ある25歳の話。

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「心を捨てたら人間なんでもできるからね。


おととし、営業で1番とって、女の子にチヤホヤされて、天狗になってた。


でも、ふと気づいたんだ。何か足りないって。ずっと悩んでた。


そしてやっと分かったんだ。それが生き方、どう生きたいか、だったって。」




彼が別れ際に話した言葉。


これが、これから話すおはなしのすべてだった。




営業の話、彼からいつも聞いていた。


3日で56件の契約だよ!1番だって。

とも、また神奈川で1番だったよ!


そんな彼を心からすごいって思ってた。


この子はできるって思ってた。

営業をやらせたら、天才って思ってた。



でも、そのできる人は、できてしまうからこその悩みがあったんだ。

そしてたどり着いた答え、いや、彼いわく、答えじゃないのかもしれない。

でも答えに限りなく近いもの。

それが、これから続くおはなし。




「でも、それって続かないんだよ。」

彼が当時を振り返る。



「心が腐っちゃって。

言うことを聞いてくれなくなるんだ。

異様なテンションで夜も眠れないこともあったんだ。




売れるんだ、とっても売れるんだよ。



本を読んで、そのシチュエーションを頭の中で何回も繰り返して。

そうしたら、お客さんにこう聞かれたらこう返そうって、

頭の中でマニュアルができるんだ。

そして、反射的に反応できるようになる。

そうすれば売れるよ、誰だって。



でもそうやって売るたびに、苦しくなるんだ。」




優しく楽しく飲んでいた彼の顔が、わずかに歪んだ、

そんな気がした。そして突然彼は話題を変えた。




お酒も進んで、楽しい話が続いた。

学校の話をした。就職の話をした。仲間に恵まれてるねって話を、した。

そんな仲間が根っこになって、今のオレ達があって、

そんな根っこがあって、今の生き方ができているんだって。



やがて、憧れの人の話題になり、

彼が言った。



「その人、まだ就職3年目なんだよ。でも、すっごいできるんだ。

なんでも来いって感じ。それでいて、ふつう、なんだよ。」



「ふつう?」


僕が尋ねる。



「そう、ふつう。普段はバカをして、上司にまでふざけてみせるのに、

1対1で話すと現実を見つめていて、当たり前のように朝1に

職場に来て、夜最後に帰って。それでいて、そんな素振りを全く

見せないんだ。こんな人になりたいって思った。」




また彼の顔が歪んだ気がした。

沈黙。何か考えているようだった。







やがて、






また彼が口を開いた。



「結局オレの営業スタイルはオレにあってなかったんだって思う。

ふつうじゃなかったんだよ、心が。」




「だからこれからは、体力的にちょっときつくても、

心がふつうで、ちょっとでも社会の役に立つ、

そんなことがしたいんだよね。」




「人間って、豆粒みたいなもんじゃん。


地球ってまん丸なボールの上に乗った豆。


でも、その豆であるオレ達が唯一豆と違うのは、




どんな生き方をするかを自分で決められるってことなんだ。




人の邪魔をして生きようと思えばそれは簡単で、他人の上に


葉っぱを広げればいい。



でも気づいたんだ。

逆に、人の役に立とうとして生きるのも簡単だって。

自分の根っこにある十分な水をちょっと分ければそれでいいんだよね。


だから、人の役に立つ生き方をしようって、思った。」




彼からはこのほかに人の説得のスキルなど、いっぱい学んだけど、


今日はこれだけにしようと思う。




「あなたは人の光を奪って生きますか? 


 それとも人に水をあげて生きますか?


 そして、どんな方法で人に水をあげますか?」





最後に、

これからの彼の生き方について。



彼は、中学、高校と、いわゆる頭の悪い、学生でした。

みんなからは『バカ』扱いされていたそうです。


だから、彼が一念発起して、ある分野で1番の大学を志した時、


周りからはひどい侮辱を受けたそうです。



「あいつらを見返してやる!」



それが勉強のエネルギーとなったそう。

とはいえ、数学は中学校から、漢字は小学校から復習しました。

そして、なんとか大検を取って。

2年間も浪人して、


やっとのことで今の大学へ。





そんな彼に聞きました。



「大学に入って、高校のやつらも見返したわけじゃん。


 満足じゃないの?」




今でも必死に動き回っている彼が答えます。



「お世話になった人、生き方を教えてくれた仲間に


恩返しがしたいからね。オレは大人になってからやる恩返し

だから、お金の援助くらいしかできないだろうけど。

若いうちに生き方を教えてくれるのって、これから先の人生に

何千倍、何万倍って価値を生むからね。だからまだまだこれからだよ。」





そんな彼の最後の言葉。

「人は流れてきて、出会って、オレはその人に何かを渡して、

また流れていく。ねえ、とも、オレはそんな生き方がしたいよ。」








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そう思いながらいつも文を書かせてもらっています。

今日も読んでくださってありがとう。

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