「デンタくんの冒険」

僕はデンタ。11月8日生まれ。羽賀 丈夫くん〈はが たけお〉が12歳のときに僕は生まれた。たけおくんの口の中にはたくさんの仲間がいて、みんな僕が生まれてきたことを喜んでくれた。僕はみんなと仲良くしていたし、仕事もたくさんした。でも、たけおくんは全然歯磨きをしてくれない。自分はお風呂に入っているのに、僕のことは放ったらかし。だから、夜中にばいきん君がやってきて、僕をいじめるんだ。「痛いよ。」ばいきん君にやつけられて、僕は怪我まみれ。。。あるとき、たけおくんも「痛い。ママ」と泣いていた。僕も痛いよ。すると、知らない女の人が現れ、僕をペンチのようなものでつまみだした。「えー急にどうして?僕は友達もたくさんいるし、たけおくんも大好きなのに。。。悲しい。。。僕はこれからどうなってしまうのだろう。」 すると、僕は何やら瓶のようなものの中にいれられた。「やだやだ、連れて行かないで。」 キャーそうこうしている間に、僕は瓶の中に入ってしまった。ここはどこだ。。。 「ようこそ。君の名前は?」と、女の子に話しかけられた。彼女も僕のように怪我をしている。「え・・・ばくはデンタ。ここはどこ?君は誰?」「ここは私たちの家だよ!私はハーちゃん。よろしくね。」よくよく見渡せば、みんな怪我している。そうか、そうか。僕みたいに追い出された者が集まっているんだ。えー僕はここでこれからどうなってしまうんだろう。。。 さあ、これからどうしよう。 とその時、僕はまたあの白い服を着た女の人につまみ出された。 「はい、丈夫くん、この歯持って帰ってね。もうこんな風に歯が抜けないように歯磨き頑張ろうね。」「はーい」 僕は丈夫くんの手の中に戻った。「みんなまたね。せっかく仲良くなったのに。」少しさびしいけど、また丈夫くんのもとに戻れることは嬉しかった。 外は雪が降り積もっている。口の中は温かかったけど、外はこんなに寒いんだ。。でも丈夫くんの手の中も温かい。今度は大切にしてもらえるかも。 そう一緒に歩いている幸せなひとときは束の間でたった。 ポロリ。 僕は丈夫くんの手の中から落ちてしまった。「おーい。丈夫くん。助けて。拾ってよお。」でも、僕の声は届かない。 雪が降り積もる中、僕は全然知らない街に置いて行かれた。大声で叫んでも、丈夫くんには気付いてもらえなかった。 えーん。。。悲しいな。どうしよう。本当に一人ぼっちになってしまった。 僕は丈夫くんの足跡を頼りにとりあえず追いかけることにした。いつかたどり着くはず。こう信じて雪の中、僕は歩いた。 「わんわんわん!」とそのとき、僕の前に黒い物体がどついてきた。真黒な犬。でかい。もう少しで飲みこまれそうになった。危ない。「なーんだ。ただの歯か。失敬。」と真黒な犬は残念そうに僕を見た。「ちょっとそれはないでしょ。すごく危なかったんだよ。」犬は僕の話に耳もかさずに、何か必死に探している。「ねえ、何しているの?僕はデンタ。君の名前は?」 「おれの名前はシロだ。」と黒い犬は答えた。「え、君、黒い犬なのに名前はシロ?」デンタくんはびっくりした。なんでそんな真逆の名前がつけられているんだろう。「・・・」「ねえ、どうして?君は黒い犬なんだから、クロの方がよくない?」黒い犬は低い声で答えた。「おれも昔は白い犬だったんだ。」デンタくんは驚いた。「えーどうして?何があったの?君が白かったなんて想像できないよ。」「・・・・。お前に話す筋合いはない。おれは探し物をしているんだ。」「何を探しているの?」「指輪だよ。ダイアの指輪。」「なんでそんなものを?ねえ何があったか教えてよ。」シロは黙って雪の中探し始めた。デンタくんもとりあえず一緒に探した。 一時間経ち、二時間近く経過した。デンタくんはへとへとになってきた。シロも疲れてきたようだ。でもシロはまだ諦めない。 「ねえ、シロさん。僕疲れたよ。そろそろ君のこと教えてくれない?」シロは立ち止り、デンタ君をじっと見つめた。「そんなに知りたいか?」「うん。お願い。」真黒な犬シロはゆっくり腰をおろした。 「おれはな、生まれた時は真っ白な犬だったんだ。本当に真っ白で綺麗だった。」趣味の自作漫画「デンタくんの冒険」です 今回は前回からの続きの「デンタくんと黒い犬②」の巻きです 「おれはな、生まれた時は真っ白な犬だったんだ。本当に真っ白で綺麗だった。」と真黒な犬、名前はシロが重々しく話し始めた。  俺はとあるご婦人宅に門番として飼われていた。 ご主人は先立たれているため、俺といつも一緒にいた。 すごく綺麗な方だった。 俺はご婦人が大好きだった。とてもかわいがってくれた。 毎日何ごとも問題なく暮らしていた。彼女には俺が必要だったし、俺も一生懸命奉公していた。 しかし、どうしても気になることがあった。 それは彼女が片時も外さない指輪だ。 亡き夫の片身の指輪だとか。 彼女の指に光るダイヤの指輪の方が彼女と近くにいる、そう思ってしまい、俺は指輪に嫉妬してしまった。 そしてある日、俺はとうとう我慢できなくなり、彼女が寝ている間に指輪を盗み、外に放り投げてしまった。 その時はすっきりした。これで僕が一番になれると。ずっと彼女の一番近くにいられると。  次の日の朝、彼女は指輪がないことに気づき、泣き崩れてしまった。 彼女は俺を疑わず、自分が悪いと責め立て探し続けた。 そのときの俺は早く指輪なんて諦めて欲しいと思っていた。  彼女が指輪を探しているのを横目にみながら、俺はお腹がすいたのでご飯を食べていた。 すると、突然彼女がやってきて俺を追い出そうとした。 「ちょっとどきなさい。これはシロのご飯よ。なんなのよ、この黒い犬は。どこから入ったのかしら。まさかあなた    が盗んだのね。」 俺は驚いた。 俺はシロだよ。どうして? 恐る恐る窓を眺めた。 えっ、、 俺は窓に写った自分の姿に驚いた。  誰だ、こいつ。真黒な犬。。。 どうゆうことか自分でも分からないが、どうやら俺は彼女の大切な指輪を盗んだせいで真黒になってしまったと理解した。 どうしよう。とんでもないことをしてしまった。 言うまでもなく、俺は彼女に家から追い出された。 「もう、シロはどこに行ったのかしら。あなたも自分のおうちに帰りなさい。」 と彼女に最後言い放たれ、門をバタンと閉められた。 すべてを失ってから気付いた。 なんてことをしてしまったんだろう。もう一度あの頃の平穏な生活に戻りたい。 もう俺は真黒になってしまったし、シロだって気づいてはもらえない。 すごく後悔した。 すごく悲しい。 しかし、今となっては俺は彼女にもうシロだと認められないことはどうでもいい。 俺が悪いからな。 でも、彼女が大切にしていた指輪を返したいんだ。彼女の悲しい姿はもう見たくないんだ。 だから、俺は指輪を探しているんだ。必ず見つけだすんだ。 それだけでいい。  こうシロは語ったあと、すぐさま指輪を雪の中探し始めた。 「お前も嘘や悪いことをするなよ。神様はいつも見ているから、必ずお仕置きされるからな、気をつけろよ。」 シロは指輪を雪が降り積もる中探し続けた。僕も一緒に探した。シロのためにも絶対見つけないと。 こうして真黒な犬のシロと僕は毎日、指輪を探し続けた。吹雪の日もあったが、寒いことなんてまったく感じなかった。 何日経っただろうか、、、「あら、シロ。こんなところにいたのね。心配したのよ。」突然綺麗な女性がシロに話しかけてきた。「わん」シロはびっくりして、立ち止った。僕も何が起きたか分からない。誰だろう、あの綺麗な人は、、、「もうよかった。私にはあなたがいないとだめなんだから、もうどこにも行かないでね。寒かったでしょ。帰りましょう。」 驚いたことに、真黒な犬だったシロは、真っ白な犬に変わっていた。「シロさん、真っ白、本当に真っ白になってるよ!」シロも自分に何が起きたか分からなかった。「俺は本当に白くなっているのか?でも、まだ指輪を見つけれていない。見つけるまでは帰りたくない。」シロはそういって探し続けた。 「シロ。まさか私の指輪を探していてくれたの?もういいのよ。あなたさえいてくれればいいのよ。帰りましょう。」ご婦人は優しくシロの頭をなでた。「形あるものはいづれなくなるの。思い出があるから私は大丈夫よ。」続いて僕も言った。「ほら、シロさん。帰ってください。神様がシロさんの反省した気持ちと行動を見ていて、もとに戻してくれたんですよ!この真っ白な雪と同じくらい真っ白で綺麗ですよ!」 「ありがとう。」シロは涙を浮かべながら、ご婦人の方へすりよった。「シロ」さん、幸せになってくださいね。」「ありがとう。お前にはすごく感謝している。ありがとう。デンタ、お前も一緒に来ないか?」「え?いいんですか?」「あたりまえだ。お前と俺は仲間だからな。ほら、ここに乗れ。」僕はシロの耳の中のくぼみに入り込んだ。 こうして僕とシロは仲間となった。そして3人で彼女の家に戻っていった。 本当によかった。シロの思いが天にも通じたようだ。シロは本当に真っ白だった。まるで雪とシロが同化したようにも見えた。   


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