大きな魅力の一つで、黄金狂ではこのシーンが印象的だった。

また、フォークにパンを突き刺してダンスするシーンもチャップリンの細やかな一芸が披露させられていて、芸の見事さと美しさを感じさせるシーンだった。


チャップリンの作品は全て細かな芸に満ちているので、クスクスと笑いたくなるシーンや、はっとさせられるシーンが数多く出現する。

動物がネタに出てくるのもおきまりで、腰に巻いた紐に犬が繋がれているシーンは爆笑してしまった。

笑いが笑いを呼ぶというスタイルなので次にどんな喜劇が起こるか予想できない面白さがチャップリン喜劇の醍醐味である。



AD
モーターサイクル・ダイアリーズ
¥3,591


モーターサイクルダイアリーズ


制作年度     2003年

制作国       イギリス/アメリカ

上映時間      127分

監督        ウォルター・サレス

音楽       グスターボ・サンタオラヤ

出演         ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリコ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロ



story

ラテン・アメリカの英雄チェ・ゲバラの“友人との南米縦断旅行”を、ロバート・レッドフォードが長年あたためてきた企画をブラジルの名匠ウォルター・サレスを監督に迎え映画化。若き日のゲバラにメキシコの新鋭ガエル・ガルシア・ベルナル、ゲバラと南米を旅する友人をゲバラの実の“はとこ”のロドリコ・デ・ラ・セルナが演じる。2004年のサンダンス映画祭とカンヌ国際映画祭コンペ部門正式出品作品。中古のバイクで巡る南米大陸の風景は心に迫る迫力。


note

ゲバラの青年時代を知るのには、とてもよくわかったし、近寄りがたい革命家の面影はなく、純粋無垢な正義感の強い青年だったのは、とても身近な感じがして、誰もが好感のもてる青年だったように思った。


映画では、共産主義者の夫婦と出会う場面から、南米の弱肉強食の世界を目の当たりにする事になって、理想主義のアイデンティティが形成されてゆく。
その後ゲバラは、猛スピードで革命家になるのだけれど、南米の抱える腐敗した政治は現代においてもフジモリ大統領を筆頭に続いている・・・

この作品では、ゲバラの自伝というより、南米のアイデンティティが表出されていて、文明の進化と滅亡というものについて考えさせられる作品になっていた。


"その土地に住む者が、なぜ追い出されるのだろう??"
奴隷のような労働、医療を充分に受けられない弱者、食料の不足

南米の歴史から侵略の歴史がクロスオーバーしていくように見えた。
この作品はゲバラの物語を借りた、南米のアイデンティティなのだと思う。




AD

BABEL バベル

テーマ:
バベル スタンダードエディション
¥2,399
Amazon.co.jp

制作年度     2006年

制作国       アメリカ

上映時間      143分

監督        アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

音楽       グスターボ・サンタオラヤ

出演    ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、

          菊池、凛子



Story

モロッコを旅行中のアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)が、突然何者かによって銃撃を受け、妻が負傷するという事件が起こる。同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコ(菊地凛子)は、満たされない日々にいら立ちを感じながら、孤独な日々を過ごしていた……。



Note


一発の銃弾を巡って、世界の様々な悲しみを繋げていくこの作品では、
言葉の不完全さ、コミュニケーションによる未熟さを観るものに突きつけている。
同じ言葉を持つ夫婦もわかりあえず、言葉を介さない親子も、わかりあえない。
終始、コミュニケーションというものに苛立ちと孤独を感じながら、映画は進んでいたく。
このような現実を踏まえて、どのように希望を辿るのか、それは非常に困難な道のりで
その手がかりは、この作品では愛というものにスポットを照らしていた。


東京という都市を、孤独に満ちた暗い色調で撮ったシーンでは、ドラッグとクラブミュージックが乱反射する力強いシーンだった。
東京の全てがああいうものではないけれど、そういった側面もあるリアリティのある風景だと思う。


この作品では世界が繋がったものである事をイメージするのにバラバラに展開するオムニバスは非常に効果のある編集だった。
多言語が飛び交い、多種多様な景色が交互に繰り返される中に、世界のリアリティを実感する事できるように思う。





AD




ライムライト


制作年度     1952年

制作国       アメリカ

上映時間      137分

監督        チャールズ・チャップリン

音楽       チャールズ・チャップリン

出演    チャールズ・チャップリン


story

第一次大戦前、ロンドンでの物語である。カルヴェロ(チャールズ・チャップリン)はミュージック・ホールの道化師で、かつてはイギリス最大の芸風を謳われたが、中年をすぎた今はすっかり落ちぶれてしまった。ある日...

note

チャップリンの喜劇はいつも哀愁に満ちたものだけれど、この作品ではよりいっそう悲しみに満ちた笑いがあった。
喜劇王のカルヴェロはチャップリン自身を投影したものであり、自身の胸の内をめいっぱい台詞の中で表現していた。
この作品では、チャップリンの名言集のようなシーンがいくつかあって、人生に必要なものは、希望と想像力とほんの少しのお金という心に響く台詞がさらりと出現する。
これらの台詞の連続はチャップリンが歩んだ人生の中で勝ち得た、非常に強い想いの中から存在している。
観客に語りかける台詞や笑いの舞台は、いつも大衆を賑わす喜劇王の優しさに満ちた、愛情溢れる傑作として存在する。
人を愛する素晴らしさと人生を祝福してきた姿は観客の心の隅々にまで浸透し、いつものおかしなメイク姿は悲しみと喜びを写し出す。

かもめ食堂

テーマ:



かもめ食堂


制作年度     2005年

制作国       日本

上映時間      102分

監督        荻上直子

出演    小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ


story

サチエ(小林聡美)はヘルシンキで“かもめ食堂”を始めたものの客はゼロ。ある日彼女は最初の客で日本かぶれの青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)にガッチャマンの歌詞を教えてくれと言われるが、出だししか思い出せない。彼女は偶然本屋でミドリ(片桐はいり)を見かけ…



note

予想外のヒットとなり、リヴィアバル上映もされているこの作品は、現代の若者の空気感とマッチングした作品なのだと思う。時代の要請といったような気がする。

とりわけ、名シーンや映像美などもなく淡々と続いてゆく・・・・・


気になるのは舞台がフィンランドでなければならないのは、なぜだろうか??

そこに理由がないのも、この映画の特徴かも知れない。

北欧=のんびりという認識は、あまり正確ではないような気がするのだけれど・・・


この手の映画は、ほとんどが、村上春樹的な自閉的な孤独感みたいなものが主張されている事が多いのだけれど、

終始、ポジティブな雰囲気と深刻なムードを徹底した排除した事が、これまでの時代の雰囲気に新しい風を送っているように感じた。

そういう、虚無感と未来思考の融合みたいなものが映画のヒットに大きく関係していると思う。


計算してつくっているというかは、役者の配置がそうならざる得なかったという感じに思う。


街の灯 / City Lights


 



制作年度     1931年

制作国       アメリカ

上映時間      86分

監督        チャールズ・チャップリン

出演    チャールズ・チャップリン



story

世の中は極端に不景気。小男で風彩もあがらず、服装もみすぼらしく、職もなく住むところもないチャーリーは、職にありつけそうもなく、毎日あちこちさすらい歩いてフーテン暮らしをしていた。そんな彼が一人の娘に恋をした。街角で花を売っている、盲目の貧しい娘だ。彼は彼女の目を治す為に、金を稼ごうと一大決心をするが……。


note

この作品は喜劇の中に、どっと押し寄せる悲しい結末というのがモチーフとなり、またリズムとなって最後のラストシーンに繋がってゆくという緻密で音楽的な構成。
いつも上手くいかない、各シーンにはチャップリンの愛嬌のある放浪者のキャラクターが魅力的で、外見の貧しさと、紳士の振る舞いが、交互に演出されている。
観るものは、無声映画である為に、放浪者の純粋な心の優しさがダイレクトに伝わる。これは優しさというものが言葉と別離しているという事実が浮かび上がる。
また反対に、視覚の意味をも、目の不自由なヒロインを置くことで、反対の事実が浮かび上がる。
印象的なシーンは、放浪者が花売り娘に大金を手渡すシーンで、最初に放浪者は札を一枚抜き取るのだけれど、最後に所持金を全て娘に手渡す。それは、貧乏な者の正直な姿と、大きな愛情が表現されていて、観るものに強くリアリティと印象を残す。ほんの些細なシーンではあるけれど、この札を一枚抜きとるというのは、見事なシーンだと思う。
悲しさとも、幸福とも呼べない、人生の全てを祝福するかのような奇跡的な結末のように感じた。


ユリイカ

テーマ:




製作年度 2000年

上映時間 217分
監督 青山真治
出演もしくは声の出演 役所広司 、宮崎あおい 、宮崎将 、斉藤陽一郎 、国生さゆり 、光石研


story

州の田舎町で起こったバスジャック事件に遭遇し、生き残った運転手の沢井と中学生と小学生の兄妹。3人は凄惨な現場を体験し心に深い傷を負う。2年後、事件直後、妻を置いて消息を絶っていた沢井は再びこの町に戻ってきた。同じころ、周辺では通り魔の犯行と思われる連続殺人事件が発生し、次第に疑惑の目が沢井にも向けられるようになる。兄妹が今も二人だけで生活していることを知った沢井は、突然兄妹の家に行き、そこで奇妙な共同生活を始める。心に深い傷を負った人々の、崩壊と再生への旅を描く。



note

この映画では絶対的な暴力の中で、人は何ができるだろうか?という絶望的な余韻を終始含んでいた。

バスジャックという惨劇に一生得た、3人は希望を失う日々を過ごす。

その、日々の中で失った言葉を探し出すように希望を探し出すバスの旅が始まる。淡々と過ぎる日々の中で苦しみを知るものと知らないものの、コントラストがはっきりと浮かび上がっていく。


我々の現代の社会では、苦しみの中にいる者と、外側にいるものの事実がある。

外側にいるものは果てして内側にいるものを、救済することはできるのだろうか?


言葉には、かすかな希望と可能性が存在するのではないか?という一抹の期待をこの作品から見つけ出せれるように思う。

それは、沈黙から解き放たれた瞬間に得た、セピアからカラーへの移動が象徴していた。


長い散歩

テーマ:

長い散歩






制作年度     2006年

制作国       日本

上映時間      136分

監督        奥田瑛二

出演    緒形拳高岡早紀杉浦花菜松田翔太大橋智和原田貴和子


story


校長職を定年退職した初老の男と、母親から虐待を受けている少女の、魂の逃避行を描いたヒューマンドラマ。妻を亡くし、人生に対する贖罪(しょくざい)の旅に出る



note

幼児虐待をテーマにした、タイムリーな現代を描いた作品だった。

虐待は、やはり想像力の欠陥ではないだろうかと思う。人を思いやるというベーシックな心が失われた状態でなければ、子供を含めた愛すべき対象に暴力は、行使できないだろうと思う。


この映画は愛を描くという事に徹していて、闇から人を救えるのは愛だという強いメッセージを、そっと描いた作品であった。

奥田監督は、今作品が映画祭で賞を受賞した際に、「本当の愛をみんなが必要としている事を証明できた」みたいなコメントをしていて、そのコメントに惹かれて、この作品を観ることになった。


ブラック・ダリア

テーマ:

ブライアン・デ・パルマのブラック・ダリアという映画が上映されている。

サスペンス映画で有名なデ・パルマだけれど、個人的には色鮮やかな色彩と華麗なカメラワークが好き。


デ・パルマの映画を観ると、やっぱりヨーロッパ的なセンスだなあと思う。美しさのある映像の連続といった感じ。

だからといって、映画自体が素晴らしいかといえば、そういうわけでもなかったりする。



テーマ:

最近は、さっぱり映画からご無沙汰です。


ちょっと気になってるのが、糸井重里さんがやっている、ほぼ日刊イトイ新聞から11月に出版される本が楽しみです。


ほぼ日のこれまでの歴史を綴った本なんかも面白そう。個人的には中沢新一の本が気になる。


糸井さんは、独特の感性でいつの時代も才能を発揮しているのが凄い。



ほぼ日刊イトイ新聞 http://www.1101.com/