2015-02-06 11:00:00

英国貴族の世界:令嬢たちのお嫁入り支度

テーマ:英国貴族の世界

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パンカーダ特別企画
「英国貴族の世界」

Vol.9 令嬢たちのお嫁入り支度
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ヴィクトリアンの英国貴族の令嬢たちが、
特に細心の注意をはらって整えたのが
トルソー/Trousseauとよばれる嫁入り支度でした。




主に服飾品、そしてハウスリネン一式を指し、
時にはウェディングドレスを含めることもありました。




もちろん嫁ぐ女性が身の回りのものを整えることは

古くから行われてきましたが、19世紀半ば頃では女性向け雑誌や

エチケット本で大きく取り上げられるようになってから
ますます興味が注がれるようになりました。




舞踏会用ドレス、晩餐会用ドレス、お茶会用のドレス。
午前の服、午後の服。ブーツや靴、手袋に長靴下。
場合に応じたそれぞれの帽子、下着にコルセット、
外套に晩餐会用のジャケット。




特に肌着やリネン類にはコロネット/Coronet/小冠と呼ばれる
モノグラムと王冠のマークを組み合わせた小さな刺繍が施されていました。




貴族の持ち物にはこのコロネットがついたものが多かったようです。




権力と財力のある大貴族はお金に糸目をつけない豪奢なトルソーを用意しました。
その中には、令嬢用に特注したプライベートな家具もあったことでしょう。




まだうら若い、多くが10代であった花嫁たちは、
このような贅沢なトルソーをどんな思いでみていたのでしょうか。




by N



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2015-01-30 09:00:00

シリーズ・英国貴族の世界:王室のウィスキー・愉しむテーブル

テーマ:英国貴族の世界

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パンカーダ特別企画
「英国貴族の世界」

Vol.8 王室のウィスキー<その2>
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ロイヤル・ハウスホールドを愛したエドワード7世。


実はパンカーダには王室のウィスキーをサーヴするのに

ぴったりのテーブルがございます。


ヴィクトリアンに逸品、マホガニーのスチュワートテーブル



トレイトップテーブルとも呼ばれ、トップが2重となっており、

上層は木枠で縁取られたガラスのトレイ、
そしてそこから透けて見える下層はマホガニーの天板となっています。


マホガニーの美しい杢目を楽しみながら、

飲み物を気軽に置くことのできるとても便利な存在。




このテーブルの推定製造年代である1880~1890年頃は

英国ヴィクトリアンの爛熟期。


ちょうどエドワード7世の皇太子時代にあたります。




派手好きで明るく陽気、そしてアール・ヌーヴォーのミューズである

女優のサラ・ベルナールをはじめ多くの女性と浮名を流したエドワード7世。




ウィスキーを愛する彼が開いた宴には、多くの華やかな人々が集い、
きっとこのようなトレイトップテーブルの上に「ロイヤルハウスホールド」が

置かれていたのではないでしょうか。


1段目にはウィスキーなど飲み物を。
2段目にはちょっとつまめる食べ物を。




何をおいても様になるのは、このテーブル自体の

デザイン・クオリティがとても高く、佇まいが美しいから。




最高級のものを見続けてきた、皇太子のお眼鏡にも十分かなう、

まさに逸品と呼ばれるにふさわしいテーブル。


ゲストへのおもてなしに、トレイの上でロイヤル・ハウスホールドを振る舞う。




英国と日本の歴史と交流を話題に、かつての皇太子の宴を、

貴方の手で再現してみてはいかがでしょうか。




その時代をまさに見てきた、緑の黄金のテーブルとともに。



by N


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2015-01-26 14:00:00

シリース・英国貴族の世界:王室のウィスキー・その由来

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パンカーダ特別企画
「英国貴族の世界」

Vol.8 王室のウィスキー・その由来
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ロイヤル・ハウスホールド(Royal Household)という

最高級のスコッチウィスキーをご存知でしょうか。


その名にまさに「英国王室」。




ジェームズ・ブキャナン社製造のこの類まれなブレンデッド・ウィスキーは
皇太子時代のエドワード7世専用に作られたウイスキーを起源としています。


1898年にビクトリア女王の皇太子、後のエドワード7世が

ロイヤルワラント(勅許状)をこのウィスキーに発行。




1901年に彼が王位につくや、待ちかねたように王室御用達にしました。

よほど、彼はこのウィスキーを愛していたに違いありません。


かつてこのウイスキーは世界の3つの場所でしか飲むことができませんでした。


1つはもちろんバッキンガム宮殿。



もう1つはスコットランドの辺境、

ヘブリディーズ諸島のハリス島にあるローデル・ホテルのバー。




そして最後のひとつがここ日本。



昭和天皇が皇太子時代に英国を訪れ、王室からこのウィスキーを

贈られたことから、日本でのみ一般への販売が可能となったといわれています。


貴族の頂点、英国王室が愛するウィスキー。



どんな香りと味わいをもつのか・・・一度は味わってみても良いのかもしれません。






by N





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2015-01-17 09:00:03

シリーズ・英国貴族の世界 Vol.7 伝統と社交のキツネ狩り

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パンカーダ特別企画
「英国貴族の世界」

Vol.7 伝統のキツネ狩り
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貴族の冬の一大行事といえば、「キツネ狩り」でした。


その歴史は古くからありましたが、貴族のスポーツ・社交として
スタイルが確立したのは17世紀くらいからのようです。




ヴィクトリア時代、明確な法律はなかったものの、キツネ狩りの時期は
時期としては11月1日から翌年4月までと考えられていました。


貴族達はハンティング・ピンクと呼ばれる真紅のジャケットに身を包み、
馬を駆り、犬を操ってキツネや鹿などを狩りました。




格式の高い盛大なハントを主催し、紳士淑女の参加者はもちろん
下々の者にまで気前よくご馳走をふるまうことは、「ご領主さま」の
権力をみせる最大の機会でもあったのです。


キツネ狩りの朝の光景。




賑やかに集った紳士淑女が、思い思いにバッフェから
食べ物をとって食事をしています。




このような場に、バッフェやサーヴィングテーブルはとても活躍する家具でした。




この後には男性は狩りにでかけ、女性はホステス役の夫人がセッティングした
お茶会や演奏会を愉しみ、時には男性たちと落ち合って
豪勢なピクニックランチをとることもありました。




晩餐会などとはまた異なる、大自然とともにある
社交の花形がキツネ狩りだったのです。


by N

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2015-01-12 11:00:47

シリーズ・英国貴族の世界 Vol.6 ロング・ギャラリーで魅せるもの

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パンカーダ・年末年始の特別企画
「英国貴族の世界」

Vol.6 ロングギャラリーで魅せるもの
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緯度の高い英国の冬は、とても寒く、暗い日々が続きます。


決していつも気候に恵まれているとはいえないこの地で、
より日々を愉しむために生まれたカントリー・ハウスの長い空間が
ロング・ギャラリーです。


エリザベス朝以降に建てられたカントリー・ハウスには
18世紀末に至るまで、ほとんどこのロング・ギャラリーを備えていました。


そこは特にご婦人にとっては、良い運動場でもありました。
もちろん広い空間を活かして、宴会を開き、お互いの衣装を
競い合う舞台ともなったことでしょう。




広く長い空間をどうみせるか、人々は知恵を絞り、
貴族達は惜しげもなく財産をかけました。


絵を飾り、様々な風景を愉しんだり、一家の歴史を学ぶ場でもあったかもしれません。




17世紀後半からは、世界を回るグランド・ツアーが盛んになり、
世界中の珍しいものを飾る「ギャラリー」になっていきます。


1551年からの歴史をもつノーサンバーランド侯爵のサイオン・ハウス。

ロバート・アダムによるネオクラスズムの粋を堪能できるつくりで、
136フィートのロング・ギャラリーには3000冊の本が並んでいます。




16世紀に修道院跡を利用して建造されたロングリート・ハウス。

ロング・ギャラリーは19世紀にローマのマッシモ宮殿、
暖炉はヴェネツィアのドージェ宮殿を模して改装されました。





最後に、個人的に好きなロング・ギャラリーをひとつご紹介いたします。


1577年より建造が始まったParham houseのロング・ギャラリー。


160フィート(約48m)の長さがあり、イングランドでは
三番目に長いギャラリーといわれています。


アーチ型の天井を飾る可愛らしい装飾は
1904年生まれの舞台芸術家、Oliver Messelによるもの。




こうしてロングギャラリーは、伝統を守りつつも
時代を重ねる装飾を施されながら、次世代へと受け継がれていくのでしょう。


by N

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2014-12-25 10:00:00

特別企画「英国貴族の世界」Vol.5クリスマスは本宅で

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パンカーダ・年末年始の特別企画
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Vol.5 クリスマスは本宅で
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世界を巡る大富豪の貴族でも、友人のカントリーハウスを
若干煙たがられながらも泊まり歩く貴族でも、
クリスマスは自らの本宅に戻って家族と共に過ごすことが決まりでした。


一方でクリスマスから新年までの時期は、
英国貴族にとっては、最高のパーティ・シーズンでもありました。




エドワード7世時代、ある公爵の本拠地である大邸宅では
クリスマスから新年までには連日2-30人の来客があり、
ハウスパーティが連日行われていたといいます。


最大のパーティは大晦日に行われる晩餐会。



100人以上のゲストが集まり、山ほどのシャンパンと最高のご馳走。
そして公爵夫人自らが選んだ豪華な宝飾品がつめこまれた
クリスマス・クラッカーが配られることもあったとか。


ただ、クリスマス当日は家族とごく親しい友人だけで集まる特別な日。


ヴィクトリア女王が愛する夫、アルバート殿下の母国
ドイツの習慣であるクリスマスツリーを持ち込んで以来、
英国でもツリーを飾る習慣が広まっていました。



そのツリーのもと、家族とともにひと時を過ごす。



暖炉のそばでゆったりとしたチェアに座り、
寛いだひとときがあるからこそ、
人々を集め、交流を深めるお祭り騒ぎも
精力的にこなせたのかもしれません。



今夜は、どうぞ貴方も英国貴族のように
スコッチでも傾けながら、ひとときの寛ぎはいかがでしょうか。



by N



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2014-12-21 09:00:00

特別企画 英国貴族の世界 Vol.4 令嬢のお目付け役・シャペロン

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パンカーダ・年末年始の特別企画
「英国貴族の世界」

Vol.4 お嬢様のお目付け役・シャペロン
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「シャペロン/chaperon」という言葉、ご存知ですか?


たとえばこちらは「AFTER THE DRAWING ROOM」というタイトルの挿絵。




「DRAWING ROOM」は「応接間」という意味ですが、この場合は恐らく
女王陛下の謁見の間/Queens drawing rommのことを指すのかもしれません。



淑女の宮廷用衣装として必要とされる裳裾(トレーン)は
1890年代では3ヤード(2.7m)以上と決められていました。


淑女たちはその裾と格闘しながら緊張して謁見を終え、
ようやくほっとしておしゃべりをしている様子をみることができます。


そして、彼女たちに影のように付き添っている
やや年配に見える女性の姿があります。


彼女たちがシャペロン。


座高が低めで、座り心地の良い「ナーシングチェア」は
彼女たちのための椅子としても重宝されたことでしょう。




身分の高い独身の令嬢が外出するとき、
一人きり、ということはありえなかった時代。


既婚の女性が必ずと言ってよいほど傍にいて
どんな遅い時間までの舞踏会にも付き添い
はしたない振る舞いがないよう監視し、
異性との交遊が行き過ぎないようにチェックしていました。


舞踏会の会場におかれた長椅子には
令嬢とシャペロンがそっと並んで座る様子が
よく見られていたと言います。





今はもうほとんど聞かれることがないけれど、
どこか優美な響きをもつ「シャペロン」。




英国貴族文化を紐とくとき、覚えておくと
もっと愉しめるキーワードのひとつかもしれません。


by N

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2014-12-18 10:00:00

特別企画 英国貴族の世界 Vol.3 カントリーハウスの白眉・ステアケース

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Vol.3 カントリーハウスの白眉・ステアケース
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貴族の本拠地、カントリー・ハウスの主要な部屋は
階上にあることが多くみられます。




これはイタリアのヴィラにならったもの。


ステアケース/階段室は、ゲストに感動を与え、
そのまま持続させながら更なる奥の部屋部屋へと
招いていく重要な役割がありました。



立体的な空間、階段の形や素材、デザインなど、
建築家の腕の見せ所でもありました。





これは1680年頃つくられたドレイトン・ハウス。






多くのオーナーに引き継がれていますが、
ヴィクトリアンの頃は5th Duke of Dorset(第五代ドーセット公爵)の持ち物でした。

珍しいウォールナットの螺旋階段が見事です。




こちらはハウトン・ホール/Houghton Hall。




グレート・ブリテンの初の首相、Robert Walpole,
1st Earl of Orford(第一代オーフォード侯爵/1676-1745)によって
作られました。



ちょうどこのころ大英帝国が手に入れたマホガニー材が
欄干に使用されています。



このような大空間に映えるのは、近くはもちろんですが
遠くからでもそのフォルムが印象的なクオリティの高い家具。


空間の心臓部に置いてなお存在感が光る、
このようなホールテーブルが重宝されたことでしょう。




最も華やかな社交界を見続けてきたであろうホールテーブル。


未だ衰えぬその圧倒的な魅力は、
英国貴族の交流のきらめきを存分に浴びてきた
残滓なのかもしれません。


by N






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2014-12-13 09:00:00

特別企画「英国貴族の世界」Vol.2公爵夫人は超多忙

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「英国貴族の世界」

Vol.2 公爵夫人は超多忙
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多くの使用人が働き、沢山のゲストを迎える貴族の本拠地カントリー・ハウス。


そのお屋敷を総べる女主人の役割には想像を絶する苦労があったといいます。



朝食は下の部屋にあつまってとるのがマナーとされていましたが
既婚女性だけはベッドでとることが許されていました。


でも実は夫人は朝食もそこそこに、その日の計画や
次に行われるパーティの席次、送迎の計画や
料理のコースの検討、使用人のもめごとの解決などなど
膨大な決めごとに頭を悩ましていたということです。




このエスクリトワール も、ひょっとして
貴婦人のベッドの脇に置かれていたものかもしれません。




「ちょっと書き物がしたいのだけど」
そんな声にメイドがこれをすっと開けば、
すぐにデスクがベッドに差しだされて。




女主人の采配は細部にわたり、例えば男性がキツネ狩りで
出払ったあと、残された女性たちをもてなすための

ちょっと素敵な音楽家を招いてみたり。






手紙を書くことも大切な仕事でした。




人々とのかかわり、そしておもてなしは社交界での評判につながり、
ひいては夫の地位を決め、女主人の力量が問われる一大業務だったのです。


わずかなひと時、私室/ブドワール/boudoirで本を読んだり
近しい女性とおしゃべりを愉しむ。


傍にはエレガントな家具達を侍らせて...。

その時こそが、貴婦人の一番の安らぎだったことでしょう。




美しい家具が必要とされたのは、ゲストへのご自慢ばかりではなく
貴婦人たちの心の糧となるべく作られたのかもしれません。



貴女の心の糧は、なんですか?


by N

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2014-12-11 09:00:00

特別企画「英国貴族の世界」Vol.1 どちらにお住まいですか?

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パンカーダ・年末年始の特別企画
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Vol.1 どちらにお住まいですか?
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英国貴族たちはどんな「家」に住んでいたのでしょうか?


まずはカントリー・ハウス。


貴族の所領のなかに、広大で豪華な設えを施された
カントリー・ハウスは、英国貴族たちの力の象徴でした。




こちらは1699年カーライル公爵のチャールズ・ハワードから
建築がはじまったキャッスル・ハワード。




敷地はなんと約1000エーカー(約4047平方キロメートル)。
建物のなかには約140もの部屋があるそうです。




貴族にとって、家はこれだけではありません。


他に気候の良いところに別荘をもつことももちろんですが、
貴族にとってなくてはならないのがロンドンにあるタウン・ハウスでした。




貴族達がロンドンに滞在するのは主として5月から7月。
オフィシャルな目的は2月から始まる貴族議会への出席ですが
本当にロンドンが華やぎだすのは5月頃からだったといいます。


中心部の、小さいけれども上品な彼らのタウン・ハウスに
鮮やかな花が飾られだすのが、ロンドンの社交シーズンの幕開けでした。




7月が終わるころ上流階級の人々はロンドンを離れます。


領地のカントリー・ハウスに戻る貴族もいれば、8月12日のライチョウ狩りの
解禁にあわせてスコットランドの別荘に行く貴族もいたようです。


必要に応じて住まいを移り、忙しく義務や社交をこなす。




彼らにとって家具は、その場所での自分の役割を思い出させてくれる、
大切な碇のようなものだったのかもしれません。




今なお受け継がれる逸品の家具達からは

彼らのそんな想いが伝わってくるようです。





by N


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