恥辱 (ハヤカワepi文庫)/J.M. クッツェー

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 ◆今回紹介する本
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 題名:恥辱
 著者:J・M・クッツェー
 出版:ハヤカワepi文庫
 定価:760円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4151200428/oyajimushicom-22/ref=nosim/



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 ◆目次
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 ※目次はありません。



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 ◆成分解析
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 知恵  :■■■■■
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■■■



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 ◆内容紹介
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▽前回の紹介に引き続き、クッツェーの作品を紹介します。

 著者の作品で一番最初に読んだのが今回紹介する「恥辱」です。
 
 ノーベル文学賞を受賞した作家の作品を試しに読んでみようと
 購入しました。
 
▽物語の主人公は52歳の大学准教授、デヴィット・ラウリーです。

 もともとは現代文学の教授でしたが、現代文学部が閉鎖された
 ため、文学とはあまり関係のなさそうな「コミュニケーション
 技術上級」を教えています。
 
 自分の専門外を教えているため、仕事はあまり真剣にしていません。
 
 デヴィットは2度の離婚を経験し、今のところ独身で一人暮らし。
 
 2度目の妻との間に成人した娘がいます。
 
 妻と別れてからは週に一度、いつも同じソラヤという名の娼婦を
 相手に性欲を満たしていました。
 
▽ある日、ソラヤの私生活をかいま見てしまい、その日以降ソラヤは
 会ってくれなくなります。
 
 そんなときに目に入ったのがメラニーという女学生。
 
 デヴィットはメラニーにつきまとい始めます。
 
 いわゆる「セクハラ」です。
 
 よせばいいのに52歳にもなって自分が教える学生に手を出して
 しまいます。
 
 それがメラニーの親にばれ、勤務先の大学にばれ、メラニーの
 成績を改ざんしたこともばれてしまいます。
 
▽大学側からは、「間違いを認めることで退職だけは勘弁してやる」
 と謝罪を要求されます。
 
 しかし、「間違ったことはしていない」と意地をはったデヴィット
 は結果的に大学を辞めてしまいます。
 
 職を失い、行くところもない独身のデヴィットは、唯一話せる
 娘の所へ一時的に身を寄せる事にしました。
 
▽娘のルーシーは、都会を離れ一人で農場を経営していました。

 デヴィットは農場の仕事を手伝いながら、今後の身の振り方を
 考えていました。
 
 そして、親らしく娘の行く末を案じ、こんな場所で若い女性の
 一人暮らしは危険だということを説得します。
 
 いまいち説得力ありませんが...
 
▽ある日、デヴィットとルーシーは3人組の男に襲われます。

 ルーシーはレイプされ、デヴィットは顔に火傷を負い、仕事で
 預かっていた犬は全て銃で殺されてしまったのです。
 
 警察に事情を話して犯人を捕まえてもらおうとするデヴィット
 でしたが、ルーシーは騒ぎ立てたくないと泣き寝入りしようと
 しまいました。
 
 というのも、ルーシーの農場がはある村の中にあり、村の中では
 現地人が力を持っていて、そこで事を荒立てると上手く生活でき
 ないから、というのが理由でした。
 
 犯人の一人はどうやら隣の農場の親戚らしいのです。
 
 納得いかないデヴィットに、放って置いてくれというルーシー。

 やがてデヴィットはルーシーが妊娠していることを知ります。
 
▽物語自体は、歯切れ良く淡々とした語り口で進み、とても読み
 やすく、かなりのスピードで読み進めることができます。

 事件は小説の中で起きていることで、現実ではないことは分かって
 いますが、娘のルーシーの行動になんとなく釈然としません。
 
 デヴィットは自ら起こした行動が、当然の結果を招き、多少投げ
 やりな感じもしますが、本人も納得して大学を辞めています。
 
 都会で生きてきたデヴィットと、村に溶け込み、農場で生きて
 行こうとするルーシー。
 
 考え方が違うのは仕方ないとして、犯罪は犯罪です。
 
 国と地方は違っても、やって良い事とやってはならない事は同じ
 はず。
 
 著者が、その釈然としない部分を狙って書いているなら、まんまと
 その意図に乗って読んでいることになります。
 
 「マイケル・K」も同じですが、読み終えて爽快な気分になれる
 小説ではありません。
 
 きっと、それも著者の意図通りかも...



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 人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ より抜粋

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