予告通り・・・というか、週末に読むことができたので、内容の紹介とちょっと感想など書いておきたいと思います。
古くからの読者の方はご存知だと思うのですが・・・
このブログは誰のためかっつうと、オイラ自身のための備忘録でございまして・・・
老齢化で日々破壊されゆく脳細胞とそれに伴う記憶の喪失に歯止めをかけるべく・・・というか無くなりゆく記憶を外部に留めておく作業という意味合いもありますので、極めて主観的な記述になりますことをお許しくださいませ。
10倍仕事ができるスタッフを育てる
リーダーの影響力
坂井 徹[著]
中央経済社
アイガのオーナーになって、もう少しで6年目を迎えますが、自慢できることが、ふたつあります。
ひとつ目は、「退職者が圧倒的に少ない!」こと(中略)
ふたつ目は、メンタルヘルスの問題で、長く休業するものが、ひとりもいないこと」(中略)
とにかくみんな素直でよく働きます!
「最近の若い者、ゆとり世代はとても優秀でいいね!」と、私は言い切れる自信があります。
(「はじめに」より)
[構成:章立て]
0:序章(Prologue)
1:「状況」の法則(Situation)
2:「理解」の法則(Understanding)
3:「創造」の法則(Creative)
4:「変換」の法則(Change)
5:「経験」の法則(Experience)
6:「整備」の法則(Set Up)
7:「過程」の法則(Step Up)
X:終章(Epilogue)
[構成:各章](上記1~7)
◆こんな上司に絶対なりたくない
◆こんな素敵な上司に私はなりたい
◆チームとスタッフを成功に導くSUCCESSの法則
◆チームとスタッフを失敗に陥れるFAILUREの法則
◆Key Factor For Success(まとめ~偉人の言葉)
[解説]
(1)リーダーの資質と役割の誤解
「組織におけるリーダーの役割」を多くの人が誤解していると思う。
多くの人はリーダーとは「組織の先頭に立って組織を牽引する人」であり、「率先垂範」の人、「指示・命令」をして「実行を管理する人」みたいな存在だと理解していると思うのですが、著者はそれが、ほんの一部に過ぎず、「リーダー」(Leader=導く人)とは、部下やスタッフ、組織を「成功に導く人」と定義しています。
つまり、部下やスタッフに「成功体験」を積ませるための「良い影響力」を与えることがリーダーの役割だというのです。
著者自信が自らを「強くないリーダー」と表現している通り、なにも先導するだけがリーダーではなく、並走したり、後押ししたりするのもリーダーとしてのやり方(著者はリーディング・スタイルと呼んでいる)であり、自分に合った方法や組織の特性にあった方法を選ぶことの方が重要なのだと説いています。
著者がサラリーマン時代に受けた先輩や上司からの「良い影響」と「悪い影響」を体験的な事例紹介として書かれているので、親近性もあり、分かりやすい内容です。
(上記各章の構成で「こんな上司に絶対なりたくない」「こんな素敵な上司に私はなりたい」の部分)
(2)「成功の法則」と「失敗の法則」
書籍の構成は「成功の法則」の「7つの法則」に基づいて、その順番通りに構成されています。
つまり「状況の法則」ではその法則を解説するにふさわしい「なりたくない上司」と「なりたい上司」の事例が関連付けられているので、法則の内容が実例を通して理解しやすい仕組みになっています。
そして、もうひとつが「やってはならない失敗の法則」。
(書籍では「チームとスタッフを失敗に陥れるFAILUREの法則」と表記されています)
これも「なりたくない上司」の事例に関連付けて、反面教師的な教訓としてまとめられています。
ちなみに「FSILUREの法則」は「SUCCESSの法則同様にその頭文字を取って
Fear:「恐怖」の法則
Arbitrary:「独断」の法則
Irresponsibility:「無責任」の法則
Loathe:「嫌悪」の法則
Unfair:「不当」の法則
Resistance:「反抗」の法則
Egoism:「利己主義」の法則
になっています。
(3)ふたつの読み方とふたつの使い方
どんな実践書もそうですが・・・
読んでいる最中に「う~ん、なるほど・・・」と思い
読み終わったときには「よし、理解できた!」と思うのですが、
いざ実践しようと思うと、端から忘れてしまっている・・・なんてことはありませんか?
もしかして、記憶力の悪い私だけ???(汗)
そんな私でも大丈夫なように、1章読んでは実践し、理解できて、実践での体験で確証を得たら次の章を読む・・・
といった読み方と実践導入もできますし、もちろん頭の良い方でしたら一挙に読んで、一挙に実践も可能です。
しかも、一挙に読んで実践導入したあとも、確認のための部分的な再読にも適したインデックス性を持っていますね。
[感想]
面識のなる著者なので、人となりは知っていたのですが・・・目からウロコでした。
若い(私より一回り以上歳下)のに考え方がしっかりしているというか、小さくても事業をきちんと起動に乗せて、スタッフからの信頼を得ている社長さんというのは、やはり着眼点が違うなぁと感心させられました。
若い起業家や、新規事業を立ち上げた方には素晴らしいリーダーが沢山います。
でも、その人たちが必ずしも先頭に立って「指示」「命令」で組織を「制圧」しているのかというと決してそうではないと思います。スタッフと語らい、悩みを聴き、共に考えるコミュニケーション力や、触れ合う機会を持っているように感じています。
それは何も年齢に関係があるわけでもなく、若くても素晴らしいリーダーは大勢いますし、歳をとっていてもダメなリーダーにも沢山接してきましたが、その共通因子(良い共通点・悪い共通点)が何なのか・・・漠然としていて霧の中にいたのですが、本書でそれが晴れました。
私たちは成長の過程で、親からも、学校の先生からも、就職してからは先輩や上司からも「良い影響」と「悪い影響」の両方を経験しています。
そして、「良い影響」を与えてくれた人たちに感謝し、尊敬しながら人格形成されてきたわけですから、著者が言うように「リーダー」とは単に「指示」「命令」を与え、「実行管理」するのが役割なのではなく、まさに「相手を成功に導く」ために「良い影響を与える」人のことなのだということを、この歳になって、しかも私よりはるかに若い著者から教えていただきました。
それと、本書のもうひとつのメリットは、「リーダーの影響力」というタイトルになっていますが、リーダーに限らず、人として生きていくうえで「良い影響を受けること」と「良い影響を与えること」はとても重要なことで、子育てでも、夫婦間の信頼関係でも、地域活動や趣味の活動でも、人と人とのコミュニケーションがそこにある限り共通の法則が記されているということです。
最後になりましたが、かなり強引ではありますが、このブログのテーマでもある「ペップトーク」に関連づけるなら・・・
「ペップトーク」は聴衆との信頼関係が無いかぎり「相手の心に響くメッセージ」にはなりません。
「ペップトーク」に必要な「信頼関係」とは日常の態度が反映していわけですから、本書を読んで「良い影響を受けること」と「良い影響を与えること」を生活の基軸に置いていれば、必ず「偉大なペップトーカー」になれると思うのです。
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