「萌えよ!戦車学校」
最近こういうオタクっぽい本が多いなぁ。
まぁ僕だってオタクには違いないし、いいか。
減るもんじゃなし。
なんか脳に優しそうなスイートな企画なので、吸い寄せられるように買ってしまいました。
ところが、中身を見てびっくり。
見出しのちょっとしたマンガ以外は、マジメな戦車の基礎知識入門書でした。
僕は戦車の知識といえば、「大戦略」以外では「週刊ワールドウェポン」とか「戦車マガジン」を飛ばし読みしたくらいの知識しか持ってないので、基礎知識の拾いこぼしを総ざらいするのに大変役に立ちました。
これは予想以上というべきか、それとも期待はずれというべきか…(笑
特に前大戦での日本戦車の系譜についての記述は、僕にとっては新鮮でした。
九七式中戦車の最終形が三式中戦車で、四式中戦車はまったく別設計であること。
「大戦略」ではM4シャーマンⅠとほぼ同戦力とされていたが、実際はやはり劣るであろうこと(これは写真を見て自分で判断したことですが;)。
漠然と工業力の差と考えていた優劣の決め手は、具体的に量産体制の遅れと積載戦車砲の開発の遅れであったこと…。量産については、生産性こそが真骨頂だったM4と比べるのは酷なことなのかもしれませんが。
何より四式中戦車の写真を初めてみました。
ゴツくてかっこいい…。
メジャーなソ連やドイツの戦車に比べれば物足りない感じもしなくもありませんが、我等が日本もこんな戦車を一応は開発していたんだという感慨も一方でありますね。
軍事予算が国家予算の8割を占めるという異常事態の中でのことですから、かなり無理な背伸びだったことは間違いないんですが…。
本も見かけによりませんね。
面白かったです。
文:田村尚也
マンガ:野上武志
イカロス出版
¥1619+税