<30th Mar Sun>


イギリスでは今日が母の日なので、ムスメがカードを持って遊びに来てくれて、一日親子三人でランチと夕食、DVD観たりして、のんびり過ごしました。


仕事が忙しいムスメが、昨日、5時間掛けて描いてくれたお手製カード、葉っぱの「てり」を出すのが一番手間取ったそうです。


来月の誕生日と日にちが近すぎるので、今回はもらえないかも、と実は思ってたので、いつものカエル君シリーズで新鮮味はないですが、時間を割いてくれただけでもとても嬉しいカーチャンです音譜ニコニコ


仕事が半分になって少し時間に余裕ができたわけですから、このカエル君のように時にはのんびり昼寝なんかしてゆったり生きていきたいものです。昨日みたいに出勤途中に走って転んで怪我したなんてことは避けなければ。


  




絵のモデルになったのは、我が家の庭に咲いてる大輪の椿の花。


枯れる前に潔く首からぼたっと離れるのが椿の特徴ですが、落ちた2輪もまだ形を保ってるのでそのまま鉢に入れたら、これはこれで美しい飾りになりました。

  
   


ところで、椿は種類が多くて、色んな形や大きさがあるのですが、これはCamellia Japonica Adolphe Audussonという種類だそうです。60歳の誕生日祝いに友人から頂いた苗木ですが、日本風の椿を選んで下さったんですね。これも、椿姫というハンドルネームでブログをやっているからこそで、ありがたいことです。


成長すると高さ5メートルにもなるとのこと、いつまでも小さな鉢に閉じ込めておいては可哀相ですから、そろそろお庭のどこかに植えてあげないとね。今のところ引っ越す予定はないので、大きく育って華やかな大輪の花がたわわに咲くまで元気で長生きしたいものです。



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<29th Mar Sat>

寒さもおさまったぬくい土曜日ですが、転んですりむけた顔ではみっともなくてどこにも行けないので、家でおとなしくしてました。明日からは早くも夏時間。

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3月27日、眠れる森の美女The Sleeping Beautyを観に行きました。


バレエはオペラほど熱心ではなく、「ま、折角ROHのサポートフレンズになってるんだから、たまには観に行かなくちゃ勿体ないもんね」、というくらいの気持ちなんですが、そんな私でもこの日の眠れる森の美女はとても楽しみにしてたんです。


なのに、なのに、あちゃ~っ!あせる、お目当てだった主役のオーロラ姫のナタリア・オシポワがキャンセルしちゃいましたよ~~っしょぼん


それも当日の午後になって発表するんですもの、もうがっかりったらありゃしないあせる 前日のリハーサルで背中を痛めたとのことですが、降板を知らない人もたくさんいたみたいで、舞台でアナウンスされた時に「え~っ、そんな~叫び」、という集団落胆の溜息がもれ、「金返せ~っ爆弾」、と大声で叫んだおっさんもいました。誰なのか見えなかったんですが、あれは若い男性ではなくておっさんの声だと思いますが、アンフィシアター席から叫び声は聴こえたので、そんな高い席を買ってるわけじゃなし、そんなみっともないこと言うなよな~むかっ。(かく言う私は、「よかった、高い席買っておかなくて」、としみじみと思ったわけですけどね。実は少々高い席のリターンがあっても買う覚悟でウォッチしてたので、運良く(この場合は運悪く)ゲットできなくて本当によかった・・・チョキがま口財布


   


おっさんのように叫ばなくても、彼女目当てに来て苛立ってる人(ほとんでしょうけど)の前で踊らなきゃいけない代役は可哀相だし、緊張するに決まってますが、今夜の生贄は崔由姫さん。


コリアン・ジャパニーズである由姫ちゃんは先月この役を初めて踊ったんだそうですが、まだ慣れてない上に、入団したばかりでも今やロイヤルバレエの看板スターになってるオシポワの代わりというのは大変な役目で、そのせいか、いつもはしなやかで艶やかな笑顔がチャーミングなのに、体も表情も硬いように私には見えました。


頑張ってる由姫ちゃんには申し訳ないんですが、「うーん、オシポワだったら、もっと高くジャンプできるし、全てのポーズがシャキっと決まって、後ろ向きに背中を曲げるシーンは軟体動物だからすごい角度でのぞけられるだろうになあむっ」、とずっと不貞腐れて想像してました。


由姫ちゃんはもちろん下手ではなく、カーテンコールでも大きな拍手もらってたし、そろそろプリンシパルになってもおかしくないのにと思う人もたくさんいる程の実力はあるんだけど、やっぱりオシポワとは格が違いますもんね。


    

おとめ座ルックスは、由姫ちゃんの方が上でしょう。オシポワは研ナオコだから(この前のジゼルの写真ご覧下さい→こちら


ルックスと言えば、ロイヤルバレエでは新顔のマシュー・ゴールディング、私は初めて生で見るんですが、「バレエ界のブラピキラキラ」と呼ばれているくらいだからすっごいハンサムかと期待するじゃないですか?今日の目的のひとつは彼でした。

だけど、メイクが下手なのか(ダンサーは自分で化粧するそうです)、写真やレッスン場面を映像で見る程美形じゃなくてがっかりガックリ


プリンシパルだから踊りは上手なんでしょうが、王子様は出番少ないし、上横から見下ろすアッパースリップ席からではよくわかりませんでした。以前は舞台横の席も出てたはずなのに、急にオーケストラを増やしたのか、今回はその席は売ってもらえなかったのも失望の巻。

   

マシューは、ブラッド・ピットというよりは、口元とかがF1ドライバーのセバスチャン・フェテルに似てるように見えました。私はブラピよりはフェテルの方が好きなのでいいんですけどね。


ブルーバード役の高田茜ちゃんも光ってました。それもその筈、茜ちゃんも今回の眠り姫ランではオーロラ姫に抜擢されて、とても上手だったと評判です。


そんわけで、日本人ダンサー、特に女性陣が眠り姫では大活躍してるんですが、小林ひかるさんもオーロラ姫の一人で、しかも今回は初めてご主人のフェデリコ・ボネリとの主演としての初共演ですから、そりゃ行かなくちゃってことで、来週月曜日に行きます。近くで見たいので、立見席ですけどね。


って、なんだ、結局、バレエはついでと言いながら、結構行ってるじゃん。はい、困ったものです。



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オペラとサボイホテルに着物で

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<28th Mar Fri>

今朝、出勤時に忘れ物に気付いたので、家に走って戻ったら走る人、家の前で派手に転んでしまいダウン、あちこち打っただけでなく、顔を地面でこすって引っかき傷だらけになっちゃいましたしょぼん 体もあちこち痛いし、顔はヒリヒリ。どこにも行かない週末でよかった。日曜日は母の日なのでムスメが来てくれますけどね。

仕事もアフターファイブも忙しい週だったので、オペラ、コンサート、バレエ、と記録しておきたいことがまた溜まってしまいました。

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すでに先週末のことになりますが、3月23日の日曜日は日本からのゲストをオペラハウスにご案内しました。


リヒャルト・シュトラウスの「影のない女」は、オペラ初心者の方には難解で前衛的で長いので心配でしたが、稀にみる素晴らしいパフォーマンスのおかげで、充分楽しんで頂けたのは幸いでした。オペラについてはあらためて書きますが、今日は着物記事です。



先日、一輪だけお見せした我が家の椿ですが(→こちら )、次から次へと蕾が開き、4輪になりました。


これに因んで椿の着物や帯にしようかなとも思ったのですが、それはオペラ「椿姫」に取っておくことにして、今日は桜のコーディネート。


桜満開の桜と競うのは野暮とされてますが、こんな美しい桜の季節には(日本とは違う種類でしょうけど)、「桜だらけの着物」を着てみたいものです。


でも、残念ながら持ってないので、ほんのちょっとだけ桜の花だけ散らばってる抹茶色の小紋に、これまたよ~く見ないとわからない桜の花びらの帯で、随分控え目な桜セットになっちゃいました。一面に桜が描かれた着物が欲しい!


     


車

オペラは午後3時開演でしたが、コベントガーデンの通りや広場に今日は20台以上の車が展示されてます。全て007ジェームスボンド映画に因んだアストン・マーティンで、この近くの小さな劇場博物館で特別展やってるらしいです。

    

白い建物がロイヤルオペラハウス

    




オペラハウスのバルコニーから見下ろしても、全ての車が見えるわけではないですが、こんな感じです。

暗いオペラハウスの中に長時間いるのは勿体ないような良いお天気でしたけどね。


     



     

昼間のポールハムリンホールは明るくて、夜とは雰囲気違うでしょ。



    


オペラ終了後は、ゲストお二人とサボイホテルへ。昨晩も来たのですが(→こちら )、今日は3人で。

また同じアメリカン・バーでしたが、今日は着物だし、バーやロビーの写真も撮っちゃお。


    


はっはっは、もうこれで、サボイホテルにはそんなに臆せずに入れるようになりましたね。トイレだけ借りる場合でも入っちゃうかもべーっだ!

えらくカジュアルな格好の人もうろうろしてるので、要するに、「私は宿泊客なのよ」という態度で振舞えばオッケーお金


    

    
    


コーヒーあら、ピアノと歌の生演奏もある素敵なバーなのに、コーヒー茶飲んでるの?


はい、今日はお茶一杯だけで失礼して、ロンドン最後の夜をお二人でゆっくり過ごして頂きます。因みにお茶やコーヒー(クッキー付き)は、サービスチャージ込みだと8ポンド足らずなので、夜でもカフェ代わりに使えますよ。



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<25th Mar Tue>

折角お花が咲いてるのに、又ぐんと冷えて真冬に逆戻りして残念なロンドン。

金曜日から日曜日まで、日本からの友人のアテンドし、私もロンドン観光気分が味わえて楽しかったので、手短かに観光記録をまとめておきます。

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                             カメラクリックで写真は拡大します

<3月21日(金)>


高校時代からの友人がお友達と二人でロンドンに4泊したのですが、お友達はロンドンは初めて、友人は数回来たことがあり、目的も違うし、美術館巡りを中心にということ以外、事前にほとんど希望の場所とか打ち合わせてなかったので、迷いながら行き当たりばったりの案内になってしまいましたが、お天気にも概ね恵まれ、楽しく過ごせて頂けたようです。


     



宿泊はサボイホテルの向かいにあるストランド・パレス・ホテル(好評でした)だったので、まずは一番近いコートールド・ギャラリーThe Courtauld Gallery(→こちら


出生死亡等の記録所としてアガサ・クリスティの探偵小説にもよく出てくるサマセット・ハウスの中にあり、コベントガーデンからも歩いてすぐ。


小ぶりながら趣のある建物に、印象派やルーベンス等の有名な絵画も展示されてて、私がどなたにもお勧めするギャラリーですが、ちょっと前まで無料の日もあったのに廃止されたようで、私の足は遠のきそうなのが残念。でも、お二人ともとても気に入って下さったようです。


ナイフとフォークワイン

ランチは、ホテルの向かいにある老舗イギリス料理のシンプソンズSimpson's in the Strandで(→こちら )。

観光客にはローストビーフで有名なお店ですが、ロンドンに住んでると行かないもので、実は私は今回が初めて。


     


おうし座ここに来たらまずやっぱりローフトビーフを食べてみなくちゃね。目の前でシェフがスライスしてくれて、私はミディアム・レア。でも、ビーフや野菜の取り合わせは美味しかったですが、でっかいヨークシャープディングが黒焦げじゃん・・・。 これでは、初めて召し上がる日本の方に誤解されてしまうではないか、と、大好物のヨークシャー・プディングの名誉に掛けて怒りすら感じる私むかっ

それとも、これが本来の姿であり、我が家でトーチャンが焼いてくれる(最近はスーパーで買ってるけど)たまご色のが出来損ないなんでしょうか? そうじゃなくて、シェフが 「あちゃ~っ、しまった、今日は焼き過ぎちゃって失敗」、と思ったら、作り直して下さいよね、お値段高いんだから(他のメニュもある中で、ローストビーフが最もお高くて、31ポンド+サービス12.5%)。


結構量があったので、今回は前菜もデザートもなしでこれだけでお腹一杯になってしまいましたが、他のお料理は20ポンド以下のものもあって、重厚なお店の雰囲気はとても素敵だし、思ったより敷居は高くないので、一番安いワインでも美味しかったし、今度は違うものでフルコースを頂いてみたいわ。


     


やっぱり赤い二階建てバスは経験して頂きたいので、グリーンパークまで乗ってみましょう。



     

            バッキンガム宮殿に至るグリーンパークは水仙が見ごろ

     



    

              桜隣のセント・ジェームス・パークには満開の桜

     

セント・ジェームス・パークは、小さいけど、花壇もきれいだし、水鳥がたくさんいて、お散歩には最適

    


    

ホース・ガード・パレードを抜けて官庁街に出る所には近衛兵もいて、今日は寒いので厚いコート着てるのね


     


ウエストミンスター寺院を見学しようと思ったらすでに閉まってたので(金曜は3時半までって早いな)、国会議事堂を眺めながらテムズ河を渡り、旧カウンティホールのパン屋カフェの奥に静かなカフェを発見したので、冷えた体を温めましょうコーヒー


6時近くになったらすでに薄暗いしロンドンアイに乗る時間はないので、ぶらぶらと河べりを歩いて、ロイヤル・フェスティバル・ホールへ。


トーチャンと合流して4人でパイプオルガンのリサイタルを聴きました。たくさん歩いた疲れたので、私はコンサートでウトウトぐぅぐぅしちゃいましたけどね。


修復された超大型パイプオルガンのコンサートには明日も行くので(有名なサンサーンスのシンフォニー3番)、コンサートのことはその後でまとめて書きます。


前夜に日本から到着したばかりで時差もあるでしょうに、私が張り切ってあちこち連れまわしてしまい、お疲れ様でした。すみません。


などと言ってはみても、全然反省してない私、翌日は更にハードな日になりましたねえ。

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<3月22日(土)>


晴れさあ、今日も快晴だ!(後から雷雨になりましたが) 元気に頑張ろうDASH!




写真は少ないですが、博物館、美術館のはしご、買い物、と精力的に回った忙しい一日でしたが、まずはこれもストランド・パレス・ホテルから歩いてすぐのナショナル・ギャラリーへ。

ここは最近写真撮影にえらく厳しいので写真ゼロですが、新館に行ったことがないという友人のためにセインズベリー棟へ。宗教画ばかりで人気がイマイチのせいか本館に比べて人が少ないので落ち着けて、最近私はここによく来ます、もっと頻繁にここで絵画鑑賞をするのを今年の目標にします。知識が増えれば理解も深まりますもんね。今日も、美術教師の友人に画法とか説明してもらって、退屈な宗教画もなるほどと面白かったです。



走る人走る人走る人

3人で、ピカデリー・サーカス、リージェント・ストリート、カーナビー・ストリート、リバティ、オックスフォード・ストリートで主に洋服の買い物をしながら歩き、大英博物館まで2時半過ぎに辿り着きました。


コーヒーケーキ大英博館でリーズナブルなお値段のアフタヌーン・ティを頂こうというつもりでしたが、ちょっと早くレストランに着き過ぎてしまい(アフタヌーン・ティは3時からだそうです)、腹ペコと疲労ですぐに座って休みたかったので、アフタヌーン・ティは諦めて普通のランチで妥協。



   


ここでお友達とは別れ、彼女は初めての大英博物館をゆっくり見学、友人と私はなに一つ見ずに地下鉄で再びナショナル・ギャラリーへ。


イタリア絵画に詳しい友人とヴェロネーゼ特別展に入りましたが、なかなかの大作揃いで楽しめました。60歳以上は割引がきくのも嬉しいがま口財布


    



さあ、お次は、バスでセント・ポール寺院まで行き、ミレニアム・ブリッジを渡ってテイト・モダンだ。土曜日は夜10時までオープンしてるから大丈夫。

全部は無理だけど、ざっと半分くらいは見たかしら。でも、16世紀にヴェニスで活躍したヴェロネーゼを観たすぐ後に見るモダン・アートはなんというか・・・ガーン


で、


ここのカフェで夕食の予定だったけど、夜は閉店ということで、それならホテルの近くでゆっくり食べよう。それならいっそサボイ・ホテルはどうよ!? お正月に行って大体様子はわかってるから、なんとかなるよ(→こちら )。


ってことで、えらくカジュアルないでたちだったけど、カスパーズ・シーフード・バー&グリルKasper's Seafood Bar & Grillに(→こちら )。

ここは、二人であれば、カウンターから突き出たテーブルに予約なしで座れることも多いのかもしれません。お客さんは二種類いて、お正月の私たちのように気張ってお洒落してるグループと、今日の私たちのように結構カジュアルなグループ。要するにどちらでもなんとかなり、お店の雰囲気は素敵だし、お値段も普通のレストランと大して変わらないので、これからも時々来るでしょう。(サボイ・グリルという別格の高級レストランは縁がなさそうですけど)。



その後、ホテル内の有名なアメリカン・バーへ。素敵な雰囲気でピアノと歌の生演奏付きでほとんどのカクテルが15ポンドですから、悪くないですよね(一番高いカクテルがなんと5千ポンド叫びってのがさすがサボイだけど)。気軽に寄っただけなので写真は撮らなかったけど、実は翌日もまたここに来て、その時は着物だったので写真撮りました。


また長い一日でしたが、自由時間も必要でしょうから、明日の日曜日は午後のオペラからご一緒するだけにしました。



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<23rd Mar Sun>

日本からの友人のアテンドが終わり、私も観光客になった気分でロンドンのあちこちを回れて楽しい3日間でした。そのことは又あらためて書きますが、まず書き掛けだった連隊の娘を完成させてから。

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連隊の娘は、全部で5回観て、2月28日のリハーサルと3月19日のフローレスの出ない日のことはすでに書いたのですが(→こちら と→こちら )、肝心のフローレス王子様の出た日のことも簡単にまとめておきます。2月28日、3月3日、9日、12日で、写真は4回分混じってます(以下の写真はクリックで拡大)。



La fille du régiment


Director Laurent Pelly

Dialogue Agathe Mélinand
Set designs Chantal Thomas
Costume designs Laurent Pelly
Lighting design Joël Adam
Choreography Laura Scozzi
Conductor Yves Abel
Marie Patrizia Ciofi/Anna Devin
Tonio Juan Diego Flórez/Frédéric Antoun
Sulpice Pietro Spagnoli
La Marquise de Berkenfeld Ewa Podles
La Duchesse de Crackentorp Kiri Te Kanawa
Hortensius Donald Maxwell




一体、これ以前にフローレスの出た連隊の娘を私はROHで生で何回観たのか勘定してみたら、2007年のプレミエで3回、2010年の初リバイバルで5回でした(いずれも共演はナタリー・デセイ)。


今回も入れると12回にもなり(フローレス以外のも入れると16回)、このオペラ以外にコンサートも含めたら、生で聴いてる有名テノールの中では彼がおそらく一番多いに違いなくて、特に例のハイC連発メザミアリアは、ほぼ毎回コンサートでもサビだけ歌ってくれてるし、このアリアだけに限ったら、軽く20回は越すでしょう。特に大ファンではなくても、とても恵まれていると感謝してます。


今回も絶好調のフローレス節を聴かせてくれましたが、やはり徐々に声が変わってきてるのはたしかで、以前の甘さが減り、輪郭がはっきりしてきて鋼のような強い芯のある声にシフトしています。私はどちかかと言うと甘い頃のフローレスの方が好きですが・・。


そして、強くなった声を生かそうと他の役にも意欲が沸いてきたようで、2年後にウェルテルをやるんだそうです(→こちら )。

へえ、ついに声質が全く異なるので違うカテゴリーでの超人気男のヨナス・カウフマンと同じ役で対決するのか・・・。重くて暗いカウフマンと軽くて明るいフローレスのウェルテル比べも面白いとは勿論思うし、新境地開拓に挑むフローレス王子の勇気には拍手を送りますが、正直なところ、あまり嬉しくないかも・・・。2008年にドレスデンに彼のリゴレットを聴いたときに感じたのですが(→こちら )、やはりは彼には他の追随を許さない軽やかな声転がしをいつまでもやって欲しいです。それを活かせるオペラがまだ他にたくさんあると思うのですけどね・・。第一、カウフマンにはできないコメディ演技だってあんなに上手なのに。


じゃあ、こうしましょうひらめき電球


他のオペラハウスではウェルテルでもなんでもやってみてカウフマンに勝負を挑み、重い役ばかりやっても声に負担が掛かるでしょうから、たまに息抜きにロンドンでお手の物のロッシーニやドニゼッティで休憩して頂くってのはいかがでしょう? 他ではにやったことあってもコベントガーデンではまだ歌ってないのもあるので、そういうのでお願いします。 オリー伯爵とか。


     




     


パトリツィア・チョーフィは、2年前の2回目のリバイバルでマリー役でしたが(トニオはコリン・リー→こちら )、その時は、「あ~あ、何も丸っきりナタリーと同じにしなくてもいいのに。このおてんば娘キャラでナタリーに勝てる筈ないんだから、彼女なりのおしとやかなマリー像を作り上げた方がいいのでないの?」、と必死で頑張るチョーフィをけなげにとは思いながらも痛々しい思いでした。

で、今回再び何も変わらないナタリー版での挑戦ですが、何度も観て慣れたせいだけではなく、演技がかなり板に付いてきたし、本人も楽しんでるようでなかなかの出来でした。特にリハーサルの後半は代役マリーだったので、演技面でチョーフィがいかに上手かよくわかり、ナタリーの名人芸表情にはまだ及びませんが、かなりそれに迫るところまで達したと思います。

但し、それは演技面でのことで、チョーフィーの声がこの役には全く不向きであることには変わりません。彼女を知らない人の何人かが言った「彼女、今日風邪ひいてるんだよね?カゼ」と思われてしまうかすれ気味の優しい声は、私は決して嫌いではないし、テクニックでなんとかなってますが、やっぱりもっと合う役があるだろうから、この役はもうやめた方がいいのではないでしょうかね?

まったく、フローレスもチョーフィも、自分がやりたい役が必ずしも良さを一番発揮できるものではないのは残念です。



ドキドキ今回、実は私が一番楽しんだのが、軍曹役のピエトロ・スパニューリ

2009年のセヴィリアの理髪師のフィガロは抜群に歌も上手で面白かったので(→こちら )、今回も期待は高かったのですが、主役ではないので大袈裟な演技はしなかったけど、それでも表情や間の取りかたの上手いことにひひ


そしてなによりも、バリトンにしては細めでクリアな美声が魅力的で、高い声も出そうだし、バリトンにしておくには勿体ないスパニューリ、テノール役に挑戦してくれないかしら。結構年食ってるし、今回は腹ボテ衣装にハゲかつらだったけど、とてもチャーミングだったから、二枚目役もまだできるんではないの?


さて、

今回の目玉の一つがキリ・テ・カナワの登場で、これまでこの役は台詞だけで歌がなかったんですが、プッチーニのエドガーからほんのちょっとだけ歌ってくれました。昔は歌うスタイルもあったらしいですが、ROHのこのプロダクションでは初めての試みで、ふた昔の花形ソプラノの(衰えたとは言え)歌が聴けたのは今回のボーナスでしょう(私は目撃できませんでしたが、70歳のお誕生日のパフォーマンスは舞台でお祝いもありましたケーキ)。


キリ女史のコメディ演技は、プレミエから2回のドーン・フレンチ(イギリスでは有名なコメディアン)と比べたら全然面白くないのですが、それでも、回を重ねるごとにリラックスしてきたのか、段々大胆に演技できるようになり、最後は「あら、なかなか面白いじゃないの」、と思わせるくらいまで上達したのはさすが。


    



    


逆に、コメディセンスがこれまでのこの役の中では一番光ってたのがマリーの母親役のイーワ・ポドルズEwa Podles。

ぶーぶーユーモラスなおデブさん体型を最大限に利用して身のこなしも表情も見事なコメディエンヌぶり。この役はこれまで、フェリシティ・パーマー、アン・マレーというイギリスでかつてトップ・メゾソプラノで今も充分歌えるおばさん二人だったんですが、今回のEwaおばさん、全く名前を聞いたこともない人だけど、ドスの利いた低音が迫力で、歌でも決してひけを取ってませんでした。


指揮者のイヴ・アベルの軽やかで始終嬉しくてたまらないという表情の指揮振りは彼がよく見える席の私にはビジュアル的にもさらにこの喜劇オペラを楽しくさせてくれました。


というわけで、何度も観てるけど、やっぱり面白い連隊の娘に又笑わせてもたいました。特に今回はちょっとだけだったけど主役二人を無名の代役で観られたのも嬉しかったし、これと交互にやってるオペラがシリアスで難解なリヒャルト・シュトラウスの「影のない女」だったのも極端に対照的で、「いやーっ、オペラって色々あって楽しいわん!」、と思えて興味深いことでした。




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