吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。


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子供の頃、私は色々なものを集めた。
 

メンコ、、、ビー玉、、、記念切手、、、それからシブいところでは酒ブタ(一升瓶の蓋)etc。。。
 

もっともこれは私だけではなくて、当時、友達の多くがそうだったのだが、、。

 

 

ちなみに、メンコとビー玉は毎日の遊びの中で使っていた 「実用品」 だが、その他のものは眺めて喜ぶだけのもの、、つまり純粋なコレクション。

 

 

記憶を辿れば、女の子の友達でも 「リカちゃん人形」 をいくつも持っている子がいたが、これはリカちゃんごっこをするための実用的なアイテム。

 

ビーズなどもしかり。

 

身に着けて出掛けたり、使ったりすることのないものを集め続ける女の子は、、記憶にない。

 

 

やはり、全く使いもしないものをやたらに集める、いわゆる 「収集癖」  は、男子特有の病気(?)であると言えるのではないだろうか。


そう考えると、、、99%以上のパスタイムのお客様が男性であることも(修理品のお客様を除く)、 至極納得がいくのだ。

 

 

 

日頃 「マサさんは、どんな時計をお持ちですか?」 とか 「やっぱり個人的なコレクションをお持ちなんでしょうねー?」 などと聞かれることが多い。
 

それはパスタイムのお客様のこともあれば、酒の席で隣り合わせた酔客だったりもするのだが、、、いずれにせよアンティーク時計屋の親父という商売柄、さぞかし珍しい時計を沢山持っている(隠匿している?)だろう、と思うのは、自然だろう。

 

 

しかし残念ながら、、、私はアンティーク時計を一つも持っていない。

 

理由は二つ。

 

 

一つ目は、コレクションするに相応しい資力がないから。

 

店を始めてこの春で27年が経つが、、、いまだに毎月月末になると精神不安定(?)になるような有様で、、小遣いの全ては 「釣り」 と 「酒」 に消えている有様(涙)。

 

常連のOさんのように 「財力は無いけど散財力はあるんだよなー、、。」 などと言いながら時計を集め続けることができないのだ。

 

 

二つ目は、最初から 「持たない」 と決めているから。

 

ひとつでも 「個人用」 の時計を持てば最後、、、子供の頃のビー玉やメンコと同様、大量に集めたくなるのが判り切っているのだ。

 

しかし、いくら私が素晴らしい時計コレクションを自慢しても、喜ぶ人などいない。

 

周りからは自慢話をうるさがられるだけだし、、お客様は  「特別いい時計は自分が取っちゃって、そうでないものしか売ってないじゃんかー」 と思うだろう。

 

 

しかし、、、実はあったのだ。

 

私が集めても資力的に問題なく、そして、お客様に嫌がられることのない㊙コレクション(?!)が!!

 

 

「時計の格好になっているが時計ではない」 アイテムのコレクション。

 

まだまだコレクションと呼べるような数ではないが、、、これからも、少しずつ集めてゆきたいと秘かに楽しみにしているのだ。

 

 

 

マサズパスタイム オフィシャルサイト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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WBCが終わった。

 

アメリカ本土に乗り込んだ侍ジャパンがやってくれると期待していたのだが、、。

 

「WBC効果」 の投稿でお話しした通り、このところはずっと飲みに行かずに済んでいたのに、、、一昨日の晩はあまりの悔しさに、国立で朝まで飲んでしまった。。

 

さながら 「逆WBC効果」 か?

 

 

さてさて、今日は、先日の時計の続きで、 「巻止め」 の製作。

 

巻止めとは、一部の懐中時計、主にイギリス、スイス、フランス、ドイツあたりの時計に搭載されている機能で、ゼンマイの巻き上げを規制するためのもの。

 

一般的な手巻きの時計のゼンマイを巻いたことのある人は解ると思うが、ジコジコとゼンマイを巻き上げると、最後にはうにゅーっという感じで、それ以上巻けなくなる。

 

つまり、それがゼンマイの 「巻き終わり」 ということ。

 

この時、香箱の中で、ゼンマイは本当に目一杯巻かれた状態になっているから、ゼンマイの力は極端に強くなっていて、時計の部品にとっては、かなり辛い。

 

時計屋さんから 「あんまり巻き過ぎると、ゼンマイが切れちゃうよ」 と言われた方もいらっしゃるのではないだろうか?

 

 

これは部品にとって辛いだけでなくて、時計の精度にも悪影響を及ぼす。

 

簡単に言うと、、、一杯一杯まで巻き上げた直後の時の動力のトルクと、しばらくしてゼンマイが少し解けてきた時のトルクにかなりの差があるから、それぞれの状態における時計の精度に差が生じ易いのだ。

 

これを減じるために、時計史上においては数々の工夫がなされてきたのだが、その中の一つが、この 「巻止め」。

 

これは、香箱の中でゼンマイがギューギューに巻き絞られる前の段階で、巻き上げがロックされるよう制御するのが狙い。

 

同時に、巻き絞られた際の強すぎるトルクの緩和だけではなく、解ける寸前のトルクの弱すぎる状態も除外しているのだ。

 

 

まあ、巻止めの構造その他に関しては、パスタイムのホームページの方をご参考頂くとして、この 「巻止め」、 通常は特殊な形状をした歯車(マルテスクロス)と、カブトムシの頭のような形状の部品(フィンガーピース)の二つによって構成されているのだが、、、困ったことに、これらが無くなってしまっている個体が非常に多い。

 

パスタイムでお預かりするアンティーク時計で言うと、、、ざっと7割はあるだろうか。

 

つまり、元々巻止めのついている仕様の時計の7割程度はどちらか一方の部品、若しくは両方とも無くなっているということになる。

 

勿論、普通に使っていて部品が無くなることはない訳だから、、、これは時計屋の仕業ということになるが、、。

 

 

ちなみに、巻止めの搭載されている時計は全体から見るとごく一部、それもある程度高級な時計に限られているので、、これに馴れている時計屋は非常に少ないのが現状。

 

それに、基本的に無くなっても時計はとりあえず動く部品だけに、無くなってしまったのは持ち主に分からず、始末に悪い(?)。

 

分解作業中に ガシャ、 「アチャー!」 と壊してしまったり、 「何だか見慣れないものがついてんなー。 訳わかんないから外しとくかー」 みたいな風景が想像されるのだが、、。

 

 

幸い、今回の時計の場合は、歯車は無事で、フィンガーピースのみの欠損。

 

ある程度元になるブランクもパスタイムの在庫にあったから、完全な板材からの削り出しではなく、、、オーナーにとっても私にとっても、最悪な事態(?)は逃れたと言える。

 

作業工程は以下の通り。

 

 

 

 

元になるブランクを、横に置いたところ。

こいつの寸法、形状を加工し、仕上げる

 

クサビの通過する切れ込みの加工開始

 

 

切れ込みの加工、先端の長さ、形状の加工調整、完了 

 

 

上面の鏡面仕上げ 段階1

 

 

鏡面仕上げ 段階2 研磨剤の番手を更に上げる

 

 

上面の鏡面仕上げ、及び外周部分の面取り仕上げ完了

 

 

香箱に取り付けた状態

オリジナルの歯車と同仕様の仕上がりになっているのがお判りいただけるでしょうか?

 

 

 

 

 

マサズパスタイム オフィシャルサイト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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このところすっかり春めいてきて、嬉しくて仕方ない。

 

以前から何度もお話ししているが、私は暑い分にはいくら暑くても構わない 「夏好き」 で、冬は大嫌いなのだ。

 

例年、11月に入る頃から次第にテンションが下がってゆき、そこから3月くらいまではひたすら我慢の日々。

 

今時分からようやっとテンションが上向くが、、、残念なことにこの時期は宿敵の 「杉花粉」 が飛んでいて、本格的に気分の高揚するのは、ゴールデンウィーク頃から。

 

つまり、快適なのは一年のうちたった半分ということになり、、、そういう意味では 「地球温暖化」 大歓迎、日本も完全に熱帯化し、冬など無くなってしまえばいいと本気で思うほどなのだ!!

 

 

さてさて、冗談はさておき、今日は久しぶりにアンティーク時計の修理のお話し。

 

気分のいい今日、朝イチの仕事は、懐中時計の香箱芯の修理だった。


 

機械式時計の構造に詳しくない方のために簡単に説明すると、、香箱芯とは、ゼンマイの格納されている香箱という 「空洞の歯車の芯棒」 のこと。

 

通常の 「手巻きの時計」 の場合、リューズ巻きの時計ならリューズで、鍵巻きの時計なら鍵でゼンマイを巻き上げることになるが、いずれの場合も、ゼンマイの巻き上げ動作とは、この「香箱芯にゼンマイをクルクルと巻き付けてゆく動作」 ということが出来る。

 

イメージとしては、コーンビーフの缶を開ける際に、付属の芯棒に蓋の縁をクルクルと巻き付けていく動作のような、、、といってもこれは大分昔の話かもしれないな、、(笑)

 

いずれにせよ、巻きつけられたゼンマイが蚊取り線香のような元の姿に戻ろうとして反発力を生み、これが香箱の回転力になる。

 

そしてこれが順繰りに香箱以降の歯車に伝わり、時計を動かすことになる、つまり、ゼンマイを巻き上げることが出来なければ、何も始まらないのだ。

 

 

一口に懐中時計の香箱芯といっても色々な形状のものがあるが、昨晩修復を開始した 「19世紀後期のスイス製クロノメーター懐中時計」 の場合、香箱芯はラチェットホイールと一体の芯にリング状のバンド部分がネジ止めされる、複雑な形状をしている。

 

どんな香箱芯にも、必ずゼンマイの内端(ゼンマイの始まりの部分)を引っ掛ける 「ツメ」 が必要なのだが、元々強い力の掛かる部分であるため磨耗したり、過去の分解作業中の不手際によって変形していることがある。

 

 

ちなみにこの時計の場合、おそらくツメは磨耗したのではなく、リング状の部分を香箱芯から外す際に、ペンチかプライヤーのような工具で掴んだことによって、潰れてしまっているように見え、、、ゼンマイが全く引っ掛からないことはないが、いつ外れてもおかしくない状態。

 

動力源として、特に強いゼンマイを必要とするこのクロノメーター懐中時計の場合、このままでは到底不充分なのだ。

 

 

行った修復のプロセスは、下記の通り。

 

①既存のツメの撤去・穴開け

 

この時代の懐中時計の多くの場合、ツメとリング部分は一体ではなく、リング部分に開けた穴に鋼材が圧入、またはネジ止めされ、その後整形されている

 

既存のツメを引っ張り出すことは事実上不可能であるから、該当部分にそのまま新たな穴を

開けてゆく

(よくあることだが、この時計の場合も、穴開けをしている途中で古いツメの切片がポロッと取れてきた)

 

②穴に圧入する鋼材を時計旋盤により製作し、リング部分に強く圧入する

 

ゼンマイを巻いているうちに緩んできてはまずいので、この寸法・圧入感は非常に重要。

 

③圧入した切片を整形し、ツメの形を整えて、完了

 

時計の修理項目の中には、正直言って非常に面倒な 「嫌な作業」 があるのだが、、、どういう訳だか、私はこの香箱芯のツメの修復作業が好きで、気分的にちっとも苦にならない。

 

特にこんな暖かい春の日差しの下での作業となると、、時間さえ許せば、何個でも続けてやっていたいような気がするほどなのだ。

 

マサズパスタイム オフィシャルサイト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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