手を繋ぐ(書きかけ) | 秋(aki)の孤独な日記

秋(aki)の孤独な日記

秋(aki)と申します

コミュニケーションの講座を開いています。

ずっとずっと以前の出来事


週末の早朝

ドアを開けてクラブを出る。外はもう明るくて、すこし冷たい空気が気持ちいい。頭と身体には一晩包まれていたクラブの熱が残っている。どこか地に足がつかず、ふわりとした感覚だ。


パーティが終わったこの時間は沢山の人が建物から出てくる。クラブのエントランスにストリート、いつも何人かの知り合いにバッタリと出会う。たまに先輩につかまって、いや、誘ってもらえて、バーや次のクラブに連行される事もよくある。まぁなんというか、週末の早朝はこれで中々で楽しい時間だなと思う。


ふわりとした感覚を味わいながら階段を下りようとすると、女性の二人組が目にとまった。一人はよく知っている。もう一人の女の子はよく知らない、というか記憶にない。とりあえずおはよ
うと話しかけ、僕の連れの男も含め4人で会話を始める。

しばらくしてふと気づくと、なぜか僕と僕がよく知っている女の子との二人で階段をおりていた。四人で会話をしていたはずなのになと頭の片隅で思いながらも、気がつくと僕達は何故か手を繋いでいた。ごく自然に手を取り合って歩いている。


特に二人で何かを示し合わせたわけではない。でも僕達はゆっくりと二人で帰路につく。通りには相変らず沢山の人が溢れていて、路上にパーティの余韻と朝なりの喧騒がひろがっているけれど、自分達はどこか穏やかな空気に包まれているように感じる。不思議と落ち着く。

とりとめの無い会話をしながらホームにたどり着き、二人で電車に乗り込む。この始発の時間帯、駅のホームや電車も人が多い。仕事を終えた人。遊びから帰る人。みな一様に一晩を越えた気だるさが漂っている。