気が付いたら一か月以上もブログをほったらかしにしていました。
すみません。

仕事に子育てに家事に時間もないのに夫が面白いドラマを次々と見つけてきます・・・嗚呼。
最近は二期目が始まった「リーガルハイ」がお気に入りですが以前と比べて古美門センセイの毒気も黛センセイの暴走正義漢っぷりも薄れている気がして残念・・・。
でもきれいごとが苦手な私にとってはまさにツボなドラマです。
数ある強烈なインパクトの毒舌の中でも好きなセリフは「二度と薄っぺらい言葉を吐くな」と「うぬぼれるな。我々は神ではない。ただの弁護士だ。」。

本当に物事の一面しか見ずに正しいだの間違っているだの言うのはこのいけすかない悪徳弁護士よりも傲慢です。
結局、世の中に完全に正しい人間なんて一人もいません。
誰しも気づかずにありを踏み殺している可能性があるように気づかずに人を傷つけている可能性はありますし。
それどころかいいことをしているつもりで実はそうでなかったということもあり得ます。
途上国の支援なんか特に活動内容を詳しく見ないとそういうことはままあります。
「地獄に続く善意で敷き詰められた道」なんていう言葉もあるくらいですからね。

だからと言って何をしてもいいというわけではないと思うので、古美門センセイと黛センセイの対立では基本、全面的に古美門支持の私もたまに黛センセイを応援したくなります。
ガッキー可愛いしね。

正義感あふれる黛センセイは一期目の最終話で古美門センセイと直接対決することになるのですが、その時に古美門の元妻であるアメリカ在住の敏腕弁護士から送られたエールが印象に残っています。
「馬鹿で頑固で夢想家、世界を変えてきたのはいつもそういう人」


前置きが長くなりましたが、まさにその言葉にピッタリな人が実在します。
社会企業家の山口恵理子さん。

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この人の自伝を読みましたが「どれだけ限界を乗り越えれば気が済むの?」と
呆れるくらい、「無理だ」と思われることをいくつもやり遂げています。

高校時代はいじめを克服したくて全国大会に出場するようなレベルの柔道部で男子部員に交じって唯一の女子部員としてしごかれ、
大学受験では受験の数か月前に「今のあなたの学力では絶対に無理」と言われた難関校に猛勉強の末に合格し、
学生になってからは「あなたの英語力では絶対に無理」と言われた世界銀行のインターンでの仕事を英語のもう特訓の末、獲得。

世界銀行で大組織による途上国支援の限界を感じ、社会企業家をめざし、まずは最貧国の現状を知るためにバングラデシュの大学院に留学し、インフラもろくに整わない環境で生活。
企業家になってからも現地の委託先に裏切られたり、鞄を作るために日本の鞄職人さんたちに弟子入りしようとして門前払いを食らったり、などなど。

おそらく成功している企業家でも要領のいい人はとっくに見切りをつけて別の方法を考えるでしょうし、現地の委託先に裏切られたりした経験など人によっては180度方向転換してもおかしくはなさそうです。
それでもくらいついて、くらいついて彼女は限界を超えてきました。

自伝を読んで私は正直、「何もここまでしなくても・・・」と絶句したのですが、でも現実に彼女はやり遂げています。

「努力できるのも才能のうちだ。」と言ったのは彼女の話しを私から聞いた夫でした。
「人間、死ぬ気になれば何でもできる。」とは言いますが、本当にそれをやり遂げる人間はごくわずかです。

私はこれまで何か一つでもやり遂げようと思ったことをやり遂げたことがあったかなあ・・・。
対人関係でも真剣に向き合うのが苦手ですし。

私はどちらかというと「人間向き不向きがあるので不向きなことは無理してでもする必要はない」という考え方なので彼女の生き方を全部賛成しているわけではないし、彼女のまねは到底できませんが、でも彼女の生き方を見ていると勇気がもらえるし自分も頑張ってみようという気になります。