弁護士法人 大阪弁護士事務所 

代表社員弁護士 重次直樹 (本部)重次法律事務所

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2016-05-20 10:03:34

交通死亡事故の解決事例

テーマ:交通事故

交通死亡事故の依頼が多く,4件持っていましたが,最近,2件が解決・終了しました。精神面では弁護士にとっても重い事件でした。→関連記事


このうちの1件は,保険会社の提示が余りにも低く,驚きました。


・自賠責保険でカバーできる金額(任意保険会社の負担0円部分)

  ・・・2211万円

・事故約1年後,本人に提示された示談金額

  ・・・2281万円任意保険会社の負担は,わずか70万円での提示

  →弁護士に相談,委任

・翌月(事故1年1か月後),弁護士に提示された金額

  ・・・4100万円(本人提示額+1819万円,自賠+1889万円

  →弁護士(私)が拒否,増額交渉不調


・弁護士からの被害者請求で自賠責から2211万円取得(事故1年5か月後)

・訴訟提起,3000万円で訴訟上の和解が成立し,入金(事故2年2か月後,弁護士に委任して1年2か月後)

  (合計5211万円取得,当初提示比+2930万円,約2.3倍)


  → 経緯等の詳細はこちら(事務所サイト:交通死亡事故の事例)


交通事故では保険会社の本人への提示額は,裁判基準・弁護士基準と比べて,非常に低いことが多いのですが,今回は,際だって低い提示でした。


弁護士が介入すると,保険会社基準→弁護士基準での対応となり,大幅に増額となるのですが,今回は加害者の落ち度が大きい過失割合100:0の交通死亡事故だったのに,慰謝料を訴訟前だからと2400万円の基準から10%(240万円)も減額して提示して来ました。


財閥系・従来型の保険会社ではなく,テレビCMを盛んに行うダイレクト系で著名な保険会社でしたが,余りの提示の低さに驚き,私も被害者遺族も,CMを聞くたびに不快な思いとなり,チャンネルを変えたりしています。(CM自体は感じは良いのですが)


交通死亡事故のような大型の事故では,弁護士の介入により数千万単位で取得金額が増えることは,決して珍しくありません。


もう一つの終了した交通死亡事故の事例では,保険会社が財閥系で経験があり,訴訟になると遅延損害金や弁護士費用の面から不利と判断したようで,約7500万円の取得で刑事判決前に解決しました(事故発生から1年以内,見舞金込みの金額)。→ 事務所サイトでの交通死亡事故の事例紹介


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交通事故における保険会社の対応については,被害者となった経験のある方は実感されていると思いますが,かなり問題を感じます。


もっとも,損害保険会社の広告は,テレビCMを含めて極めて盛んであり,大広告主である自動車保険会社の問題について,大手マスコミが積極的に取り上げることは難しそうです。


テレビで広告をしているダイレクト保険が,財閥系の保険会社より安いのは,走行距離等に応じていることだけが理由ではないと感じます。

(上記の保険会社の支払いの悪さは,弁護士業界では比較的広く知られています)

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2016-05-03 16:52:14

遺産争い・遺留分減殺請求事件の解決

テーマ:弁護士業務・経営

相続は債務整理・離婚・交通事故と共に,弁護士の一般民事の4大業務分野になる。


相続は親族間で円満に行われることが多い。

しかし,弁護士に依頼が来る遺産争いは,解雇等の労働紛争,医療過誤,建築瑕疵,子の奪い合い等の事件と同様,紛争が先鋭化・長期化しやすい分野として,業界では知られている。


私の知人・友人でも,10年,20年の遺産争いを経験した人も何人かいる。非生産的で精神的・情緒的に消耗する争いだ。


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そんな中,先月下旬,対立関係が相当に厳しい相続事案(遺留分減殺を中心とする複合事件)が解決に至った。遠隔裁判所に出向く事案であり,委任を受けて2年余りでの決着だった。


事業承継が絡む比較的大口の事案だった。


私は銀行員時代,事業承継対策(非公開株式の株価算定等を含む)の実務経験がある。


相続事案は長期化・紛糾化しやすく積極的に受任していなかった(事務所サイトでも相続のページは敢えて作らず,事業承継のサイト のみ作成している。大阪弁護士会の「遺産相続の落とし穴」 でも,事業承継の項を担当・執筆した)。


しかし,未公開株価の算定等が絡む事案であり,平均的な弁護士では株価算定等は荷が重いと思われ,銀行で株価算定等の実務経験ある弁護士として,受任した。


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被相続人(依頼者の祖父,会社経営者で資産家。父死亡後,疎遠化)の死亡を,1年余が経過して後継者から連絡してきた事案であり,1円も渡したくない,という先方の意向が伺われた。裁判(調停)前の交渉や資料提供にも一切,応じてもらえなかった。


当初から長期化が予測された。


遺留分減殺の行使期間については,1年の消滅時効と10年の除籍期間が設けられている。


(減殺請求権の期間の制限)

民法第1042条  減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。


死亡から1年経過すれば遺留分減殺請求権の行使が困難になる,と考えるのは素人的な考え方だ。


「相続の開始」「遺留分を侵害する贈与・遺贈があったこと」の両方を知ってから1年を経過しないと,消滅時効は完成しない。


もっとも,知らなかったことを裁判所に認定させるには,それなりの証拠作成が必要になる。次のような手続きを取った。


・死亡を知った経緯に関する陳述書の作成

・上記陳述書に確定日付(公証人役場)

・熟慮期間伸長の申し立て(家庭裁判所)

・相手方との電話の通話記録の取り寄せ(携帯電話会社)

・遺言を知った経緯の証拠化(法務局で登記資料謄写→公証人役場で遺言書謄写の領収証等)


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上記の証拠化を徹底したためか,消滅時効については,余り争点にならなかった。


決着については,死亡前後の経緯について,先方が相当悪質な虚偽主張をしてきたのに対して,依頼者側が当時のダイアリーや,財産を不当に奪われた証拠書類を保管していたことで,反論後に局面が相当に変わり,決着に近づいた印象がある。


調停成立の期日に受領した高額の銀行支払い小切手を,事前に資金化日数を調べて,早期に資金化できる取引銀行に他店券入金し,2営業日後に資金化できた。


前週には別の遠隔地の裁判所で3時間半の証人尋問期日があり,他にも複数の大口事件が山場・正念場を迎えて神経をすり減らしたことや,事務所書庫の移転,期間職員の退職とレイアウト変更等の力仕事もあり,やや,ぐったりしていた


遠隔裁判所の相続案件で調停が成立した翌日,休日出勤の振休を取った。


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裁判所の人事異動が4月1日に集中する影響を弁護士業務も受ける。


3月末で転勤予定があれば,裁判官が事件の処理を急いだり,逆に後任に任せて遅らせたりすることがある。


また,4月10日くらいまでは,裁判期日を入れないことが多い。


その反動として,4月11日くらいから,裁判期日が密になることも多い。GWの影響もあって(裁判所職員が有給休暇を取るケースも少なくない),一層,4月後半は裁判期日が密集しやすい。


一般的にも,3月末~4月は業務が集中する時期であり,今回,事務所で4月1日まで産休予定だった事務員の代替を3月末まで短期採用していたこともあり(結局,4月1日の復帰はできず,代替職員に頼み込んで4月15日まで伸ばしてもらった),この4月には,いろんな事務が集中した。


GWには親族の帰省等で楽しく過ごせる面あるが,滞留事務や書庫移転の片づけ等もあり,なかなかのんびりと出来ない日々が続いています。(多少の息抜きはしています。年齢的にも以前のような無理はできなくなりました。)

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2016-04-04 18:20:16

交通死亡事故の陳述書と朗読

テーマ:交通事故

現在,交通死亡事故を私個人の担当だけで4件受任している。


先月中旬,刑事裁判で遺族の陳述書を読み上げた。翌週,民事裁判用に2通,捜査機関への提出分3通を読み,短期間に6通の遺族の陳述書を読んだ。それぞれ遺族の悲しみは深く,精神的にかなり重たい状態になっている。


刑事裁判の法廷での朗読では,凄惨な事故だったこともあり,途中で涙ぐみ,声が震えてしまった。


弁護士として法廷で涙を流したのは2回目だが(1回目は独房に8か月拘留された被告人の冤罪事件で無罪判決を得た後),手続き中で陳述しながら泣いてしまったのは初めてだ。


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以前に事務所サイトでも紹介した通り,刑事裁判における被害者の意見陳述には2通りある。

 →被害者参加手続きと2つの意見陳述


・被害者参加制度に基づく意見陳述(刑訴法316条の38)・・・証拠にならない

・被害者の心情その他の意見陳述(刑訴法292条の2)・・・情状証拠になる


今回,朗読したのは,情状証拠にするための後者の陳述書だが,裁判官の指示で,被害者参加代理人が朗読することになった。


事前に読み上げの予行演習を事務所で行った際も泣いてしまい,法廷で読み上げた後は一層記憶に刻み込まれ,その後も思い出しては泣いてしまい,感情的に重い状態が続いている。


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故人の生前の様子や,遺族との関係,遺族の気持ちなどを伝えるには,生前の写真や遺族の陳述書は効果がある。


他方,陳述書を作成する過程で,思い出すことも多く,遺族の気持ちが再度,傷ついたり,悲しみが刻み込まれたりする。


親族ではない弁護士でさえ,気持ちが塞いでしまう死亡事故・・・重たい事件だと,改めて思う。

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2016-02-12 03:11:10

金融市場の激震…株暴落・円高・原油安:★ドイツ銀行は救済される★

テーマ:金融経済・政治

金融市場に激震が走っている。我々の生活,特に経済生活と無関係であり得ず,影響大である。


(先に結論を書けば,ドイツ銀行は,TOO BIG TO FAIL,潰すわけに行かず,ドイツ政府・ECB・EUが,必ず救済するだろう)


前回の記事でドイツ銀行問題に触れた。日銀のマイナス金利導入は必ずしも逆効果だったと断じえず,そのタイミングをプラス評価し,株暴落・円高等のマイナスはドイツ銀行問題の影響である可能性を指摘する趣旨だった。


もっとも,昨年秋,経営弁護士のメールグループに復帰した際も,ドイツ銀行問題を指摘すると,リーマン程度では済まない,との意見が出た。


確かに,リーマンの比ではない

そして,ドイツ銀行が自力で立ち上がることは,もはや不可能で,時間の問題だろう。


・・・中国問題,VW問題,FRB利上げに続き,今回の株安,信用不安で,悪循環に陥りつつある。


(なお,現在の金融情勢は,以前に書いた通り。アメリカは離反した欧州・ドイツに報復的行動に出ている → こちらの記事 ),


しかし,ドイツ銀行は投資銀行リーマンと異なり商業銀行である


モルガン・グレンフェルなど投資銀行を吸収して,デリバティブの残高も大きいものの,商業銀行部門が大きく,必ず,救済される


潰せば,金融市場だけでなく,直接金融を受ける多くの一般企業の資金繰りに影響し,ドイツ経済・EU経済・世界経済に壊滅的影響を与える。


なので,リーマンと桁違いの影響力を持つドイツ銀行は,自力で立ち上がれない経営状態にあるが,救済されないことはあり得ず,必ず救済される。


本ブログは,意外と,いろいろな人が読んでおり,前回,ドイツ銀行問題の結論を書かず取り上げたため,急きょ,結論を補足するものです。


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ジャネット・イエレンが,ドルの強さも,石油価格の大幅下落も,予測で出来なかったと議会で証言している。


このブログの読者はお分かりの通り,上記は私でも予測していた。

イエレンが予測していなかったなど,信じられない。


以前に書いた通り,米国は,離反したドイツや中国に報復する段階にあり,FRBの利上げは,その一環ではないだろうか?


仮に,本当に予測していなかったなら,極めて頼りない。金融市場が動揺するのも当然だろう。


米国も,中国・ドイツに圧力を加えるものの,潰すことはない。

自らの不利益が大きすぎる選択は取りえない。


ドイツ銀行は救済される。

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ドル高・原油安の傾向を覆すとすれば,日本の黒字だろう。


日本が黒字をため込み,米国を支えることに使わなければ,日本から収奪し,ドルを支えるため,原油価格を高騰させることもあり得る。


もっとも,日本は為替介入などにより,黒字を米国に還流させる可能性の方が高いだろう


日本は,担保や見返りを得ながら米国を支える形で,自らの利益を実現する方が,独自路線で米国の警戒や報復を招くより,安全かつ賢明だろう


もっとも,欧州・EU・ユーロの台頭や,米国・ドルの覇権の衰退には注視が必要だ。米国が余りに自己中な場合,対抗措置も必要だろう。


日本には,それなりの対抗力があると思う。


米国も,日本を必要としている。


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現在の情勢理解については,以下の記事もご参照ください。

今,起きていること(株価・金融・国際政治など)  2015.10.20

まさに,下記5)のとおり,FRB利上げでドイツ銀行が追い詰められています。


----------(上記記事より)-------------


EU・ユーロが,米国・ドルと対峙する関係こそ,1999年・2001年のユーロ導入後の,国際政治(金融・経済)の基本構造である。ユーロ誕生で国際的な力関係は大きく変化した。


1)ブッシュの米国と欧州は対立し,イラク戦争やリーマンショックが起こった。


2)オバマ誕生後,米欧は融和した。


3)ウクライナ危機では,オバマは欧・露の分断に成功し,ドル安定・米国独り勝ちとなり,原油安が進行した。


4)ウクライナやシリア・イラクで,米国が「ユーラシア混乱政策」」(自国を安全圏に置き,ユーラシアを相互に対立させる政策)をやり過ぎ,2015年初めから,欧州が米国から離反する動きが出た。

  ・・・米国抜きでのウクライナ停戦,AIIBへの欧州各国の参加など。


5)米国が欧州・中国への報復を始めた ・・・ 今,ここ

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2016-02-09 20:02:19

日銀「マイナス金利」発表の効果と,ドイツ銀行問題

テーマ:金融経済・政治

日銀が平成28年1月29日にマイナス金利導入を発表したが,円安・株高に触れたのはごく一時で,その後,激しい円高・株安が続いている。


日銀のマイナス金利導入が全く無意味だった訳ではない。


また,発表のタイミングには,計算があったと思う。


・甘利経産大臣の辞職・汚職問題

・TPP問題

・株安問題

など,内閣の経済政策への批判をかわす効果もあっただろう。


私は,ドイツ銀行の決算発表の直後だったことにも,注目している。


平成28年1月28日,ドイツ銀行は2015年の赤字が68億ユーロ(約8800億円)と発表している(同月20日には67億ユーロ,約8700億円の赤字見込みを発表していた)。


当ブログでも,ドイツ銀行問題に,何度か触れてきた。煽る話でもないし,簡単に触れたけだし,そもそも金融関係者の間では,以前から,それこそ5年前から指摘されていた問題だった。


三菱東京UFJ銀行は,ドイツ銀行と比べて,はるかに健全なBSを有しており,逆に,ドイツ銀行のBSは,以前から,三菱東京UFJ銀行の足元にも及ばない,不安定な内容だった。


昨年8月の中国経済悪化の表面化,昨年9月のVW問題も重なり,いよいよドイツ銀行問題が表に出てきた感がある。


昨日一日で,ドイツ銀行の株価が約10%も下落した。CDSは急騰している。


昨今の国際情勢・金融情勢は変動要因が多く目が離せないが,ドイツ銀行問題も,いよいよ放置できない水域に入りつつある。

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