バチェラーズ・チェストとは
Bachelor /バチェラーとは英語で未婚男性、独身男性のこと。
語源は古いフランス語の「若い騎士」からきているといいます。
バチェラーに関しては、例えばこんな言葉があります。
「バチェラーズ・パーティ/Bachelor's Party」
結婚式前夜、独身最後の夜をたのしむパーティのこと。
(・・・内容は言わずもがな、ですが・・・)
「バチェラーズ・ジャム/Bachelor's Jam」
強い蒸留酒と少しの氷砂糖を密封ビンにいれ、フルーツを漬け込むお酒のこと。
(手間いらず、ですね♪)
そして、「バチェラーズ・チェスト/Bachelor's Chest」。
小型のチェスト・オブ・ドロワーズの一種で、英国では17世紀後半からみられるようになりました。一般的には天板下にスライドして収納できる拡張天板をもち、そのうえで書き物をしたり、服を整えたりするのに使用したようです。
「未婚男性のチェスト」というだけに、何でも手元でさっとすませてしまおう、という感じだったのでしょうか。
素材はマホガニーやウォールナットが多く、一部にオーク材もみられます。足元はバンフット、もしくはブラケットフットが多いようです。
こちらはV&A所蔵のもの。
1700-1730年製造、ウォールナット。天板が手前に開いて大きくなるタイプのようです。
こちらは18世紀のチッペンデールスタイル、バチェラーズチェスト。
素材はマホガニー、ブラケットフット。
後年には天板が手前から後ろにぱかっと開いて、そのままドレッサーになるようなタイプも出てきたようです。
パンカーダにも、エドワーディアンのバチェラーズ・チェストがございます。
美しいウォールナット、そして足元はお約束のブラケットフット。
現代の独身貴族のみなさま、おそばに置いてみてはいかがでしょうか?
by N