堀部安嗣×ダイシンビルドの 素敵なマリアージュ | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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堀部安嗣×ダイシンビルドの 素敵なマリアージュ

 

オガスタ設計部にとって、堀部安嗣氏さんはスーパースターである。

吉村順三から綿々と続く、芸大系の正統的な建築家の系譜において、現役バリバリ。

静謐で凛としたたたずまいに、美の本質を感じる。

1つのスタイルでゴールとみなさず、常に進化しようという姿勢を持っている。

文章も詩的であるし、 自ら竣工写真を撮るのだが、それも空気感が出ていて極上だ。

 

もちろん 超人気の建築家で、設計の依頼があっても、まずは断る。

それでも来る人の依頼を受けて、いつプランができるか知れず、熟成させる。

1年が過ぎ 忘れたころに「できましたよ」と、「鶴の恩返し」のように提示する。

そんな堀部伝説は有名だ。

 

かの森山高至さんも 堀部安嗣さんについて絶賛している記事を書いていて、

どこがすごいかは、その記事を読んでもらうとより理解できます。

 

建築知識ビルダーズで、堀部氏と伊礼氏の対談が載っていた。

両者は工務店界での2大スター建築家である。

伊礼さんを徹底的にパクった、TTP工務店は、I WORKS というFCを通じて何社かあるが、堀部さんをTTPした工務店はあまり聞いたことが無い。

その独自な詩的な感覚は真似したくてもできないからなのか?

 

堀部氏は温熱には大した関心なく、我がケンチク道を突き進んでいたわけだが、

断熱の義務化により、2020年以降、これじゃまずいぞということになった。

堀部氏、「Q値で窮地に追い込まれる」 

住宅博in KOBEで堀部さんは講演を行ったが、鉄板の自虐ネタを披露された。

 

 

 

 

プロデューサーの小池氏が、目玉の建築家として堀部氏を招へいしたわけだが、

だったら、ダイシンビルドの清水さんと組んだらいいとセッティングしたという。

氏は1967年生まれで私と同じ年の生まれ。

住宅博の夜の懇親会であいさつしたら、ビルダーズの木藤編集長から話を聞いてくれていたようで、知っていてくれたのはうれしかった。

 

堀部事務所は7人の所帯でそれなりの規模だ。若い女子の所員も多いようだが当然みんな優秀で、清水さんが温熱のレクチャーを行った際に、吞み込みがめちゃくちゃ早かったという。

今回の作品は、初めての気密住宅であるが、C値は0.5であったという。

窓も新住協ではおなじみのアルス木製サッシで高性能。Q値は1.7。

ダイシンビルド流、床下エアコン暖房搭載である。

日射取得もしっかりして土間で蓄熱もあるから、このエリアで申し分はないだろう。

 

今まで全く温熱に興味のなかった堀部氏と、関西の高断熱の顔役である清水さん。

その素敵な結婚(マリアージュ)でつくられた、記念すべき小さな家。

「美しさと、温熱スペックがきちんと兼ね備えた家」である。

 

住宅設計は 時代要請から分岐点に到達していることがよくわかる。

建築家と工務店のコラボの事例として歴史的な作品だと思う。