ピースボートステーション|地球一周の旅を学び遊ぶ
2011-10-11 09:28:04

オランダ寄港_モンテッソーリ教育の原点を見つめて

テーマ:2011年夏洋上レポート
オランダは、アムステルダムに寄港しました。

少し長くなりますが、
「ピースボート子どもの家」の子どもたち、親たち、そして先生達も楽しみにしていたツアー
その名も、『モンテッソーリ教育の原点を見つめて』の様子をお届けします。 



アムステルダムは人口70万人のオランダの首都であり、マリア・モンテッソーリさんが長年暮らしていた場所です。
イタリアに生まれた彼女が、戦争を逃れるようにしてスペイン、インドを経て晩年を暮らしたこの地には、
しっかりとモンテッソーリの精神が受け継がれています。国際モンテッソーリ協会の本部も、ここにあります。 


70万人の人口に対し、モンテッソーリ小学校は20校あるそう。
なんと、小学校全体の10%以上がモンテッソーリスクールというから、ビックリです。
小学校だけでなく、幼稚園から高校まであるモンテッソーリスクールも、アムステルダムだけで3校もあります。 

モンテッソーリ教育が小学校全体の10%もあるため、その新しい教育方法は公教育へもしっかり
影響しているといいます。
しかも、さまざまな「新しい教育」(モンテッソーリはもちろん、他にもシュタイナー、イエナプランなど)
に対して国の公的な補助があります。従来型の教育を行う公立の学校ではなく、こうした教育を選ん
だ親の子ども達は、無料でモンテッソーリスクールに通うことができます。 


「無料で最高の教育を選べるなんて!」と驚く参加者達に対して、バスに同行してくれた
モンテッソーリ教師のシモーンは、涼しい顔で、


「そうよね。
 でも逆に、ここに長く住んでいると、子どものための教育を自分で選べない国があることのほうが
 おかしいと感じるようになるのよ。なにより大事な子どもの教育について、選択肢がないなんてお
 かしいでしょう?」
と応えてくれました。

シモーンは、オーストラリア出身のモンテッソーリ教師。異なるものを受け入れる懐が深い、
リベラルなオランダの文化に惹かれて、パートナーと共にここに移住してきたそうです。 


そんなモンテッソーリ教育の本場で、協会の本部を訪れて話を聞いたり、モンテッソーリ園を見学したり
できるこのツアーに参加したのは、ないきくん、にこちゃん、みりちゃん、りほちゃん、ももちゃん、あんちゃん
の6人とその家族です。


まずはアムステルダムの美しい街の中にある、モンテッソーリ協会の本部を訪れました。

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モンテッソーリさんが最後暮らしていた家がそのまま残されていて、
書斎などの雰囲気を楽しむこともできるようになっています。歴史を感じます。


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モンテッソーリ国際資格を持つ美賀子先生は、建物の外側で「AMI(国際モンテッソーリ協会)」の
マークを見ただけで大興奮!「まさかここに来られるとは思わなかったー!!」と、中に入る前から
大感激しています。笑 



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ウェルカムドリンクや手作りのお菓子をいただいてから、大人たちは協会を代表するヨーカさんから、

マリア・モンテッソーリの歴史や、この街に縁のあるモンテッソーリ・チャイルド、アンネ・フランク
(「アンネの日記」著者)の話を聞きました。 


その間子どもたちが案内されたのは、見慣れた教具がずらりとならんだ子どもの部屋。

 
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これには今度は子どもたちが大興奮です!

「これしってるー!」 「こどものいえにもあるー!」 「あっ、てっせいはめこみだー!」 
とくまなくプレイルームを見てまわります。



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4歳のみりちゃんは、「ねーねー、つむぼうやりたい」とさっそくお仕事をはじめました。


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モンテッソーリの教具は世界共通。
100年前に開発され、少しずつ改良を加えながら今も世界中で愛されています。
医師だったマリア・モンテッソーリさんが子ども達を観察しぬいて考案した、世界共通の、
子どもの発達に寄りそった教具なのです。 


7歳のにこちゃんは、ピースボートの子どもの家にはない、温覚板のお仕事をやりたい、と持ってきます。

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子どもの家と同じように美賀子先生がやり方を提供し、いろいろな温度の物質を触り、感触を確かめています。 

4歳のももちゃんは終始、本物そっくりに作られたミニチュアの動物たちで遊んでいました。

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 6歳までの子ども達は、「この世界はどんな場所なんだろう」と模索する時期にいます。
モンテッソーリ教育では、この時期の子ども達に、なるべくなんでも実体験を提供すること、
そしてそれが難しい場合は「本物に近い具体物」を提供することを大切にしています。

このミニチュアも、大人も見惚れるくらいに精巧につくられています。
馬なんて、折れそうなくらい細い足なのにしっかりと立っています。
ももちゃんとりほちゃん、それに1歳のあんちゃんも、夢中で牛や馬を走らせていました。 

つむ棒のあとは、ちょっと難しい「三項式」にも夢中のみりちゃんでした。
 
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ちなみに協会の中には、『日本』という書道の壁飾りや、数のビーズでできている、真っ白で美しく光る、
五重塔もありました。
まさかこんなところで日本に触れられるとは思わず、大人たちもほっこり。
 
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さてさて、国際モンテッソーリ協会本部をあとにして向かったのは、
2言語で保育を行っているモンテッソーリ園、「Two Voices」です。 


0歳児からが通うスクールで2言語教育なんて、「早期教育」「エリート教育」という声が聞こえてきそうですが、
決してそうではありません。ここオランダは移民を広く受け入れている、多言語国家です。

全ての大人が少なくても英語とオランダ語を流暢に使いこなしていて、3言語・4言語話せるのもあたりまえ。

日常的に多言語や多文化に触れることが出来るこうした文化圏では、
世界にはいくつもの言葉があることを
小さなうちから体験することは、
「早期教育」ではなく、生きていくために必要なスキルなのです。
 
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「2 Voices Montessori School」まで、モンテッソーリ協会本部から徒歩で15分ほど。
車どおりも少なく、とても静かで落ち着いた町中、そして公園の中を、みんなでのんびり歩きます。

途中、トゥーボイセスの代表であるハイディさんのパートナー、エイドリアンさんと息子のフレディくんが、
長~い4人乗りの自転車で迎えに来てくれました。これには子どもたちも大喜び。

ないきくん、にこちゃん、ももちゃんの3人が自転車に乗せてもらいます。

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アムステルダムは自転車の町で、いろいろな形の子ども乗せ自転車に出会いましたが、
4人乗りは楽しい、楽しい♪


トゥーボイセス モンテッソーリスクールに到着です。

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子ども達がそれぞれの仕事に集中できるよう、室内はいくつかの小さなお部屋に分かれていました。
壁の上半分は窓の部分が多く、子どもの集中力を妨げることなく大人が全体を見渡せるようなつくりに
なっていて、それぞれに環境が整えられています。 


中に入るなり、子どもたちは初めての環境に飛びつきます。

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「これなにー?」 「やりたいー!」  と、どんどん自分のお仕事を見つけてきます。

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先生たちがとっても素敵で、子どもたちが何かに興味を示しているのを見つけると、そっとそばに寄り添い、
「これはこうするのよ」と身振りで示します。


言葉は通じないけれど、本来お仕事の提供に、余計な言葉を必要としないモンテッソーリ。
自然と子どもたちは、外国語の先生たちといっしょにお仕事を始めます。 

1歳のあんちゃんは、最近子どもの家でもよくしている「スポンジ絞り」のお仕事を始めました。
その直前に水道で遊んでいたあんちゃん。水の感触が楽しくて仕方がないのを見た先生が、
スポンジ絞りのお仕事をそっと紹介してくれたのでした。


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4歳のみりちゃんは窓拭きのお仕事に夢中です。

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水を運ぶときにこぼしてしまった水も、自分でモップを使って拭く方法を見せてもらい、すぐに挑戦しました。

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このしばらく後、他の子が水道を使った後に床が濡れているのに気づいたみりちゃん。
自分でモップを持ってきて、せっせと床を拭いていました。
その光景を見た先生たち、思わず顔を見合わせて、”やった!”とにやりと笑ってしまいました。

こんな短時間でも、自分でできる!を見つけてお仕事しているみりちゃん、キラキラしていました。 

4歳のももちゃんがこれやりたい、と持ってきたのは、オレンジを絞るお仕事。
ジューサーを使って、本物のオレンジをギュギュッと絞ります。

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時間をかけて自分で絞ったジュースは、普段お店で買って飲むオレンジジュースとは一味違うはずです。 

ジュースを飲み終わったももちゃん。
「どこにかたづけるの?」と身振りで先生に聞くと、案内されたのは、流しのある水場。
もちろん、子どもにピッタリの高さに作られています。
大きなたらいに石鹸水がためられていて、やっぱり子どもの手にぴったりのサイズのブラシを使って、
自分で食器を洗います。


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 子どもって、本来自分で自分のことをしたり、お手伝いをしたりするのが大好きなんですね。
自分で食器も洗い終えたももちゃん、とっても満足げでした。 

6歳のないきくんの姿が見当たらない、と思ったら、
別の部屋で9歳のフレディくんといっしょに、ヨーロッパの地図のお仕事をしていました。

どこの国に行ってもお友だちを作るのが上手なないきくん、身振り手振りの会話力が素晴らしいです。
フレディくんが優しいお兄ちゃんだったことも手伝って、ここオランダでも、大切なお友だちができました。

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食事やおやつのスペースも、子どもたちが自分でできるように整えられています。
食器やおやつが置いてあるのは、子どもの高さの低い棚。
水色のランチョンマットにはお皿を置く場所とコップを置く場所が、お皿とコップの形に合わせて白くなっています。

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先生たちが何も言わなくても、おやつを食べたい子どもが自分で配膳し、ランチョンマットの白い形に
合わせて食器を置いています。


テーブルには子どもサイズの小さいピッチャーが置かれ、ミルクとお水を自分で選んで注げるように
なっています。食べ終わった食器は自分でワゴンに運びます。ここにもお皿とコップに合わせた丸が
描かれていて、どこに置けばいいのか、一目で分かります。

 
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実際に、今ここに来たばかりの日本の子どもたちも、すんなり自分の食器を片付けることができていました。
子どものできることは、環境しだいでぐんと広がります。 

続いては、
歩いてほど近くにあるジャカランダ・モンテッソーリスクールに移動します。

 ここは0歳から4歳の子どもたちが通う、国際モンテッソーリ協会公認のモンテッソーリスクール。
0歳児は保護者と一緒にやってきて、先生達と会話を楽しみながら子どもの育ちを応援する方法を学びます。
親教育にも力を入れるモンテッソーリスクールならではです。

見学が終わった後は、お待ちかねのランチ!
バスでホルタス植物園に移動し、その中にあるカフェでランチをいただきます。
卵やチーズ、ハムの入ったサンドイッチやスープをいただきながら、現地の方と交流です。

モンテッソーリ教師になる方法を教えてもらったり、オランダの教育について質疑応答があったり。
参加者の多くが学校の先生、幼稚園の先生、それに親たちだったからか、質問は途切れることなく続きました。
 
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ご飯を食べ終わり、飽きてしまった子どもたちは、フレディくんといっしょに植物園に出かけます。

「ここは僕の庭のようなものだから!」とフレディ君が案内してくれます。 

静かに入っていけば手に蝶がとまる熱帯ハウス、ヨーロッパに初めて入ってきたコーヒーの木など、
植物も思う存分満喫して、子ども達はすっかり大満足。


「あむすてるだむ、おもしろかった!」とニコニコで帰路につきました。 

とっても濃く深く、モンテッソーリ教育に触れたこの日、モンテッソーリに更なる興味を抱いた参加者の方も多かったようです。 

9月4日、日曜日だったこの日、実はトゥーボイセス・モンテッソーリスクールと、ジャカランダ・モンテッソーリスクールは、明日から新学期が始まるというとっても忙しい時期だったのでした。

そんな時にも関わらず、快く私たちや子どもたちを受け入れてくれたアムステルダムの人たちには、
本当に感謝感謝です。素敵な一日をありがとうございました。
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