厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」は6月3日、2回目の会合を開いた。この日は、5月28日に長妻昭厚労相あてに提出された精神医療の在り方についての提言書を議題のテーマに、構成員らがそれぞれの意見を述べた。

 提言書は、精神医療を受けた当事者やその家族、学識経験者の有志など90人でつくる「こころの健康政策構想会議」(座長=岡崎祐士・東京都立松沢病院院長)が、4月から5月にかけて会合を開き、今後の精神医療の在り方や政府に求める施策をまとめたもの。構想会議の座長や委員を務めたメンバーが同検討チームの構成員として出席しており、この日の議論のテーマにしたいという申し出があった。  
 会合にはさらに、構想会議に参加した当事者2人がゲストとして招かれ発言した。統合失調症で精神医療を受けている堀澄清さんは、「これまで自分が受けてきた精神医療は、およそ医療とは懸け離れており、自尊心を完全に奪うものだった」と告白。「今後の精神医療を考えていくのであれば、根本から医療制度をつくり直す、まさに革命を起こす気概が必要」と訴えた。また野村義子さんは、「患者が入院で世の中から切り離される期間が長くなるほど、社会復帰が難しくなる」と語り、精神疾患を早い段階で発見・治療できる体制づくりを訴えた。

 続いて、提言書について構成員が意見を交わした。提言書では、今後の精神医療の在り方について「国民のニーズを主軸に据えた改革」を打ち出し、▽アウトリーチ(訪問支援)医療や専門医療の充実を図る精神医療改革▽家族や介護者の地域支援―などの重要性を盛り込んでいる。

 田尾有樹子構成員(社会福祉法人巣立ち会理事)は、「自立が無理と思われた人が、どんどん自立していくのを何人も見てきた」と述べ、「医療政策も重要だが、住居や生活支援対策を中心にしてはどうか」と提案した。これに対して複数の構成員が同調したが、「病床数を削減する議論が先行しないよう、住居や生活支援がきちんと確保されるべきでは」(日本精神科病院協会副会長の河崎建人構成員)などの指摘もあった。また野澤和弘構成員(毎日新聞社論説委員)は、「医師は患者に対して医療はできるが、住居や生活支援の問題は専門外。復帰に向けた支援は、専門家をきちんと育て、任せる体制づくりが必要では」と述べた。


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