<29th Jan Wed>

祝日アラーニャとクルチャクに今日、予定より少し早く、女の子が誕生。Malenaちゃん。写真だとパパ似かな?

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今日は楽しみにしてた新プロダクションのドン・ジョバンニのリハーサル。ざっと感想を殴り書きしておきますが、一言で結論を先に言うと、パフォーマンスは5ツ星アップ、前回の方が良かったプロダクションは3ツ星ダウンってとこでしょうか。

ストーリーや前回プロダクションについては→こちら をご覧下さいですが、要するに、色情魔が女をたらしまくって最後は地獄に堕ちるというお話です。


家プロダクション


お喋りな演出家カスパー・ホルテンが事前にヴィデオで、「設定は性が抑制されてたヴィクトリア時代で、セットは人が出入りしたり隠れられるようにドアや柱がある」、と言ってた通り、去年の彼のオネーギンに似たまともなセットでしたが、二階建てってのが気に断然入らなくて、私の舞台横の席からは上階がほとんど見えないので、私的にはこのセットはせいぜい2ツ星。


それだけじゃなくて、回り舞台になってる小さな白い二階建ての家に映像が投影されるんですが、それがしつこくてねむっ。 映像も回転も立体感を出す良いアイデアとは思うけど、しょっちゅうぐるぐるチカチカ、やり過ぎだっちゅうのむかっ オネーギンもそうだったけど、ホルテンの演出は説明が多過ぎて邪魔。素晴らしい音楽と歌があればそれで充分だし、観客の想像力を尊重すべき。それに、こんなハイテクにして、故障するんじゃないの?

それに、前回のプロダクションでは最後のクライマックスが炎がぼうぼう燃えて「お~っ」、と盛り上がったけどメラメラ、今回はな~んにもなくて面白みゼロ。



ワンピースジーンズ衣装は、とても素敵で大好きだった前回に比べると当然劣ります。まだ女性は大きく膨らんだスカートがゴージャスでどれも美しかったったけど、男性のは全くつまんなくて、特にドンジョヴァンニは普通のスーツやコートじゃあ魅力が出せないでしょ。まだ今回は上手なドンジョヴァンニだったからいいけど、下手な奴がやる時は衣装で誤魔化さなくちゃならないんだよ。



Director Kasper Holten
Set designs Es Devlin
Costume designs Anja Vang Kragh
Lighting design Bruno Poet
Video designs Luke Halls
Choreography Signe Fabricius

Conductor Nicola Luisotti
Don Giovanni Mariusz Kwiecien
Leporello Alex Esposito
Donna Anna Malin Byström
Donna Elvira Véronique Gens
Don Ottavio Antonio Poli
Zerlina Elizabeth Watts
Masetto Dawid Kimberg
Commendatore Alexander Tsymbalyuk


音譜

パフォーマンスは、これだけ粒揃いな歌手陣なのはROHでは珍しいほど、皆さん素晴らしくて、文句を付ける歌手はいません。


ドン・ジョバンニのマリューシュ・キフィエチェンは、これまでのROHのドンジョの中ではすでに私のベストだけど、更に凄みが加わってステップアップ。 だけど、小柄な彼が地味なヴィクトリアン紳士の格好しててもセクシーじゃなくて、そう言えば前プロダクションでは脱いだわよね、と思い浮かべたりしました。

    

レポレロ役のアレックス・エスポジートも私にとってはベストなレポレロで、前回はカツラ被ってたのでうんと若々しくて明るくてめげない悪戯少年のようだったけど、今回は地のスキンヘッドでぐんと精悍になったけど、こんな仕事をしてるのは嫌だと思いながら中年になりかけてる暗くて哀しいレポレロ。

ダークながらもコミカル演技もいつものように抜群で、トーチャンによると今日のベスト歌手だそうです。



    


  
ドンナ・アンナ役はスゥーデン美人のマリーン・バイストロムで、2011年10月のファウスト(→こちら )と2012月2月のコジ・ファン・トゥッテ(→こちら )でとても気に入ったソプラノで、リッチなダーク・チョコレートのような太い声がくぐもらずに元気に前に出て声量も立派で迫力があり、彼女が出ると舞台がぱっと華やぎます。容姿も歌も大好き。


   


ドンナ・エルヴィラ役のヴェロニク・ジャンスは、分別のあるしっとりした大人の雰囲気でこの役にはあまりぴったりしてないので、最初は派手なドンナ・アンナに押されて地味な存在でした。でも、最後はきっちり丁寧な歌唱がさすがで、テクニカルに一番上手な女性歌手は彼女でしょう。

この二人、バイストロムの太い迫力声とジャンスの細い繊細声が対照的で素晴らしかった。


   


ドン・オッタヴィオ役のアントニオ・ポ-リ君は、オテロのカッシオ役で注目したテノールで、一年前のベルリンの愛の妙薬(→こちら )がすっごく良かったのでラブラブ!、若いテノールの中では私のイチオシとなり、今回は彼が出るのが一番の楽しみでした。

でも、ちょっと残念なことに、今日は絶好調ではなかったのか、いつもより声量がなくて声も少し乾いてたような。それでもうんと上手で聴き惚れましたが、例え絶好調でもこの役にはポリ君の声は既に重過ぎるかもしれないので、ヴェルディの方がいいのでは?



でも、これを何度も観に行く主な目的はやっぱりポ-リ君で~すドキドキ


   
   



ツェルリーナ役はイギリス人のエリザベス・ワッツ。 かつてのような鈴のようにリンリンした声でなくなってしまったのはその手の声が好きな私としては淋しいけど、誰でも段々重くなるわけだし、今日は高音から低音までよく声が伸びて、元気一杯の村娘をエネルギッシュに好演。

村娘なのにこんな豪華なドレスも着せてもらって(ウエディングドレスはまた別)、よかったね。


最近はルーシー・クロウやソフィー・ビーヴァンに追いあげられてる感じだったけど、まだワッツも健在だ。


マゼット役のデビット・キンバーグは、ちょっと前までROH若手アーチストだったバリトンで、個性がなくて存在感なかったけど、今日はすっきり素直な好青年ぶり。あくどいドン・ジョヴァンニと濃いレポレロとの違いが出て、なかなか良かった。


指揮者はニコラ・ルイゾッティ。ROHでもすっかりお馴染みの彼は、時折チェンバロも弾きながら始終ニコニコ嬉しそうで、舞台の歌手たちの出来にも満足の様子。


     


というわけで、上の階が見えないのは頭に来たけど、素晴らしいパフォーマンスに大満足。外は冷たい雨の暗い日でしたが、ホカホカと温かい気持ちになりました。あと何度か行けるのが楽しみだけど(まず2月1日の初日)、毎回ストールサークルの3列目なので、誰かが「二階で歌うのは多過ぎないか?」、とか、高所恐怖症の歌手が「怖いから、下で歌いたい」、とか言って、変更になってくれたらいいのになあ。


一緒に行ったトーチャンはなんとドン・ジョヴァンニは初めてだけど(ムスメが家にいた時は連れてってあげなかったもんね)、いきなりこんな素晴らしいパフォーマンスで聴けてよかったね。

 
   





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二人のジゼル

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<28th Jan Tue>

ラーメン地元のチャイニーズレストランで初めてお会いする方3名を含む日本女性8人で女子会ランチ。いまだに平日ランチできること自体がやけに嬉しい元フルタイムサラリーマンですが、いやー、すみませんねえ、明日も働きに行きません。なんせドン・ジョバンニ新プロダクションのリハーサルですから。

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バレエは全くの門外漢の私。その証拠に、代表作の一つであるジゼルを観るのが今回初めてなんです。


なので、気の利いたことなどはもちろん何にも書けず、カーテンコール写真を貼るくらいしかできませんが、今回は1月20日と27日に違う2チームで2回観て、私なりに比較したくなったので、超初心者の浅い見方ですが、書いておきます。


まず、私よりもっとバレエに疎い方のために、どんなストーリーかと言うと、


指輪村娘ジゼルは、貴族の青年アルブレヒトにたぶらかされてその気になるが、アルブレヒトには婚約者がいることがわかると狂乱状態になり、元々心臓が弱いこともあり、あっさり死んでしまう。

ジゼルが精霊となって徘徊する暗い森で、墓参りにやって来たアルブレヒトと再会。裏切り男は精霊仲間たちによって死ぬまで踊り狂うのであるが、ジゼルが「この人だけは許してあげて」「駄目!」、「そこをなんとか、お願~い」、「拒否!」、ともたもたしている間に夜が明けてしまい、精霊たちは消え、青年は助かる。


話はシンプルで、パフォーマンス時間も正味100分と短いんですが、風変わりで踊りにくそうな振り付けがたくさん出てきて、「お~、こんなに難しいバレエだったのか!」、というのが私の第一印象。



              


              プログラムはクリックで拡大して下さいね。


   



1

1月20日は、サラ・ラムスティーヴン・マックレーのコンビでしたが、実はマックレーは急な代役。

この日にしたのはルーパート・ペンファーザーを見たかったためだったのですが、怪我して見られなかったのは残念だけど、代役がマックレーなら文句は無し。私の嫌いなロベルタ・マルケスと組むことが多いので遠ざかってるだけで、山椒は小粒でピリリと辛いマックレーも大好きですから。


ルーパートにしたのは、どうせジゼルの相手なんて担ぐだけの役でしょ、立ってるだけなら一番私好みのハンサムなダンサーを愛でよう、と思ったからですが、踊りを見たら、「あー、よかった、マックレーに代わってくれて。ジャンプも多いこんな難しい役、ルーパートじゃ無理かも」、と。ルーパートより良いどころか、シャープでジャンプの切れも良いマックレーは、1週間後のアコスタよりも私は上手だと思いましたよ。


    


そして、ジゼルのサラ・ラムにとってはこの日がロールデビューという特別な日だったんですが、そんな大事な日に急に相手役が変わったりして大丈夫かしらと、ハラハラしちゃいましたが、良い意味で緊張感があり、それはそれで感動的。


サラちゃんは、ほっそりして可愛いけどなんか存在感の薄いダンサーという印象でしたが、バレエ好きの知り合いの皆さんが「サラちゃん、最近良いよ~」、と仰っていたように、難しい大役のロールデビューを立派に果たしましたクラッカー


1週間後のオシポワと比べると、生きてる時の病弱な風情はよく出てたし、幽霊になってからは元々そんな感じのルックスを活かして、身のこなしも表情もぴったり。ジャンプの時は、「オシポワだったらきっとジャンプももっと高くてシャキっと伸び切ってるんだろうな」、と想像したりしましたが、サラちゃんのはかなげでクニャーンとした感じも愛らしくてチャーミングなジゼルでしたラブラブ


    

      たくさん撮ったサラちゃんのカーテン写真はどれもとびきり可愛くて美人



     

             ↑


マックレーの奥さんであるエリザベス・ハロッドと高田茜ちゃん。二人とも素敵でした。





くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ くつ






2

1月27日はライブ・シネマ上演だったのですが、そんな大事はイベントにはそりゃトップチームでなきゃいけないわけで、入団したばかりのナタリア・オシポワと一番人気のカルロス・アコスタ登場。


そろそろ引退が囁かれるアコスタは、かつてのジャンプ力はないのでしょうが(私はあまり好きではなくそんなに観てないのでわからないけど)、大スターの貫禄とまだまだいける期待通りの踊りを見せてくれたのはさすが。


他の人と肌の色が違うのでカーテンコールで良い写真が撮れないのがナンですけどね。



しかし、この日のスターはオシポワで、いくつかの新聞批評で5ツ星キラキラだったのもベタ褒めされてた彼女のおかげでしょうから、期待は異常に高まるでしょアップ


     


オシポワ嬢は、2010年8月にボリショイ引越公演のドンキホーテで驚異的なジャンプを見せて話題になった人で(→こちら )、その後ロメジュリとかモダンバレエでも観ました。でも、やっぱり体操競技のようなエネルギッシュな動きが印象に残っていたのですが、このジゼルで見せたしなやかさにはびっくりで、期待を上回る神業クラッカー

異常に長い腕が美しく曲がりくねり、お得意のジャンプはもちろん高くぴたっと決まり、もうこれは他の誰と比べても次元の違うレベルでしょう。

初めてのサラちゃんが素のままのジゼルだったのに対し、この役はきっと何度もやっているに違いないオシポワは実にきめ細かい演技で余裕たっぷり。


でも、こんなこと言っちゃ悪いけど、前半は病弱の村娘にしては元気過ぎた上、研ナオコ似のファニーフェイスの彼女の濃過ぎる演技はちょっと気味悪くて、モテモテ可愛い子ちゃんには無理があるような・・・。上手なんですけどね~、やっぱりバレエってビジュアルがモノを言いますよねしょぼん


オバケで、幽霊になった時はあの顔でどうやってやるんだろう、と思ったら、白塗りにしてずっと伏せ目がちの無表情で通し、「前半との違いをきっぱり表現してさすがだ」、と感心はしたのですが、これもやり過ぎで、やっぱり気味悪かった・・・。サラちゃんは生きてても死んでからもほとんど同じ顔だったけど、そのナチュラルさの方が私は好きだな。
     

               美しく撮れてる写真を選ぶのに苦労したわ・・・


しかし、まだ二十代で、ロッホとコジョカルのスター二人に逃亡されてお先真っ暗だったロイヤルバレエの救世主になってくれたオシポワには大感謝で、私はなるべくバレエ地獄に引きずり込まれないように踏ん張ってるんだけど、こんな凄いダンサーが入ったら観に行かざるを得ないじゃないの。困った、困った・・。


    

    

精霊のボス役は小林ひかるさん。           高田茜ちゃんはまた同じ役。

    

前半は崔由姫ちゃんも出てて、日本人3人娘は重要な役で皆さん素晴らしかったけど、オシポワの凄さの前ではすっかりかすんじゃいましたね・・・汗



    


カーテンコールには、演出家及び追加振付師のピーター・ライト氏も登場。




開演前のポール・ハムリン・ホールには、引退したダーシー・バッセルもいました。ライブシネマにコメントしてたんでしょう。

   

  


      
             


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<25th Jan Sat>

ブタ健康のためにお肉を減らして野菜をたくさん食べようとしてるのに、何度言ってもトーチャンはスーパーで肉をどっさり買ってくるので、今日は私も一緒に買出しに行きました。今後はいつもそうしようかな。「そんなら、時間もできたんだし、久し振りに掃除もしろ~っむかっ」、とトーチャンに言われそうですが、長年しなかったから掃除の仕方忘れちゃったもんねべーっだ!

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3年半前のプレミエ以来初めてのローラン・ペリーのマノン、先回はネトレプコとグリゴーロという美男美女の大スターで盛り上がったのですが(→こちら )、今回はぐっと落ちる顔ぶれのため切符の売れ行きは悪く、オペラ仲間でも今回はパスという人が何人もいました。私は大好きなテノールのマシュー・ポレンザーニが出るので楽しみにしてましたけどね。


マノン役だけ二人いて、両方観に行きますが、まず一人目のマノンで2度、1月17日と24日に左右それぞれから観たので、ざっと感想を書いておきます。


オペラとプロダクションについては以前の記事をご覧下さいですが(→こちら )、文章一つでまとめると、


クリップ享楽的な性格を心配した親に修道院にぶちこまれる直前に逢ったばかりの騎士デグリューとパリに駆け落ちしたマノン嬢、金持ちの愛人になって贅沢しても激怒する父親に連れ戻されて神父になったデグリューを忘れられず教会に押し掛けて復縁を果たし、二人で賭博で金儲けを目論むが、ソデにした男の復讐でイカサマの罪で逮捕され、デグリューは父伯爵のコネで釈放されるが、哀れマノンは流刑地に発つ前にデグリューの腕の中で力尽きて息絶える。

若い恋人がいるのに贅沢好きな美女マノンは金持ちの愛人になり、哀れな青年を振り回し、最後はいかさま賭博の疑いで逮捕され、島流しになるというお話ですが、このマスネ版は、島流しになる前に死んでしまいますクリップ



Director Laurent Pelly

Dramaturg Agathe Mélinand
Set designs Chantal Thomas
Costume designs Laurent Pelly
Costume designs Jean-Jacques Delmotte
Lighting design Joël Adam
Choreography Lionel Hoche


Conductor Emmanuel Villaume
Manon Lescaut Ermonela Jaho
Lescaut Audun Iversen
Chevalier des Grieux Matthew Polenzani
Le Comte des GrieuxAlastair Miles
Guillot de Morfontaine Christophe Mortagne
De Brétigny William Shimell
Poussette Simona Mihai
Javotte Rachel Kelly
Rosette Nadezhda Karyazina

日本でもROH引越公演でやったので、このプロダクションをご覧になった方はいらっしゃると思いますが、セットは全くつまんないですよね。私の安い舞台横の席からは庇(ひさし)に隠れて上の方が見えなかったので尚更殺風景に見えました。


ワンピースでも、衣装は素敵だし、ドガの踊り子の絵から抜け出したような可愛いバレリーナもたくさん出てきて、楽しめます。マスネの音楽は華やかで官能的で大好きだし。

    




      


マノン役はアルバニア人ソプラノのエルモネラ・ヤホ


ROHには何度も出てお馴染みですが、手堅くはあっても華やかな魅力に欠けるので、「おお、ヤホが出るなら観に行こう!」、と思う人はまずいないでしょう。うんと小柄なので貧弱だし、中身の詰まってないスカスカの薄い声というのが決定的な欠点。


「3年前のあの大輪の花のような声もふくよかで艶っぽいネトコちゃんには逆立ちしたってヤホが敵う筈はないどころか、目の当てられない貧弱なマノンになりそう・・・」、と私も思ったので、ポレンザーニじゃなくて下手なテノールだったらパスしたわ、きっと。


でも、ヤホ・マノンは予想に反してなかなか良かったです。芝居上手なのは知ってたけど(プッチーニ三部作の修道尼アンジェリカの苦悩ぶりにはぐっと来ました)、今回の長丁場を一瞬たりとも手を抜かず、表情から体の仕草まで若くて無垢な少女から妖艶な美女、そして力尽きて死んでしまう哀れな女を変化に富んだ真摯な演技で見事に表現。悲しい役だと毎回ちゃんと涙も出るし、優れた演技力にはあらためて舌を巻きました。はじまる前に「地味でぱっとしないからこの役には合わない人よ」、と言っといたのに、トーチャンは「そんなことはない、美人じゃないか」、と反論。たしかに、演技力で美しく見えてしまうところがすごいクラッカー


声もよく出て、不快とは全く思わないけど特に好きではないのに、時折「まあ、美しい声だこと」と思わせてくれたし、演技同様、細かい所にまで始終気を配って、ネトコちゃんのチャーミングではあっても大雑把な(スケールが大きいとも言える)歌と演技とは対照的で、偏見なしで聴いたらちゃんと上手に聴こえるでしょう。


でも、努力賞は差し上げますが、彼女を何度も聴きたいかと言われると答えはノーで、夏のラ・ボエームのミミ役でもきっと迫真の演技で泣かせてくれるに違いないけど、相手役が大嫌いなカステルノーヴォということもあり、おそらくパス。来週から登場の二人目のマノンのうんと愛らしいアイリーン・ペレズを楽しみにしてるので、もしアイリーンが病気にでもなって又ヤホと言われたらがっかりだしね。


というわけで、褒めてるんだかけなしてるんだかわからないヤホ・マノンですが、ショック! 要するに、イマイチの素材を努力で最大限以上にしてるってことです。 

   


NYメトの花形テノールとも言えるアメリカ人テノールのマシュー・ポレンザーニ。日本でネトコちゃんと共演しましたよね。

ROHではこれまでにコジ・ファン・トゥッテとドン・ジョバンニに登場し、私はメロメロになりましたが、今回はほんのちょっとだけど声が濁ったし、役に合わないのか、実は少々失望。


まあ、先回初めて生で接したグリゴーロのセンセーショナルな迫力歌唱とハンサムでフレッシュな若者ぶりが耳と目に焼きついているので、どうしても比べてしまい、そうするとポレンザーニの太目の体とおっさんっぽいヘアスタイルはちょっとナンだわよね。


それでも、世界的なテノールですから勿論とても上手だし、彼なら何度でも聴きたいですラブラブ。2度目はグリゴーロの面影も薄れてポレンザーニ・デグリューに徐々に慣れたばかりでなく、彼も上がり調子で、より楽しめました。



    


というわけで、歌唱的にはなかなか良かった主役カップルですが、そりゃネトコちゃんとグリゴーロと比べたらスターのパワーに欠けるし、太いおっさんと貧弱な女の教会で誘惑する場面も全くセクシーではありませんでしたしょぼん  

ま、それは最初から期待していないので、誘惑に負けたグリゴーロは情熱的に法衣をはだけて上半身裸になったけどラブラブ!、ポレンザーニはもちろんそんなことせず。誰も見たくないですしねむっ

   


   


脇役たちは、


マノンの親戚でヒモ的存在のレスコー役のAudun Iversenは、トーマス・ハンプソンを薄くしたような印象で、いまいち魅力に欠けるバリトン。


マノンに見向きもされないハゲ茶瓶のヒヒ爺のクリストフ・モンターニュが前回同様、響き渡る美声とコミカルな演技で大受けクラッカー


マノンのパトロンで先回も出たウィリアム・シメル、なかなか素敵なおじ様ぶりではあるけど、今回は歌が全くぱっとせず。どうしちゃったの?ダウン


マノンが憧れる3人の美女たちの中では長身のNadezhda Karyazinaがグラマーな美人でゴージャス宝石赤
  
    



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<22nd Jan Wed>

ROHから夏のフレンズ予約案内が届きました。話題の新プロダクション2つ、カウフマンのマノン・レスコーとディドナートのマリア・スチュアーダは一体切符を何枚買わせてもらえるのかしらと心配でしたが、全部で4枚ということで、いつも2枚だけのワーグナーよりましだ。トーチャン、良かったね、これなら一緒に連れてってあげるわ(ワーグナーは2枚だけでも連れてってあげたけどね)。因みに、「又か、しつこい!」のラ・ボエームも、ゲオルギューとグリゴーロ共演なので全部で4枚ですって。

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1月14日、バービカンでヘンデル最後のオラトリオJephthaを聴きました。歌手陣は地味ですが、ヘンデル好き、コンサート・オペラ好きの私がこれを聞き逃す筈はなく、抜かりなくかぶりつき(2列目だけど)ど真ん中を確保。


旧約聖書に出てくるお話で、古代イスラエルの武将ジェフサは「この戦いに勝てたら、帰還して最初に出迎えてくれた人を生贄にするから」、と無責任に神に誓ったところ、あちゃーっ!現れたのは「お父さん、お帰りなさ~い」、と喜ぶ自分の娘・・・。


って、これじゃあモーツァルトのイドメネオとそっくりな悲劇的シチュエーションですが、オペラにしたのはヘンデルの方が30年先ですからね。


で、聖書では娘は殺されてしまうのだけど、このオラトリオでは最後に天使に救われるんです。でも、一生を神に捧げるという条件付きなので、恋人もいるのに、それじゃあ幸せになれないかもですね。


でも、ドラマチックな設定の割にはドラマ的には盛り上がらない作品なのでそんなことは気にしないで、歌合戦として楽しみましょう。


晩年のヘンデルが視力の衰えに苦しみながら作曲したこの最後のオラトリオは1751年にヘンデル自らの指揮でロンドンで初演され、ヒット・アリアはないけど、いわゆる軽やかで華やかなヘンデル節とはちょっと違う深みのあるしっとりした名作で、珍しく四重唱もあり、いわば次の時代への橋渡しとなったのではないかしら。


今年からバービカンはプログラムが有料になり、(おそらく)僅か2ポンドなので買ってもいいんですが、一緒に行ったトーチャンがオンラインで全リブレットを見つけたので今回はそれで済まそうと2部プリントアウトして持って行き、英語なのでしっかり読みながら聴きました(少し省略してすっ飛ばした箇所も2、3あり)。


ハリー・クリストファーズ率いるThe SixteenはこのオラトリオのCD録音を予定してそうで、いわば今回はそれに向けての準備なんでしょう。どうもまだキャストは決まってないみたいなんですが、果たしてこの日の歌手たちが適役だったでしょうか?



Handel Jephtha


The Sixteen

Harry Christophers conductor

James Gilchrist Jephtha
Susan Bickley Storge
Sophie Bevan Iphis
Robin Blaze Hamor
Matthew Brook Zebul
Grace Davidson Angel





まず、カウンターテノール好きの私にとって一番興味深いのは当然ロビン・ブレーズ


名門音大Royal College of Musicの教授になった今では舞台に立つことは少ないようで、私は2011年5月にイエスティン君とウィグモアホールで共演したコンサート以来(→こちら )。その時は伸び盛りのイエスティン君にすっかりお株を取られて世代交代があからさまになり、私も以前は好きだったけど中年になって衰えたブレーズを棄てて、若いピチピチCTに乗り換えたわけです。


この日のブレーズは、決して悪くはなかったけど、観客の多くはきっと先月のメサイヤでイエスティン君を聴いてるので、「うーん、やっぱり声量面と中低音の美しさと安定度ではイエスティン君に大きく差を付けられて負けてるなあ。イエスティン君がここにいたらいいのに・・むっ」、と思ったに違いないです。

でも、コロラチューラはブレーズの方が上手だし、童顔の割には長身で颯爽と格好よく、オツムは薄くなりかけてるけど(以前はもっと禿げてたような気もするけどな・・・)、まだまだチャーミングで目が離せないブレーズ教授でしたラブラブ


でも、やっぱりCDはイエスティン君に歌って欲しいですよね、クリストファーズさん。


しかし、きっとカウンターテナーって賞味期間が短いんでしょうね。ブレーズだって、まだ42歳よガーン


ひらめき電球

盛りを過ぎたカウンターテナーと言えば、来週バービカンにアンドレアス・ショルが来るんです。腐っても鯛(?)のショル兄、まだまだ人気は高く、バービカンにしては珍しく切符の売れ行きも上々(→こちら )。もちろん私も行きます。この頃不調の時が多いけど、もし絶好調であればまだうっとりさせてもらえるという期待で最前列のど真ん中からかぶりつきますラブラブ!  ショル兄、頑張れ~っ! まだ(完全には)見棄ててないからね。



   



今日のベスト・シンガーは誰だった?と知名度とか知らないので偏見なく判断できるトーチャンに質問したところ、Jephtha役のジェームス・ギルクライストだと。


これには私も賛成。ラジオではお馴染みの彼を生で聴くのは初めてだけど、声量も充分で深みのある声がよく伸びる端正な歌唱は素晴らしく、この手のテノールではイギリスでベストでしょうキラキラ 最後にやっと盛り上がった父親の苦悩を真摯に歌い上げた時は、途中で拍手をしてはいけないのは知ってても喝采されましたクラッカー


     


生贄にされてしまうことになった悲劇の娘役のソフィー・ビーヴァン、何度か聴いてますが、その度に上手になてて、今イギリスの若手ソプラノではトップでしょう。世界的にはルーシー・クロウの方がもてはやされてるけど、一本調子気味のルーシーより、色んなニュアンスを聴かせてくれるソフィーの方が実力は上だと思います。

小柄だけどグラマーな体型を生かした青いドレスに金髪が映えて素敵だけど、ポイントになる共布のベルト部分がへしゃげてしまって残念でしたね。

    


The Sixteenの演奏はまあこんなものでしょうという感じでしたが、コーラスは抜群で、特に6人しかいない女性陣はオケの後ろにいたのに個々の声がちゃんと判別できるほど立派な声量の人もいて、その中で一番上手な人が最後に前に進み出て天使役になりました天使 上手だし、グレーのドレスと黒ジャケットも洒落てます。



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再び母の着物でオペラに

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<20th Jan Mon>

クラシック音楽ファンにとっての今日のニュースは指揮者クラウディオ・アバドの死。80歳。数年前に最後に生で聴いた時はすでに胃癌でやせこけてたけど、それから意外に長く生きて、ベルリンフィル時代の印象が強いので、イタリア人という感じがしない人でした。合掌。

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1月17日、ロイヤルオペラハウスにマスネのオペラマノンを着物で観に行きました。


夏に実家から持ってきた薄い藤色の木目柄の小紋は、母の一番のお気に入りの一枚で、秋に着たときは菊柄の黒い帯を合わせました(→こちら )。


私は着物と帯の意外な色の組み合わせが好きなのですが、藤色にはモノトーンか同系色しかしっくりこないような気がするので、今回は濃い紫色の帯にして、全体を藤色と緑色だけの二色であっさりまとめてみました。

手持ちの帯ではこれが一番無難でしょうが、次回はちょっと冒険してみたいかな。


    


   


こういう薄い着物は、暗い所の方が映えますね。


    


引き続き頑張ってるでしょ。すでにこれが今年6回目の着物お出掛けですよDASH!

今日のバレエ(ジゼル)はトーチャンと一緒だったので洋服でしたが、今月は少なくともあと2回は着る予定ですしね。


でも、あと1ケ月すると、私にとっては最重要な地下鉄コベントガーデン駅がエレベーター(イギリスではリフトと言います)の取替えのためなんと11月まで出口専用となってしまい、とても不便。隣の駅まで歩かなくてはならないので、着物で行く回数がぐっと減るかも・・。折角波に乗ってるのに、残念だむっ


って、レスタースクエア駅は歩いてほんのちょっとなんだから、言い訳にせずに歩け走る人  草履はハイヒールより楽なんだし。




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