AIG米史上最大規模600億ドルの赤字へ 米政府はまだ支援するのか
テーマ:金融オツカレです。
恐るべきクレジット・デフォルト・スワップ(CDS) の破壊力。
[24日 ニューヨーク 共同]AIG、四半期で5兆円超損失か 米企業史上で最大規模 米政府の事実上の管理下で経営再建を進める保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が近く発表する2008年10-12月期決算が600億ドル(約5兆6600億円)規模の純損失となる見通しだと23日、米メディアが伝えた。実際に発表されれば四半期ベースで米企業史上、最大規模の損失となる。
米政府はサブプライム住宅ローン問題に伴う金融危機を克服するため、経営不安に見舞われた金融機関大手の救済に追われている。AIGが巨額損失を計上すると金融市場の混乱が一層深刻化する恐れが強い。
大和総研によると、日本企業が四半期ベースで計上した純損失段階の赤字額としては、UFJホールディングス(現三菱UFJフィナンシャル・グループ)の04年7-9月期の5827億円が最大。
AIGは、保有する不動産関連の金融商品などで価値下落が止まらず、巨額の評価損が発生したもようだ。
AIGの広報担当者は決算内容については言及しなかったが「財務問題に対処するための新たな選択肢の検討を政府と進めている」と述べ、金融当局に対して追加支援を求めていることを明らかにした。米メディアは政府が支援に応じない場合、AIGが破綻する可能性を指摘した。
AIGの決算発表は3月2日。残された時間もわずか。損失は商業用不動産ローン債権や、デリバティブ(金融派生商品)の一種であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などが要因である。
2008年第1-3四半期(1-9月)で住宅ローン担保証券(RMBS)にかかわるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)契約の損失が急増で計376億ドルの赤字を出しているのにさらにこれを上回る史上最大の損失額。
雪ダルマ式に膨らみ続けているというのが現状なのだろう。
保有する商業用不動産担保証券(CMBS)やその他の投資に経済危機の影響が本格的に及び始めればご臨終となる。
CMBSでは昨年9月末時点の保有額は200億ドル前後。そのうち約58%を2005年以降に引き受けたものが占めていた。
そのウェートの大きな2005年以降に販売されたCMBSの1000超のクラスをなんと今月に米格付け大手ムーディーズが格付けの引き下げを行ったのだ。
これに加え住宅価格の低迷にあえぐカリフォルニア市場での引き受けが全体の13.4%とAIGで2番目の規模のエクスポージャーになっていることも響く。
さらに懸念されるのは損失拡大カテゴリーと考えられるだろう「投資その他の資産」。つまりヘッジファンド、プライベートエクイティ(PE)投資信託、不動産投資など。
このカテゴリーのAIGの資産額は9月末時点で計587億ドルだったのだが一体どうなっているのかまさにパンドラの箱である。
これまでの取り組みは以下の通り。
損失拡大の主因となったサブプライムローン(信用度の低い借り手への住宅融資)を裏づけとする非標準型金融商品にかかわるCDS契約約720億ドル相当分のエクスポージャーの評価損としてAIGは約310億ドルを計上。
これ以外にも保有するRMBS約770億ドルの価値の減損に関連して113億ドルを費用計上。またこの1年で計上したCMBS資産200億ドル相当にかかわる評価損は約19億5000万ドル。
また現在も債務返済のため大半の事業の売却を図っている。にもかかわらずAIGの株価23日終値は、前営業日比0.01ドル安のたった0.53ドル。
AIGは昨年9月の「リーマン・ショック」直後に経営危機に直面、米政府の管理下で経営再建を進めてきたはずなのだが沈静化に向かわず拡大していることが実証された。
決算までにはという思惑で追加の公的資金注入の可能性をめぐり米政府と協議しているのだが米政府からの融資の返済能力に大きな疑問を感じる。
政府はこれまでAIGに1社に対する支援額としては際立って大きく実に約1500億ドル(約14兆6000億円)を支援している。
発行済み株式数でいえば実に79.9%を政府が保有している。これは政府が保有可能な持ち株の上限となっている。
つまり支援するのが良いか悪いかは別にして政府としてはできる限りの支援は行ったのだ。
それがかつて資産規模で最大の保険会社だったAIGも5四半期連続の赤字決算を発表することが確実。
落ち着きどころとしては3月2日以降も事業の継続を可能にするためシティグロープ同様にAIGも政府保有の優先株の普通株への転換を求めることになろう。
この裏にはAIGで優先株に10%の配当を支払う一方で普通株は無配とするということになっていることも考えられる。
最終的にはAIG取締役会は3月1日に会合を開いて政府との合意に向け話し合いにより決着を図る予定だ。
しかしこの後も大きな問題が控えている。巨額赤字による財務悪化で格付け機関から格付けを引き下げられる可能性が高いからだ。
こうなった場合、本当に治療の施しようがないのではなかろうか。
政府としてもAIGばかりに気を取られいる場合ではない。シティを含め他の金融機関も状況は変わらないからだ。
2008年9-11月期決算で米金融大手ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーが赤字を計上。2008年10-12月期決算でシティグループ、バンク・オブ・アメリカが赤字を計上。
外交戦略でこれほど日本を重宝するのはジャパンマネーのアメリカナイズ化が狙いだろう。ジャイアンではないが「お前のものは俺のもの」の如く。
日本としては日系企業によるM&Aの後方支援が最善策か。
オツカレでした。





















1 ■トラックバックありがとうございます
初めて拝見させていただきました。
大変わかりやすくて、今後もちょくちょく見させてもらおうと思います。