米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、鳩山由紀夫首相は7日午後3時から首相官邸で、鹿児島県・徳之島の3町長と会談し、普天間の基地機能の一部移転について協力を要請する。3町長は受け入れ拒否を正式に伝える。首相は沖縄訪問と徳之島3町長との会談を皮切りに、移設先の地元理解に全力を挙げる考えだが、沖縄での軽率な発言に首相の資質を問う声が高まっている。自ら説得に乗り出すことで打開策を求める試みが、求心力の低下に拍車をかけている。

 ◇党内外から厳しい批判

 首相は6日夕、今回の沖縄訪問について首相官邸で記者団に「連立政権で一番大事なことはオープン性だ。根回しとかやらないで、下手じゃないかという意見もあると思うが、率直に愚直に正直に行動することを尽くしていきたい。ただ1回ですべてが尽くされたとは思っていない」と述べ、引き続き地元の理解を得るのに全力を挙げる考えを強調した。

 しかし、首相が沖縄訪問で、海兵隊の「抑止力」について「(理解が)浅かった」と認め、自ら掲げた「県外移設」を「党としての発言ではない」と釈明したことに、政権内にも困惑が広がる。

 平野博文官房長官は6日の会見で、首相の「抑止力発言」について「大きな意味の抑止力なのか、小さな狭義の抑止力なのかという概念だと思う。もっと『抑止力は何だ』と首相に聞いたらどうか」と、首相に解釈を「丸投げ」せざるをえなかった。

 国民新党の下地幹郎国対委員長は、首相の「党としての発言ではない」との発言について、「非常に首相らしからぬ発言。公約のパンフレットの内容より、党代表の発言のほうが重いに決まっている」と厳しく批判した。

 6日、東京都内のホテルで開かれた民主党の地方議員の会合では世話人代表の宮城県議が「政治とカネ、普天間問題などで耳の痛い叱責(しっせき)を受けている」と首相に直訴。同党の中堅衆院議員の一人は「(有権者には)首相が辞めなければ民主党はダメだと言われる」と話す。閣僚の一人も「民主党が首相の資質を攻撃した麻生政権に似てきた」と自嘲(じちょう)気味に語った。

 野党側も首相の資質を攻撃。自民党の石破茂政調会長は6日、都内で記者団に「(首相は)安全保障を勉強しないまま『国外、県外』と言ってしまった」と指摘。公明党の山口那津男代表も取材に対し「(『抑止力』発言は)一国の首相が発言する内容ではなく、資質を問われる」と批判した。【野原大輔、念佛明奈】

 ◇徳之島3町長、会談へ

 首相は徳之島に普天間飛行場の基地機能の一部を移転する方針だが、このうち「海兵隊航空部隊の最大1000人の移転」には米側が4日の日米審議官級協議などで「沖縄本島の陸上部隊と170~180キロ離れる」と難色を示している。このため、政府内では「部隊移転は現実問題としてできない。訓練移転ができるようにしたい」(政府関係者)と、「部隊移転」は断念せざるを得ないとの見方が強まっている。

 首相は6日、官邸で記者団に「沖縄の県民の皆さんのご負担をできる限り減らしていきたいという思いの中で、徳之島の皆様方にご理解いただけるよう努力してまいりたい」と3町長との会談に向けた意気込みを語った。これに対し3町長は同日、徳之島空港前で記者団に「断固反対という民意をしっかり伝える」(高岡秀規・徳之島町長)などとそろって反対方針を強調した。7日の会談には鹿児島県の伊藤祐一郎知事、徳之島を選挙区とする自民党の徳田毅衆院議員も同席する予定だ。

 首相官邸は、徳之島への部隊移転を断念する場合でも、訓練移転は実現したい考え。しかし、徳之島への訓練移転と米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市辺野古)に移設する現行計画の修正案との組み合わせでは「負担軽減にならない」と沖縄側が反発するのは必至だ。政府が検討する修正案は、工法を埋め立てから「くい打ち桟橋(QIP)」方式に変えるだけで、代替施設の規模や役割自体は基本的に維持することを想定しているためだ。【山田夢留、村尾哲】

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