俺のバルチック艦隊。 | 四次元逍遥

四次元逍遥

秋田市にあるセレクトアンティークのパウセです。
店主である僕が訥々と言葉の変化球を投げるふりをします。
ついでに店の紹介もするかもしれません。

 こんにちは。

いやー、年末ですね!

クリスマスが終わってお正月までの期間って

なんか惰性というか、存在感の薄い日々だと思いませんか?

大掃除とお正月の準備はあるんだけど、なんかすぐに過ぎ去るというか。

この時期だけ毎年、ユニコーンの「雪が降る町」を聴きたくなります。


 本題。
 
ところで毎年年末は「坂の上の雲」を楽しみに見ています。

今年で二年目。来年の年末で終わる、三年がかりのスケールの大きいお話です。

今年の分は既に終わったのですが、その中でバルチック艦隊の名が出てきたのでそれ関係で。

 
 バルト三国を放浪していた時、バルト海沿いの町、ラトビアのリエパーヤという町に行きました。

まあ、何にもない町で駅も売店が一つあるだけという素っ気なさ。

首都リガで貰っていた、リエパーヤがほんのちょっとだけ載っているリーフレットだけが頼り。

なんとなく「海の大聖堂」という存在が気になって(寂しそうなものに惹かれる)

その教会を見に行くことにしたのですが、軍港地区という、

一言でいえばかなり治安の悪い場所だったのでもうドキドキ。

駅からもかなり離れてるっぽく、インフォメーションも近くには見あたらず、途方に暮れる俺。

今はどうかわかんないけど、英語も全く通じなかったので本当に困っていたら、

東洋人が珍しいのか、タクシーの運ちゃん達が数人集まって来てラトビア語でなんか言ってるし。

とにかく海の大聖堂の小さな写真を見せたら、一人の若い兄ちゃんを紹介された。

彼は身振りで車に乗れというので素直に中に乗り込むと、既に数人の人が乗っていた。

どうも路線バスとタクシーの間っぽいシステムの乗り物のようで、

すでに乗っていた人の行きたい場所へ寄りつつ、最後に海の大聖堂の前まで連れて行ってくれたではないか!

「いくら?」とお金を出すそぶりをしても、「いらない」と手を振る兄ちゃんに漢を感じたze。

ちょっと遠くに見える大聖堂。
$四次元逍遥-海の大聖堂 全景

この後、大聖堂までのアプローチでドラッグ中毒者(ジャンキー)に

絡まれるというリアル体験を経るも、なんとか無事たどり着く。マジ怖い。。。

近づいて見上げてみる。
$四次元逍遥-海の大聖堂 見上げる

なんか、めっちゃ修復中なんすけど?

こんな大聖堂のすぐ横には、正にソ連!という殺風景な団地があるし。

まあ、ちょっとかわいいけど!
$四次元逍遥-まさにソ連


内部に入ってみると、礼拝が行われていた。

ロシア正教の礼拝中の男性だけの歌声GROOVEに圧倒される。

あれはすげーぜ!マジ超グルーブ!!

内部の写真撮影が良かったかわからないけど、一応載せときます。

ダメだったすぐ削除しますので。
$四次元逍遥-海の大聖堂 内部

写真左前のおばさん達が、中央の祭壇にローソクを供える様子をボーッと眺めていると、

一人のおばさんが「あなたもおやりなさい」と目配せをしてくる。

背負っていたバックパックを置いて、ローソクを受取り、祭壇の真ん前へ。

またもや超グルーブ!!!

なんとか見よう見まねでローソクを供えてきました。


 一安心して入り口付近のレリーフを眺めていたら、一枚だけ英語で書かれた説明書きが。

なんとこの聖堂は、バルチック艦隊が日本海に向けて出航する際に

建立したという旨が書かれているではないか!

なんか100年前に思いを巡らしながら、グルーブに身を委ねながら、胸が熱くなった訳ですよ!


 来る時に乗せてくれた兄ちゃんが指差して教えてくれたバス停でボーッと待っていたが、

バスらしきものは全てスルーしていく。数台は確実に過ぎ去っていった。

何故だ?と思っていたら、道路の向こう側から中指を立ててくる危険な連中がいることに気付く。

なんかラトビア語で叫んでいるが、当然何言ってるかわからない。

業を煮やしたのか姿を現すと、そいつらは子供達だった。

結構かわいいのでちょっと安心。
$四次元逍遥-子供達

どうやらバスに乗れない俺にアドバイスを送っていたようだ。

しかし中指を立てるのは頂けない。(意味をわかっていないようだったが)

学校で少しだけ英語を習った様で、ほんの少しだけ話がでした。

デジカメで写真を撮らせろという男の子。

撮らせてみたけど、見事なものです!

$四次元逍遥


$四次元逍遥

結局、バスは手を挙げて合図をしないと停まってくれないことが判明し、

彼らが停めてくれました。


 まあ、最終的には色んな意味で心に残ったリエパーヤでした。

なんか坂の上の雲をみたら思い出しちゃって、長文を書いてみました。