特許庁ホームページに「特許行政年次報告書2012年版~グローバルな知的財産システムの実現に向けた競争と協調~」が掲載された。
 
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/rireki/what.htm


 上記報告書 「第1部 産業財産権をめぐる動向 第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状 実用新案」 において以下のように報告している。


 ①実用新案登録出願件数の推移
 1994年に無審査登録制度である新実用新案制度に移行して以降、実用新案登録出願件数は減少の一途をたどっていた。こうした状況の中、制度の利便性向上を図るため、①実用新案権の存続期間の延長、②実用新案登録料の引下げ、③訂正の許容範囲拡大、④実用新案登録に基づく特許出願の可能化、を柱とする改正実用新案制度が、2005年4月から施行された。この改正実用新案制度の施行に伴い、実用新案登録出願件数は、2005年に前年比43%増の11,386件に達した。その後は漸減し、2011年は7,984件であった。

知財雑感ブログ-実用新案登録出願件数の推移


 ②実用新案技術評価書作成件数の推移
 実体審査を行わない新実用新案制度においては、権利を行使するに当たり、実用新案技術評価書を提示して警告を行うことが必要である(実用新案法第29条の2)。この技術評価書は、権利の有効性を判断する材料として、出願された考案に対し、審査官が新規性、進歩性などに関する評価を行い、請求者に通知するものである(実用新案法第12条、第13条)。
 実用新案技術評価書の作成件数は減少傾向にあり、2011 年は597 件(前年比17%減)であった。

知財雑感ブログ-評価書作成件数の推移


  ちなにみ、中国における実用新案登録出願件数の推移は


知財雑感ブログ-中国における実用新案登録出願件数の推移


となっており、日本とは比較にならない。


 日本では実用新案制度の利便性向上を図った、2005年4月1日施行の改正実用新案法でも出願件数を継続して伸ばすことができなかった。


何故だろう。 


 ライフサイクルの短い商品に関しては、特許出願よりも実用新案登録出願をして早期権利化を図った方がコストも安く、得策ではないかと思うが。


 時間とコストをかけて特許を取得したとしても、実際に特許侵害事件が起きたとき、相手方に警告書を出すものの、何故か権利侵害として訴追することには躊躇し、結局断念したケースを知っているので、そうならば特許ではなく、実用新案権でも取得しておけばよかったのにと思ったことがあった。

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