2007-05-02 00:08:53

KSR事件最高裁判決分析

テーマ:特許実務に関わる諸々の話題

KSR事件最高裁判決(4月30日)を読んでみた。


・TSMおよびグラハムテストは矛盾しない。但し、TSMテストを厳格に適用するのは誤り。非自明性があるといえるためには、unpredicted resultが必要。


・同じ分野の技術であれ違う分野の技術であれそれが組合せである場合、それらの引例の組合せが特に同じデバイスで適用される場合、各文献の発明の目的が異なるからといって、組合せの自明性を否定する根拠にはならない。また、組合せの自明性のコンサイスな理由を証明する必要はない。必要が理由は、市場の要求に応じて当業者は適宜設計変更するのが通常だからである。


実務への影響

審査官は、まずは発明が、組み合わせの技術であり構成を全て開示若しくは示唆ことを指摘すれば、よいことになりそうだ。すなわち、一応自明性の立証責任を果たしたことになる。従来は、組合せの動機付けの理由を求めることにより、苦しんだ審査官は許可をすることもあった。これは、ひとえに、CAFCがTSMテストを厳格に適用した場合、動機付けがあることの理由を詳細に要求することになっていたからである。審査官は、今までのように、第一義的には厳格な各引例を組み合わせることの動機付けの説明は不要とされよう。また様々な分野から引例を組み合わせることが可能になろう。


すなわち、引例に開示又は示唆がある構成の組合せにより自明と一度指摘されると、実質的に非自明性の立証責任は出願人に実質的に転嫁されることになろう。上述の意味で、103条のフレキシブルにTSM・グラハムテスト適用するべしというのは最高裁は良く名付けたものだと感心する。

曖昧な判断だという指摘もあるが、「自明であること」の定義や要件の列挙はそもそも困難である。一方、最高裁は、非自明性の例について列挙はしている。判例は、世論のITに代表される特許の質の維持と審査の迅速化を考慮していると思われる。


出願人としては、組合せと指摘された場合、TSMテストに依拠しつつ、最高裁判例に列挙されている非自明性の立証の例(例えばunpredicted resultが得られるなど)に当てはめながら、非自明性を立証する労力が今後求められよう。欧州、日本では当たり前のことではあるが。

IT業界は小躍りしているようだが、TSM自体の適用は不変であると思われる。判例が一人歩きし無いように注視したい。

以上が速報である。


不正確な点があればご指摘をお願い致します。

AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

patentさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。