10月27日、バービカンのMagdalena Kozena(メゾ・ソプラノ)とil Giardino Armonico(古楽オケ)のコンサートに行きました。



kozena4   kozena3


カメラ 前から2列目の真正面で舞台からは1メートルちょっと。幸い前の席は空席だったので、細かいところまでよく見えて、カーテンコールの写真もきれいに撮れました。クリックすると大きくなるので、ジロジロ見ちゃいましょう。


コジェナは実力よりも美貌が先立って話題になった感があり、ベルリン・フィルの常任指揮者のSirサイモン・ラトルが彼女に惚れて奥さんを棄てたことで有名。二人の間には子供もいます。


西洋人女性は老けてみえることが多いので、33歳の彼女も目尻にちょっと皺があったりして30代後半にみえるのですが、さすがに綺麗です。白い肌に金髪、タイプとしてはヒッチコック好みのクール・ビューティで、おそがい名画「鳥」のティッピー・ヘドレンに似てます。ちょっと前にテレビで観たら異常に痩せて頬骨あばら骨ゴツゴツでしたが、今は元に戻って丁度良い肉付き。胸はペタンコですが。


コジェナ    kozena2

太った人がこんなヘアスタイルだと、金髪でも「お相撲さん」になってしまいますが、美人はなんでもオッケー



こういう人はスッピンでも美しいのを自分でもわかっているからでしょうか、ほとんど化粧をしてなくて、アイシャドウと地味な口紅だけだったのではないかしら?マニキュアもペディキュアもしてなくて、スカートの裾が少しほつれていたのもそのまま。ドレス自体も有名デザイナーのものとも思えなくて、金の刺繍入りですが布地は安物。


ウーン、折角美人なんだからもうちょっと着飾って、輝くような美しさで登場して欲しかったですねえ。ルネ・フレミングみたいにいつもディオールやラクロワを着て出ろとは言いませんけどね、晴れ舞台なんだし、こっちはお金出して来てるわけだからして・・・。


ま、それは至近距離で観察してる私だから出る不平でしょうから、聞き流して下さいまし。

もちろん、音楽家は音楽だけで勝負すべきです。


kozena1 カメラ 後姿も、ほら急いで撮らなきゃ



音譜 演目はこちら

① Mozart Overture:Mitridate, re di Ponto

② Mozartアリア3曲 Non piu di fiori (皇帝ティトーの慈悲)、Non so piuとDeh vieni, non tardar (フィガロの結婚)

③ Boccherini Synphony in D minor, Op.12 No.4 'La Casa del diavolo'

(休憩)

④ Mozartアリア Per pieta (コジ・ファン・トゥッテ)

⑤ C.P.E. Bach Synphony in F major, W183/3

⑥ Mozartアリア2曲 Deh per questro istante solo

  

彼女が歌ったのは、お馴染みの有名アリアばかりで、普通はリサイタルのアンコールでやってくれて、「あっ、やっと知ってる歌が出てきた!」とほっとする曲を並べてくれました。

ある意味サービス満点で評価できるのですが、ある意味聞き飽きてるのばかりでつまんなかったです。ま、聴衆にも色んな人がいるわけで、全ての人を満足させることはできないのでしょうから、決して不平を言ってるわけではありませぬ。これも聞き流して下さい。



・・・・聞き流されてばかりでは困るので、肝心の歌がどうだったかと言うと・・・


クラシック音楽家は、スポーツ選手と同じで、美貌が話題になると言ってもそれは単なるオマケとしてなので、コジェナもラトルとの不倫を別としても歌手としても名声を得ているわけですから、歌はもちろんとても上手です。


濁りのない清らかか声をよくコントロールして声量もあり、低音が出なくて個性に乏しいところが一枚看板でリサイタルを即完売するような大スターになるのを妨げるでしょうが、オペラのアンサンブルでは控え目であっても主役として通用する実力は充分あり。


今回アリアを歌ってくれたコジのドラベッラもぴったりでしょうけど、長身を生かした「ズボン役」もいいですね。この日も歌ってくれたケルビーノ(フィガロの結婚の思春期鼻血ドバドバ少年)はもう卒業でしょうが、「皇帝ティートの慈悲」のセストもいいし(これも今回やってくれた)、モーツァルトで他にもいくつかあります。


そして、近いうちに「薔薇の騎士」のオクタヴィアンをやってくれるといいなあ。この声とルックスですから宝塚の男役的魅力一杯のチャーミング美青年騎士になることまちがいなし。


ピアノ伴奏のリサイタルだとずっと出ずっぱりで歌ってくれるけど、今日はオケ付きなのでどうしても歌無しの水増しプログラムになってしまい、「無名オケを聞きに来たんじゃないぞ~。引っ込め~」という気に普通はなってしまいうのですが、Giovanni Antonini指揮の 古楽オケil Giardino Armonicoのメリハリのある演奏はなかなかよくて、特にボッケリーニの交響曲は早いテンポで生き生きと小気味よく進み、感心しました。バッハ・ジュニアの交響曲は曲自体が退屈なので間延びしましたが。


このコンサートはGreat Performersの一つで、シリーズ何枚かまとめて買ったので、28ポンドが15%割引で23.8ポンド。一度コジェナを聴いてみたかったので行ったことを後悔はしませんが、もう一度この値段で行くかと言われると、考えちゃいますね。チェチリア・バルトリなら50ポンド出しても毎回行くけど、コジェナだけってのはちょっと魅力不足だから。でもオペラに彼女が出てくれるのなら嬉しくて楽しみにします。


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10月26日、サドラーズ・ウェルズ劇場でバレエを観ました。

24日から5日間、2演目のバーミンガム・ロイヤル・バレエ団 のロンドン公演です。


バレエには滅多に行かない私がなぜ?、と不思議に思われるでしょうが、これには理由があって、今年京都で2度お会いしたake様のブログ で、さる方のお嬢様がジュリエットを踊られるということがわかったからです。お母様の佐久間さんとはそれをきっかけにメール交信が始まり、また一つ素晴らしいネット縁ができました。


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                         「火の鳥」の写真がロンドンでのポスター使われてます

佐久間奈緒 さん ← クリックで舞台写真が何枚か見られます


女の子 佐久間奈緒 さんは九州ご出身で、17歳からロイヤルバレエスクールに留学され、卒業と同時にバーミンガム・ロイヤル・バレエ(BRB)に入団、2002年にプリンシパルになられたという立派な経歴です。

BRBは、ロンドンのロイヤルバレエ団で活躍中の吉田都さんが以前いらした由緒あるバレエ団で、奈緒さんはちょうど吉田さんと入れ替わりだったそうです。

その吉田都さんは元ロイヤルバレエ団の熊川哲也さんのカンパニーに移って、もうすぐ日本に帰国してしまうので、奈緒さんが代りにロンドンに来て下さるといいなと思います。


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               この日のカーテンコール(クリックで拡大)


幸い前から3列目のど真ん中という良い席が買え(36ポンド)、最大限に楽しむことができました。

こちらは私が撮ったカーテンコールの写真ですが、奈緒さんがとても美しい方だということがおわかりでしょう(若い時のあべ静江さんに似てらっしゃると思うのですが・・・)。 (クリックすると拡大します)


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小柄で愛らしい奈緒さんは理想的なジュリエット。その上、踊りが実力はもちろんなのですが、演技力の素晴らしいこと!

私は近くの席だったのでよく見えたのですが(更に時々双眼鏡も使ったし)、最初まだほんの子供で人形と遊ぶ14歳のジュリエットが恋を知って段々大人の女性になっていく変化を体全身だけでなく、生き生きとした表情で見事に演じて、その表現力に感服しました。素晴らしい女優さんです。

バレエの有名なレパートリーの中では演技面が重視される「ロミオとジュリエット」、もう演技というよりは、本当に可憐なジュリエットが目の前にいるようでした。


話がちょっと反れますが、西洋人に比べると私たちはやはり顔が大きくてプロポーション的にはちょっと損していると思われているのですが、それも顔の表情がよく見えるという点では却って得ではないでしょうか。私は吉田都さんのファンですが、彼女のエラの張った顔は長所だと思います。


それに、私はずっとバレエは近くで観るべしと信じていて、実際うんと前の方に座れるときのみ観にいくのですが(だから滅多に行けない)、それは正しい見方だと再認識しました。遠くでバレエ観てる人、貴重なものを見落としてますよ。(もっとも、私はコンサートでも至近距離が好きですが)



それにつけても、観ている間中、私の想いはお母様に。

残念ながらお仕事の都合でロンドンまでいらっしゃれなかったのですが、娘さんのロンドンでの晴れ姿をご覧になることができたらどんなにお喜びになられたでしょうに。残念です。

代りにと言うのはおこがましいのですが、遠い異国で一人で芸術に打ち込んで頑張っていらっしゃる若い日本女性の姿を見て、私も胸が一杯になりました。


お母様、奈緒さんは本当に素晴らしかったですよ。幕間のロビーや終了後のバスの中で「彼女は素晴らしかった」と言い合う人たちもたくさんいました。


そして分野はちがえど私の娘もアートを目指しているわけで、彼女もいつか奈緒さんのように一流になってたくさんの人に賞賛されるようになったらどんなに母親冥利につきることかしら、と思いは飛躍したのでした。


男の子 この夜の主役は奈緒さんでしたが、ロミオ役のRobert Parker もルックスは完璧にどんぴしゃでした。端正だけどヤンチャな少年らしさを残した実にチャーミングな青年で、ストレートな金髪が可愛くて可愛くて!


彼の踊りは実のところ、ロンドンのロイヤルオペラハウスの主役級と比べると跳躍力とか劣るように見えましたが、奈緒さんとのコンビネーションはとてもよくて、サイズ的に相性がよくて小柄な奈緒さんを軽々と持ち上げることもできたというだけでなく、何よりもまるで本当に初々しい十代の少年少女が恋に落ちて離れられなくなる様子がよく伝わってきました。


他のダンサーも概してロイヤルオペラバレエの人よりも若い人が多く、踊りの水準は正直言って一段下がるものの、今回は役柄の実年齢に近い人が多くて、お芝居としての点数も加えれば決して劣るものではないと思いました。


           R&J 7 これは「アポロ」というバレエの写真です 

            Robert Parker  ← クリックすると他の写真も見られます



音譜 このバレエの人気はプロコフィエフの音楽によるところ極めて大なのですが、今回のように感情移入できる良い席と役柄にぴったりのダンサーたちが伴うと、さらに各場面に相応しく聞こえます。特に奈緒さんのジュリエットの気持ちを表現する細やかな動き一つ一つに音楽が完全にマッチして、感動度アップでした。実はRoyal Ballet Sinfonia(指揮Barry Wordworth)の演奏は時としてかなり下手だったのですが、それすらあまり気になりませんでした。


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↑ 舞台はこの写真でご覧下さい。この日の写真ではありませんが、雰囲気や色調は味わって頂けるでしょう。オペラとちがって、バレエは時代の読み替えとかはまずしないようなので、ほぼどこのプロダクションでも安心して見られるまともな舞台や衣装です。(振付Kenneth MacMillan/デザインPaul Andrews)



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今週は、オペラ、バレエ、コンサートと3回もお出掛けしたのに、一度も着物を着られませんでした。


グー月曜日はロイヤルオペラハウスの「ラ・ボエーム」に。

聞き飽きたオペラだけど、愛する丸セロ・豚バレスが早く聴きたくて初日に。又ちゃんと良い席で来週行くので、今日は一人で立見席でこっそりといわば下見。


そしたらね、和服の女性がいらしたんですよ。品の良い薄い肌色の江戸小紋に、黒地に赤の大きな花柄の半幅帯をきれいに2重のリボンのように結んでらして、嗚呼やっぱり着物っていいわあ、と見惚れましたわ。でも、他の方が着てるのを遠くから見て気がついたのですが、赤が基調の客席では赤系の着物はぱっとしませんね。あそこでは水色とか黄緑色が一番映えそうです。


それにしても、その方、あの帯結びで椅子にもたれるかかったら折角の可愛い形がつぶれてしまうでしょうに。私の立見席から彼女が見えたので、気になって何度もチェックしたところ、やっぱり浅く腰掛けてました。しんどいでしょうにね。なんて言ったら、「立ってるアナタに同情されたくないわね~。アナタの方がよっぽど疲れるでしょ。靴まで脱いじゃって」と怒られそうですね。

ハイ、今日は私の負けです。着物かどうかということ以外に、あちらは170ポンドの席にご主人のエスコート付き、こちらは7ポンドの立見席で一人淋しく・・・なるべく楽なようにと靴脱いで。惨め・・・しょぼん


la boheme  記事は別に書くけど、とりあえず写真だけ貼っとこ(拡大します)




チョキ木曜日は、サドラーズ・ウェルズ劇場にバーミンガム・ロイヤル・バレエ団の「ロミオとジュリエット」と観に。

今日は誰にも負けませんよ。奮発して一番高い席を買ったざあますからね。だから着物で行こうと思って、前夜かなり時間を掛けてコーディネートを考えて着付けの練習もしたざんす(他人さまから頂いた随分ふくよかサイズの着物なので、着るのがとても難しいの)。


だけど、会社のミーティングが長引いて着替えの時間がギリギリだ。何も食べずに着替えればなんとかなっただろうけど、美味しい食べ物が用意されてたし、それにうっかりして携帯電話を忘れたので「トーチャ~ン、駅まで車で迎えに来て~」という連絡がしにくくて、どちらかがどこかで無駄に待たなくちゃいけない・・・・それに駅から家まで歩くとわかっていれば足の痛くならない草履(見かけは悪い)を用意したけど、今日ので歩くのは辛い・・・でも重いのに折角会社まで運んじゃないの・・・等々、食べながら迷ってたら結局時間切れ・・・


やっぱり駄目ね、誰かと二人で着物で行こうねっていうコミットメントがないとつい面倒臭くなってしまって。今日も一緒に行く人も着物だったら、食べるの諦めてでも、歩いて足が痛くなってでも絶対着物で行ってた筈なのに。


R&J 2  云わば記事の予告編


 


パー金曜日はバービカンのコジェナのコンサート。

一応2枚買ってあった切符の一枚を買ってくれる人が見つからなかったので、結局一人で。私がたとえシャイじゃなくても(シャイなんですよ、実は)、一人のときに着物は嫌ですよね。(ご心配なく、余った切符は6ケ月間有効のバウチャーに変えてくれてくれるのでお金の無駄にはなりません)


コジェナ  こんな美人は唾(つば)は飛ばしません




来週はバービカンでシーズン一番の華やかなリサイタル(ヴィリャゾン&ネトレプコ)があり、これは絶対着物で行きます!


さて、週末は家でのんびりして、この3つのイベントの感想でも書くことにしましょう。夏時間が終わって普通に戻るので1時間長い週末だしね。



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10月17日、バービカンでヘンデル(1685-1759)のオラトリオTheodoraを聴きに行きました。


オラトリオというのは宗教がテーマの声楽曲で、最も有名なのは同じくヘンデルの「メサイヤ」。♪ハーレルヤ、ハーレルヤ、ハレルヤハレルヤ、ハレールヤ~♪というのはどなたもご存知でしょう。


同時代のバッハのオラトリオが教会の礼拝用に作られたのとちがい、ヘンデルのオラトリオはステージ用で、音楽的にはオペラと変わりありません。メサイヤはずるずるとキリスト教を礼賛するだけでストーリー展開はないのでステージ化はできませんが、ドラマ性充分のこのテオドラはグラインドボーンで1999年にピ-ター・セラーズの演出ででフルステージで上演されたようで、DVDにもなっています。


T  汚水処理場職員のようなユニフォームとキモノ風ガウン。

お似合いにカップルだこと。



三世紀初頭のローマ軍によるキリスト教徒迫害がテーマで、テオドラ(シリア王女でキリスト教徒)とダイディマス(キリスト教に改宗したローマ軍兵士)の悲恋物語。


この手の小説も多いようで、古い映画で恐縮ですが、リチャード・バートンとジーン・シモンズ主演の「聖衣 」(1953年)や、ロバート・テイラーとデボラ・カー主演の「クオ・ヴァティス 」(1952年)が有名です。こういう映画は、クリスマスやイースターによくテレビ放映されます、ハリウッド化スペクタクルにされちゃってますが、昔の美男美女映画もいいですよね。


まずはテオドラのストーリー。

ローマの異教徒の儀式参加を拒否したために捕らえらたテオドラ王女、「信じてもいない宗教に身を売るよりは死んだ方がいいわ」と強気でしたが、罰は死刑ではなくて身分の低いローマの兵士たちに犯されることし知って真っ青。恋人であるダイディマスが彼女を救うために牢屋に忍び込み、汚れた体にされるくらいならここで私を殺してと懇願するテオドラを説得して、自分のローマ軍兵士の制服で変装させて逃がしてやる。だが見つかって二人とも死刑を宣告される。よかった、清らかな体のまま死ねるのね。天国で一緒になろうねと、喜んで殉教死する二人。


どうです、ハリウッド映画のようなドラマチックでロマンチックな展開が期待できるじゃあないですか。


と、思ったんだけど、ちがいました。オラトリオは所詮オラトリオ。さすが職人ヘンデル、オペラとは区別してて、3時間の長さにしてはシンプルな話で、ドラマチックな部分はほんの少し、あとはほとんど「どんなひどい目に遭っても異教徒には屈しない。キリスト教徒として誇りを持って死んでいく!」というセリフでかなり退屈。宗教無知の私にはわからないけど、聖書からの引用もあるらしいです。


ま、宗教プロパガンダになるのは仕方ないわけで、それならロマンスとドラマは諦めて、歌唱に専念することにしましたが、幸い皆さん立派なパフォーマンスでした。


音譜

オケとコーラス                      Le Concert d'Astree Orchestra and Chorus

指揮者                           Emmanuelle Haim

Theodora (シリアの王女、キリスト教徒)   Geraldine McGeevy (soprano)

Didymus (キリスト教に改宗したローマ軍士官) Stephen Wallace (counter-tenor)

Irene (テオドラの侍女) Anne Sofie von Otter (mezzo-soprano)

Valens (ローマ人の支配者) Matthew Rose (bass)

Septimius (ダイディマスの友人のローマ軍士官) Paul Agnew (tenor)



はい、これはもうスェーデン人の人気メゾソプラノのアン・ソフィー・ヴォン・オッターが目玉で、地味な作品なのに切符がよく売れたのは彼女のおかげ。ロンドンではオペラに出てくれないけど、コンサートは結構やってくれます。イギリスの音楽学校出で英語も完璧な彼女は今回も期待通り超一流。私は一流のアーチストというのは歌でも楽器でも一瞬たりとも手抜きをしない人たちだと信じているのですが、彼女はいつもまさにその通り。


オッター以外はイギリス人歌手で固めています。


タイトルロールのGeraldine McGeevyは声量たっぷりの澄んだ美声はいつまでも聞いていたかった程の素晴らしさ。聞いたことのない名前ですが、ヴェルディからワグナーまでできるようで、又ぜひ聞きたいソプラノです。


ヘンデル時代の二枚目役は「タマ抜きされカストラート」が大人気だったのですが、今はそんな不自然で残酷なことはしないので、代りにカウンターテノールかメゾソプラノが歌います。気持ち悪いと嫌われかねないカウンターテノールですが、声質によっては私は大好きです。Stephen Wallaceは最初ちょっと不安定だったので、うへーっ、こいつを3時間も聞くのか、と思ったけど、すぐに調子を上げて、とくに私好みの声ではないものの、テクニックはなかなかのもの。長身で顔も悪くないので、オペラで活躍ナンバーワンの小柄なアメリカ人David Danielsのお株を奪って欲しいところ。


テノールのPaul Agnewは、果たしてこれで遠くまで声が届くのかしらと心配になる程響きがイマイチでしたが、近くで聞く分にはさすがベテラン、親友のダイディマスに同情する心優しいローマ兵士を抑揚を利かせて演じて説得力あり。最後はガス欠で声量が落ちたけど。


そう、私はものすごく近いかぶりつき席だったのです。前から2列目のど真ん中で舞台からは僅か1メートル。歌手の表情はよく見えるし、呼吸の音まで聞こえて最高です。

だけど、困ることもあって、それは歌手の唾(つば)。歌手によっては唾を大量に吐き散らしながら歌う人もいて、今まで最前列にで被害に合ったこともあります。今回は2列目でぎりぎりセールでしたが、前の列の人たちには雨が降ってました。最近はバービカンに着物で行くこともあるので、最前列を買うのは避けることにします。


今回の唾吐き野郎はバリトンのMatthew Rose。恋人たちに死刑を宣言する憎まれ役。ROHに脇役でよく出てくる人ですが、今回は唾ばかりが気になって、「そんな前に出てこないで~、もうちょっと後ろに下がって歌ってよね」とハラハラしました。



ドキドキ そして特筆すべきは、Thomas Morellの英語の歌詞の美しさ。翻訳ではなく元が英語で書かれているのでメロディとも一体で、イタリア語に負けないくらい美しい響きに聞こえました。それにやっぱり言葉自体が理解できるのはいいことだと実感しました。英語で歌って、更に英語の字幕付きだったのですが、譜面台や指揮者が邪魔で半分読めなかったにも拘わらず、目の前で明確に発音してもらえたし、聞くだけで意味がわかりました。


ドイツ人のヘンデルなのに英語? と思われるかもしれませんが、ヘンデルは長い間イギリスにいたので、イギリスでは完全にイギリス人作曲家として扱われ、ウエストミンスター寺院に祀られています。


ヘンデルのイギリス行きについては、サラリーマンには身につまされるような転職エピソードがあり、お金儲けのためにロンドンに行くと決めたとき、それまで仕えていたドイツの小国のプリンスがたいそう怒ったそうです。そしてなんと、暫くしたらそのプリンスがイギリスの国王ジョージ一世として即位したわけですよ(現在のハノーヴァー王朝の始り)。

辞表を叩き付けて怒らせた会社の上司がこともあろうに転職先の社長に就任したわけで、立場辛いです。で、必死でご機嫌取りをして、何年か掛かったようですが、ヘンデルの作品で一番人気のある「王宮の花火」と「水上の音楽」を国王のために捧げて、お気に入りの地位を取り戻したそうです。


↓ カーテンコールの写真はクリックで拡大します。

Theodora 4   Thedora 1

長身の金髪美人のオッターですが、いつも衣装センスがイマイチ。今日はもっとセンス悪い人と一緒。体型考えてドレス選ぼうね。


Theodora 3   Theodora 5

AgnewとRose。でかい方が迷惑唾オトコ。     左からHaim(指揮者), Mcgeevy, Otter, Wallace


40代半ばの指揮者のHaimのドレスが一番素敵でしたが、演奏中は背中に玉の汗をかいてました。



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10月15日にロイヤルオペラハウスでMozart 250th Anniversary Celebrationというイベントがありました。


今年はもうモーツァルト漬けでいい加減ウンザリしてるのに、今頃やるの?? 

しかもこの二流メンバーで??


この手のコンサートは、各オペラハウスやコンサートホールがいかに威信を賭けて一流アーチストを集めるかによると思うんだけどねえ。こんなのしかできないのならやらない方がましじゃないの?

他のオペラハウスで何をやったか知らないけど、比べられたら恥ずかしくない? 一応世界有数のオペラハウスと言われてるコベントガーデンなんだからさあ、目玉歌手出さなくちゃ。大スターが無理ならせめて中スターくらい。


で、どんな人たちだったかと言うと、


指揮者       Sir John Eliot Gardner

オーケストラ   English Baroque Soloists

コーラス   Monteverdi Chior

ソプラノ       Anna Chierichetti, Elin Manahan Thomas, Camila Tilling,

メゾソプラノ    LinaMarkeby, Anne Mason 

テノール    Kurt Streit, Nicholas Watts,

バリトン&バス  Christopher Maltman, Kyle ketelsen, Matthew Brrok, Julian Clarkson,

           Brindley Sherratt



切符を売り出すときはSophie KochPatrizia Biccireが入ってたけど、いつのまにか消えてました。知名度と実力ナンバーワンのKochがいなくなっちゃ目も当てられないわ。つい最近モーツァルトの無名の作品「偽の女庭師」とROHでやったときはこの二人はちゃんと予定通り出てたのにね。


普通この手のガラコンサートは、人気アリアのオンパレードになるんだけど、今回はそうではなく、いわばオペラのつなぎのアンサンブル曲ばかり。このメンバーでは大きなアリアは無理だから方向転換したんだろうか?それとも最初からアンサンブルばかりやろうとした結果がこの顔ぶれなんだろうか?Sophie Kochが出てたら、ケルビーノのアリアくらい歌ってくれたのだろうか? 


三分の一くらいは歌無し序曲で水増しをするのかと思ったら、序曲は短いのひとつだけで、後は全部歌だったのはさすがオペラハウスと感心はしたものの、コンサート形式とは言え結構お芝居もしてくれたのに(これはありがたいことだけど)、オペラの内容がわからなくてそこだけ取り出して聴かせてくれても全然理解できなくて楽しみも半減。そういう選曲と事前に知っていたら予習をして、一緒に行ってくださった三人の方に説明もできたのに・・・


要するに、コンサートとしてあまり期待はせず、着物イベント夕食イベントにしてしまったために肝心のことがおろそかになってしまったってことで、恐縮&反省してます。(着物イベント とレストラン選びは成功)


やってくれたのは、ドン・ジョバンニ、フィガロの結婚、魔笛、コジ・ファン・ツゥッテ、皇帝ティトーの慈悲、イドメネオ、後宮からの脱出。



しょぼん 期待が低かったの分失望もしなかったわけで、この人たちならまあこんなものでしょうというパフォーマンスだったけど、失望したのはChristoper Maltman。調子が悪かったのか、声量がなくて、最近のROHの7月のフィガロの結婚 のあのぱっとしなかったフィガロのバリトンKyle Letelsenに負けてた。最近のROHでのふたつのオペラのパフォーマンス(ドン・パスクァーレ偽の女庭師 )がとてもよかったので評価をぐんと上げたのに、これで又逆戻り。

ドン・ジョバンニ、パパゲーノ、フィガロの結婚の伯爵、コジのフェルランドとたくさん歌ってくれた彼の出来がもっとよかったら、この夜の水準はずっと上がったのに残念なことでした。


私の好きなKurt Streitは出番も少なくてどうってことなかったし、華やかな金髪美人のCamila Tillingは女性の中では一番よかったけど、芝居と美貌を勘定に入れないとまだ一流の域には達していないかな、と。


しかし、upper slipsで僅か5ポンドでしたからね、その分はもちろん充分過ぎるほどエンジョイしました。


後で知ったのですが、これはMontevrdi Choir & Orchestra (John Eliot Gardnerが42年前に設立)の資金集めが目的のコンサートであり、ロイヤルオペラハウスのイベントではなかったようです。歌手の皆さんもギャラ無し出演だったそうな。

古楽オケもロンドンにはいくつかあって、運営は苦しいにちがいありません。このコンサートも空席が目立ちました。

こんな外部のイベントもするんだ~。ちょっと騙されたような気がしないでもない・・・


mozart gala  ご出演の皆様、無料奉仕お疲れ様でした~!

でもほとんどの方、タダ働きでもここで歌えてよかったですよね。(クリックで拡大します)



 

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