人生は不条理である | Tu as toute la vie devant toi!

人生は不条理である

願えばかなう、ネバーギブアップ、
運命は自分で切り開く等々の
モチベーションで私たちは競争社会で
はじき飛ばされないよう生きてきました。
試験、コンクール、入試、コンテスト、
ありとあらゆる努力を資格や
肩書の為に費やしてきました。
その目的はただ一つ、仕合せになる事、成功する事です。
勝ち組、負け組を作り、
成功の代償として支払う犠牲に目をそむけてきました。
けれど私達は知っています。
いくら努力しても野球のイチロー選手や
カラヤンのような指揮者に誰もがなれるわけではなく、
どこかで妥協するしかないことを。 

暢順師は大谷家の確執から逃れるように
東京に出て、さらにフランスに渡りました。
後半の人生は、お東紛争で傷つきながらも宗教家、
文筆業と財団経営者として
がむしゃらに働いてこられました。
その暢順師が「人生とは不条理である」と
再々仰られます。仕合せな人が、
どこまでも仕合せであったり、
不幸な人に連鎖して不幸が襲い掛かることもある。
生まれながらにして不条理の海の中に放り出され、
これでもかと試練の波をかぶりもがく。
その不条理の世の中に立ち向かうには
やはり信仰の光が必要なのだと考えられたのです