日本付近は移動性高気圧に覆われて、梅雨前線の影響の影響を受ける沖縄・奄美を除いて、今日も晴れて気温が上がる予想になっています。特に北海道東部は前日に続いて真夏日になる所があります。体調管理には十分ご注意ください。ここ最近では温暖化やヒートアイランド現象によって、熱中症で亡くなられる方が年間数100人~1000人超に達しています。熱中症は「隠れた気象災害」と言えると思います。この暑さは今週初めまで続く見込みです。

最高気温分布予想

熱中症




さて、本日の週間予報資料、各国の予報資料によりますと、週半ば以降の西・東日本は気圧の谷や湿った空気の影響で曇りや雨の日が続きます。今週の焦点は、西・東日本での梅雨入り発表があるかどうかです。現時点では、6月初めにいったん梅雨前線が南海上に大きく南下してしまう予想のようですので、梅雨入り発表は九州南部など梅雨前線に近く、平年値(九州南部は5/31)とあまりかけ離れていない地方に限定される可能性が高そうです。以下に気象庁の5/22の週間予報資料とAM11時の週間天気予報に基づいてお天気のシナリオをまとめてみます。地上天気図、850hPa気温推移と併せてご覧ください。

気象庁HP 週間天気予報
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります。

5/23(月)
 日本海から進んでくる高気圧に覆われて、北日本から西日本は広く晴れる見込みです。梅雨前線が停滞する沖縄・奄美は曇りや雨の天気の予想ですが、後半は一部で晴れるところもある予想になっています。

5/24(火)
 高気圧は北海道の東に進み、日本付近にトラフ(上空の気圧の谷)が接近してきます。北日本は高気圧に覆われて晴れますが、西・東日本は高気圧縁辺の湿った空気が入りやすくなるため雲が広がりやすいお天気です。西日本では日本海に進んでくる低気圧の影響で雨が降るところもあります。

5/25(水)
 北日本と西日本をトラフが通過します。その影響で全国的に雲が広がりやすく、北日本と西日本を中心に雨が降る見込みです。

5/26(木)
 北・東日本を前線が通過します。その影響で全国的に雲が広がりやすく、北・東日本を中心に雨が降る予想になっています。

5/27(金)~5/29(日)
 黄海の高気圧がゆっくりと日本付近を通過して東海上に進みます。。高気圧の勢力は弱く、南岸に前線が停滞するため、北日本は晴れるところもありますが、西・東日本は雲が広がりやすく雨が降るところもある予想になっています。

※週後半のお天気は予報の信頼度が最低ランクのCになっているところが多いです。お出かけ前には、最新の気象情報のご確認をお願いします。



【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段:5/24-5/26、下段:5/27-5/29の21時
ハッチングは前24時間に5mm以上の降水の予想域

地上天気図



【85hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)
上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い

850hPa気温推移




今年はまだ台風が1つも発生していません。1951年以降では年初から台風が発生していない年は、5月まで台風ゼロは1952、1983、1984、6月までゼロは1973、1998の計5回。このうち3回は強いエルニーニョからラニーニャになった時です。今年はこの条件に当てはまっています。年間の台風発生数は1952:27個、1973:21個、1983:27個、1984:27個、1998:16個。年間発生数の平年値は25.6個なので、1998年以外は年間では決して少なくないです。今年の後半は台風の発生頻度が増える可能性があるので要注意と思います。

尚、なぜ強いエルニーニョからラニーニャに変わっていく時期に台風が発生せず、ラニーニャになった直後に台風が頻発するのかメカニズムは分かっていません。単にラニーニャの年に台風が多いわけではないため、海水温だけの要因だけではないようです。非常に興味深い現象と思います。

エルニーニョと台風