4月29日、ロイヤルオペラハウスに又トロヴァトーレを観に行きました。


ロベルト・アラーニャが5回出るうち4回行きましたが、やっぱり彼は最高クラッカー


最初は甘さがなくなっただのと文句も言いましたが、段々慣れたせいか、今日は至近距離だったのがよかったのか、素晴らしいの一言で、惚れ直しました恋の矢


オペラ三昧イン・ロンドン


他の人はどうでもいいんですが、ホロがちょっと元気なくて、カーテンコールでも浮かない顔してました。

いつも負けてる女性陣は、まあまあだったかしら。でも、アラーニャ一人が群を抜いてました。


今日の席はストールサークルの2列の隅から3番目。もっと見切れるかも思いましたが、肝心な歌うところはほぼ見えて、これで12.5ポンドなら大満足。セットは見えない部分もかなりあるけど、そんなのはどうでもいいです。


舞台の隅に来てくれると3メートルの距離で歌が聞けるって最高ニコニコ 

指揮者よりも歌手に近いんですもの。



それだけでも幸せなのに、


目

実はとても素敵な出来事があって・・・・、今日はロベルトの夢を見られるかもラブラブ!


いや、興奮して眠れないかもDASH!


詳しくは明日アップする予定。 おやすみ~~ぐぅぐぅ



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この一週間バービカンとその周辺でオケと共演したり中国伝統楽器とコラボレーションしたりというランラン大特集が組まれたのですが、私はその最後を飾る4月26日のリサイタルに行ってきました。

先回の2007年11月のロイヤル・フェスティバル・ホールでのリサイタルは(→こちら )、中国人観客のマナーの悪さとランラン自身の大袈裟な京劇アクションで仰天しましたが、きっと今回のランラン祭りはそれに輪を掛けた盛り上がり方になるにちがいないと半分ビクビク半分面白そう~、という期待と覚悟で臨んだのでした。

そうしたら、なんと、これが、あっさり、

思い切り普通だったんです。

衣装にスパンコールは付いてなかったし、髪もツンツンじゃなくて田舎の中学生風の素朴なサラサラ髪で、演奏中も観客を意識したわざとらしい身振りもなし。表情は豊かだったし、多少京劇風に手がクネクネしたけど、それは彼自身が音楽にのめり込むのに必要な動作でしょう。

中国人ファンも反省したのでしょうか(目立つほどいませんでしたが)、私は最前列だったので、先回のコーラス席からのように観客席がよく見えたわけではないのですが、ごく普通の雰囲気で、最初のシューベルトの第一楽章が終わったところで拍手が起こったときも、「ここは拍手をするところではないのは承知だけど、あまりに素晴らしいので賞賛の気持ちを表したい」という、これまた普通のコンサートの雰囲気。

そう、普通が一番。奇をてらわなくても実力で充分輝けるランラン君だから、他の派手なイベントで騒ぐのもいいけれど、こういうちゃんとしたコンサートもやって、妙な方向にばかり行かないのが大切です。

オペラ三昧イン・ロンドン               途中で挨拶する学ラン姿のようなランラン君。 英語も上達したね。

クリップ
Schubert Piano Sonata No 20 in A, D959
Bartók Piano Sonata BB 88 Sz80
Debussy Selections from Preludes Books 1 & 2
Chopin Polonaise, Op 53

Lang Lang
piano
クリップ

シューベルト、バルトーク、ドビュッシー、ショパンというプログラムは統一感がないのですが、きっと
僕って凄いんだよ、これもできるし、あれもやりたいな。えーい、もう全部やっちゃえ!変化に富んでるってことをテーマにすればいいよね」、とでも思ったでしょうかね?

まずは正攻法で、ピアノソナタの王道ともいえるシューベルト。しかも彼が死の直前に書いたピアノソナタ三部作の真ん中の作品で、これだけで前半が終わってしまう40分の大作。技術をひけらかすハッタリ曲ではなく構成力と音楽的洞察力がが必要な大人の曲です。

私自身全曲を一気に聴くのは初めてなので深い聴き方はできないですが、途中で急にテンポや雰囲気の変わるこの複雑な曲を怖気つかず伸び伸びと立派な演奏だったと思います。シューベルトの中でもこの曲に挑んだランラン君の勇気と自信に拍手です。

後半が悪く言えばごった煮のプログラムで、その上ハッタリもの多し。

まずはお得意のバルトーク。バルトークと言っても色々あるんでしょうが、これは度肝を抜くような力まかせに鍵盤を叩きつける前衛的なソナタで、若い男性に渾身の力を振り絞られたら、最前列の私には迫力あり過ぎ。ピアノもぐらぐら揺れてましたショック!

その次は打って変わって、風のように軽やかで叙情的なドビュッシー

の筈なんだけど、バルトークのがんがん極強モードからすぐには抜け出せないのか、重いドビュッシーでした。
最初の亜麻色の髪の乙女はちゃんと優しく始まったけど、まだ残ってるバルトークの弾き方がすぐに出てきたみたい。気持ちの切り替えが上手くいかなかったのはランラン君がまだ若くて未熟なのか、それともそもそもそんなことはすべきではなかったのか・・? 一年前に聴いたアンズネス の澄み切ったリリカルそのもののようなドビュッシーの足元にも及びません。

軽いタッチにする方がガンガン弾くより難しんでしょうね、力を抜こうと苦労して意外にもこの曲でランラン君は一番汗をかいてました。でもその一生懸命さが印象的だったので、どれが良かったかと言われたら、ある意味このドビュッシーだったかも。

苦心がありありと見えたドビュッシーに比べると、最後のショパンの英雄は簡単だったらしく、表情にも安堵感と楽しさが溢れてました。

カーテンコールはいきなりのスタンディング・オベーション。最前列でよかった~。そうでなかったら写真撮りにくいったらありゃしない。アンコールはmoon chaseとか言う小曲ひとつだけで、歓声を浴びながらも、しっとりと終わりました。

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これ以上は無理だろうと思われるような変化に富んだ演目の組み合わせででやってくれたのはランラン君のサ-ビス精神の表れでしょうが、それがコンサートとしてベストな選択かどうかは別として、楽しめました。こうやって段々進む方向が決まってくるのでしょうが、そうやって更に一段高いところに到達したランラン君を1、2年後に聴くのが楽しみです。


ところで、この翌日にベテラン女性ピアニストのアルゲリッチを聴いたのですが、老練なアルゲリッチとのコントラストでランラン君は若くて青いということがよくわかりました。そこが良いところなんですが。

次に聴くピアニストは、年齢的にはこの二人の間に位置するエフゲニー・キーシンで、いよいよ真打登場。最近日本でやったのと同じ演目ですが、楽しみです。

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ケーキ

4月23日の誕生日のことをアップした時は、トーチャンお手製のバースデー・ケーキが皆さんに受けたようですが(→こちら )、


その時お見せできなかったムスメが描いてくれたカードを遅ればせながらアップします。


この緑色のカエル君は、ムスメがちょっと前に高校の美術の授業で作った人キャラですが(→こちらこちら )、今年になってから描いたカードはトーチャンの誕生日も母の日もこのカエル君だったので、手抜きと言えば手抜きなのですが、彼女もあれこれ忙しいので仕方ないことは重々承知。


ヒマ人のトーチャンにはケーキを焼く時間は毎日でもあるでしょうが、超多忙のムスメがカードを描く時間をやり繰りしてくれただけで凄く嬉しいカーチャンです。


ハスの葉っぱを軽やかにジャンプしていくカエル君を羨ましそうに見つめるサカナちゃんが可愛いでしょ?


クリックで拡大しますので、サカナちゃん見てくださいね。


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ワインナイフとフォーク

トーチャンとムスメに感謝しながら、夜は3人でローストビーフの夕食で(トーチャンの一番のお得意料理。焼くだけだから料理とは言えないけど)、シャンペンで乾杯しました。


モノをプレゼントしてもらえなかったのは、私のせいです。忙しくて何が欲しいかという希望が間に合わなかったので。


まあ、お金で買えるものをもらうのは、私の収入で賄ってる我が家の場合はナンですしね。



ついでに、1月のトーチャンの誕生日と3月の母の日に描いてくれたカードも一緒にアップしときます。


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4月3日と7日に2回観たヘンデルのAcis and Galateaです。


オペラファンにとっては、パーセルの有名な「ディドとエネアス 」だけでは短過ぎるので、おまけとしてくっつけたられたとしか思えない、今回の2本立ての後半の作品ですが、2回観た結論から言うと、結局こっちの方が印象に残りました。バレエが良かったからですが。


エネルギッシュでやや古典と前衛が混じったバレエが楽しめたし、一回目はだらだらと同じように90分も続いて退屈に聞こえた音楽も2回目は慣れたせいかまるでポップ音楽のように明るく弾む楽しい英語のヘンデルがチャーミングに聞こえました。


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Choreography Wayne McGregor

Director Wayne McGregor
Music George Frideric Handel
Set Designs Hildegard Bechtler
Costume Designs Fotini Dimou


Orchestra Orchestra of Age of Enlightenment

Conductor Christopher Hoogwood


Galatea Danielle de Niese(歌) Lauren Cuthbertson(踊り)
Acis Charles Workman(歌) Edward Watson(踊り)
Damon Paul Agnew(歌) Steven McRae(踊り)
Coridon Ji-Min Park(歌) Paul Kay(踊り)
Polyphemus Matthew Rose(歌) Eric Underwood(踊り)


まず、手短に基本的なことを書いておきますと、
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メモストーリー

羊飼いのアシス(アーキス)はパン神の息子で、海の妖精ガラテアと愛し合っているんだけど、一つ目の怪物男ポリュフェモス横恋慕。二人がいちゃつきまくるので嫉妬のあまり、巨石を投げてアシスを殺してしまい(彼は火山という説もあり、噴火したんでしょう)、哀れに思ったガラテアがアシスの血を川に変えてあげましたとさ。

という、ギリシャ神話に基いているのですが、作りようによってはドラマチックにもなるストーリーなのに、肝心なところの描写が少ないし、元々オペラではないので(強いて言えば「牧歌的オラトリオ」?)登場人物同士のやり取りも少なくてソロ歌手が順番に歌う形式なので、ドラマとしては全く盛り上がらず、アシスとガラテアが「恋愛って楽しいね~、ルンルンルン恋の矢」と歌い続ける場面ばかりがやけに多くて。字幕(英語で歌って英語の字幕)はアホらしそうなので話を理解する目的ではほとんど読みませんでしたが、語呂合わせのようなアリアの歌詞なんかは面白いので読みました。


アートパリのオルセー美術館に、ギュスターヴ・モローの有名なガラテアの絵もあります。後ろから覗いているのはアシスではなくてポリュフェモス。


音譜音楽


没後250年ということであちこちで嫌と言うほどやってるヘンデル(1685-1759)ですが、そのお陰でこんな超マイナーな作品(1718年頃)が聞けるのは嬉しいです。なんだか楽しい曲が多くて、Happy We音譜なんでユーロビジョン・ソング・コンテストにでも出せそうくらい現代的なリズム。時代を超越したヘンデルは偉大です。


でも、バレエがなかったら、この内容でこの長さは退屈。


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オペラ三昧イン・ロンドン くつパフォーマンス(バレエ)


私はInsight EveningというROHリンバリー・スタジオのイベントにも行き(14ポンドも払って)、舞台でマグレガー自身が主役ダンサーのエドとローレンに稽古を付けるところも見せてもらったし、パネルディスカッションで喋りまくったマグレガーの思い入れも聞き、今回はディドよりも、この新作の方に全力を注いでいるのがよくわかりました。


その稽古で、クネクネするマグレガー特有の複雑な振り付けを見て、


うわーっ、歌ってる隣でずっとこんなにせわしなく踊られたら、歌手にとってもオペラファンにとっても、さぞ邪魔臭いだろうな


とかなり心配でしたが、1回目は予想通り少々面食らったものの、2回目は慣れたせいかバレエ中心に鑑賞したせいか、より楽しめました。


歌手が歌っている内容そのものを踊りで表現するわけではなく、歌手とダンサーは表裏というかダブルとして付かず離れず(結局バレエが主なんだけど)、なかなかよく出来ていると思ったし、主役カップルは稽古の時の素顔にダサい稽古着とは打って変わった美しさだったし、二人ともROHのプリンシパルなので勿論とても上手で、たくさん出てきたその他ダンサーとはやっぱり実力が違うこともよくわかりました。


バレエも観たいけどとても手が回らない私にとっては、バレエを2度観る機会も与えられて、このオペラとバレエのコラボレーションはありがたい試みでした。


音譜パフォーマンス(歌)


バレエにすっかりお株を取られてしまったのですが、オペラ・グループもそれなりに頑張ってくれました。
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主役のガラテア役の人気ソプラノのダニエル・デ・ニースROHデビューで、私も生で聴くのは初めてです。可愛いけど派手な顔も媚を売るような仕草もも品が無いし特に美声でもなく好みの声ともいえないけれど、結構な長丁場を安定した歌唱で、人気に値する実力の持ち主だと思います。


踊りが上手なオペラ歌手として知られているようで、今回もアシス役ダンサーのエド・ワトソンと二人で踊ってくれました。一流のバレエを観たばかりの目には誰でもできそうな簡単な踊りにしか見えないしスリムなバレリーナと比べたらどっしり重そうなのですが、バレエ・ダンサーに混じって踊ってしまうというデ・ニースの勇気に拍手。


彼女の踊りは、それまで独立して進行したバレエとオペラの融合という意味なのでしょうが、しかしこんなことをやってしまっては、この役は次回やれる違う歌手がいるんでしょうか?もうこれっきりで終わりにするには勿体無いプロダクションですが、でも次回はできれば踊れなくてもいいから別の歌手(もっと軽やかなソプラノ)で聴きたいです。


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アシス役のチャールズ・ワークマンは、前半のエネアス同様マグレガーが容貌重視で選んだに違いないテノールで長身のハンサム。前半のエネアス(ディドとエネアスの)に似た感じなので、マグレガーの好みなんでしょう。幸い、私も結構好きなタイプなので、バレエを観るのに忙しい合間を縫って、双眼鏡で愛でてました。


そうすると、遠目には若いけど、目尻の皺から察するところ決して若くないことはわかったのですが、カツラを取ると淋しい頭髪の人だということは後でわかりましたが、観てるときにわからなくてよかった。イメージ壊れるもんね。


アメリカ人のワークマンは今年になってチューリッヒでチェチリア・バルトリとセメレ(ヘンデル)で共演しているし、私も生で観たような気がするけど、と思ったら、そう、数年前のROHの「つばめ La Rondine」のプルニエ役でアラーニャ/ゲオルギュー夫妻と共演して結構光ってた長身のテノールだわ。


で、今回の歌はどうだったかというと、声はやたらでかくて、とくに美声とは言えないけど悪くない声だけど、でも高音が不安定で転がすのが下手。ってことは、軽やかさが要求されるバロックには向いてないような気がしますけどね。

声量はたっぷりのストレートな硬めの声で高音と転がすのは苦手だけどスタミナは大丈夫、となれば、いっそ人材不足のワーグナー業界に転向したらどうよ? リヒャルト・シュトラウスは歌うみたいだからドイツ語もOKそうだし。 


その他は、

丁寧に歌ったポール・アグニューだけど、賑やかで華やかな舞台の中では存在が地味過ぎて印象に残らず。ご贔屓の韓国人Park君のほうがリリカルな声で惹かれました。


悪役ポリュフェモスのマシュー・ローズは元ROHヤング・アーチストで、歌はどうってことないけど、「美しい人は美しく醜い人は醜く」、というバレエでは当然のコンセプトを強調するためか、デブなのに上半身裸にされて可哀相ったらなかったです。人間離れした綺麗なバレエ・ダンサーを見て溜息ついてるところに、こんなドテ腹の生身の普通の人を出されたら、いっぺんに現実に戻されてぎょっ叫びとするわ。


いつものROHではなくて今回はイギリスの代表的な古楽オケであるOrchestra of Age of Enlightenment。テレビでよくコメントなんかするホッグウッドの指揮を聞くのは初めてだけど、なんか締まりがなかったような。


コーラスがいつもより上手だわと思ったら、エキストラ・コーラスと書いてあったから、どうも違う人たちみたい。



カメラカーテンコールの写真を2日分貼っておきますので、好きなのをクリックで拡大して下さい。1回目は右側、2日目は左側のストール・サークルからです。


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4月3日と7日の2回、ロイヤルオペラハウスでイギリスのバロックオペラ2本立てを観ました。

初めてのオペラとバレエのコラボレーションということでROHでも話題にもなりました。


今年はイギリスの作曲家Henry Purcell (1659-1695? )の生誕350年と、George Frederic Handel l(1685-1759)の死後250年目に当たる記念の年なので、これとばかりに、特にヘンデルはたくさんやってますよ~


パーセルのDido and Aeneas、ヘンデルのAcis and Galateaですが、まずはディド(英語だとダイドー)。


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Music Henry Purcell
Choreography Wayne McGregor

Director Wayne McGregor
Music George Frideric Handel
Set Designs Hildegard Bechtler
Costume Designs Fotini Dimou

Orchestra Orchestra of Age of Enlightenment

Conductor Christopher Hoogwood


Dido Sarah Connolly
Belinda Lucy Crowe
Aeneas Lucas Meachem
Sorceress Sara Fulgoni
Spirit Iestyn Davies

Sailor Ji-Min Park
First Witch Eri Nakamura
Second Witch Pumeza Matshikiza
Second Woman Anita Watson



パーセルがチェルシーの女学校の学芸会のために依頼されたオペラで1689年初演現在普通に演奏されるイギリス最古のオペラで、学芸会用なのでうんと短いし歌唱的にも難しくはないのですが、高貴な香り漂う音楽と、一曲の有名なアリアによって、イギリスでは長く愛されているオペラです。ヘンデルはたくさん作品があるけれど、パーセルで有名なのって言ったらこれしかないので、ROHも選ぶのは簡単だったことでしょう。


本お話


僅か1時間という短い演奏時間なのに3幕もあり、早いテンポで表面的に進みます。(一年前のウィグモア・ホール に書いたもののほとんどそのままです)


古代カルタゴの女王ディドは、船が難破して漂着したトロイの英雄エネアスを愛していて、エネアスも彼女に愛を告白し、宮廷も祝福。めでたしめでたし。

って、それじゃあオペラにならないので、もちろん悪役が登場。ディド女王を憎む女魔法使い一味が二人の仲を裂こうとして、ギリシャの神マーキュリーに変装した魔女がエネアスに「ローマ建国のためにイタリアに行きなさいと言うと、エネアスはあっさり、「そうですね、はいそうします「」、と。神様には逆らえないでしょ。


裏切りをなじるディドにエネアスは、「じゃあやっぱり僕ここに残るから」と決心を翻すと、普通だったら「まあ、嬉しいわ」と言うところでしょうけど、誇り高いディド女王は、「一度私を棄てようとした男なんか嫌よ、どこにでも行っちまいな」、と意地の強さを見せるけど、エネアスが去った後は哀しみのあまりあっさり死んでしまうんです。きっと、政治的歴史的に深い事情があるのでしょうけどね。

家演出、舞台、衣装サンダル


このプロダクション、2006年にスカラ座でプレミエされたのですが、あの広いスカラ座の舞台ではすっきりシンプル過ぎだったのではないかしら。それに、2本立てではなくこれだけだったので、時間も短いし、スカラ座の切符代のバカ高さと舞台の見え難さを考えると、特にバレエも大切な要素の舞台なわけで、「なに~っ!これだけっ!?」って、怒る観客もいたのではないかと心配になるくらい。スカラ座で私が観たのは長いワーグナーだったからまだ元は取れたと思えたけど、ディドだけだったら怒り狂うわ、きっと。いえ、落ち着いた色調のセット自体は悪くないし、照明も具合よくて広い空間を感じさせてなかなか良かったんですよ。


衣装は、女王様の衣装が(すぐ脱いじゃうけど)キモノ風だったり、男性は袴(はかま)をはいてて、西洋ジャケットとの混ぜ合わせが洒落てると思いましたが、バレエ・ダンサーの体操着とのバランスがなんかちょっと・・。


ROHの新鋭バレエ振付師のウェイン・マクレガーの演出ですが、こちらはバレエはかなり控え目にしか出てこなくて、しかも歌の邪魔はしないので、要するにとディドはオペラ、アシスとガラテアはバレエ、ってとこでしょうか、オペラファンは「バレエにかき回されなくてよかった」、バレエファンは、「踊りが少な過ぎる」、と思ったにちがいないです。オペラファンとしては、このオペラは有名だししっとりドラマチックにやってもらいたいし、音楽的にもドラマ的にも内容は充分なので、バレエはなくてもよかったですが(アシスは全く逆でしたが)。


もっとも最初から二つの演出をバランス取りながら決めたわけではなく、まずディドがスカラ座で成功して、でも一つだけじゃROHの観客は怒るだろうから、ちょうどヘンデルも記念年だし、なにかおまけにくっ付けようというとことだったと思われます。


私はリンバリー・スタジオででの、Insight Eveningというイベントに行き、Wマクレガーのトークを聞いたのですが、明らかに今回は新プロダクションであるアシス&ガラテアの方に気合が入ってましたね。だからアシスはバレエがうんと多いんでしょう。


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カラオケパフォーマンス


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おとめ座ディド(カルタゴの女王)


まず、サラ・コノリーがROH初出演ということが話題となり、イギリスを代表するメゾソプラノである彼女が今まで一度も出たことがないというのが驚きでした。ENOによく出てる人にはよく起こるように思えるのですが、ROHとENOの間で何かあるんでしょうかね?


私はROH以外でサラを何度か聴いたことがあるのですが(ウィグモア・ホールのダイドー とかENOの薔薇の騎士 とか)、今回の彼女は、女王の威厳と恋する喜びと悲しみを一瞬たりとも無駄にせず短い時間にぎゅっと凝縮して思い入れたっぷりに深く歌い込み、出番は決して多くないけど主役としての存在感を示し、立派なパフォーマンスだったと思います。


だけど、いかんせん、あまりに短か過ぎ!欲求不満になるわね、誰だって。云わばおまけである後半のアシスの方がずっと長いので、今夜の主役はサラであるべきなのに、二つ終わった後は印象がすでに薄れてしまうのが惜しかったこと。

最後に床に倒れて歌う死ぬ直前の有名なアリアが一番の見せ場なのですが、2回目に観たときは彼女がずっと向こうを向いたままだったのでよく声が聞こえず、ますますフラストレーションが募りました。舞台の横の席は、歌手がどっちを向いてるかで聞こえ具合が違いすぎるのがいつも問題ですが、この演出は右側からでないと駄目だということをメモしておこう)。


さて、凛々しいサラ様は、遅すぎるROHデビューを果たしただけでなく、今年のプロムス千秋楽にも出演するそうですから、あのお祭り騒ぎで一気に知名度が上がること間違いなし。いつもは英国女性らしいくしっとりと控え目なサラ様ですが、ドンチャン騒にでユニオンジャック柄のドレスなんか着てぱーっと派手にやって下さいね!・・・しかし、ドレスのセンスがイマイチのサラ様、いっそ男装の麗人姿で登場する方が受けるかも。

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男の子エネアス(トロイの戦士)


ちょっとしか歌わないし、全くどうでもいいような役なので有名歌手は出ないでしょうが、このLucas Meachemも聞いたことのないバリトンです。でも、長身でハンサムな彼はディドが恋する対象として絵的にはサマになってたので、それで充分。


演出家Wマクレガーは、後半のアシスもそうですが、男性歌手をルックスで選んだのではないかしら?ビジュアル重視のバレエ人としては当然でしょう。このアネアスもパワーはないけど心地良い声身のこなしで、とりあえず合格だし、オペラ界には稀な美貌を楽しませて頂きました。


女の子ベリンダ(ディドの侍女)


アネアスよりベリンダの方が絶対に大事で、若くて軽やかな売り出し中のソプラノにうってつけの得な役。イギリス声楽界では期待の新人といわれるルーシー・クロウもROH初登場ですが、ディドの暗さと対照的な屈託のなさと出番の多さで充分印象に残る立派なデビューで、個性には欠けるけど、色んな役がやれそうで期待できるルーシーです。


ふたご座他の歌手たち


魔法使い役のSara Fulgoniは無難にこなしたけど、魔女にしては歌も姿も若くて綺麗過ぎ。ウィグモアで聴いたときはカンターテナーが歌ったのですが、CT好きの私としては今回もCTを出してもらいたかった。
船員役は私のご贔屓韓国テノールのJi-Min Park君。ほんのちょい役でコメディアンぶりを発揮することもできないので、ただ出たってだけだけど、嬉しかったです。アシスにも出てくれたし。


脇役であっても同じヤングアーチストの中村恵理さんはなかなかの印象を残しました。下っ端魔女で妙な衣装だったので目立ったこともあるのですが、シャム双生児のようなPumeza Matshikizaとの実力の差は明らかで、高音が売り物の恵理さんのよさはこの役では全く出ないにも拘わらず、低い声もよく出て感心。


先月のカプレッティでネトレプコの代役 まで立派務めた恵理さんはROHヤングアーチストの中でも一目置かれる存在で、来シーズンのラ・ボエームではムゼッタ役で抜擢されてます。その前に来月「愛の妙薬」のジャンネッタもあり、階段を確実に昇っている恵理さんです。小さな部屋で行われる平日ランチタイムのリサイタルも恵理さんは特別にリンベリー・スタジオだったそうですよ。


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カメラカーテンコールの写真をまとめてアップしときますので、お好きなのをクリックで拡大して下さい。2回ともストール・サークルでしたが、反対側の席だったので、2回合わせると舞台はちゃんと見えました。私にとってはこれが理想的な見方で、全てのオペラをこういう席で観たいものです。


(なるべく早くアシスとガラテアもアップしますね、と今は空約束だけしときます)


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