2005-03-14 00:16:44
洋子嬢からの手紙
テーマ:乙女の記憶私=推定15歳
洋子嬢からの手紙
私は当時、植木君という男の子が好きだったようだ。
彼のことは、彼が小5の頃に転校して来てから中3の頃まで、
かなり長い間好きだった。
今でも彼が獅子座のA型だったことを覚えているあたり、
熱烈に好きだったことが伺える。
しかし、お付き合い期間に「中抜け期間」と言うのがあるが、
なにぶん不安定なお年頃。
片思い期間中にも同じように、私は何度か別の男の子を好きになる。
これは気が多いのではなく、若さ特有の現象だと考えられる。
自分が未完成であればあるほど、
他人の完成された部分に惹かれやすいという。
だから若い頃は不完成ゆえ、頻繁にあらゆる芸能人に憧れたりするのだろう。
洋子嬢は、私と植木君が両思いになることを願ってくれているようだ。
いい人だ。
「今日は植木君と一緒に帰れなくて残念だったね。」
と書いてある。
当時、植木君は野球部だったので帰りが遅かった。
私もテニス部だったが、マラソンと素振りを延々と続ける持久力は私になく、
すぐに、スコートを履いた幽霊部員となった。
彼の帰る時間まで体育倉庫で友達と時間を潰し、
彼が校門を出ると、帰り道が同じだった私は彼と距離を置き、
彼の背中をひたすら見つめ、後をつけるように帰っていた。
そしていつも同じ交差点で彼を見送るのだ。
これはどう見てもストーカーと言う行為に見えるが、どうだろうか。
このストーカー行為を、私たちは「一緒に帰る」
と表現していたようだ。
勝手に付け回しただけの行為が、
仲間内では一緒に帰るという事実に早代わり。
一途と不気味さは紙一重に見える。
完全に自己満足の独り相撲だ。
乙女だから許されるが、いい歳をした大人がやると通報される。
今思えば気持ち悪い犯罪行為であるが、
当時は告白もできない純情なお年頃。淋しい乙女心なのだ。
彼の歩いた道路をこっそり自分も歩く。それだけで幸せだった。
受験生なんだから、付け回し行為みたいな無駄なことはやめて、
早く帰って勉強して欲しい。
この手紙で洋子嬢は、好きな子を数字を使って暗号のように書いている。
思えば彼女は私よりも気が多かった。
かなりのハイペースで好きな人が変わるため、
彼女が好きだった男の子の名前はまったく記憶にない。
なので番号で書かれていると、
尚更その男の子が想像しにくく、今読むと厳しいのだが、
今は3番と5番の両方の男の子が好きなようだ。
現在どっちかと言うと3番に傾いている状況。
競馬みたいだ。







