ミクの日感謝祭 39's Giving Day @Zepp Tokyo | 大手町デイズ

ミクの日感謝祭 39's Giving Day @Zepp Tokyo

誰が言ったのか定かではありませんが、3月9日は「ミクの日」なんだとか。
そしてこの日にZepp Tokyoで「ミクの日感謝祭 39's Giving Day」というライブイベントが
開催されました。
大手町デイズ-100309
初音ミクのライブと言えば、昨年スタジオコーストで行われた「ミクFes'09(夏)」 以来でしょうか。
あの日は台風の日で、新木場の駅からスタジオコーストへ行く途中で傘の骨が折れてしまう人を
何人も見るほど悲惨な状況でした。
今回はそんなこともないだろうね、と思っていたのですが、まさかの雪。
かつて「嵐を呼ぶバンド」と呼ばれたバンドがありましたが、
2回連続で荒天となると、ミク関係のライブは今後も天気を心配しないといけないかもしれません。
野外ライブは絶対ダメですね。

この日は昼に開催した「ひるコンサート」と夜に開催した「ソロコンサート」の2本立て。
「ひる」は2曲目から本編終了まで見て、
「ソロ」は最初から最後まで見ました。

今回のライブは、あくまでも主役は「初音ミク」で、演奏するバンドは固定。
ところどころにゲストとして、クリエイターが参加し、自分の曲にキーボードやギターで
参加する、というスタイルでした。

初音ミクは、前回と同じく透過スクリーンに出現。
このライブスタイルは今回で2度目の体験でしたが、相変わらず不思議な感じ。
ステージに立つミクに凄くリアリティを感じてしまい、時折本当にステージに立っている、
言い換えると「実現しているんじゃないか」と思ってしまいました。
モーションキャプチャーやCG技術の進化なのでしょうか、動きの細かさ見事なのですが、
一番驚いたのは、立体感があること。
僕は客席後方の段差のあるところで「ソロコンサート」はじっくり見ていたのですが、
平面のスクリーンに、フラットに映し出されているのではなく、
キャラクターの動きに奥行きがあるように感じました。
右手を前に差し出せば、右手が出ているように見える。
なんで立体感があるのかな?と思って注意深く見てみると「影」を一つひとつ描いているからなのかな。
PSPのゲームと圧倒的に違うのは、影の存在かも。影が見えると、ちょうど2階席あたりから
ミクにライトがあたっているようだ。
ミクライブの形式、2度目なのにまたしても興奮してしまった。
5年後とか、どれだけリアルになっているか想像できないです。

おひるのライブを見ていて欲しくなったのが「サイリウム」
グッズ売り場で買ったり、他のお店で買って用意しているみたいで、ミクのライブでは「ネギ」を意識してか
緑色のサイリウムを曲にあわせてガンガン振り回す。
それがキレイで、僕もやってみたいなと思ったわけです。
しかし、仕事もあって用意できずグッズ売り場に並ぶ余裕もなく、夜のコンサートになってしまいました。
開演が近づき、周りの人たちがサイリウムを用意をはじめます。
ああ、いいなぁ、手何も持たないで振るとおかしいかな?とか考えていると、
「もっていなければ、使ってください」
と声をかけてもらい、緑と白のサイリウムをいただいてしまいました。
大手町デイズ-100309
鏡音レンのコスプレをして、頭を文字刈りにしていたにいちゃん、ありがとう。
ミクのライブは、一人で言っても親切な人のお世話になってばかりです。
このサイリウムをライブでガンガン振っていたわけですが、これが楽しい。
ただ振るだけじゃなくて、タメをつくってゆっくり上げていったり、やり方はいろいろあるみたい。
僕はこの2色を使っていましたが、ミクのときは緑で、ルカのときはピンク、リンとレンのときはイエローと
出演者にあわせてサイリウムの色をチェンジするから、会場の雰囲気ががらっと変わる。
なかには「アイアンクロー」みたいにすべての指の間にサイリウムをはめ込んで手を振る猛者も。
アイアンクローはムリだけど、今度行く機会があれば自分でちゃんと用意しようと思います。

上で触れましたが、このライブには初音ミクに加えて、鏡音リン・レン、巡音ルカも出演しました。
会場の雰囲気もガラッと変わってメリハリが効いてよかったです。

僕はあまり新しい曲は知らないので、自分の知ってる曲で印象に残っているものをピックアップします。
この日のライブは曲数が多かったですね、メドレー形式のものも含めると40曲近くやったのでは??

1:ワールドイズマイン~えれくとりっく・えんじぇぅ
夏のライブでも感じたことですが、大音量のバンド形式でプレイされると印象が凄く変わる。
「おひめさま」のパワフルっぷりに圧倒されました。これが実質2曲目で、ミクが最初に登場する曲。
もってこいのナンバー、お尻をフリフリするダンスがまたいい。
そしてそのまま立て続けに演奏されたのが「えれくとりっく・えんじぇぅ」。
まさか!と思ったのですが、畳み掛けるという意味ではぴったりでした。
グイグイとステージ側に引っ張られる力強さ溢れるナンバー……って音源では思わなかったんですけどね。

2:ミラクルペイント ~ メドレー ~ ミラクルペイント
ミラクルペイントで中盤のメドレーを挟む構成。
演出が面白かった。マジシャン風の衣装を着たミクがミラクルペイントを演奏。
1コーラス終わったところで、1曲ごとに衣装チェンジしながら1コーラス歌うメドレーに。
なかでも「ハト」の際のミクの動きには驚愕だ。
後方から見たら、棒のように突っ立って、上半身を左右に揺らしているようにしか見えなかったぞ。
メドレーが終わって、再びミラクルペイントの間奏へ戻る。
ふっとステージ下手を見ると、鍵盤をプレイしているのは、OSTER project!
この曲の最初から弾いていたのかもしれませんが思わぬ発見に感激。

3:ロミオとシンデレラ
大好きな曲。歌いだしの部分で、歓声がわき上がっていました。
サイリウムを振るのが楽しかった曲です。
タメの部分とノリノリに振るところと、PPH的な部分と1つの曲でいろんな顔を持つからだと思います。
そして終盤のサビに向かって、一気に加速していく間奏以降のパート、これが大好きなんだ。
夏のライブでは、構成パートの都合、ドラムを叩いていた dorikoが渾身のキーボードで
最後はオーディエンスを煽って帰っていったのもまた印象的。
とにかく超好きな曲。

4:Dear
これは夏のライブ以降、ハマった曲。
しっかりと曲を理解したうえで聞けるとは思ってもいなかったのでメチャクチャ感激でした。
19's Sound Factoryのikuさんはギターで参加していましたが、イントロのギターはバンドの方が演奏。
バッキングだったので、これはikuさんのソロは聴けないのかと思ったら、
曲の最後のギターはikuさんだった、ああよかったです。
これも音源とは印象が違った。イントロのギターソロも違ったし、丁寧にどっしり重くプレイされてた印象。
感覚かもしれませんが、テンポも少しゆっくりに感じられました。

5:ダブルラリアット
巡音ルカの代表曲といってもいいのではないでしょうか。
アゴアニキがもじゃもじゃ頭をガンガン振り回しながらキーボードをプレイ。
プレイしない時間には、ラリアットで回転しまくっていました。
オーディエンスもサイリウムをクルクルと回転させ、終盤の間奏ではルカもヒラヒラと回転。
回転したまま飛んでいってしまいそうなくらい、気持ちいい演奏でした。

6:Just Be Friends
同じく巡音ルカの代表曲。ここではルカはハンドマイクを片手に、ボーカリスト風アクションに。
手を左右に振って、客席にアクションを求めたり、ステージを左右動き回ったり。
なかでも間奏でかがんで前のオーディエンスに手を振る仕草が印象的でした。
あれ、ステージの前方にお客さんがいることを前提にモーションをつけていると思うんだけど、
そこまで計算してライブの動きを付けている細かさに感動しました。
他にも曲によっては、ボーカロイドが二階席に向かって手を振るモーションもあって、
まだ見ぬオーディエンスを想定しながら、リアリティを出す作り手の試行錯誤が伺えて興味深かったです。

7:magnet
初音ミクと巡音ルカの危険なデュエット。
ステージにボーカロイドが二人並んで演奏するのは、この曲が最初。
二人の妖艶な手と手の触れ合う瞬間と、ぴったりとそろったダンスに注目。
曲が良くて、雰囲気のある曲だからピンク色のサイリウムとぴったりなナンバー。

8:炉心融解
鏡音リンの代表曲。ライブでやるだろうなと思ったけど、この曲からスタートするとは!
ピアノソロから「炉心」だということがわかってゾクゾクするのですが、
ステージにリンが出てきて興奮度はさらに加速。サイリウムはイエローにチェンジw
さすがボーカロイド「ぴゃああああああ」の部分も間違えなく、淀みなく、一発OKです。

9:ココロ
またまた鏡音リン。リンのメタリックなハイトーンボイスは人によっては耳をつんざくようで
不快になるのかもしれませんが、僕は凄く大好きで、「炉心」と「ココロ」はマラソンの際に
むしろ鼓膜をかきむしるくらいの音量で聴いています。
何故か気持ちがたかぶるんです。ライブで聞く「ココロ」も最高に鼓膜をかきむしってくれました。
たぶん音源よりもボーカルが立っていたはずです。気持ちがハイになるのがリンの声。
ちなみにこの後、鏡音レンが登場し、双子のデュエットナンバーがあったのですが、
このタイトルがわからない……すごくよかったんですよ、その曲が。。。。

10:Alice ~ あなたの歌姫
淡々と流れながらも、悲しみが深くつきささるナンバー。
Zeppのようなスタンディングだと、この手の曲は演奏されないのでは?と思っていたので
Aliceのような曲がライブで演奏されたのはうれしかったです。
淡々としているんだけど、迫るものがありますよね、この曲は。
ライブでも独特な存在感を放っていた1曲。
「 Alice」の次が「あなたの歌姫」。
この2曲は、腰にピンクのリボン(?)を巻いた白のドレスのミクが歌う、バラードタイムでした。
ホールでもライブやってほしいです、こういう曲が映えそうなので。

11:From Y to Y
「もうすぐおしまいです」といったライブ終盤を告げる振りとともにはじまった曲。
「みらい(みらい)「ねがい(ねがい)」というコーラス部分、あれオーディエンス歌ってなかったかな?
男っぽい声が響いていたのでw
これも大好きな曲です、こういう曲をいっぱいやってくれ!とか思った次第です。

12:サイハテ
随分明るい陽気な演奏だなと思っていたら「サイハテ」でびっくり。
小林オニキス楽しそうだったなぁ。
「サイハテ」って歌詞と曲のバランスが秀逸で、ボカロの曲でも抜群の存在感をもった曲だと
思っているんです。あんなに別れの切なさが溢れた歌詞なのに、軽快なサウンドとフワフワしたボーカル。
どこにココロを置いたらいいかわからなくなるような。
今回のサイハテは、オリジナルに「陽気さ」まで加わったようで、ますます……。
いいのか、ノリノリになっちゃったけど、いいんだろうか?と……考えさせられました。

13:ストロボナイツ
livetuneのエレクトリックなサウンドから、バンド風サウンドになった「ストロボナイツ」
こうした違いが楽しめるのもライブならでは?確かこの曲で、ミクは2階席を意識していたような気が。

アンコールは凄い声でした。
生モノの声じゃないから、ノドを考慮せずにアンコールが行えるのもボカロの魅力?

14:メルト
最後の曲はメルト。ミクは淡々としていて最後の曲なのに「ラストナンバー」的なMCは無し。
ラストだとオーディエンスもいよいよかと構えると思うので、ひとこと言って欲しかった。
僕はこの曲が流れたところで「最後だな」と確信していたので、みんな暗黙の了解だったのかもしれませんが。
凄くストレートな曲だけど、この曲でボーカロイドカルチャーに興味をもったきっかけの曲でもあるので
ライブで聴けるのは感慨深いです。
凄くいいラストでした。

……とざっくり挙げても14曲。冗談抜きで40曲やってそうだ。

ボーカロイドの曲はチャートで上位に入ることもあるのかもしれませんが、
世間的にはまだまだマイナーで、一部のマニアックなファンが好んでいるという感じかもしれませんが、
風穴は徐々に開いているんじゃないかというのが今日の実感。
穴の開き具合は、ゆっくりかもしれないけど、10代の若者たちは合成音声への抵抗感が
ずっと少なくて、受け入れやすくなっているんじゃないかなと。
このまま、ソフトウェアの発展と、グラッフィクの進化を遂げていくと、
ボーカロイドのライバルは、ティーンを狙った女性アイドル歌手なんかになるのかもしれません。
ネットの世界で広がったカルチャーですが、時にこうしたリアルイベントで感動を共有することで
趣味の見えない絆は強くなっていくはず。
こういうライブイベントは続けて欲しいと思います(今度はホールで一度見てみたい!)


次回のライブは夏なのかな?
PSPの続編が出るのが夏だから、その辺でやって欲しいですね。
大手町デイズ-100309
入場の際にもらったSEGAのカード、これって何に使うんだろう?

ということで、明日は初音ミクを取り上げる東京大学のシンポジウムに行ってきます。
(理解できない難しい話の場合はブログのネタにしませんがw)