オツカレです。


万年懸念されていた処理を政府に頼ってしまうのか

[デトロイト 6日 ロイター]全米自動車労組、政府に2.4兆円の追加業界支援要請  全米自動車労組(UAW)のゲトルフィンガー委員長は米政府に対し、追加で250億ドル(約2兆4000億円)の融資を求めた。追加資金により78万人に上る退職者と被扶養者の医療保険コストが負担できるとしている。

これがオバマ次期大統領の最初の解決すべき問題になろうとは。トヨタの結果からもGMの決算も火の車であることは間違いない。


販売急減と資金繰り悪化によりビッグスリー(米自動車大手3社)は風前の灯火。存亡の危機の中で見守っていた大統領選挙が終わった。


5日のオバマ大統領の決定した日だけはホッと胸を撫で下ろしたことだろう。


前回  書いた通りGMは10月の新車販売台数が45%減となり、歴史上類を見ない最も危機的な状況だ。


破綻すれば失業者は200万超となる試算も出ている。また合併の場合でも7-9万人の失業者が出ると予測されている。


GM


オバマ次期大統領は、自動車産業向け金融支援を公約に掲げていた。日本、ドイツなど海外輸入品ではなく米国独自でエネルギー効率の高い次世代型車を開発すべきとして投資を訴えている。


ただこの開発も米国自動車メーカーが存続してこその政策である。この点を考慮すれば予め救済するために追加業界支援を行うことも規定路線といえよう。


今回追加支援要請分と前回認められている低利融資分を併せると実に500億ドル(約4兆8000億円)に上る。


これほどの規模の資金を拠出することになろうにも関わらず、まだオバマ次期大統領の望む次世代型車の開発費に廻らないことはいかがなのだろうか。


250億ドルが当面の運転資金で残りの250億円が78万人の退職者と被扶養者の医療保険コスト負担となるがこれで復活とはいかない。


次世代型車で突っ走るトヨタはあれほどの下方修正を出したが開発費は全く削減していない。つまり開発スピードはますます加速するだろう。


それ以外の各国主要メーカーもかなりの金額を開発費に投じている。ビッグスリーにとってはこれから巻き返せないくらいに、もしかしたら周回遅れかもしれないのだ。


このような現状から仮に救済が成功してもさらに潤沢な資金が必要なのだ。


この辺りのことを考えれば2社存続というよりも、もっと大量レイオフを覚悟の上でビッグスリーをすべて統合というくらい大胆な策を行わないと海外メーカーと対峙すらできないのではないだろうか。


ただ合併の話しで最大の問題となるのが追加支援を求めた全米自動車労組である。民主党との繋がりが深いためなかなか強気に出れないのが現状だ。


まさに日本同様にお金を出すだけで終わってしまうのか、あるいは大胆な企業改革を促すのか、大量のレイオフをどう防ぐのか、またビッグスリーを合併させるのか、繋がりの深い労組を弱体化させるのか。


オバマ次期大統領の今回の決断が米経済建て直しへの大きな試金石となる。

オツカレでした。

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