2015-09-06 11:00:00

バッキンガム宮殿特集:サックスブルーに染まるクィーンのプライベート空間

テーマ:バッキンガム宮殿特集

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~バッキンガム宮殿とアンティーク家具~


サックスブルーに染まるクィーンのプライベート空間

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美しく柔らかなブルーで彩られた部屋の絵があります。




タイトルは 「The Queen's Boudoir. 」。
1912年作・Arthur Reginald Smith(1871-1934)。


「Boudoir/ブドワール」とは「(女性の)私室」の意味。

「すねるための部屋」という可愛らしい意味もあります。



当時貴婦人が本当に寛ぐためのプライベートスペースとして設えられ、
ごく近しい人間しか入ることを許されなかった場所がブドワール。



女性らしい美しさに満ちたこの部屋は、誰のものだったのでしょうか。


この絵が描かれた1912年、ヴィクトリア女王が1901年になくなり、
ジョージ5世の治世でした。


1912年時点での王妃はフランツ・フォン・テックの長女ヴィクトリア・メアリー・テック。





1936年に撮影された写真でも、それを裏付けるかのように

以下のタイトルがつけられています。


Writing Table in Queen Mary's Sitting Room.

[Buckingham Palace Photographs, 1936]。




少しだけ置かれている家具は変わっていますが、同じ部屋と考えて間違いないでしょう。



父方からドイツ系、母方からイングランド系の血を受け継いでいたメアリーは、第一次大戦時、国民がドイツを敵視したことから父方の血筋を否定したり、夫であるジョージ5世がナショナリズムを意識した王室の意向を大々的に宣伝した際には陰ひなたとなって協力したといわれます。



夫の国政運営をサポートし続け、軍人や死傷者達に直接面会して親しく慰め続けるなど、王妃としての責務を誠実なまでに実行した強い王妃。


前述の美しいブルーの部屋は、気丈で誠実、そして極端なほど
厳格であったといわれるメアリー王妃のプライベート・ルームなのです。



このパステルがかった優しいブルーは「サックス・ブルー/saxe blue」と呼ばれます。


サックスはドイツの地方ザクセンの英語名で、サクソン人の故郷とされています。
つまり、サックスブルーは「サクソンの青」という意味。


1860年頃 サックスブルーのウォーキングドレス




メアリー王妃の父方のヴュルテンベルクとは
少しだけ離れていますが、そこは同じドイツ帝国。


ひょっとして、彼女は故郷の血を否定する一方で、
ごくプライベートな空間だけは、故郷の空を思わせるブルーに囲まれて
心を癒したかったのかもしれません。



実は彼女のプライベートなモノグラムも柔らかなブルー。




サックスブルーは品格を持ちつつも、優しく寛げる雰囲気を保てる魅力的な色。

アンティーク家具とのバランスも最高です。



パンカーダのアンティーク家具をサックスブルーでスタイリングしてみました。




ジョージ四世所縁のカールトンハウスデスク 、ローズウッドのサロンチェア

そしてゲームテーブル


貴方の寛ぎのひと時をメアリー王妃のブドワールのように、

仕立ててみてはいかがでしょうか。





by N




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2015-08-30 09:00:07

バッキンガム宮殿特集:ミュージックルームのピアノスツール

テーマ:バッキンガム宮殿特集

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ミュージックルームのピアノスツール
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バッキンガム宮殿の見学者が訪れることができる

部屋のひとつに「ミュージックルーム」があります。





庭の正面が一望できるこの部屋は、もともと「ボゥ・ドローウィング・ルーム

(弓形の間)」と呼ばれており、半円形の弓形窓が特徴的。


緑の客間に集まった賓客が晩餐や宴会の前に拝謁を受ける部屋でとなっており、
王家に生まれた子供が洗礼を受ける場所にもなっています。


もちろん、その名の通りミニコンサートが開かれることもあります。



ユニオンジャックそのものの赤、白、ブルーのカラーリングでまとめられた
ゴージャス極まりないインテリアは、細部までこだわった仕上り。


ドームの天井、銘木をふんだんに使用した凝ったパターンのパーケットフロア、
そして印象的なブルーの柱。


このブルーの柱は「スカリオーラ」という技法でできています。


「スカリオーラ/Scagliola」とは石膏と塗料を巧みに混ぜ、
石のような質感を出しながら仕上げていく技法のこと。




16世紀終わり頃にイタリアで生まれ、教会や宮廷だけでなく
貴族たちの邸宅にもテーブルや額などの装飾として取り入れられるようになり、
1700年代にはイタリアの各都市はもちろん、
ヨーロッパ全土にその名が広がっていった技法です。




シャンデリアはジョージ四世のカールトンハウスから持ち込まれたもの。




飾ってあるロイヤルブルーの磁器はセーブル。




さて、そんな素晴らしいミュージックルームにあるのが
こちらのピアノスツール。




マホガニーに金彩が施された三本脚のスツールは
脚先がアカンサスのスクロールになっており、
美しいバランスで見る者を魅了します。


パンカーダにも、ピアノスツールがございます。


ひとつはローズウッドのカーヴィングが素晴らしい19世紀のもの。




もうひとつは、エボナイズドの脚に金彩が施されたもの。
こちらの脚先にもアカンサスが見事に再現されています。






バッキンガム宮殿のピアノスツールに決して見劣りしないのでは?
・・・というのは言いすぎでしょうか?


by N


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2015-08-23 10:00:00

バッキンガム宮殿特集:プリンス・コンソートのドレッシングルーム

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プリンス・コンソートのドレッシングルーム
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「プリンス・コンソートって誰?そんな名前の王子はいたの?」


・・・そうお思いになるのも無理はありません。


英国でその名前で呼ばれるのは、正式にはただひとり、

ヴィクトリア女王の夫であったアルバート公(1819-1861)のことなのです。





「Consort」は一般に王族の配偶者のことをいいますが、アルバート公は
イングランド女王の夫として、議会から唯一公式に

「プリンス・コンソート」(The Prince Consort)の称号を認められた人物。



ドイツ・バイエルンで生まれたアルバートは1840年2月、

20才の時ににヴィクトリアと結婚。

1861年に42才で亡くなるまで、主にバッキンガム宮殿で暮らしました。



この写真のタイトルは

「The Prince Consort's Dressing Room, Buckingham Palace circa 1864」。



恐らくもともとはアルバート公の部屋だったのでしょう。


ただ、この写真が撮られたのは1864年。彼が亡くなって3年が経っています。

そのころは、プリンセス・ヘレナ/Princess Helena (1846-1923)の

部屋として使われていたようです。


ヴィクトリア女王とアルバート公の第3王女だったヘレナは、

バッキンガム宮殿で生まれ、1866年に結婚するまでそこで暮らしました。





1864年は彼女が18才の頃。




ゆったりとしたセティやアームチェアは明るい花柄でしょうか。
年頃の女性らしい可愛らしさが溢れているようです。


奥に見えるワードローブは鏡張り。高い折り上げ天井から

吊るされたシャンデリアはガス灯と思われます。



そして、注目したいのは写真中央のライブラリーデスクとファイヤースクリーン。





書物が積まれたデスクの上を、軽く隠すように

ファイヤースクリーンを置いています。

ファイヤースクリーンは暖炉の前ばかりではなく、

このようにちょっと手元を隠す仕切りにも使われていたのですね。


パンカーダの家具でスタイリングしてみると・・・。




こんな感じでしょうか。


プライベートルームの片隅、セティで寛ぎつつ、デスクでちょっとした

読み物や書き物をしてみたり。

傍らには誰かがそっと寄り添っていたのかもしれません。





それは彼女が密かに心寄せる人だったのか、
はたまた愛する夫を亡くし、黒い服を生涯着ると決めた母である女王だったのか。





そんなストーリーを描きたくなる情景。



王女のセンスをちょっとまねて、ファイヤースクリーンの間仕切り、いかがでしょうか。






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1880年代 サロンスィート7点セット












1835年頃 ライブラリーデスク














1880年代ファイヤースクリーン












by N

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2015-08-16 10:00:00

バッキンガム宮殿特集:クィーンズシッティングルームのワットノット

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クィーンズシッティングルームのワットノット
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いきなりですが、今日はバッキンガム宮殿からちょっと離れて
夏休みのヴィクトリア女王よろしくワイト島にいってみましょう。


ワイト島/The Isle of Wightとはブリテン島の南にある小島。




気候がよく(ロンドンよりは)、自然が美しいため

ヴィクトリア時代にリゾート地として人気になりました。




1845-51年にかけて、ヴィクトリア女王と夫アルバート公は

ワイト島にオズボーンハウスを建築。




設計はアルバート公自身だったと言います。


王室の離宮として、毎年、夏の数か月をここで過ごすようになった女王一家。
1861年に夫を亡くしてからも、この離宮は女王のお気に入りの場所でした。



こちらは女王のシッティングルーム。



シッティングルームとは客間兼用の居間のこと。


ドローイングルームなどとは、もう少しくだけた場所で、
家族だけで寛ぐことも多い場所だったようです。


沢山の家具で溢れているシッティングルームですが、
こんなワットノットが、現在オズボーンハウスの

クィーンズ・シッティングルームにあります。


製造年代は19世紀後半。




ピアスドフレットワークの感じなどが、パンカーダにある

1870年代のワットノットカンタベリー とよく似ています。


ちょうどその頃、流行だったのかもしれません。





現在、オズボーンハウスはイングリッシュ・ヘリテイジ所有となり、

春から秋は一般公開されています。


クィーンの居間を支えてきたワットノット。


ほぼ同じ年代の逸品を、是非ご覧になりにいらしてください。




by N

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2015-08-09 10:00:00

バッキンガム宮殿の歴史

テーマ:バッキンガム宮殿特集

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バッキンガム宮殿の歴史
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バッキンガム宮殿はどのような成り立ちで

現在の姿になったのでしょうか。


場所の歴史はジェームズ1世時代(1603-1625)まで遡ります。




王家の保護を受け、その場所にはカイコを育てるための

桑畑が広がっていたといわれています。





チャールズ1世が1628年にその場所をアストン卿に与えた時には、既に簡素ながらもそれなりの屋敷が建っていました。


1700年頃


1698年に、初代バッキンガム公ジョン・シェフィールド/John Sheffield, 1st Duke of Buckingham and Normanby(1648-1721)がそこの所有者となり、「Buckingham House」と呼ばれるようになります。



1710年頃



屋敷は粗末なものだったため、バッキンガム公はジョン・フィッチ/John Fitchにより7000ポンドをかけて改装されました。


1761年、ジョージ三世が彼の私邸として妻のシャーロット、彼らの子供たちと共に移り住み、「The Queen’s House」として知られるようになります。


1800年頃


引き続き王位に上がったジョージ4世は、建築家ジョン・ナッシュの忠告によって、
煉瓦造りだったバッキンガムハウスを1825年から12年かけて全面改築に着手、
それまでルネッサンス様式だった建物をネオクラシック様式に改装。



1837年にヴィクトリア女王が即位の際にセント・ジェームズ宮殿から移り住み、
以後バッキンガム宮殿はイギリス王室の公式の宮殿となりました。


1910年頃



1913年頃(現在と同じ)



・・・つまり、もともとは桑畑の真ん中に建つ簡素なお屋敷だったのです。


それがもとかどうかはわかりませんが、
今だにバッキンガム宮殿にある女王の庭では、桑の木が植えられ、
桑の実は招待客へ提供されているとか。



英国国民のガーデン好きには、
こんな歴史も一役買っているのかもしれません。


by N


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2015-08-02 10:00:00

Go into ”Backingham Palace" !:バッキンガム宮殿特集

テーマ:バッキンガム宮殿特集

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~バッキンガム宮殿とアンティーク家具~

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英国王室の本拠地、バッキンガム宮殿。


あらためて述べるまでもなく、英連邦の中枢、
至高の空間でありますが、とても稀有な存在でもあります。



それは世界でも珍しい「現在でも実際に使われている宮殿」であり、
期間限定とはいえ「一般公開されている」ということ。



一般公開の期間は例年8月から9月にかけて、
女王がスコットランドに滞在されているあいだ。

バッキンガム宮殿の公式諸間19室が一般に公開されます。


今年は7月25日より9月27日まで。
そう、今まさに公開中です!


チケットは大人20.5ポンド。
ロイヤル・ミューズ、クイーンズ・ギャラリーを含めると35.6ポンド。


それなりの金額ですが、素晴らしい空間、
そしてそこにあたりまえのように置いてある
1級の芸術作品を一度に見る機会はそうそうありません。




一般公開が始まったのは1993年。


ウィンザー城が1992年に火災の被害にあい、
その補修費を捻出するために始めました。




当時は、5年間限定ということだったようですが、
それが1999年までになり、今では毎年恒例となりました。


現在ではすっかりウィンザー城は再建されておりますが
いまだに毎年一般公開は続いています。


夏のロンドンの大切な観光スポットとして、すっかりお馴染みになりました。




パンカーダ8月の特別企画は、世界でも珍しい今でも実際に使われている宮殿、
バッキンガム宮殿をアンティーク家具の視点で探索します。


英国貴族の頂点、至高の空間には、どんな素晴らしい家具があるのでしょうか。


そして、良く似たものがパンカーダにもある・・?


どうぞお愉しみに。


by N



特集記事はこちらからどうぞ。


バッキンガム宮殿の歴史






クィーンズシッティングルームのワットノット
























プリンス・コンソートのドレッシングルーム




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