読書
ある出版会社に勤める主人公の藤井が仕事での日々葛藤や、夫婦関係の縺れ、不倫、長男が小児がんで闘病、離婚などさまざまな出来事を経験し成長するお話です。
私が印象に残ったのは夫婦関係のところでした。
会社の為に、世の中の為に日々葛藤する主人公ですが、妻からすると家庭を顧みず協力してくれない夫に対し日々不満を募らせます。
妻のストレスという名のコップの水が溜まった時、夫婦関係に亀裂が生じ、主人公は自分の弱さから同僚と不倫関係になってしまいます。
不倫は妻にはバレず何とかその離婚の危機を脱しますが同時期に我が子の小児がん闘病からの死。
そして、ツケが生じたのか結局不倫がバレ、離婚からの企業。
確かに会社や世の中の為に貢献する姿勢は立派です。
ただ、もう少し妻にも目を向けて欲しかった。
主人公からしたら、妻は自分のことを何一つ理解してくれていないように感じたのでしょう。
毎日ヘトヘトに帰宅すると、妻からの毎晩のように愚痴を投げつけられれば、気が滅入るのもわかります。
ただし、専業主婦の妻にとっては自分の家庭が全てなんだと思います。
主人公が社会に没頭するのと同時に、妻にとっては家庭を守ることが全てなのです。
重きを置いているフィールドが主人公と妻は違うのです。
それを互いに理解しきれなかったからこそ離婚に繋がってしまったのではないのでしょうか?
最終的には和解離婚にはなりますが、私自身は何だか心にモヤモヤが残ってしまいました。
もし私だったらどうするか?
偉そうなことを書いてしまいましたが、私ははたして家庭と社会の両方に貢献できるのだろうか?
結婚は私にとっては未知のフィールドですが、考える良いきっかけになりました。