<8月30日(月)>

月曜はサマーバンクホリデーで、3連休、レストランやコンサート、ジム、旅行準備等、忙しかったけど充実した週末でした。

あら、どっか旅行へ? はい、ちょっと。明日お知らせしますね。

その前にこれだけは済ませなくっちゃ、のオペラ「オネーギン」。

スキン写真のトビー君は無視なの? そう、時間がないのでおそらく割愛。プロムスの一環のカドガン・ホールでしたが、大したコンサートではなかったし。

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オペラ三昧イン・ロンドン

8月12日と13日、ボリショイ・オペラのユージン・オネーギンをロイヤルオペラハウスで観ました。



ボリショイの引越公演、バレエはいくつかあったのに、オペラはこれ一つだけで、2キャストで4日連続。切符を売り出した時には誰が歌うのか発表になってなかったのですが、私が買っておいた日じゃない方にマリューシュ・キフィエチェンが出ることになったので慌てて買い(彼のおかげで格上と言う意味でこちらがAチームでしょう)、でもBチームにも、知らないだけで、良い歌手がいるかもしれないと思って一応両方行くことにしました。オフシーズンでヒマだし。


Composer Pyotr Il'yich Tchaikovsky
Director Dmitri Tcherniakov
Conductor Dmitri Jurowski
  
             8月12日(Bチーム)     8月13日(Aチーム)

      Tatiana Ekaterina Shcherbachenko Tatiana Monogarova
      Eugene Onegin Vasily Ladiuk Mariusz Kwiecien
      Lensky Roman Shulakov Alexey Dolgov
      Olga   Oksana Volkova Margarita Mamsirova
      Prince Gremin  Mikhail Kazakov Anatoli Kotscherga

      Madame Larina   Irina Rubtsova Makvala Kasrashvili
      Nurse   Irina Udalova Nina Romanova


で、結論から言うと、総合点ではやはりAチームの勝利だったのですが、Bチームの方が良い歌手だった役もあり、同じオペラを連チャンで観るのは初めてでしたが、チャイコフスキーの素晴らしい音楽ですから飽きないし、両チームで聴けてよかったです。

以下、役ごとに勝敗を採点しますが、その前に、オネーギンってどんな話?と仰る方には、過去の記事(→こちら )の該当部分をもう一度アップしてしまいましょう。(私ってちょっと前はヒマだったのね。今はこんなに書けないわ)。「有名なオネーギンくらい知っとるわい!」と仰る方は点線間をすっ飛ばして下さい、なのですが、

要するに、
初恋を告白した田舎娘がニヒルな男オネーギンに振られたものの、高官の妻となって社会的立場が逆転した今、向こうから言い寄ってきて、ちょっとぐらっときたけど、今度はこちらが蹴ってザマーミロという、女の出世物語。自分を振った男を見返しすのは女の夢ってもんです。

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あらすじ   (原作はロシアの国民的作家プーシキンの小説)

帝政ロシアの地方地主ラリナ家には娘が二人。本ばかり読んで物静かな姉のタチアナと、社交的で明るい妹オルガ。隣人でオルガの婚約者レンスキーが友人のオネーギンを連れて訪ねて来る。タチアナはオネーギンに恋をして、一晩掛けて彼に長い手紙を書く。その手紙を読んだオネーギンはタチアナを拒絶し、感情を抑えるようにことを学びなさいとお説教。

タチアナのための舞踏会にでオネーギンはオルガとばかり踊り、それに嫉妬したレンスキーはオネーギンに決闘を挑む。決闘でオネーギンはレンスキーを撃ち殺し、さすらいの旅に出る。

数年後ペテルブルグに親戚のグレーミン公爵家を訪れたオネーギンは、洗練された公爵夫人となったタチアナに再会して恋に落ちる。オネーギンの激しい愛の告白にタチアナは動揺して一度は抱き合うが、思い直してきっぱりとオネーギンを退ける。絶望するオネーギン。


と、まあどこにでもありそうな(決闘は別として)、理解しやすい展開でしょ?


男の子主要人物のキャラクター女の子


オネーギン

タチアナが一目で恋に落ちるオネーギンは知的でニヒル。恋に恋する田舎娘のタチアナから熱烈な愛の告白を受けるが、「貴女のことを妹のように愛しているし結婚するなら貴女だが、僕は家庭には向かない。」とやんわり退け、「そんなにストレートに気持ちを吐露しちゃ駄目だよ」と忠告。ここまでは立派。

だけど、舞踏会でタチアナの気持ちを踏みにじり親友レンスキーの嫉妬を知りながらオルガと親しげに踊りまくるのは残酷。性格は悪い。決闘でレンスキーを殺してしまうのは仕方ないとして、いやらしいのは他人のものを欲しがる根性だ。こういう奴に限って、自分のものになった途端にまた捨てたりするんだよな。皆さん気を付けましょう。プライドを捨ててタチアナに言い寄って、当然なびくと思ったのにギリギリのところで逃げられれてザマーミロってんだ。


レンスキー

幼馴染のオルガと婚約して幸せ一杯のレンスキー。惜しみなく愛の言葉を捧げます。一見屈託なく育った素直なボンボンの彼、だけど大変なヤキモチ焼き。婚約者がいるのに他の男と踊りまくるオルガはたしかに軽率だから彼の嫉妬は理解できる。だけどこういう男は妻や恋人がちょっと男性と話すだけでも怒り出すのよね。心が狭い。まあ寛容さに欠けるのは性格だから仕方ないけど、でもたかがそんなことで決闘するなんてわめくのはガキンチョ。いつまでも頭に血がのぼりっぱなしで、どう考えても決闘なんて皆を不幸にするのはわかっているのに、振り上げた拳を下げようとしない迷惑男で一番の大馬鹿者。


タチアナ

本ばかり読んで頭でっかち、シャイで人と話すのもできないタチアナ。小説の中で想像上の模擬恋愛をしてきた田舎娘タチアナの前に現れた美青年オネーギンに今までの想いを全て注ぎ込み、それを自分の中だけで抑え切れなくて、興奮状態で徹夜の長い手紙を書いてしまいます。極端から極端に走るこういう女性(男性も)、時々いますよね。初恋が失恋になった痛手で臆病になり、きっとそれからは若い男性には心を閉ざし、回りに薦められるまま年配の公爵と結婚したのでしょう。

パッションを殺して折角心安らかに暮らしていた彼女の前にまたあのいとしくて同時に憎っくきオネーギンが現れて、あのときは冷たかった彼にこともあろうに今度は激しく愛を告白されるではありませんか!彼女がオネーギンを結局拒絶したのは、優しい夫への貞操心もあるのでしょうが、あのときのオネーギンへの復讐もあるにきまってます。今回はかつて自分を侮辱した野郎への憎しみが勝ったのですが、そのうち他の若い男性に言い寄られた時にどうなるんでしょうね?内に情熱を秘めて無理やり殺している彼女のこと、いつか我慢できなくなってアンナ・カレーニナになる日が来るのではないかと心配です。


オルガ

快活でおきゃんな妹娘は誰にでも愛嬌を振りまく八方美人。嫉妬深いレンスキーとの相性は最悪ではないでしょうか。結婚しても揉め事は絶えないでしょう。しかし謂わば自分のせいでレンスキーは死んでしまったわけで、姉のタチアナよりとは比べ物にならないほどのショックを受けた彼女、その後どうなったのでしょうね?明る性格の彼女は回復して前向きに生きていけると信じますが。


グレーミン公爵

タチアナの夫でオネーギンの親戚筋。若い妻にぞっこん。地位もお金もあって、このおじさん最高!タチアナは良い男捕まえたじゃん。アンナ・カレーニナになんかなっちゃかんよ!中年だって色んな面で全然OKなのよ、というのは中年になって私がわかったこと。若い娘にはそのよさがわからないかもしれないけどね。

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椅子プロダクションワンピース

旧社会主義国らしく設定に忠実な古めかしいプロダクションかと思ったら(バレエはそうだったし)、モダンで斬新な舞台でびっくり。概ね良い評価を得ていたようですが、舞台横のストールサークル席の私には大きな問題があり、アクションが舞台の奥の隅っこばかりで起こるので、片側全く見えない場面がほとんどパンチ! こういうこともあろうかと、左右両方から一回づつ見る席にしておいて本当によかったわ。

しかし、セットは2つだけ、しかも両方とも大きなテーブルと椅子だけで、人々が集まってご飯食べるだけってのはあんまりだ。セットの設えと人々の態度でオネーギンとタチアナの置かれた社会的立場と心境の変化をあからさま過ぎるくらいに単純に表現するんだけど、それはある程度成功したかもしれないけど、タチアナが徹夜でラブレターを書くのも寝室ではなくダイニングルームだし、なんと決闘まで同じ部屋の中でやっちゃうんだもん、初めて見る人は、可哀相に、ハア~っはてなマークて感じではてなマークで頭が一杯になってしまうぞ。


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オペラ三昧イン・ロンドン
赤いカーペットの床に不貞腐れて倒れているのは村八分にされたオネーギン。

部屋の質素さと豪華さでタチアナの出世を表わすのですが、両方の部屋にはシャンデリアがあり、大きさが10倍くらい違うのが笑えます。

衣装は素敵で、全体の色調は綺麗で洒落てて、照明も効果的だったし、人々の動きの一つ一つに意味があって、ユニークで面白い演出だとは思いましたが、私はスケートリンクまで出てくるROHのプロダクションの方が好き。上流階級サロンでオネーギンが虫けらのように扱われるのもイメージダウン。


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音譜パフォーマンス音譜


宝石ブルーオネーギン (Aチームの勝ち)

これはもう雲泥の差でキフィエチェンの勝ち。ついこないだのフィガロの結婚ではちょっとだけシュロットに負けてましたが、今回は彼の独壇場で。ロシア人に混じってゲスト出演の助っ人ポーランド人キフィエチェンの素晴らしい歌唱力が目論見通り全体の格を引き上げてました。
オペラ三昧イン・ロンドン
BチームのVasily Ladiukも決して下手ではないし、テノール的な美声なので私は結構気に入りましたが、こちらを先に聴いたからまあまあと思えたのであって、キフィエチェンを先に聴いてたら比べてしまって我慢できなかったかも。
    
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オペラ三昧イン・ロンドン
宝石赤タチアナ (Bチームの勝ち)

Ekaterina Shcherbachenko(上の写真)、どっかで見たわと思ったのですが、ラブレターの場面になったらひらめき電球思い出しました。 そう、去年のカーディフの歌コンテストで優勝したソプラノじゃないの(→こちら )。

あの時もこの歌を歌って、それが素晴らしかったのが優勝できた理由だと誰もが言ってたわ(既にこの役で舞台に立ってる人が今更こんなコンテストに出るなんて、とも言われてたけど)。


その時は華やかなドレス姿だったのが、今回は役柄そのもののダサい服と髪型でビジュアル的にもさらに素晴らしさが増し、超内気で夢見る田舎娘タチアナそのものの歌唱と演技が光ってました。公爵夫人になってもあまり印象が変らずゴージャスさ不足だったけど、声がこちらのタチアナの方が好みなので、Bチームの勝ち。


AチームのTatiana Monogarova(右の写真)はこの役で大きな舞台にも立っていて経験も知名度も上なのでしょうが、美人なのがこの場合は仇となって、田舎娘にしてはケバ過ぎなので前半は全く外れ。公爵夫人になってからは艶っぽい笑みもサマになってて舞台映えもするのですが、声が好きではないので結局ペケ。


要するに、タチアナ役は前半と後半の対照がミソなんですが、今回の二人のソプラノは笑っちゃうくらい片方づつのイメージにぴったりだったので、いっそ二人で前半後半交代すれば完璧でしたね。

宝石緑レンスキー (Aチームの勝ち)

これももう段ちの差でAチームのAlexey Dolgovが好み。長身でハンサムだからってだけじゃなくて、リリカルか声にすっかり聞惚れました。最初は彼がBチームだったかもしれないので、知名度でどちらがどうなのか全く知りませんけど、初日の出来は悪かったらしいですが、私が聴いた日は素晴らしかったです。出待ちで一緒に写真撮ってもらえて嬉しかったしね(→こちら )。

彼がきっかけになり、私が生で聴いて気に入った無名のテノールのことを忘れないようにこのブログで一覧にする記事でも書こうかしらという気になりました。


BチームのRoman Shulakovも下手ではないので文句はないですが、その構想中の唾付けテノールリストには候補にも上らないでしょう。


宝石白オルガ (引き分け)

二人とも充分合格ラインには達してますが、特筆すべきこともなし。強いて言えば、Aチームのオルガの方が可憐で可愛かったから勝ち。でも二人共タチアナとの相性がイマイチ。


宝石紫その他 (Bチームの勝ち)

Bチームのタチアナのお母さんと乳母のおばさん歌手二人がとても上手。良いアリアのあるグレミン公爵はどちらもまあまあ。

ニコニコというわけで、ロシア物では一番好きなオネーギンを本場モノで続けて2回楽しめて、興味深いことでした。

カメラ左から観たBチームと右からのAチームの写真をどうぞ。クリックで拡大します。


Bチーム


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Aチーム

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<8月27日(金)>

寒いけど、この週末はサマー・バンクホリディで3連休。わーいわーいにひひ

と、思ってたところに、悪いニュース。私は被害受けませんが、日本のオペラファンのために泣きますしょぼん

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アンジェラ・ゲオルギューが9月のROH日本公演をキャンセルしたそうですね。→こちら


やっぱり、という程ではないけれど、なんか、あんまり驚きませんね~。


オペラ三昧イン・ロンドン     オペラ三昧イン・ロンドン

                   写真2枚は先月のROHでの椿姫(→こちら


今回のキャンセルは娘さんの具合が悪いのが理由とのことですが、子供を産んだことのないアンジェラが娘と言っているのは、若くして癌で亡くなった姉妹の遺児でしょうから、姪ですが、養子にしたのかもしれません。引き取って実の娘のように可愛がっていたのはよく知られた話ですから、お腹を痛めた子ではなくても大事な家族、心配で歌えないわってことでしょう。


「わかるわ~、そうよね、そんな時に遠い日本になんかとてもいけないわよね~。ファンの皆様も暖かく理解して下さるわよ~」、と言えるほど私は優しくないですけどね。プロの芸人は、自分のためじゃなくて、お客さんのために歌うんじゃないんですかね~むかっ 本人が病気なら仕方ないけど・・・


ROHでもアンジェラには先月の椿姫と去年のトスカで失望させられたんですが、でもそれは数回のうち一回だけで他の日は出てくれたので、そんなこともあろうと(しょっちゅうあり過ぎですが)複数確保しておいた私は観られたのでいいんですが、今回の日本はそういう理由で全てキャンセルだなんて、切符代の高さは別にしても残念過ぎますよね。


ロボット


それで、代役はエルモネラ・ヤオ嬢ですかぁ・・・・汗


ヤオ嬢はROHの椿姫としてお馴染みの人で、一昨年ネトレプコの代役として数回登場し、それが認められたおかげか、今年5月は最初からキャストされてました。


出来について、詳しくは、ネトレプコの代役の時は→こちら 、5月のは→こちら をご覧頂けると幸いですが、今年5月に私が撮った写真をまずどうぞ。クリックで拡大します。


オペラ三昧イン・ロンドン    オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン    オペラ三昧イン・ロンドン


オペラ三昧イン・ロンドン
ヤオ嬢は、真心溢れる丁寧な歌と演技で充分立派なヴィオレッタなんですが、声自体の魅力が絶大というわけではない中堅ソプラノで、ネトレプコやゲオルギューの代わりとしては格下で華やかさに欠ける存在と言わざるを得ないです。


いっそ、先月ゲオルギューの代役で登場した弱冠24歳のマリーナ・レベカ嬢だったらよかったのにね(→こちら )。


張りのある美声のレベカ嬢なら私も「将来絶対有望な新人歌手を聴けるのは却ってラッキーなことですよ」と言えるし、でかいNHKホールなら声量抜群のレベカ嬢の方が誰よりも向いてます。


でも、元気溌剌のレベカ嬢は第一幕のパーティ場面は映えますが死ぬ場面はサマにならなくて、そこはベテランで丁度よく痩せてるヤオ嬢の方が上手いわけで、要するに、二人とも出てくれたら文句ないですが、そんなことは望めないので、ヤオ嬢が日本で絶好調で歌ってくれることを祈ります。私は結局ヤオ嬢のヴィオレッタを5回聴いたのですが、好調とそうでない時の差が大きかったんです。





オペラ三昧イン・ロンドン     オペラ三昧イン・ロンドン


さて、がっくりしてる日本の皆さんにこんな写真お見せするのは気がひけるのですが、


幸せそうなアンジェラと一緒にいる男は、なんと別れたはずガックリロベルト・アラーニャじゃありませんか!(クリックで拡大します)


昔の写真じゃないですよ。今月ルーマニアで撮ったものだとアンジェラ自身が言ってますから。


ったく、もう、くっついたり離れたりしてるこの二人、またヨリが戻ったんですかね? それとも、その病気の娘をアラーニャが見舞いに行っただけとか?


どちらにしても、こんな写真を撮るくらいだから又良い方向に向かってるんでしょうから、二人ともファンの私は嬉しい限りですが、これではいつまで経ってもアラーニャに新しい恋人ができないじゃん。それを結構楽しみにしてんのに。


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<8月24日(火)>

今週末はサマー・バンク・ホリデーなのに、というか、自嘲気味のイギリス人風に言うとサマー・バンク・ホリデーだからこんなミゼラブルなお天気。今日なんか冷たい雨が降って寒いくらい。素直な私にしては珍しく、今月中は意地にでも夏らしい服でと(外では上着をしっかり着てます)頑張ってるのですが、そろそろメゲそうむっ

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オペラ三昧イン・ロンドン

ネタ切れになったらムスメの近況をご報告しようとずっと思っていたのですが、オペラ夏枯れシーズンの今、やっとその時が来ました。


22歳のムスメは最近大学のアート科を卒業し、映画やテレビや舞台の小物作りを仕事にするんですが、きちんとフルタイムで就職する人はまずいなくて、プロジェクト毎に数社ある小さな会社でフリーランスとして働くわけです。


いわば不安定な日雇いの身分なんですが、幸い学生時代から時々アルバイトしてた会社からお声が掛かり、7月初めから北アイルランドのベルファストBelfastという街に出稼ぎに行ってます。最初しばらくホテル住まいをした後、今はフラットで一人暮らし。


トーチャンの仕事を奪うまいと(これは私も心掛けてます)、家事など一切やらなかったムスメがいきなり全てをやらなくてはならなくなったわけで、これはちょっと心配です。時間に余裕があればちゃんとできるでしょうが、毎日最低12時間びっしり働いて、おまけにほとんどの土曜日も駆り出されるそうで、体を使う仕事ですから疲れる毎日ようです。


オペラ三昧イン・ロンドン       オペラ三昧イン・ロンドン


でも、時々電話で話をするのですが、疲れてはいても張り切ってて、元気にやってるようです。一応特殊技能を持ってる割には賃金も低く、経済的に独り立ちできるのはいつか日やらですが、好きなことをやってるムスメは幸せそうです。


ベルファストで働くのは最初は一ヶ月という話だったのに、徐々に伸びて、もしかすると12月までいる羽目になるかもしれなくて、淋しくて涙ちょちょ切れるトーチャンしょぼんとカーチャンですがしょぼん、この新卒就職難の時代に気に入られて少しでも長く雇ってもらえるのはラッキーなことでしょう。私が言うのもナンですが、ムスメは子供の時から従順で不平不満や悪口は一切言わず忍耐強く頑張る子でしたから、とても使いやすい雇われ人に違いないです。


↓ 写真はクリックで拡大しますカメラ



オペラ三昧イン・ロンドン     オペラ三昧イン・ロンドン

夏物衣料だけで行ってしまったのでコートやセーターを取りに、来月一度とんぼ返りで家に帰ってくる予定ですが、今日は大学卒業プロジェクトと卒展の写真でも見てやって下さい。


試行錯誤しながら随分長い時間を掛けて作った古代エジプト風の品々です。


特にエジプトに興味があるわけではなく、それどころか、私が何度かエジプト旅行を誘ったのにNoと言い、大英博物館のミイラ陳列室には一度行ったきり二度と入りたくないと言ってたのに不思議ですが。
   


オペラ三昧イン・ロンドン      オペラ三昧イン・ロンドン


オペラ三昧イン・ロンドン      オペラ三昧イン・ロンドン

 ドキドキ心臓を入れるための器だそうです         ドキドキ  この心臓はポンプでリアルに動きます




クリップムスメの今までの作品は→こちら(親ばかギャラリー )にまとめてあります。



                             人気ブログランキング アート

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<8月22日(日)>

家から一歩も出ず、自堕落に過ごす楽しい週末でした。久し振りにお箏の練習などもして、あとは洋服の整理でもとガサガサやってたんですが、もう夏は戻ってくれないだろうから夏物衣料を片付けたいところなのに、実はもうすぐまた夏服が必要になる旅行もあり、中途半端で却ってグシャグシャになったような。

うんと遅れた今更記事はもう少し続きますが、今日はボリショイバレエ第二弾。

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オペラ三昧イン・ロンドン


今回のボリショイ・バレエ、私は結局2回行ったのですが、7月19日の引越公演初日のスパルタクスの次は8月6日のドン・キホーテでした。


クリップ

どんなバレエなの?


ドン・キホーテはロイヤルバレエで観たこともあるのですが、全編くるくるぴょんぴょんの私好みのバレエで、情緒的に感動したい方には向いてませんが、まるで体操競技のようなエネルギッシュで神業的な動きは興奮モノ。


ドン・キホーテ爺と召使サンチョ・パンサは本格的には踊らない脇役なんですが、ドン・キホーテの妄想癖はちゃんと利用してます。ドン・キホーテらが旅の途中に立ち寄ったスペインの村の出来事という設定なんですが、それだと村人しか出てこなくて単調なので、場面に広がりを持たせるために、中世の英雄きどりのドン・キホーテの夢や空想という設定で理想のお姫様とかが登場。コミカルバレエが突然白鳥の湖風になったりして調子狂うのですが、ヒロインの動と静が対照的な一人二役も観られて盛りだくさんなお得感あり。



実際に村で起こるのは、恋人のいる美人キトリに横恋慕する金持ち男がいて、キトリの親はその金持ち男を応援(当然です。結婚にお金は大切ですから)。困った青年バジルが狂言自殺を計り、キトリも親もほだされてハッピーエンド、という他愛もないお話で、やけにあっさりと起こるので、ドラマ性はゼロ。

クリップ


でも、そんなことはどうでもいいんです。なんやかんやでいつも広場にたむろする村人に闘牛士やフラメンコダンサーらが加わって踊り合戦するだけですから。上手な人をたくさん揃えないといけないわけで、やる方にとっては揃えるのが大変でしょうが、そこはさすがボリショイ、上手でルックスも良いダンサーたちが次から次へと登場し、当然比較されるわけですから負けるもんかと張り切る皆さんを楽しみました。


オペラ三昧イン・ロンドン
しかし、誰もがワクワクと待ってるのは今回の他のバレエで大評判になった主役の恋人同士二人で、彼らが登場しただけで歓声があがりますクラッカー


Music Ludwig Minkus
Choreography Marius Petipa
Conductor Pavel Klinichev

女の子Kitri Natalia Osipova
男の子Basilio Ivan Vasiliev
Don Quixote Alexey Loparevich
Sancho Panza Alexander Petukhov
Gamache Denis Savin
Street Dancer Anastasia Yatsenko

toreador Vitaly biktimirov

Queen of the Dryads Maria Allash

Cupid Nina Kapsova



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オペラ三昧イン・ロンドン

女の子出番が多くて一人二役もするし、32回転もあって大変なのはキトリ役なんですが、ナタリア・オシポワの跳躍は凄くて、女性であれだけジャンプできる人は他にはいないでしょう。スピンの安定度も大したものです。


ストールサークルで48ポンドという私にしては奮発したんですが、近くからほぼ水平に観られたので迫力充分。細い体でエネルギーに満ち、こんなに上手なら、彼女が出る他のバレエも観とけばよかった得意げ


でも、バレエについての知識と良い席を買うお金と両方乏しい私には所詮無理だったでしょうから、バレエに詳しい知り合いに勧められてこれだけでもこのコンビで観られて満足と思わなければね。


オペラ三昧イン・ロンドン
男の子対するバジル役は、こないだのスパルタクス(→こちら )でびっくり仰天した驚異のジャンプ男イヴァン・ワシリエフ。(この日も出る予定だった)女王ザハロワがキャンセルした失望も彼の活躍振りで吹っ飛んで、まぎれもなく今回の引越公演の一枚看板の主役で、始まってからは評判が広まり、彼が出る出ないで切符の売れ行きに当然乍らぐんと差ができました。


ドンキホーテは今回の公演最後の演目で、それまでに観客の期待はすごく高くなってましたが、元気一杯のワシリエフ君は充分応え、踊ってる間中やんやの喝采で客席も盛り上がりっぱなし。腰をひねりなが高くジャンプしたりした時なんか、「おおぉぉ~!」っという感嘆の溜息で満ち溢れ、ROHでこんな興奮した観客見たことないわ。


顔の表情も豊かなワシリエフ君は、苦悩する奴隷スパルタクスは当然けわしい顔つきだったのですが、今回は地でいける単純な若いニイチャン役なので、若さに溢れた21歳のあどけない明るい表情でまるで別人。可愛い顔してるじゃんラブラブ!


地で行ける点ではもう一つあったようで、ワシリエフとオシポワは実生活でも恋人同士ラブラブらしく息もぴったりだったし、他の人が踊っているときに隅っこの村の居酒屋のテーブルでドリンクしながら待ってる場面が結構あったのですが、恋の矢寄せ合ったり囁きあったりして仲良さそうなところが私の席からはよく見えました。新聞に「この二人はこの日世界一幸せな若者たちだったであろう」と書いてあったのですが、才能に恵まれ成功も恋も手に入れた彼らはまさにそうでしょう。


一緒に喝采を浴びるカーテンコールでも最高に嬉しそうでしたが、幸福感を体中で表わしたかったのか、カーテンの奥からジャンプしながらアップ出てきのにはびっくり。何度もしてくれて、その度にジャンプが大きくなるというサービス精神旺盛さに観客は興奮の渦。


群舞は大したことなかったものの、他の主ダンサーたちは皆さん綺麗だし上手だったのに、二人の影に隠れてしまったのが可哀相なくらい、ワシリエフとオシポワが際立った舞台でした。容貌は見劣りして、二人とも小柄で、ワシリエフは太腿がすごいので足が短く見えてしまうし、オシポワも正統派美人揃いの女性ダンサーの中ではひけを取るファニー・フェイス。立ってるだけで絵になるカップルではないですが、並外れた能力のある若い二人が競い合い高めあうのを観ることができて、また大感激の夜になりました爆弾 今までに観たバレエではベストのパフォーマンスグッド!


カメラ

トップ以外の写真はクリックで拡大するのですが、観客がすぐに総立ちになったので、ストールサークルの2列目だった私は写真を撮るのに苦労したんですよ。


オペラ三昧イン・ロンドン     オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン    オペラ三昧イン・ロンドン

オペラ三昧イン・ロンドン      オペラ三昧イン・ロンドン


さて、これであと溜まっているのはボリショイ・オペラのオネーギンだけになり、ネタ切れになったら書こうとしてたムスメの近況などもやっと報告できるかと。


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物置部屋でお箏演奏

テーマ:

<8月19日(金)>

夏物が姿を消した店頭にはすでにコートやマフラーが並ぶロンドン。私もコートで出勤です。

「うわーっ、そんな想像するだけで暑くなるようなこと言わんといてえな!」、と仰る日本の方には、夏らしい浴衣姿をご覧頂きましょう。

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オペラ三昧イン・ロンドン      オペラ三昧イン・ロンドン

8月15日の日曜日、お箏仲間と6人で、Putney Bridge近くのFulham Palaceでお箏を合奏しました。


時々お声が掛かって、仲間でお箏パフォーマンスをしに出向くのですが、会場は結構ヴァラエティに富んでいます。広過ぎたり音響が悪かったりガキンチョがうるさかったり等々、色んな所でやりましたが、今回は一体どんなとこかしらね~?


フラム・パレスというくらいだから、宮殿よ、宮殿王冠1

もっとも、王室のではなく、ロンドン枢機卿の所有だったそうですが、古今東西、坊さんのトップはパワーとお金を持ってるわけだし、ここもちょっと前までなんと1300年間も枢機卿の住居だったそうで、きっと由緒ある立派な建物よ。写真で見ると、豪奢な雰囲気はないし結構小さいけど、いいの、お箏は繊細な楽器だからこじんまりしたスペースが理想的なんだから。


で、お天気も最高で気持ちの良い公園の中にある中世の建物で、私たちが通されたのは・・・、


なんと、物置部屋叫び


中世からpantryという食料や食器を収納する部屋だったと思うとそれなりの趣ありですが、むっとする程ホコリ臭いったら・・・。一体、何年使ってないんだよ。窓を開けてテーブルや椅子やキャビネットを動かしてまず演奏スペースを確保し、それからはせっせと雑巾がけよ(いわゆる雑巾ではないけれど)。日本文化紹介ボランティアの現実は厳しいものです。そうでなくても、お箏は運搬や準備が大変なのに。


そんな予想外の準備に時間が取られてしまったので、数メートル先でやってる日英博覧会100周年記念展示を、折角一般公開時間になる前に特別に見せてあげますと言われてたのに、それどころではなく、一通り大急ぎでリハーサルをして、ランチをかっ込み(もちろん手弁当)、ほら急いで浴衣に着替えなくっちゃ。


着方を知らない人もひとりいたし、他の3人は浴衣は着られても帯は私を頼りにしてるらしいことは予想がついたので、昨日可愛い結び方を練習しといたんです。だけど、ひえーっ、一人一分づつしかないじゃないの! ええ~い、もう一番簡単なのをええころ加減に縛り付けるしかないわ。部屋の外でもうお客さんが待ってるし。
オペラ三昧イン・ロンドン

と、始まるまでは大騒ぎで大変でしたが、演奏は大した失敗もなく、古曲新曲取り混ぜて、八段、古今の調べ、こ手毬、 比良、風と落葉、まりつき、鷹、日本のわらべ唄、北海民謡調、と無事合奏しました。私が弾いたのは古今、こ手毬、わらべ、北海でしたが、どれもそう難しくはないので、緊張もせず(あまり練習もせずでしたが)。


さっきまでカビ臭かった狭苦しい物置部屋は、座って頂けるスペースもうんと小さかったですが、観客数は少なくても皆さん熱心に聴いて下さって、ありがたいことでした。明るく晴れた北国の夏、窓の外には公園の緑が広がり、爽やかな気分になれた午後でした。



トーチャンが、「来てたのは弾く人の知り合いばっかりみたいだね」。と言ってましたが(貴方もそうね)、私の知り合いも不便な所なのに何人かいらして下さって、とても嬉しかったです。


オペラ三昧イン・ロンドン


オペラ三昧イン・ロンドン


私の糸菊柄の浴衣は30年以上前に自分で縫ったものですが、他の皆さんもうんと前から日本で持っていた浴衣をお召しだったので、なんとなくほのぼのとした気持ちになりました。


私はこれが今年35回目の着物お出掛けですが(→こちら でリストアップ)、これでしばらく機会がないかもしれないので、キリの良い回数でシーズンオフを迎えられて丁度よかったです。


一応ゆるい目標は50回なんですが、秋からは又せいぜい頑張りまひょなぁ。実はすでに来月中旬のオペラ鑑賞海外遠征の着物を打ち合わせ中なんです。



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