サッカー日本代表の岡崎慎司選手が、ブンデスリーガのマインツからプレミアリーグのレスターへの移籍が決まりました。レスターはマインツに移籍補償金として1,000万ユーロ(約138,200万円)を支払ったようです。

 

今回の移籍は、ドイツからイングランドへの国際移籍になりますので、サッカー選手の移籍金 の記事で書いたように、1223歳の間に在籍したクラブは連帯貢献金を請求することができます。

 

連帯貢献金は移籍金の5%で、1215歳の間に所属したクラブは1年当たり0.25%1623歳まで所属したクラブは1年当たり0.5%を請求することができます。

 

岡崎選手は、中学時代は宝塚FCと三田市立けやき台中学校でプレーし、高校時代は滝川第二高校でプレーしていました。高校卒業後は清水エスパルスに入団して、24歳のときにドイツのシュツットガルトに移籍しました。

 

これらの所属チームは連帯貢献金を得ることができるということになります。中学時代はどちらのチームで日本サッカー協会に登録していたのかにより、連帯貢献金を請求できるのかが決まります。

 

中学時代に所属していたチームは、104万円を請求することができます。滝川第二高校は207万円、清水エスパルスは346万円を請求することができます。

 

中学や高校のチームで、これだけの金額を得てチーム強化に充てることができるのであれば、チームにとってはかなり大きい金額だと思います。学校の場合は、連帯貢献金を請求しないことが多いようですが、遠征費用などに充てれば所属している選手の負担が大きく減りますので、 是非申請するべきだと思います。

 

一方、Jリーグのクラブにしてみると、移籍金に比べて連帯貢献金はかなり小額になります。クラブとしては、選手が移籍するときに対価が得られるように移籍補償金が発生するような契約を結んでおくことが必要だと思います。

 

なぜなら、海外に移籍するような選手というのはクラブの主力であり、その選手が抜けたら戦力を維持するために他のクラブから選手を獲得することが必要となってきます。そのときに移籍補償金を支払うことになるのであれば、選手が他のクラブに移籍するたびに出て行くお金が増えていくだけになり、クラブの経営にマイナスになってしまいます。

 

 

また、移籍補償金とは別に、23歳以下の選手が移籍する場合には育成補償金というものがあります。23歳以下の選手が移籍する場合、元所属クラブは移籍先のクラブに対して、移籍補償金の他に12歳から21歳までの間の所属クラブの在籍年数に応じた育成補償金の支払いを要求することができます。移籍金として報じられる金額には、この育成補償金が含まれていることもあります。

 

FIFAの規定では、国別にカテゴリーに分けており、欧州ではイングランドやスペインなどUEFA1カテゴリーは在籍1年当たり9万ユーロ(約1,200万円)、ベルギーやデンマークなどUEFA2カテゴリーは在籍1年当たり6万ユーロ(約800万円)に設定されています。

 

日本は、豪州・イラン・韓国などと同じAFC2カテゴリーで1年当たり4万ドル(約480万円)に設定されています。しかし、Jリーグのローカルルールでは、移籍先がJ1の場合は1年当たり800万円J2の場合は1年当たり400万円となっています。

 

また、Jリーグのクラブが高校生や大学生を獲得する場合は、FIFAが規定している育成補償金の制度ではなく、トレーンング費用制度が適用されます。トレーニング費用制度は、プロ入り直前の在籍チームには1年当たり上限30万円(但し5年目以降は15万円)、2つ前の在籍チームには1年当たり上限15万円を支払うことになっています。

 

トレーニング費用の1年当たり30万円というのは、FIFAの育成補償金の1年当たり約350万円の10分の1以下になっています。これは、経営が厳しいJリーグクラブを考慮したものだと思いますが、経済合理性だけを考えると選手が海外に流出してしまう可能性もあります。

 

中京大中京高校からイングランドのアーセナルに入団した宮市亮選手を例にすると、アーセナルに請求できる育成補償金は約3,600万円だったのに対し、仮にJ1のクラブに入団していたときのトレーニング費用は90万円と大きな差になります。元の所属チームとすれば、海外のクラブに選手が入団した方が、得られる金額が断然多くなります(実際には中京大中京高校は育成補償金を請求していません)。

 

所属チームの指導者は、選手の将来を考え選手がより伸びることを最優先しますので、お金に目がくらんでチームを選ばせるようなことはしませんが、これだけ差があるとやはり問題が起きかねません。

 

一方で、J2のクラブの中には経営が厳しいことから、トレーニング費用を大学や高校に支払っていないクラブもあるようです。また、選手年俸の中にトレーニング費用を組み込んで、選手年俸からトレーニング費用を差し引くような契約形態を採っているクラブもあります。

 

このようなことを行っていると、J2クラブに所属している選手の年俸は只でさえ低いと言われているのに、実際にはもっと低くなってしまうことになります。

 

こういったことをなくすためにも、Jリーグの各クラブは選手が移籍するときに対価が得られるように、選手との契約を結ぶことは非常に重要だと思います。


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