バヤデーレ たまにはバレエ

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10月18日、リングサイクルの真っ最中の忙しい中、ロイヤルオペラハウスにバレエLa Bayadereを観にいきました。


5月の白鳥の湖 にフレンズ予約初日にネットで狙い買いした32ポンドの切符で張り切って行ったのにオデット姫のアリーナ・コジョカルが病欠で失望して以来自分では切符を買ってませんでしたが、今回は知り合いに、私の好きな舞台近くの席を譲ってもらったのです。 

← これが私の席(前から2列目の隅から3つ目)からの眺め。オーケストラを斜め後ろから見る位置ですが、舞台が半分以下しか見えないので、7ポンドという安さ。


でもこれが果たしてお値打ちかというと、どうでしょうねえ?


「音はすれども姿は見えず」の間は、「やっぱりあまりに悲しいわ、この席は。私は何しに来たのよ?」、と思うのですが、見える時は目の前ですからね、迫力満点感謝感激。


トーシューズのキュッキュッという音はもちろんよく聞こえるのはもちろん、衣装のビーズから体のホクロまで見えるし、ダンサーの溜息まで聞こえちゃう。


それにたとえ踊りは見えなくても、オーケストラが足元からズンズンと響いてくるのが好き。バレエ音楽にはつきものハープの音色も美しかったし。オペラと比べると同じ演奏者たちとは思えない程下手なことの多いバレエ伴奏なのですが(特に前の晩にパッパーノ指揮で素晴らしいワグナーを聴いたばかり)、今日は今まででバレエとしては一番上手と思えるほど。



宝石ブルーあらすじ宝石赤


バヤデーレを観たのは初めてでしたが、お話の設定はヴェルディのオペラ「アイーダ」に似てます。


アイーダはエジプトですがこちらはインドが舞台。勇敢な戦士ソロルはバヤデール(寺院の巫女で舞姫)のニキアと愛し合っているのですが、領主に気に入られて娘婿にしてやろうという申し出を受けます。「アイーダ」のラダメスはきっぱり拒否するのですが、こちらのソロルはお嬢様も綺麗なのでホイホイと承諾。冷静で賢い若者です。

巫女ニキアを横恋慕する大僧正がニキアとの仲を領主にばらすと、それなら邪魔者ニキアを亡き者にしようということで、哀れニキアは毒蛇に噛まれてあえなくお陀仏。その前に大僧正が「俺のものになるのならこの解毒剤をあげるよ」と言うのですがニキアは拒否するらしいですが、ビンボー人席の私には全く見えず。せこい坊さんですね。


ここで終わったら主役の出番があまりにも短いのですが、ニキアは亡霊となって登場。生きているときはインド風のエキゾチックは衣装なのに、死ぬとなぜか西洋風の天使というかオデット姫風になるところがミソで、幽霊仲間をたくさん引き連れて白鳥の湖さながらのシーンが展開します。

阿片でラリルレロのソロルは「悪かった。もう二度と裏切らないから、許してくれ」と言うのですが(バレエだから実際には何も言わないけど)、次の場面はお嬢様との結婚式ってどういうこと?

薬から覚めたソロルは「わーい、綺麗なお嫁さんだな~、お金もありそうだし」と嬉しそう。


そこに又お岩さん巫女ニキアが現れると、ソロルは「僕はやっぱり君を愛してる」とデレデレ一緒に踊ります。節操のないやっちゃなあ、と呆れていると、神の怒りに触れ、寺院は崩壊し全員死亡という壮絶な終わり方なのですが、それでも懲りないニキアとソロルはあの世で永遠に結ばれるんですって。


バレエのストーリーって小説にはなりませんね。こんな人たちの心理描写は絶対できませんもの。

これに比べたら「アイーダ」は感動もののラブ・ストーリーだ。



クラッカーま、ストーリーが荒唐無稽でアホらしいのは別に構わないわけで、ロイヤルバレエの人気コンビであるキューバ人のカルロス・アコスタCarlos Acostaとスペイン人のタマラ・ロホTamara Rojoですから、そりゃあ素晴らしかったです。


ロイヤルバレエ団随一のジャンプ男アコスタと、個性はないかもしれないけど端正で正統的なタマちゃんだけでなく、お嬢様役のマリアネラ・ヌネズMarianela Nunezも負けず劣らず上手できれいで、華麗な三角関係トリオでした。


キラキラ007ゴールドフィンガーの死体のような全身金粉でピカピカのブロンズアイドルは佐々木ヨウヘイ君。抜群跳躍男のアコスタに比べたらそりゃジャンプは見劣りしますが、時間は短くても一番目立つ役で堂々のソロは立派。

他にクラ・ケンタさんという日本人もいたし、日本人らしい綺麗な東洋人女性もいました。どうしても同胞に目が行ってしまいます。


パンチ!しかし、やめて欲しいと思ったのは、二幕目と三幕目は舞台全部に紗が掛かっていたこと。幻想的な雰囲気を出すためでしょうが、それならほんのちょっとだけで充分なのに、延々と蚊帳が張ってあったのです。

当初演出のナタリア・マカロワ女史の指示によるものらしくて変えられないんだそうですが、ダンサーにとっても不便この上ないに決まってるのに、困ったことです。


バレエもね、たまには観にいきたいですが、ちゃんと見たいと思うとオペラよりお金が掛かりそうだし、迷うところです。今日のような席が良い妥協策かもしれませんけどねえ・・・!?

   
金ピカの佐々木ヨウヘイさんと大僧正のGary Avis。    アコスタ、タマちゃん、マリアネラ


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