古代ローマ料理 鶏肉のパルティア風


このレシピも書籍「古代ギリシア・ローマの料理とレシピ アンドリュー・ドルビー&サリー・グレインジャー著 今川香代子訳 丸善発行」に掲載されていたアピキウスの「アピキウスの料理書」からのレシピです。パルティアは、現在はイラン北東部の一部にあたる地域にあった古代国家で、西暦226年にササン朝ペルシアに滅ぼされています。書籍「古代ギリシア・ローマの料理とレシピ」の著者は、このレシピがパルティアから来たものだと推察しています。

材料(二人分):鶏もも肉1枚(440g)、黒胡椒小さじ1/2杯、赤ワイン100cc、魚醤(アンチョビ・ソース)大さじ1杯、アサフェティダ粉小さじ1/4杯、セロリの葉2g(微塵切り)、キャラウェイ・シード・パウダー小さじ1杯

鶏肉に黒胡椒をふりかけ、赤ワイン、魚醤(アンチョビ・ソース)、アサフェティダ粉、セロリの葉、キャラウェイ・シードを混ぜ合わせたものをかけます。アルミ箔で蓋をしながらオーブン・トースターで約30分焼き、続いてアルミ箔の蓋をはずして約3分焼いて焼き色をつければ出来上がりです! 鶏は中国から、アサフェティダ粉はペルシアから、キャラウェイは中央ヨーロッパからと、世界各地の美味しいものが集まる当時の世界の中心ローマだからこそ出来たグローバルな味を楽しむことで、古代ローマに思いを馳(は)せることが出来ますよ!

アサフェティダ(別名:ジャイアント・フェンネル、オオウイキョウ、大茴香、アギ、ヒン、学名:Ferula asafoetida)は、イラン、アフガニスタン、インド、パキスタンなどの乾燥地帯に原生するセリ科オオウイキョウ属の植物で、その根茎からとれるゴム状の樹脂のような物質を乾燥させたものがアサフェティダ粉です。ペルシア語の“アザ(樹脂)”とラテン語の“フェティダ(臭い)”が名前の由来です。古代キレナイカ国(今のリビア)にだけ育った植物でギリシアやローマで用いられたシルフィウム(ラセール)が根絶えてしまったため、代用品としてパルティアからローマ帝国に運ばれてきて使用されました。揮発性の成分の中に硫黄化合物が含まれているため、ニンニクのピクルスを思わせるような強い悪臭(“悪魔の糞”という呼び名もある)があり、そのままでは、苦さと辛さが混じったような嫌な味がしますが、熱すると玉葱のような香りになります。インド料理の食材店などで入手可能です。(例:アメ横 大津屋 スパイス・豆の専門店 東京都台東区上野4-6-13 電話:03-3834-4077 FAX:03-3834-4078 URL:http://www.rakuten.co.jp/uenoohtsuya/

キャラウェイ(別名:ヒメウイキョウ、姫茴香、学名:Carum carvi)は、中央ヨーロッパが原産地(ただし現在はキャラウェイの種のほとんどはオランダで生産)のセリ科ヒメウイキョウ(キャラウェイ)属の植物で、実が熟したら茎から切り取り、種を振り落として乾かして使います。柔らかな味とほのかに苦い甘味があります。


スパイス キャラウェイ パウダー 40g  300円
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e-ティザーヌ