さよなら、サヨナラ……大切な人
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「こんばんは」
「あぁ、掛居さん、ちゃんと来てくれて良かったわ」
「……」
「いやぁあのね、週初めに遠野さんから掛居さんに代わって
夜間保育をやらせてほしいってお願いされてたのね。
それで何気にまたなんでそういう気持ちになったのか
訊いてみたの。
そしたら夜間保育には必ず相原さんのお子さんが
いるっていうことを掛居さんから聞いたのでって彼女が言ったの。
その時は私も全然遠野さんの意図が読めなくて何も考えず
『凛ちゃんのファンなの?』って訊いたの。
後々考えてみたらピンとこない私もアレなんだけど
『いえ、いや、そうなんです。凛ちゃんも可愛いし、でも私は
凛ちゃんのお父さんとも親しくなれたらと思っています』
って遠野さんに言われちゃって。
気が回らないというか、私としたことか迂闊だったわぁ~。
掛居さんは一連の遠野さんの言動っていうか、
ふるまいというか、気持ち知ってたのかしら?」
「はい、一応。夜間保育したくて立候補するけどいいか、と
いうことは話してもらってました。
でもその後の結果というか報告は聞いてなかったので
今日いつものようにこちらへ来ました。
あの……遠野さんの要望はどうなったのでしょうか?」
「私ね、遠野さんから話を聞いて、ここは彼女の為に
応援するべきかどうか悩んだんだけど、なんかねぇ、
彼女のことをよく知らないっていうのもあって
応援する気になれなかったの。
それでお断りしたわ。
私は掛居さんのガツガツしていないところが好き。
相原くんのお相手が掛居さんだったなら応援する」
きゃあ~、芦田さんったら何を言い出すんですかぁ~、
私は反応に困った。
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