2007-09-23 11:29:58

歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法(エムドゲイン)

Theme: 歯周病・歯周疾患
[歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法]


<適応症>
歯周炎による重度垂直性の骨欠損
(歯周病には、歯肉に限定する歯肉炎と、線維性付着が壊れて
 ポケットが進んで歯槽骨まで壊れる歯周炎がありますが、
 その歯周炎における重度の垂直性の骨欠損に適用する)


<従来の治療法>
重度の垂直性の骨欠損に対しては、従来は歯肉剥離掻爬手術・
フラップ手術を行っていましたが、その手術方法ではなかなか
歯周組織全体の再生はできません。
歯肉剥離掻爬手術(フラップ手術)の治癒形態が長い接合上皮
が形成される付着性上皮の治癒でり、歯周組織本来の再生では
なく、歯槽骨の再生もほとんど期待できません。

そこで、最近では遮断膜を用いた歯周組織再生誘導法(GTR法)
が発展してきました。
この歯周組織再生誘導法(GTR法)は既に以前の高度先進医療、
現在の先進医療に分類されます。
GTR法は大変有効な方法でありますが、テクニックセンシティブ
で難し手技であります。


<先進医療>
「バイオ・リジェネレーション法」はGTR法と比較して同程度
の歯周組織の再生ができる上に、操作が簡単です。
より低侵襲な歯周外科治療ということで先進性が認められます。

バイオ・リジェネレーション法は、セメント質の形成に関与
するたんぱく質を主成分とします新しい歯周組織再生誘導材料、
「エムドゲインゲル」を用います。

エムドゲインゲルというのは幼弱な豚の歯胚から抽出しました
エナメルマトリックスたんぱくですが、これにプロビレン
グリコールアルジネートを加えた粘凋性の高いゲルという製品
になっています。
このエムドゲインゲルを用いてフラップ手術を行い、歯槽骨
欠損部にこの歯周組織再生誘導材料を填入するという手技方法
です。
術式は麻酔をして切開をして、粘膜骨膜弁を剥離し、非常に
深い骨欠損部分をきれいにします。
すなわち、歯根面のルートプ−レニングを行い、壊死した
セメント質をきれいに取り除いて、欠損部をきれいに掻爬
します。
そしてそこに、歯周組織再生誘導材料「エムドゲインゲル」を
填入・塗布して、縫合します。
すると、不溶性のマトリックスが形成されて、歯根膜由来の
未分化間葉系細胞が出てきます。
それを分化させることによって、セメント質、歯根靭帯、
歯槽骨を創っていくという治癒形態です。

このバイオ・リジェネレーション法は非常に低侵襲で、従来の
GTR法に比べて簡単に歯周組織の再生が期待できるという効果
があります。
先進医療にかかる費用は4万1,000円です。

既に保険導入されている医療技術、すなわち先ほどの歯肉剥離
掻爬手術(フラップ手術)に比べて大幅に効率的と考えられ
ます。
将来的には保険収載を行う可能性があります。

現時点での普及率ですが、出荷件数から全歯科の病院の1割
ぐらいが使用していと推計されます。

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この技術で用いる再生誘導材料に関して自主回収となりました。
ゲルを注入する際のカニューレという針が、ある医療機関から
目詰まりがするという指摘があり、原因特定に向けて調査を
開始するとともに、製品が自主的に回収されています。

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この再生誘導材料は最初にスウェーデンで開発されましたが、
1995年にEU、96年にアメリカのFDAで承認されており、
日本では1998年から承認されています。
当初は一世代前のエムドゲインというものでしたが、これを
少し加熱をして、エムドゲインゲルという新しい歯周組織再生
誘導材料になりました。
世界中で相当数用いられていますが、現在のところ副作用は
報告されておりません。
世界中で安全であると理解されています。


[参照・引用]
厚生省HP、先進医療専門家会議の報告書

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関連記事「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション
法、先進医療に導入」は
http://ameblo.jp/periodontal-disease/entry-10048239791.html
または
http://periodontaldisease.blog113.fc2.com/blog-entry-24.html

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