ジオターゲティング
2005年05月06日(金) 22時20分10秒

原因を放置して

テーマ:尼崎鉄道事故関連
それにしても、テレビや新聞などの報道は、何か、違うような気がしてきました。

「列車に同乗していた二人の運転士が有休休暇を取っている」という報道を受け、一斉に避難が巻き起こっているとらしいですが…。

それよりは、「オーバーラン」が毎日のように報じられている現状の方が、問題ではないかと思います。これってつまり、事故の根本原因である過密ダイヤには、何の改善も成されていないことを示しています。

過密ダイヤが原因だと判ったのであれば、それを変えるために圧力をかければいいわけで、それには、私たち一人一人の「少しぐらい不便になっても仕方がないよね」という理解も大切なのではないでしょうか?

にもかかわらず、未だに「許せる遅れは3分まで」なんて意見が半数以上を占めるアンケートが昨日のニュースで発表されていました。

「事故が起こるのは許せない。しかし、その解決が自分たちに及ぶのは許せない」というのは、あまりに無責任な私たちの言い分ではないかと思います。その言い分を通すために、私たちは躍起になってJR西日本の体質を責め立てているような気がしてなりません。




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2005年05月04日(水) 22時20分30秒

個人が組織に殺される

テーマ:尼崎鉄道事故関連
JR福知山線で脱線事故を起こした快速電車に、出勤途中のJR西日本の男性運転士2人が乗り合わせ、事故後、救助活動などを行わないまま職場に向かっていた事が判明したというニュースを聞いて、塩狩峠の話を思い出しました。

三浦綾子の小説「塩狩峠」は実話に基づいたフィクションですが、その実話は明治42年の出来事でもあるからか、余り知られていないようです。塩狩峠に差し掛かった列車の最後尾車両の連結器が突然分離し、列車から切り離された車両は坂道を下り始めます。偶然乗り合わせた長野政雄さんという国鉄職員が非常ブレーキを用いて停止させようとしますがそれも功を奏さず、自らの体を挺してこの客車を停止させるたのでした。

現在、塩狩駅構内には『長野政雄殉職の地』顕彰碑があります。その裏面には以下のように書いてあります。
==================================
明治42年2月28日夜、塩狩峠に於いて、
最後尾の客車、突如連結が分離、逆降暴走す。
乗客全員、転覆を恐れ、色を失い騒然となる。
乗客の一人、鉄道旭川運輸事務所庶務主任、
長野政雄氏、乗客を救わんとして、
車輪の下に犠牲の死を遂げ、全員の命を救う。
その懐中より、クリスチャンたる氏の常持せし遺書発見せらる。
「苦楽生死 均(ひと)しく感謝。余は感謝して全てを神に捧ぐ。」
『長野政雄殉職の地』顕彰碑の裏面の説明文より
==================================

組織の締め付けが厳しくなると、人間は、平常の行動ができなくなります。その最たるものが戦争です。この電車に同乗した二人の運転手もそうなのかも知れません。彼らにすれば、とにかく出社する事が一番大事だったのでしょう。そしてまた、他の社員も彼らを諫める事もできなかったのが現実なのだろうと思います。

一人の運転士は、途中で事故を報告した上で「定時通り出勤すること」と当直職員に言われ、そのまま出社したそうです。多分、彼らの関心事は、自分の仕事の事だったのでしょう。報告を受けた当直職員も何も言わなかったようです。組織ぐるみと言われても仕方がない状況です。

この事が発覚したあとのJR西日本の対応もビックリします。まずは知らぬ存ぜぬを押し通し、それがダメだと判った時点で「現場に居合わせたら、お客様を救助するのが当然で、誠に遺憾。処分も含めて検討する。報告しなかった大阪支社にも改めて指導する」と情報公開。一体、処分をする時にどこまで及ぶ事になるのでしょう?

今から96年前に起きた列車事故…。一人の国鉄職員の殉職によって、乗客が救われました。人間性を失った組織論と責任論が横行する現代のJR西日本の余りにも大きな落差に慄然とします。

果たして、JR西日本だけがその様な組織なのでしょうか?それを考えることさえ、恐ろしい世の中になってしまっていることを思います。

自分の命を懸けて他人を助ける人がいます。しかし、その一方で、それに甘えて生きる私たちの姿があることをしっかりと認識しなければいけないだろうと思います。




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2005年05月03日(火) 11時56分32秒

1分30秒の陰に…

テーマ:尼崎鉄道事故関連
1分30秒…。ご存知、福知山線の脱線事故で、街頭列車が抱えていた遅れです。

マスコミでは、「わずか1分30秒のために…」「人命軽視ダイヤ優先利益主義のJR西日本の体質が問題」というのが論調の主流を占めてきました。

しかし、考えてみれば、この列車が無事到着していれば、この1分30秒の遅れは、やはり多くの乗客にとってはかなり深刻な問題として、クレームの対象になっていたであろうと思います。私達にとっても、「たかが1分30秒の遅れ」だからこそ文句を言う事ができるという事もあるかも知れません。

「なんで、1分30秒程度の“わずかな”遅れをきちんと消化できないのか」という風に文句は言いたくなるでしょう。しかし、厳格に管理されている過密ダイヤの中には、たったそれだけの遅れすら吸収できる余裕がなかったという事なのです。

わずか1分30秒…。このような、取り様によっては些細なものが、事故の原因になる事は周知の事実です。もし、1分30秒遅れを責め立てる事が事故につながるのが判っているのであれば、客だってそのような遅れは自然と受け入れていたはずではないかと思います。

タバコの注意書きのように切符に「高速化を求める事は一定のリスクを負います。追求のし過ぎには注意しましょう」とでも書かれていたら、それを事前に知らされていれば、私達はそんな厳しい事は言わなかったとでも言わんばかりの論調は、正直言ってかなり情けないのではないかと思います。

最近の責任論には、正直言って閉口します。問題が起きればどんな問題であれ、大きな者が小さな者に順に責任を負わせるシステムが出来上がりつつあります。客や国は会社に、会社は責任者に、責任者は現場担当者にそれぞれ責任追及と言う逃げ口を用いたがります。そんなことを言えば、多数の私鉄が入り乱れている中で、わざわざ速さを追求して、JRを選んだ人は文句も言えなくなってしまいます。

人命軽視は何も、JRに限った事ではありません。私達の社会全体が効率性という理論の中では一定のリスクを背負う事が当たり前で、また、そのリスクを背負う事を仕事として生きているのが日本の現実の姿なのです。リスクを背負うのが仕事なのだから、その仕事が生むリスクで運悪く死んでもしょうがないよねという風に、最終的に、人命軽視の理屈に結びついて行くのです。

たかが1分30秒かも知れません。しかし、それが1000人分だとすると1500分…25時間分の遅れに等しい…こんなふうなことを言われ、それを追求されれば、秒単位の遅れというものでさえ、とても重大なものになってしまわざるを得なくなります。しかし、社会はよくこのような詭弁を用います。でも、それを私達は詭弁だとも思わずに使っている事がよくあるのではないかと思います。その結果、運悪く事故を起こした人に全ての責任をおっかぶせて私達は生き残って行くのでしょう。

事故を起こしながらも、高収益を上げていたJR西日本は、株式市場では、超優良企業として扱われていたと知らされます。しかし、今回の事故で、株価は急落したとも伝えられます。「事故を起こしながらも収益を上げた」という事は「それでもJR西日本を利用者は選んだ」ということですし、それによって株価が高かったのは「そういうJR西日本を市場は評価している」ということなのです。

事故が起こるまではチヤホヤし、起った途端知らん顔で成り立つ社会が今の日本の悲しい現実なのでしょう。会社と社会、漢字が順番が逆であることが示すように、会社は社会の裏返しです。今回の事故の鍵は、まさしく私達の生き方に関わる問題であると思います。




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2005年04月26日(火) 11時31分38秒

冤罪を生まないために

テーマ:尼崎鉄道事故関連
昨日の尼崎における列車脱線事故に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げます。



ところで、今朝の新聞、ニュース、ワイドショーなどを見ていると「もはや、原因は?」という事に話が飛び交っています。



しかし、この報道各社の性急な原因究明が今までに何度誤報を生んできたかを忘れてはいけません。今の報道の体質は、基本的に「わかったものをわかった順に出来るだけ早く報道する」と言うようなものだと思います。そこでは、「正確かつ迅速に」が合い言葉だろうと思います。



しかし、その先で「特ダネ」と言われるように他に先駆けて発表するのが大切だとされます。そうするとだんだん曖昧になってきます。つまり、未確認情報の扱いです。最近でこそ少なくなりましたが、「○○との未確認情報も入っています」と言う風になるとアウトです。



松本サリン事件で容疑者の濡れ衣を着せられた会社員は「家で農薬を作っていた」と証言したという「未確認情報」によって逮捕された経緯があります。



今、心配するのはその事です。今、報道各社は「運転手が過去に3度処分」されたとか「手前の駅でオーバーラン」とか「スピードがかなり出ていた」との証言がそれこそ順番に流されていく中で、運転士の名前が公表されていることを考えれば、この運転士のご家族はそれこそいたたまれないだろうと思います。



事故が起きてしまった以上、それを無いものにすることは出来ません。私たちが新聞やニュースを見て、原因究明を判断する必要があるでしょうか?その事によって引き起こされる害の方が現場にあっては遙かに多そうです。



原因の究明には、専門家が束になって関わっても数ヶ月から、長いときには数年かかるものなのです。それを、私たちが安直に結論を出してしまうことは避けたいと思います。



今もまだ、運転席に閉じこめられているであろう運転手の方を、見ず知らずの私たちがほんの少しの情報で裁かないようにして下さいますようにお願い致します。もう、その様な冤罪事件を生み出す危険性は何としても排除したいと思います。



今必要なのは、私たち一人一人が、亡くなった方を覚えること、そしてまた、怪我をした方々の回復を祈ること。そして、何よりも、鉄道で象徴される、秒刻みで動かなければならない、余裕のない日本の姿を私たちそれぞれが見つめ直すこと…。「狭い日本、そんなに急いで、どこへ行く」子供の頃に聞いた標語が、私の頭に甦りました。



何事にもせっかっちになりすぎた私たちへの警鐘だと、私から襟を正したいと思います。



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