2006-08-25 08:23:57

◎「チョコレート」

テーマ:成人映画
日活
チョコレート

ハル・ベリーが黒人女優として初めてアカデミー主演女優賞を獲得した彼女の代表作。
夫と息子をうしなった黒人女性と、差別主義者の父のために人生と息子を失った男が、不思議な運命によって男女の出会いをするが…。


・静かで落ち着きのある演出
テンションが低い抑揚の無いBGMで、出来事を淡々と描写します。
不幸に不幸が重なった二人が大人の出会いを果たすという、まさにロマンス王道話なんですが、静かで地味な演出のお陰か不思議と日常風景によく溶け込んでいました。


・ハル・ベリーのセックス描写
何しろ18禁です。
まさかこんなに長いセックスシーンがあるとは思いませんでした。
しかも悲しみを紛らわすために、全身全霊セックスに打ち込むという激しさ。
やはり下手なAVとは格が違います。
本番じゃないのにこの興奮!


・狙いを絞った物語
因習に囚われて何となく黒人を差別する白人と、白人と関わるといつもひどい目に合う黒人という、類型的な両者がとてもよく表現されたストーリーだと思います。
人種問題そのものにはあえてスポットを当てず、黒人と白人の恋のあくまで背景である点も現代的で高ポイントです。
「力まずに見れる」というのは案外大きな要素だと思うんですよね。


・白人が「許される」映画
黒人に対してうしろめたい過去がある白人。
その白人が、最終的に許される点がこの作品の重要ポイントだと思います。

開き直るか許しを求めるか。

この問題は、日本人にとっての「戦争責任」と似た側面があって興味深いです。


・「差別」問題について

このアカデミー賞獲得に、ハル・ベリーは「ついに扉が開かれたの!」と言って喜んだと言いますが、彼女はどう見ても純粋な黒人ではありません。
表題「チョコレート」の文字通り、彼女には白人の血が入っていると思います。

そういう意味では、何となく素直に喜んでいいのかどうか、複雑な部分もあります。


この場を借りて、ちょっとこの問題に関して思うことを言わせて欲しいです。


僕は人種差別には反対です。
しかし、差別を意識するあまり、逆の意味で真実を曲げてしまうことにも反対です。
それが悪意だろうが善意だろうが、真実を曲げることは先々に災難を呼び起こすからです。


人間の美意識からすると、「黒いもの」より「白いもの」を美しいと感じることは自然な反応だと思います。
もちろん、だからと言って「黒いものが醜い」と言う理由にはなりません。
あくまでこれは色彩における相対的な話なのであって、造形となればまた話は違ってきますから。

アカデミー賞という映画の賞においては、もちろん芸術性が審査項目に入ってくると思います。
そういう舞台で黒人女優が評価されにくいというのは、必ずしも差別問題ばかりが理由ではないのではないかと思うのです。


もちろん人種差別は根深い問題です。
移民国家であるアメリカでは、いつの時代も深刻な問題と聞きます。
ただ、そういう人道問題の陰で、ないがしろにされる真実もまたあると思います。


例えば、「障害者」「健常者」という呼び分けは「区別」です。
「区別が必要ない」と言うことは、この場合「障害者と健常者を同じに扱うべき」ということにもなります。
しかし僕は、この区別は必要だと思うのです。
異なる物を同じに扱うことが、果たして本当に公平と言えるのでしょうか…?
このように、「差別」と「区別」では意味が異なるのです。


こういった違いは、当然異なる環境で育った異なる人種間にも存在します。
Aの常識はBにも適用され、Bの常識はAにも適用され…なんてことになれば、あらゆる生活習慣の違いが摩擦の火種になります。
この種の摩擦の解消には「互いの生活習慣の違いを認めあう」ことが必要であり、これこそ「区別」なのではないでしょうか。
こういった「区別」無しに共存など可能な筈がありません。


もっと言えば、移民というものに対して極めて消極的な日本人が、この問題について積極的な発言をすること自体が最大の皮肉と言えなくもありません。

「人種差別反対」。
口で言うのは容易いことなのですが…。


解説
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD32767/index.html


原 題 : Monster's Ball
製作年 : 2001年
製作国 : アメリカ
配 給 : ギャガ・コミュニケーションズ
監 督 : Marc Forster マーク・フォスター 
脚 本 : Milo Addica ミロ・アディカ
     Will Rokos ウィル・ロコス
出 演 : Halle Beerry ハル・ベリー (Leticia Musgrove)
     Billy Bob Thornton ビリー・ボブ・ソーントン (Hank Grotowski)
     Heath Ledger ヒース・レジャー (Sonny Grotowski)
     Peter Boyle ピーター・ボイル (Buck Grotowski)
     Sean Conbs ショーン・コムズ (Lawrence Musgrove)

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