弁護士法人 大阪弁護士事務所 

代表社員弁護士 重次直樹 (本部)重次法律事務所

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2016-08-26 18:02:35

医学書と交通事故の後遺障害・等級認定の異議申立

テーマ:交通事故

交通人身事故・労災人身事故の受任,特に後遺障害の認定が重要な事案(異議申立が必要な事案を含む)の増加に伴い,医学書を読む機会が増えています。


 


初歩的・基礎的なものから,大病院・大学の図書館にあるような医学書まで,案件に必要なものを選び,揃えています。


幸い,当事務所の隣には,日本一と言われる書店(丸善ジュンク堂梅田,売場面積で日本一と言われる)があり,6階に医学書・医学雑誌が多数揃っていて,案件に必要な記載があるか,見て選んでから購入することが出来ます。


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お盆明け,事務所に,交通事故の後遺障害の等級認定(自賠責)に関する「異議申立」の結果通知書が2通,届いていました。


1通はTFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)の事案で,当初認定(14級)に異議申立てを行い,12級にアップしました。


14級と12級では,補償・賠償の内容が大きく異なります。


例えば,

【自賠責からの支払い(後遺障害部分)】

・14級・・・75万円

・12級・・・224万円(約3倍)


【後遺障害慰謝料の基準=大阪基準】

・14級・・・110万円

・12級・・・280万円(2.55倍)


【後遺障害による労働逸失利益の率の基準】

・14級・・・5%(むちうち等では5年が基準)

・12級・・・14%(67歳までか,平均余命の半分の,長い方)


上記認定の詳細は,事務所サイトにアップしています。

 → 【TFCC損傷】異議申立により14級→12級となった事例


もっとも,更に10級を目指して,2回目の異議申立を行うかどうか,検討中です。来週,医師の資格を持つ医療コンサルと面談相談予定です。TFCC損傷以外では,高次脳機能障害・頚椎症性脊髄症・むちうち(頚椎捻挫)・足根洞症候群の4事例(計5事例)について相談予定です。


今回の14級→12級の異議申立には,特に担当医の意見書は添付せず,新たなMRI画像を撮影することもせず,上記写真の本棚にある書籍(以下)に基づき,既提出の画像について,医学的に解説しました。


1 「スポーツ診療のための画像診断」(2016.2.24発行,小橋由紋子著)の139頁(TFCC損傷の典型例のMRI写真)・・・依頼者のMRI①にも同じ位置に同じ程度の輝度変化があることを説明(依頼者のMRIは解像度に劣るが,充分,確認できる)


2 「スポーツ診療のための画像診断」(同上)の137頁(TFCCの図解とPALMER分類の説明)・・・分類ⅠB(外傷性・尺骨頭付着部の剥離)部分の説明に使用して,依頼者のMRI①②③いずれも尺骨頭付着部分の損傷を裏付けると説明


使用する書籍は,「画像や説明が,当該事案にピッタリで,分かりやすいもの」を用います。


今回は,TFCC損傷のPALMER分類の説明図や解説が分かりやすく(2),依頼者と同じ部分・程度の輝度変化あるMRI画像が掲載されており(1),躊躇せず,上記書籍を異議申立書に添付しました。


異議申立書や自賠責の等級認定内容は,プライバシー部分を削除・変更して,事務所サイトにアップしています。

 → 【TFCC損傷】異議申立により14級→12級となった事例

 

同じMRI画像・診断書なのに,医学書に基づき説明した後の認定には,以下の違いがあります。


【異議申立後=12級】

後遺障害診断書上,右手関節TFCC損傷との傷病名が認められます。この点,提出の画像上,MRIにおいて,右手TFCC損傷が窺われる輝度変化が認められ他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えられる


同じMRIでも,当初の認定は,以下の文言です。

【異議申立前=12級否定,14級】

提出の右手部画像上,同部に右手関節TFCC損傷は窺われるものの,明らかな断裂等は認められず,後遺障害診断書上も自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことから,他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えることは困難


全く同じMRI画像・診断書でも,認定が全く違います。


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もう1件は,異議が認められず,14級のままでした。頚椎症性脊髄症の事案で,もともと脊柱管狭窄のある高齢者の事案であり,難易度は高い事案でした。


しかし,直ぐに2回目の異議申立を行いました。


1回目は医師の診断書・意見書に基づき主張・説明しましたが,2回目となる今回は専門的な医学書を多数あたり,本件事案に適切だと思われる専門書の該当頁を添付して,異議申立を行いました。


今回は,以下の書籍から多数引用しました。


「頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン 2015」監修:日本整形外科学界 日本脊椎脊髄病学会,編集:日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,頚椎症性脊髄症診療ガイドライン策定委員会)


上記も,隣の丸善ジュンク堂(梅田)で多数の医学書を見比べて選びました。ジュンク堂は「座り読み」が認められており,専門書を何時間もかけて探し,購入しました。


上記書籍に参考書籍として掲載された「MOOK 整形外科」シリーズ」など,ジュンク堂に置いていない書籍の一部は,通販で取り寄せました。


脊髄症の事案は,自賠責で認定を受けることは難しく,訴訟になる事案が多いようですが,上位の等級認定を取れるよう,トライしているところです。


幸い,担当の医師が協力的であり,別の医師(医師の資格を持つ医療コンサル)との面談でも,相談予定です。


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弁護士になって,医学書をこれほど読むとは思いませんでしたが,医学書の在庫が多数ある丸善ジュンク堂の隣という好立地を活かして,医学書を読み込み,医学や後遺障害の等級認定について,一層,研鑽を重ねる所存です。

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2016-08-24 23:30:53

加藤陽子「戦争まで」/日独伊三国同盟の狙い/熱河進出(阿片問題)

テーマ:読書・書籍

加藤陽子「戦争まで」は,日米戦争に至る過程で,世界から日本に選択を迫られた3つの交渉事を分析する。


1 満州事変のリットン報告書

2 日独伊三国軍事同盟

3 日米交渉(1941.4-1941.11)


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2の三国同盟の分析が面白かった。


ドイツの動機は,対米牽制であるが,日本が対米関係悪化リスクを冒してまで軍事同盟を結んだ理由

・・・本国がドイツ傘下に入ったフランス・オランダの東亜の植民地を条約で確保すること=「戦わずして勝つ」こと(悪く言えば火事場泥棒)を実務レベルは企図していた!


植民地宗主国を抑えたドイツによる,東南アジア植民地の再編成の可能性を,参戦もしていない日本が封じるための声明」(277頁)との見方だ。


今から見れば,連合国vs枢軸国だが,当時はいろんな組み合わせがあっただろう。実際,南京事件は,「ナチス軍事顧問の支える中国軍vs日本軍」だった。松岡洋右はソ連を含む4国同盟での米国牽制を考えた時期があった。


なお,三国同盟を推進した松岡洋右は,佐藤栄作・岸信介の佐藤家と強い姻戚関係にある。佐藤松介は,岸・佐藤の叔父であるが,松岡洋右の妹・藤枝と結婚した(①)。さらに松介・藤枝の娘寛子が,佐藤栄作の妻となり(②),栄作は佐藤松介・藤枝夫婦の婿養子に入った(③)。

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1のリットン報告書への対応の分析も,面白い点はあった。


2の三国軍事同盟を主導して日本を破滅に近づけた松岡洋右(2当時の外相)は,1のリットン報告への対応ではむしろ被害者だ。


松岡の交渉妥結の努力に内田康哉(1当時の外相)が立ちはだかる。


「内田康哉外相の強い反対の結果,頓挫」「しかし,内田はなぜかダメだ,ダメだと突っぱねた」(193頁),「この内田の楽観は,・・・まったく根拠に乏しい自信でした」(194頁)


内田「焦土外交」と言われる通り,衆議院で「国を焦土にしても満州国の権益を譲らない」と答弁(焦土演説,1932.8.25),満州権益での譲歩回避は最終的に日本を焦土にする。


・・・左寄りの加藤陽子も,右寄りの倉山満も,内田康哉には厳しい。

倉山満は以下のサイトで,内田康哉を「史上最悪の外務大臣」と評している。

→ こちら


「内田康哉」で検索すると,上記の倉山満のサイトが2番目に出るし,ヤフーでは「内田康哉の焦土外交」と補助キーワードが表示される。


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しかし,加藤陽子の1(満州事変・リットン報告書・国際連盟脱退)に関しては,不足を感じる。連盟脱退に決定的に重要だった満州外(東三省外)への進出(熱河作戦,1933.2.23)について,全く触れていない。連盟脱退を余儀なくさせた16条経済制裁のリスクは,熱河進出がもたらしたものだった。

【追記】加藤氏は前作「それでも,日本人は「戦争」を選んだ」では,熱河作戦の決定的な重要性について触れていました(307-312頁)。もっとも阿片については触れていませんが。【追記終】


・1933.2.23 熱河作戦開始

・1933.2.24 国際連盟総会,リットン報告書の可決(賛成42,反対1,棄権1)を受け,松岡外相が退席

・1933.3.27 日本が正式に連盟脱退を通告


熱河がアヘン生産に密接であることや,天皇の裁可問題を含むことも,取り上げられない理由かもしれない。


・1933.2.4 閑院宮参謀総長が熱河作戦に伴う配転許可を天皇に求める

 →長城線を超えない条件付きで,天皇は許可(政府意向を未確認)

・1933.2.8 斉藤実首相が「熱河攻略は連盟の関係上実行し難きことなれば内閣として不同意」と上奏,天皇は奈良侍従武官長に取消の伝達を命じるが,奈良は消極(総長は10日に拝謁予定,その際伝えれば足りるとした)

・1933.2.10 天皇が総長に中止要請

→陸軍は2.4御裁可済として応じず。統帥大権の発動による取消も奈良などに止められる。

・1933.2.23 熱河作戦

・1933.2.24 国際連盟総会,リットン報告書可決,松岡外相退席



連盟脱退につながった熱河作戦の裁可について,若い天皇の「苦い経験」との指摘がある(「大元帥昭和天皇」53頁)。曰く「熱河作戦の許可をめぐる天皇の動揺は,天皇にとって苦い経験となった。政府の方針をみずから確かめた上でないと,うかつに作戦の許可を出してはならないこと,一度出した命令(許可)は容易に撤回できないこと,大元帥・天皇にとっては強烈な体験であった」


熱河作戦と国際連盟脱退の解説動画 も熱河作戦の重要性,昭和天皇の裁可問題(奈良・西園寺が天皇の取消意向を抑える),国際関係の悪化と連盟脱退との関係を指摘する。



満州国は日露戦争で日本人が血を流してロシアを撃退した土地であるが,良質の阿片生産地・熱河は満州国外・中華民国内である。また,侵攻を進めると国際連盟の16条制裁を受ける危険が大きい。熱河進出の正当化・国際的理解を得ることは難しく,連盟に残れば制裁を受ける。熱河作戦は石原莞爾も反対したが,武藤章が強行した。熱河作戦が連盟脱退に直結したのであり,阿片利権が日本の進路を誤らせた,という見方ができる。


なお,大陸阿片利権の中心人物として,東条英機,岸信介,里見甫などが挙げられる。東条の大出世と阿片のつながりを指摘する向きは多い。


満州事変については,財源としての阿片と熱河進出,朝鮮軍・関東軍の独走,朝鮮銀行券問題,ロシア革命とロマノフの金塊問題など,歴史上のタブーは多い。


高校生向け歴史講義の素材にリットン報告書を挙げながら,連盟脱退に決定的に重要だった熱河進出に全く触れない点には,偏りを感じた。


【追記再掲】加藤氏は前作「それでも,日本人は「戦争」を選んだ」では,熱河作戦の決定的な重要性について触れていました(307-312頁)。もっとも阿片については触れていませんが。【追記終】

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226事件で殺された大臣は,高橋是清斉藤実の2名。


斉藤実・・・阿片産地の熱河作戦に反対

高橋是清・・・軍事費拡大に反対,朝鮮銀行より通貨発行権の奪取も検討

 (是清は通貨発行に関して,アベノミクスの宣伝とは異なり,保守的だった)


いずれも,大陸での軍産官暴走の資金源・金融的背景にメスを入れようとした大臣が殺された


政治的事件とされる226事件も,実は利権的・金融的な動機の方が大きかったのかもしれない。




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2016-08-12 08:16:34

佐々木経二 日本画展(阪神百貨店,28.8.10-28.8.16)

テーマ:社会・文化・歴史・芸術・娯楽・スポーツ

昨日FBでも紹介しましたが(→こちら ),阪神百貨店で「佐々木経二 日本画展」が開かれています(→佐々木経二ブログ佐々木経二公式HP )。


先生のお許しを頂きましたので,撮影の上,アップします。


sasaki 1

案内の絵ハガキやパンフにも載っている「芙蓉」。

背景も含め,繊細で上品ですね。

 

「あさがお」







佐々木経二 日本画展 阪神百貨店28.8.10-28.8.16



 

先生は端正でおしゃれです。本人も絵になりますね!

展示会場で色紙にリクエストの絵を描かれたりします。

先生が来られる日時は,百貨店にお問い合わせください。

私は昨日,事務所に泊まり込み,猛暑もあって,Tシャツ,半パンに,冷房対策で沖縄の「かりゆし」を羽織った変な恰好でした(寝ぐせあり)。 (-_-;) 

初めて一緒に撮影しましたが,正装の時に取っておけば良かったです。。。




母の携帯の待ち受けは,佐々木先生の「あさがお」です。

(佐々木先生のホームページより)

縦長で携帯に丁度良いです。


私はiPADとパソコンの一部で,佐々木先生の「すずらん」を壁紙にしています。
 

このブログの現在のプロフィール写真は,佐々木先生の「白椿」です。


また,事務所(執務階)の入り口には,先生の画があります。


重次法律事務所の執務階入口,佐々木先生の日本画

先生は,2014.12.11-2014.12.14には,ルーブル美術館にも出展しています。

ルーブル出展(最終日)会場の様子(初日)はじまりましたいよいよです


日本画の良さが世界に伝わって欲しいですね。


佐々木先生の絵は,綺麗で落ち着きます。

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2016-08-07 19:32:37

バフェットとジョブスの「成功の10の法則」

テーマ:金融経済・政治

ゲイツに出資した投資家,ウォーレン・バフェットの「成功の10の法則」 → こちら


1 情熱を持てるものを見つける(夢中になれること,好きなことを見つける)

2 上手に雇う

3 他人がどう考えるか気にしない

4 読む,読む,読む(本,新聞,伝記,・・・)

5 安全な余裕を持つ

6 競争上の優位を持つ

7 自分に合わせたスケジュールを持つ

8 常に競い合う

9 成功のモデルを持つ

10 無条件の愛を与える


多くの成功者が情報を重視して未来を先取りする。バフェットも大の読書家のようだ(4)。

自分のペースを保つことも(3,7),多くの成功者が共通して主張する。

情熱(1)は,次のジョブズ(2)などと共通する。

チーム・採用の重要性(2)も,多くの成功者が挙げる要因だ(ジョブズの5)。


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ゲイツのライバル,ジョブズの「成功の10の法則」  → こちら


1 人生を制限しない

2 情熱を持つ

3 自分のためにデザインする

4 がらくたを売らない

5 偉大なチームを作る

6 お金のためにやらない

7 自分の製品にプライドを持つ

8 顧客中心 

9 マーケティングは価値に関するもの

10 ハングリーであれ,フーリッシュであれ


2の情熱(PASSION)は多くの成功者が挙げている。

バフェットの1も「FIND YOUR PASSION」だった。


6のお金のためにやらない,は,トランプの1だった。


8の顧客中心は,カーマイケルの成功法則シリーズとは違うが,日清食品の安藤百福がインスタントラーメンを開発した状況と共通する。技術を当てはめるのではなく,ニーズに向けて開発への試行錯誤がなされた。

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2016-08-07 18:56:14

カーマイケルの「成功の10の法則」とビルゲイツ

テーマ:社会・文化・歴史・芸術・娯楽・スポーツ

「成功の10の法則」シリーズのYOU TUBEで有名なカーマイケル。

彼自身の10の法則もアップされている。


 → カーマイケルの「成功の10の法則」


1 環境を変える

2 付加価値を高める

3 自分に一番の「ことば」を見つける

4 ユニークになる(独自性を持つ)

5 自身に従う(FOLLOW YOUR FLOW)

6 失敗を予測する(想定する)

7 熟達者をモデルにする(カーマイケルはIBMと組んだゲイツを模倣して成功した)

8 情熱を持つ

9 人々にインパクトを与える

10 信じる(自信,信念,信仰を持つ)


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カーマイケルがモデルとしたビルゲイツは,成功の10の法則として,以下を挙げています。


【ビルゲイツの成功の10の法則】 → こちら


1 エネルギーを持つ

2 悪影響を与える(大学中退を紹介,joke?)

3 ハードワーク

4 未来を創造する

5 自分がしていることを楽しむ

6 ブリッジ(カードゲーム)をする

7 助言を求める

8 良い人を選ぶ

9 ぐずぐずしない,先延ばししない

10 ユーモアのセンスを持つ


3のハードワークは,トランプの6と同じ,

5はトランプの7と同じ(Gates:enjoy what you do, Trump:love what you do),

たくさん見ると,いろんな共通点が浮かびます。


なお,ゲイツ8の良い人を選ぶ,の中に,共同事業者のポール・アレン,部下のボール・バルマーを選んだことが挙げられていますが,カーマイケルが指摘したIBMなどの「ビッグ・ビジネスとのパートナーシップ」は挙げられていません。


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