ピアノマンは胡散臭い

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私はイギリスに住んでいるので、この話は日本で話題になる前から新聞で読んだけど、最初から胡散臭い奴だと感じてます。ただの目立ちたがり屋で記憶喪失のふりしてるだけですよ、こいつは。騒いだら彼の思う壷だから、無視するのが一番。第一、服のブランドのラベルが切り取られてるってのが怪しいじゃないですか? 自分でわざとやったに決まってます。

こんなやり方で話題になろうって根性が気に食わない。本当にピアノで世に出たかったら、コンクールは世界中に数多くあるわけだし、真っ向から勝負せい、と言いたい。それに、例えこれで話題にだけなって、サーカスの見世物よろしくコンサートをやらせてもらう機会があっても、実力なければすぐに化けの皮が剥がれて笑いものになるだけだよ。

・・・でも、でも、そう言えば、私のジャケットもラベルが切り取ってあるのが何枚もあるなあ・・。傷物でうんと安く売ってたからだけど。こいつもそういうことなのかな?
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traviata


オペラなんて観たことのないけど、何か観てみようじゃないかと思っていらっしゃる方、でもはじめてのオペラ、一体何を観たらいいのと迷いますよね。


答は簡単。ヴェルディの「椿姫
に決まってます。これはオペラを知っている人のほぼ全員がそう答えますよ。


私はこのブログで椿姫を名乗っているし、音楽に関係ない他のネットサークルでも私は「椿姫さん」と呼ばれていて、思い入れのある名前だし、一番人気のあるオペラの一つですから、是非知って頂きたいです。


1853年にヴェルディが書いたこのオペラ、「三銃士」の作者デュマの息子のデュマ・フィスが実存の女性をモデルにした小説「椿を持った女」に基づいており、オペラの原題は「La Traviata」。堕ちた女と言う意味で、ヒロインは高級娼婦。娼婦と言ってもただの売春婦ではなく、高い教養を持ち、貴族や金持ちをパトロンにして、当時パリで政治家や文化人の集まる文化サロンのホステスをしていたという、今で言えば銀座の一流バーのママさんってところでしょうか。


椿姫という邦題は名訳だと思うのですが、ヒロインが椿の花が好きでいつも身に着けていたところからきています。当時のパリで一年中椿の花を調達できたのかどうか疑問ですが、実はこれは「白い椿なら営業中、赤い椿は体調により閉店」という彼女の商売用看板でもあったわけです。もっともこれはオペラには出てこなくて、私の覚えている限り、オペラの椿姫はいつも白いカメリアですが。 まあ、こんなことは知らなくていいんですけどね。生々しいので忘れて下さい。


私は子供の頃からなぜかこのストーリーが好きで、犠牲になって死んでゆく美しく若い女性が憐れで涙を流したものです。ストーリーは、娼婦でありながら真実の愛に目覚め、幸せを掴んだのもつかの間、やはりその身の上では許されるはずもなく、泣く泣く身を引き、肺結核で死んでしまうという、まるで新派のお芝居。

オペラでは人物の描き方が表面的なことが多くて感情移入できるのは稀ですが、椿姫は登場人物も少なくて等身大で理解、同情できるのが強みです。オペラにするときに当然話は少し変えられて、ヒロインの名前はマルグリットからヴィオレッタになり(歌にしたとき響きがいいですもんね)、原作では彼女を死をアルフレード(原作ではアルマン)が後から聞くのですが、当然オペラでは抱き合いながら死んで盛り上がります。


もちろんオペラにとって一番大事なのは音楽。おなじみの「乾杯の歌」をはじめ優れたアリアがたくさん出て来て、ヴィオレッタの悲しさ優しさが心に染みます。私は暗く悲しい前奏曲を聴いただけで涙が出てしまいます。

このオペラを観てもまだ「なーんだオペラってやっぱり退屈でつまんないや」と思う人は、即オペラ鑑賞は諦めましょう。キ~~♪っというあんな大声を聞いて不快に感じる人がいるのは不思議ではないですから、無理に体に合わないことをすることはありません。



では、何が起こるのかは、椿姫さんご自身に語ってもらいましょう。         ( )内は有名なアリアです


第一幕 (パリのヴィオレッタのサロン。シャンデリアきらめくパーティ)

今ね、パーティが終わったところなの。男爵やお友達がたくさん来てくれて賑やかに盛り上がったわ。(乾の歌} そこでね、アルフレードという若い男性に紹介されて、私のことを一年も前から愛していたと告白されたの。最近私の具合が悪そうだからと心配してくれて、僕がそばにいたらこんな煙草とお酒にまみれた自堕落な生活はさせない、空気のきれいな田舎で暮らして貴女の病気を治してあげるのに、とまで言ってくれた。こんな境遇の私なのに、真剣に想ってくれる男性に逢ったのは初めてで、びっくりしたけど、とても嬉しかった。


貧困から抜け出すために仕方なくこの道に足を踏み入れた私を神様はお見捨てにならなかったのね。身のほど知らずと言われようと、本当は誰かに愛されたくて密かにずっと願っていた私。彼がきっとその待っていた人にちがいないわ。生まれてはじめてのこの幸せ・・。(ああ、そはかの人か?)


駄目駄目、私ったらなに言ってるの? そんなこと叶うはずないじゃないの。私は汚れた女、愛される価値のない女よ。こうして贅沢の中でその日その日の快楽に身をやつすのがお似合いよ。 (花から花へ)

嗚呼、でも窓の外から幸せそうなアルフレードの声が聞こえる。最初は冷たくしたけど、彼が帰る間際に私が身に着けていた椿を一輪彼に渡して、これが萎れたら又来てくださる?って言ったら、飛び上がって喜んで明日来るからと去っていった彼。・・・私、私、この恋に賭けてみていいのかしら?!

 

第二幕 一場 (田舎の館で幸せに暮らす二人)


私はあれからすぐ全てを捨てて、あの汚れたパリの生活から抜け出し、しばらくこの田舎でアルフレードと暮らしているの。身寄りのない私にとって彼ははじめて持てた家族であり恋人で、惜しみない愛を与えてくれる(燃える心を)。彼の父親から色よい返事がないのと、生活費が底をつきそうなのは困ってるけど、愛があれば彼と二人でなんでも乗り切れる、そう信じて、信じられないくらい幸せな私だったの。

でも、やはり恐れたとおり、幸せは長く続かなかったわ。ある日、アルフレードが留守の間に彼の父親が訪ねて来た。最初お父様は、息子が性悪女に惑わされて身上をつぶすのではないかと思ってたいそうお怒りだったわ。でも、私が自分の財産を食いつぶして賄ってきたのと、私がアルフレードを真剣に愛していることを知って、父親のような愛情さえ示して下さった。

でも、アルフレードの妹の縁談が私のせいで壊れそうになって彼女が泣いている、辛いだろうが別れてくれと懇願されたの。私はアルフレードなしではもう生きていけないわ。でも、私のせいで清純無垢な妹を不幸にするなんてできるはずないじゃないの。彼の家族の幸せのために犠牲になってくれというお父様の願いを受け入れるしかなかったわ。私のように一度汚れた女にとって幸せは見果てぬ夢だったのね。


アルフレードを諦めさせるためには、彼が私を嫌いになるようにするしかないわよね。だから、前からいつでも戻っておいでと言ってくれてるパリのかつてのパトロンの男爵のところに帰ることにしたの。ちょうど私をやっと探し出した娼婦仲間からパーティの招待を受けていたから、アルフレードに置手紙をしてパリに向かったわ。

私が去って涙にくれるアルフレードをお父様は慰めたけど(プロヴァンスの海と陸)、パーティの招待状を見つけたアルフレードは怒って追いかけてきたの。


第二幕 二場 (フローラのパリのサロン)


私が男爵に伴われて到着したら、アルフレードも来ていたわ。今夜の彼はカード賭博で勝ちまくり、そのお金を皆で前で私に投げつけて、「この裏切り者の売女め、これで今までの借りは返したからな!」と罵ったの。それでも私はお父様との約束を守るために本当のことは言わなかったわ。お父様もそこに現れて息子を叱り、彼も後悔したけど、男爵が怒って決闘を申し込んだの。


第三幕 (家具も売り払ってガランとしたヴィオレッタの部屋)


私は肺病が悪化して、女中のアニーナに看取られながら死の床に着いている。お医者様ももう数時間の命と宣言しているわ。「アルフレードは決闘で怪我をして国外に行ってしまったけど、もうすぐ帰ってくるから、そしたらすぐ二人で貴女を訪ねていくから待っていて下さい。アルフレードには貴女が犠牲になってくれたことを話したから」というお父様からの手紙が私の唯一の生きる望みで、何度も何度も読み返したの。だけど、待てども待てども彼らは来ない。もう遅いわ、私はこのまま死んでしまうのね。神様、この堕ちた女にどうぞご加護を。

外はカーニバル、だけどきっとお金が無くて困っている人がいるから、アニーナ、僅かに残ったお金をその人たちにあげて来てちょうだい。そうしたらもう残りがなくなるって? いいの、私にはそれで充分だから。


えっ? 良いニュース? 嗚呼アルフレードが帰ってきたのね?! 
アルフレード、やっと会えた!!。 もう離さないで!! 愛しいヴィオレッタ、二人でパリに行ってまた一緒に暮らそうと抱きしめてくれた。 お父様も一緒に来てくださって、なんということをしてしまったのだと後悔して謝って下さった。愛する人たちに囲まれて嬉しいわ、今から教会へ行って神に感謝を捧げましょう。アニーナ、着替えるのを手伝ってちょうだい。


嗚呼、駄目だわ、私にはもうそんな力は残ってないわ。もうすぐ私は死んでしまう。アルフレード、私がまだきれいだった頃のこの小さな肖像画、貴方が将来結婚する清らかな女性に差し上げてね。そして私が天国から見守っていると伝えて。

・・・あら、とても不思議だわ、急に痛みが消えたの。 甦るの、私? なんという喜び!



(アルフレードの腕の中でこときれるヴィオレッタ)
 


 
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5月はオペラがひとつ(1984年)とコンサートひとつ(バレンボイム)だけという珍しい月で淋しかったけど、6月は6回行きまっせ~! 

ざっとリストアップしてみますが、オペラはこれまでにない豪華歌手陣で、今から興奮で~す。



まず、ロイヤルオペラハウス(以下ROH)で、3つのオペラに5回、



① イタリアのトルコ人 by ロッシーニ

なんと言ってもチェチリア・バルトリ! イタリア人の彼女はでテクニック抜群で大人気のメゾ・ソプラノで、彼女ほどコロラチューラをコロコロと上手に転がせる人はいません。こぶしを転がすのに都はるみに叶う人がいないのと同じです(私は都はるみも大好き)。バルトリの声を聞くのは肉体的快楽で、いつまでも浸っていたい甘さと軽さ。得意のロッシーニで、思い切り小気味よく華やかにやってもらいましょう。ストーリーはロッシーニらしい他愛のないコメディですが、他にも芸達者な人が何人か揃って豪華な顔ぶれです。

これを2回聴きに行きます。彼女なら何度でも聴きたいから。



② リゴレット by ヴェルディ

せむしの道化師りゴレットの悲しい物語

大切な娘ジルダを自分が仕える女たらしの公爵に手篭めにされ、殺し屋を雇って復讐しようとするのですが、公爵を愛するジルダはそれを知って身代りになり死んでしまいます。

聞けば誰でもあれかとわかる「女心の歌」をはじめ、美しいアリアが散りばめられ、父娘の切ない気持ちを盛り上げるヴェルディの代表作。


何度も見たこのプロダクション、一つのセットの向きを変えるだけで公爵の館とリゴレットの家、場末の酒場まで兼ねるという最近よくある経費節約舞台装置のひとつ。観客に想像力が求められます。でも衣装は時代も設定通りでとても洗練された色合いでスタイリッシュだし、なんと全裸の男女が舞台の上で絡むというショッキングなシーンもあり。

今回の私の楽しみは、ジルダ役のアナ・ネトレブコ。若くてほっそりと綺麗なロシア人でキロフ・オペラの花形ソプラノ。何度も聴いたことありますが、その度に上達している彼女、高い声が必要なジルダの切ない乙女心を歌うアリアをどう歌ってくれるでしょうか。これを書いている今、偶然テレビで歌ってます。

ダブルキャストで、こういうとき悲しいかなROHは有名な人ばかりが固まらないようにわざと分けるので、2回行かなくてはなりません。今月1回、7月にもう一回行きます。


③ ラ・ボエーム by プッチーニ

20年以上使っているセットは写実的で豪華。昔のセットは設定に忠実でわかりやすくて初心者向けに出来てることが多くて、こういうのもいくつかはずっと取って置いて欲しいもの。パリの屋根裏部屋に住む4人の貧乏な若者たちの友情を背景に、詩人のロドルフォとお針子ミミのはかない恋物語。彼女が肺病で死んでしまう最後のシーンは涙なくしては見られません。


angela mimi

ミミ役のアンジェラ・ゲオルギュー(1995年)


これも同じ舞台を何度も見ているので、余程の歌手が出ない限りパスしますが、今回は余程どころか、今をときめくソプラノの大スター、アンジェラ・ゲオルギューが出るので見逃せません。華やかな美貌で歌も芝居も当代一の彼女が久し振りにミミ役を歌ってくれます。オペラ界のゴールデン・カップル、相手役がご主人のロベルト・アラーニャでないのは残念ですが。この二人、ROHのこの舞台で10数年前に共演したのがきっかけで結婚したんですよ。

今回のロドルフォは中国人のユー・キン・ダイ。中国人の名前が一番理解し難くて、どういう漢字なのかわかりませんが、この1、2年ロンドンで人気のテノールで、顔が似てるので仲間うちでは沖雅也と呼んでます。

ミミ役はダブルキャストで、アンジェラ以外はリーピン・ザングというこれまた漢字がわからない中国人ソプラノなのですが、沖雅也はずっと出るので、中国人コンビでフランス人の役をイタリア語で歌うわけです。

これもアンジェラの出る日に2回行きます。

 


④ この他、ロイヤル・フェスティバル・ホールでアルフレッド・ブレンデルのピアノリサイタル。70歳を越した彼はオーストリア人ですが、ロンドンに住んでいるのでよくコンサートがあります。そう言えばこないだROHにオペラ観に来ていたわ。今回彼は何を弾いてくれるのか忘れましたが、何度か聴いて、失望したことの方が多いのに、また切符を買ったということは、本当に衰える前にもう一度だけ行こうと思ったんだったかなあ? 切符を買ったのは随分前だから忘れちゃった。


☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


でもさあ、オペラ歌手ってちょっと具合が悪いとすぐキャンセルするから、それが心配なのよぉ。特にチェチリア・バルトリはドタキャンで有名・・。 実際にに舞台に登場するまで安心できないのよね。

歌手は生ものだからしゃーないけどね。

病気になっちゃだちかんよ~!


(だちかん=名古屋弁で「駄目ですよ」という意味)


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「スターウォーズ・エピソード3 シスの復讐」を家族3人で観てきました。

娘は大事な試験中で、終わるまでにあと1ケ月近く掛かるのですが、誰もそんなに待てないし、こういうのははやり大きなスクリーンと抜群の音響の映画館で見たいので、レスタースクアエに行きました。

第一作目のエピソード4からずっと観ている人にとっては、これでやっと壮大なストーリーが完結するわけですから、感慨無量。一作毎に映画技術の発達には目を見張るものがあり、時の長さをしみじみと感じます。日本で公開されたのは多分1978年。私はまだ日本にいましたが、もちろんすぐに観て、以来全部封切り直後に映画館で観てますし、テレビで何度観たことか。トーチャンはこういうの大好きですからね。

実はトーチャンにはスターウォーズに関してちょっとした自慢話があります。

1977年5月に英米で同時公開されたのですが、それより4,5ケ月も前に彼はロンドンで観ているのです。それは映画製作関係者向けの特別試写会で、世界で初めて完成作としてご披露されたのです。アレック・ギネス(オビワン)や3PO役の俳優もいたし、ジョージ・ルーカスも来そうです。

トーチャンがなぜそんなところに行けたかと言うと、オニーサンがサウンドトラック会社で働いていて、音は大丈夫かどうかをチェックするため参加したときにSF好きの弟を連れて行ってくれたのです。始まる前に映写室にいたらルーカスが入ってきたそうです!
もっともその時この映画はまだ全然話題にもなってなくて、ルーカスも「アメリカン・グラフィティ」しか知られていない新人監督だったので、彼に会って特に嬉しかったわけではなさそうですが。

なぜロンドンで初お目見えかというと、この映画、実はイギリスで撮影されたからです。費用がアメリカの大手資本からなのでアメリカ映画ということになるのですが、当時イギリスの方が特写技術が優れていたことと費用が安く済んだからでしょう。ロンドンから汽車で30分ほどのエルストリーという町に大きな映画スタジオがあり、そこは実は私が最初にこの国に来たときに住んでいたところでもあります。

さて、この最新作、なかなかよかったですよ

前作のエピソード2はストーリー自体が薄っぺらこともあり退屈でしたが、今回はアナキン・スカイウォーカーが悪の側に寝返ってダース・ベーダーになるまでの、いわば前半のハイライトなわけで、ふーんそういう理由でああなったのか、がはじめてわかるわけです。

これ以上ネタばらしはしませんが、ちょっとだけ言わせてもらうと、もうちょっとアナキンを善と悪の間で迷わせて心の葛藤を表して欲しかったです。案外あっさりとあっち側に行ってしまったので。それに、定番とも言える酒場のシーンがなかったのは寂しかった。想像力に富んだ色んな生き物が和気藹々とドリンクしてるのが楽しいのにね。その代わりなのか、チューバッカの大群が出てきたけど。

CGはもちろん舌を巻くほど素晴らしく、特にCGじゃなくてもしかして本物かしらと思うほどセットも戦闘場面もリアル。スピード感に溢れるクションもふんだんにあり、特に今回のアクション・ヒーローはマスター・ヨダとも言えるほどの大活躍。彼が大きな敵をぶっ飛ばすたびにやんやの喝采です。思えば、最初の頃彼はマペット・ショーのような人形で、下から棒で操作してたなんて、今からでは信じられないですよね。


実は私にはセットやアクションよりずっとずっと見るのを楽しみにしていたものがあり、結果は期待以上だったのでとても満足。それは、アナキン役のヘイドン・クリステンセン。もうスゴ~~~~ク素敵で大好き!前作で初めて見て即一目惚れ。その時はひょろっと細くまだ少年の面影でしたが、あれから3年、美しい青年に成長しました。髪も長めにし、ボディビルでもやったのでしょうが、程良い筋肉がついて、水も滴る良い男!

私はちょっとハンサムなら誰にでもぼーっとなるわけではありませんが(昔はそうだったかもしれないけど)、彼は私好みの北欧系(名前から判断すると)で、長身でさっぱりした顔立ち。歩くだけでも凛々しい身のこなし、アクションも軽くこなし、完璧な絵になるラブシーン。でもシャイで自分のことを良い男だとは思ってないみたいに見えるところが一番魅力的。私ってそういう男に昔から弱いのよねえ。


今回は彼が一枚看板の主役なので出ずっぱり、良い目の保養をさせてもらいました。で、見ている間中私が考えていたのは、他の役で彼を見たいなあということ。こんなCGのオマケというかコミックのキャラクターじゃなくて、普通の生身の役もやらせてみたいじゃない? そこで一体どんな映画でどんな役がいいかしらと、まるでマネージャーになった気分で、想像の中で色んなコスチュームを着せたり脱がせたり(キャッ!)。

いわゆる古典的美貌ではないけど、中世の騎士の衣装でお姫様を救うロマンチックでクラシックな恋物語もいいし、麻薬でビロビロになるニイちゃん役もできそうだし、そうだ、うんと年上の女性と恋に落ちて苦悩するってのが最高かも、などとオバサンの妄想は広がり、その中でヘイドンは色んな扮装をしてくれました。惚れた弱みかもしれないけど、演技もできる役者と見た。


それに引きかえ全然良くないのはオビワン役のイーワン・マグレガー。彼が大根役者というのでは決してなく、他の映画では良い味出してるのに、このシリーズでは全く血が通ってなくて表情も乏しく表面的。スターウォーズ最新作は3つとも台詞が幼稚でひどいけど、今回彼が出るシーンが特に白ける。ミスキャストとしか言いようがなっくて、残念。

ともあれ、これで6話完結し、ルーク・スカイウォーカーとプリンセス・レイアがどういう状況で生まれて離れ離れになったのかわかって、長いテレビドラマの最終回で全て納得できたようなすっきりした気分になれました。よかったよかった。 チョー-ン!!

london eye county hall london eye pod


ロンドン・アイは、ビッグ・ベンで有名な国会議事堂のテムズ川の斜め向こう側の川の中に立つ大観覧車

数年前に最初の案が出たときは「エーッ、うっそ~! 一番ロンドンらしい威厳のあるとこに遊園地の観覧車? 景観ぶち壊しじゃん 」と酷評されたのですが出来てみたらすごい人気で、一躍ロンドンのナンバーワン観光アトラクションになりました。ロンドン中心には他に高い所から下を見下ろす建物がないですから。観覧料は確か11、2ポンドで所要時間30分。私も4、5回乗りましたが、それぞれのポッドはかなり大きくて、20人程入れるでしょうか、結婚式する人も結構いるようです。


きっと儲かっているんだと誰しも思いますよね。当然です。そこでロンドン・アイが建つ土地の持主がレント契約更新に際し値上げを要求してきました。50%増とかいうかわいいものではなく、びっくり仰天して耳を疑うほどすごい値上げでした。現行で年間65,000ポンドのところ、その地主は


お宅、ごっつう人気でぎょうさん儲かってはりそやないかい。そやから、こんどから2,500,000ポンド払うてもらうことにしましたよって、よろしゅー」と言ったのです。


65,000ポンド→ 2,500,000ポンドですよ。すごいでしょう? 計算機無かったら何倍なのかすらわかりません。・・ペチペチペチ・・おぉ38倍! で、ロンドン・アイ(英国航空が経営)は

冗談お言いやしたら嫌どすえ。そんなん払えるわけおまへんやないの」と言うと、地主は

ほなら出てってもらわんなりまへんな」ということになり、ロンドン中大騒ぎ。有名人たちがロンドン・アイを守ろうキャンペンーンを繰広げ、かしましいこと1週間。


実はロンドンは今2012年のオリンピック誘致に必死なのですが、一番のライバルとされるパリがこともあろうに「ロンドンがほうかるなら、パリに売ってちょ~。オリンピックの目玉にするでよう」と言ったんだそうで、怒ったのがロンドン市長のケン・リビングストン
「僕、ロンドンでオリンピックやりたーい!!」と全身で叫んでいる彼、これでキレました。地主の大将に電話で

「ざけんじゃねえ!! これ以上ガタガタ言いやがると、俺がだまっちゃいねえからな。俺の特別権限で強制売却ってことにできるんだぜ!  てめーは首洗って待ってろい! この大馬鹿野郎めが!」

と一喝。 これでケリチョン。


ken livingstone



きゃーっ、ケンさん、かっこいー!!

と、一躍アクション・ヒーローになりました。市長さんてパワフルなんですね~。そりゃ世界有数の大都市ロンドンの市長さんですもの、当然ご出勤は黒塗り運転手付きの高級車でボディガード付き、と思いますよね? でもね、ちがうんですよ、これが。なんと彼は一人で地下鉄で通ってるんです。私と同じ路線なので何度か同じ車両になったことありますもん。毎日地下鉄出勤かどうかは断言できませんが、庶民的な彼のこと、無駄な経費を削減し、市民と苦しみを分かち合うため(偶然ですが、今朝の地下鉄は信号故障で大混乱)、地下鉄にお乗りになるのでしょうか。靴なんかもピカピカではなく、本当に道を歩いていると思わせるようなくたびれ方。良く言えば信念の人、悪く言えば強硬な態度で色々問題も多いリビングストン氏ですが、ケンさん頑張って欲しいものです。オリンピック開催地決定ももうすぐです。多分パリに負けるんだろうけど。



えー、ところで、「ほれみや~、がめついこと言うでだわ~」と笑いものになってる地主というのは誰かと言いますってーと、これがサウス・バンク・センターという、コンサートホールとギャラリーを運営する公的機関で、50数年前にテムズ川の南岸を再開発して一大文化センターを作ったのです。ロイヤル・フェスティバル・ホール(大)、クリーン・エリザベス・ホール(中)、パーセル・ルーム(小)の3つのコンサート・ホールとハイワード・ギャラリーという臨時展示用のスペースでできています。


私はここに(主にロイヤル・フェスティバル・ホールですが)クラシック音楽を聞きに行くことが多いので、世界中の観光客からふんだくった観光客の方が払って下さった利益がコンサートホールのために使われることには個人的には大賛成で、ロンドン・アイのレント値上げ大いに結構だったのですけどね。あれほど理不尽ではなく、騒ぎにならないギリギリの程度にしておけばよかったのに。


ロンドンはクラシック音楽ファンにとってはおそらく世界一の天国で(オペラはニューヨークとミラノに負けますが)、一流の演奏家をたくさん来てくれるのですが、悲しいかな、音の良い大きなコンサートホールがないのです。ニューヨークのカーネギー・ホールのような音響の素晴らしい会場があったらいいのになあ、と音楽ファンは切望してます。




というわけで、無事一件落着。ロンドンにお越しの際は是非ご搭乗下さい。良い眺めですよ。

(ところで、名古屋弁は標準語訳が必要でしょうか?)